TRAILS REPORT

HAMMOCKS for Hiker 2017 | After Report #1ハンモックギア2017

2017.07.07
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文:根津貴央 構成:TRAILS 写真:Keita YASUKAWA

今回の記事では、HAMMOCKS for Hiker 2017に集まったハンモックや、タープなどの周辺ギアをチェックしたい。ハイカーのためのハンモックイベント「HAMMOCKS for Hiker」。昨年に続き二回目の開催となった今年は、出展ブランドも参加者も増え、コンテンツもさらに充実し、より一層グルーヴ感あふれるイベントとなった。

ウルトラライトなタイプから、リラックスさ・快適さを追求したモノまで、幅広いラインナップのハンモックが各メーカーから出揃ってきた。いまや僕らのまわりでは、ハンモックの複数持ちは当たり前!という感じさえある。

さて、前置きはこのへんにしておいて、早速ギアツアーを開始しよう。

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イベント当日はギアツアーが行なわれ、メーカーやショップスタッフの詳しい説明を聞きながら、各ブランドのブースを巡った。今回はそのギアツアーを、誌面上で再構成し再現したものである。




最新のウルトラライトハンモック事情




ハンモック界において、Hummingbird Hammocks(ハミングバードハンモック)のシングルハンモック(147g)の登場は衝撃的だった。それ以降、ウルトラライト(UL)ハンモックというと、だいたい200gを下回ることがひとつの目安になってきている。

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Hummingbird Hammocks / Single Hammock(ハミングバードハンモック / シングルハンモック)。手のひらに収まるサイズで、147gという驚きの軽さのハンモックは革命的だった。

2015年にリリースされたeno(イーノ)の SUB7は、アメリカのロングティスタンスハイカーからの支持も得て、ハンモックはロングトリップにも使えるという認知も広がりつつある。そして今年は、あのSEA TO SUMMITからも超軽量ハンモックがリリース。またEXPEDからは、ツリーストラップのアップデートも含めたTRAVEL HAMMOCK LITEという本体重量が200gを下回るモデルが発売された。

これらのULハンモックは、ハンモックキャンプはもちろん、デイハイキングやトレイルランニングの際に、山のなかでちょっと特別な時間をつくるために、バックパックに入れておくにも気にならない軽さだ。

■SEA TO SUMMIT / Ultralight Hammock(シートゥーサミット / ウルトラライトハンモック)

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シートゥーサミット / ウルトラライトハンモック。釣り糸にも使われるモノフィラメントという素材を採用した超軽量ハンモック。シースルーの生地による、浮遊感の高い”ハンモックビュー”が味わえるのも特徴。【重量】155g / 【価格】9,720円(税込)。

SEA TO SUMMITが満を持してリリースした同ブランド初のハンモック。独特のスケ感は、釣り糸にも使われるモノフィラメントという生地を採用しているため。通気性が優れており、また横になったときに味わえる視界の広がりは他にはないポイント。通常は横になったときに生地によって遮られる視界も、シースルーの生地により浮遊感の高い”ハンモックビュー”が得られる

■EXPED / Travel Hammock LITE(エクスペド / トラベルハンモック ライト)

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オススメは、ツリーストラップと一体になった「Travel Hammock LITE Plus / トラベルハンモック ライト プラス」。地面に本体を着地せずに張れるストラップシステムが、シンプルながら秀逸。ハンモックの使い方を、ユーザー視点から深く理解していることが伝わる。【重量】290g / 【価格】14,580円(税込)

ユーザーエクスペリエンスの視点に秀でた開発力が特徴のエクスペド。ユーザーの道具の使い方に関する深い洞察をもとに、シンプルなギアの設計の落とし込む力には、いつも舌をまく。Travel Hammock LITEは、そのエクスペドの最軽量モデル。

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スリットラインというシステムも特徴的。ラインに等間隔にスリットが入っており、張る際はそこにトグルを入れてロックするだけ。複雑なロープワークなどの面倒な作業は一切いらないから、誰でも簡単に設営できる。

■eno / SUB7(イーノ / サブ7)

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イーノのサブ7。【重量】185g(本体145g、カラビナ20g×2個) / 【価格】10,800円(税込)。

老舗のハンモックメーカーの代表作。軽さと快適さのバランスがとれているだけあって、アメリカのロングトレイルを歩く人にも評判になりはじめている。SUB7という名称は、7オンスを下回るという意味(重量は185g=6.5オンス)。実際は、カラビナ2つ(20g/個)も付属しているので本体だけで考えれば145gしかない。ハイカーズデポきってのハンモック・ジャンキーのニノが、このモデルを偏愛しているのは、TRAILS読者ではすでにご存知の方もいると思う。



2017年日本初上陸のブランニュー・ハンモックブランド



■KAMMOK カモック
社会問題の解決を理念に、創業したハンモックメーカー。

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Roo(ルー)【重量】680g / 【価格】16,200円(税込)。快適な寝心地のキャンピング・ハンモック。カラーバリエーションが豊富で、かつハッピーなカラーリングが多い。本体の素材は、生地メーカーと共同で開発したダイヤモンドリップストップナイロンを使用している。


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カモックは、タープや蚊帳など、ハンモックの周辺アクセサリーが充実しているのも特徴。もともとマラリア対策として、蚊帳で覆ったハンモックで眠れば害虫対策になる、という社会的な創業理念をもって誕生したブランド。

KAMMOK(カモック)は、2010年にアメリカはテキサス州で設立。創業者のグレッグ・マッケビリーは、大学で国際問題について学んでいた際に、アフリカでのマラリア問題に直面する。そんななか、彼はキャンプに行ったときにハンモックのアイデアを思いつく。ハンモックに寝転がり、そのまわりを蚊帳で覆ってしまえばマラリアの原因になる害虫を排除できる。この発想から創業したカモック。

ハンモックの総合ブランドとして、蚊帳をはじめタープやアンダーキルトなど周辺ギアまで幅広いラインナップが揃っている。

■HAMMOCK Bliss ハンモックブリス
ユニークな発想でワンダフルなハンモックを作っているハンモックブリス。

スカイベッド。マットを挿入するスリーブ付きのハンモック
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HAMMOCK Bliss / Sky Bed(スカイベッド)。本体のグレーの部分にスリーピングマットを挿入できるユニークなモデル。ベストな就寝ポジションのまま快眠できる。【重量】660g / 【価格】12,960円(税込)

ハンモックにスリーピングマットを挿入するスリーブを付けてしまう、という斬新なアイディアのモデル。マットがズレないため、ベストな就寝ポジションのまま快眠できる。またスリーブを斜めに配することで、ハンモックの正しい寝方(寝るときの向き)をナビゲーションしてくれる。

スカイテント2。ハンモックの二段ベッド!?
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HAMMOCK Bliss / Sky Tent 2(スカイテント2)。なかの空間に2つのハンモックを吊るすこともできる、蚊帳付きタープ(※ハンモックは付属しません)【重量】1200g / 【価格】30,240円(税込)

蚊帳とタープを組み合わせることで、雨や虫を防ぐことができる。底部には荷物を置くことができる。また、同時に2つまでハンモックを使用することができ、家族やカップルで二段ベッドとして楽しめてしまう、遊びレベルの高いハンモック。また下の写真のように地面にペグダウンすれば、バスタブのあるネスト付きテントにも変身する。

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HAMMOCK Bliss / Sky Tent 2(スカイテント2)。ハンモック用の蚊帳付きタープだが、ペグダウンすればテントにも!


■AXESQUIN アクシーズクイン
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現在開発中の新作。ハンモックは一般的に暖かい時期に活躍するギアだが、寒い時期にも使いたいという思いから開発に着手。ハンモック自体にダウンを封入してしまう、というおそらく世界初となるまったく新しいアイテムである。これからどのような完成形になるのか、楽しみでしかたがない。

まだ販売時期は未定だが、TRAILS編集部のメンバーはこの試作品の実物を見て、かなりテンションがあがっていた。これからのアクシーズクインの新作発表をチェックしておこう。



HENNESSY HAMMOCKから新たな選択肢の登場




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Leaf Hammock(リーフハンモック)。ハンモックで寝るときのポジションをきちんと作ってくれる非対称の構造は、特許も取得している。ヘネシーハンモックの寝心地をそのままに、自分の好みのタープと組み合わせられる、より自由度の高いモデル。【重量】533g / 【価格】10,800円(税込)

ヘネシーハンモックといえば「シェルターとして使えるハンモック」として、ハンモック、タープ、蚊帳が一体になった構造が最大の特徴。その同ブランド初の蚊帳無しハンモック。ヘネシーハンモックらしからぬ……と思う人もいるかもしれないが、ご心配なく。特許取得済みの非対称な形とリッジラインを有しているため、寝心地と使い勝手は抜群だ。

【次ページ: ハンモックと組み合わせるタープ選び〜プラスαの周辺ギア


WRITER
根津 貴央

根津 貴央

1976年、栃木県宇都宮市生まれ。幼少期から宇宙に興味を抱き、大学では物理学を専攻。卒業後、紆余曲折を経て広告業界に入り、12年弱コピーライター職に従事する。2012年に独立し、かねてより憧れていたアメリカのロングトレイル「パシフィック・クレスト・トレイル(PCT/総延長4,265km)」のスルーハイクのために渡米。約5カ月間歩きつづける。2014年には「アパラチアン・トレイル(AT/総延長3,500km)」の有名なイベント「Trail Days」に参加し、約260kmのセクションを歩く。同年より、グレート・ヒマラヤ・トレイル(GHT)を踏査する日本初のプロジェクト『GHT Project(www.facebook.com/ghtproject)』を仲間と共に推進中。現在はアウトドア系のメディアを中心に執筆活動を行なう。著書に『ロングトレイルはじめました』(誠文堂新光社)がある。

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