TRAILS REPORT

パックラフト・アディクト | #09 DIY PackraftでパックラフトをMYOGしてみた(製作編)

2018.10.26
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文:根津貴央 写真・構成:TRAILS

難なく購入に成功し、あっという間に手元に届いた『DIY Packraft Kit』。

開封してみると、そのほとんどがただの布きれ。まあ、パックラフトはたしかに布きれの集まりではあるから、そりゃそうなんだが……。

いかんせん完成形がまったくイメージできない。これがたとえばバックパックだったり、あるいは組み立て式の家具だったりすれば、どこにどんなパーツを使うか想像できるからいいのだが、パックラフトは見当がつかない。

せめて図面でもあればいいが、それすらない。いったい、どうやって作るのだろうか?

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台風で川に行けなかったパックラフト・アディクトたちが、TRAILSオフィスに立ち寄り興味津々にDIYキットを眺める。



説明書はない。説明動画がある。



あれ? ペライチ(紙一枚)だけど、なんだ説明書あるじゃん! と思って手に取ったのは、まったくもって説明書ではなかった。

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“Dear DIY Packrafter”と呼びかけれて始まるレターにワクワク。

読んでみると、「パックラフト買ってくれてありがとねー」「パックラフト楽しんでねー」という文面にくわえて、「作り方はこの動画を見てね」「パスワードはこれね」という内容のものだった。

さっそく動画にアクセスして、TRAILS編集部メンバーでチェック! 16分ほどの動画を見てみることにした。

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DIYキットを買った人だけが見られる、DIYキットの作り方を説明してくれる動画。これで製作工程をシミュレーション。



裁断して、アイロンで圧着する。



ちなみに購入前、『DIY Packraft』のサイトを見てわかっていたのは、作る際にヒートシーリング(圧着)用のアイロンが別途必要ということ。

アイロンとはいっても、家庭用のものじゃない。工芸用というか、ちょっと小ぶりのいかにも圧着用ですよ!って感じのものだ。とりあえず、検索したらAmazonに売ってたので事前に購入しておいた。

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200℃程度になるアイロンが必要とあったので、amazonで購入。ほんとにこれでくっつくのか!?

すべてのパーツには裁断線が描かれているので、それをなぞる感じでハサミで切っていく。これはすごくカンタンで難なくクリア!

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裁断線に合わせてまずはチョキチョキ。

ぜんぶ切り終えたので、全体像をつかむべく並べてみる。

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なんだか岡本太郎の作品のような見た目。これらのパーツを圧着して組み上げていく。

イメージが持てたところで、圧着スタート! 接着剤を使わなくても、アイロンでくっつくなんて便利〜なんて思いながらやってみると……

驚くほどくっつかない。

え? なんで???

いろいろ試行錯誤して、僕らなりに導き出した結論はこれだ。

圧着しているうちに、アイロンの温度が下がってしまう!

ひとつ気づいたのは、参考動画内で使用しているアイロンに比べると相当ちっちゃいこと。それで、すこし大きめのものを探して、またもやAmazonでポチリ!そして、温度の低下を防ぐように、こての熱量をキープできるように、パワーコントローラーも追加投入!

届いたのがこれだ。

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コテ部分が大きいアイロンにチェンジ!別途、熱量調整用コントローラーも買い足して、高音が維持できるようにした。

試してみると、バッチリくっつくではないか。ここから作業がスピードアップ!パーツをどんどん圧着してパックラフトを作り上げていく。

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TRAILS編集部メンバーで分担して、各パーツを圧着していく。ひとつひとつのパーツの圧着にも、結構時間がかかる。



平面はカンタンだが、曲面はけっこう難しい。



おニューのアイロンで気持ちよく圧着していたのだが、ほどなくして壁にぶち当たった。

シームストリップの圧着が難しいのだ。シームストリップというのは黒色の細長い生地のことで、パネルとパネルをつなぎ合わせるためのもの。

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曲面のパーツをテープを使って接合していく。ここがなかなか難しい。

なぜこれが難しいのかというと、曲面なのだ。平面のノリでやってしまうと、歪みまくり、ヨレまくりで、空気を入れてもまったく膨らまないだろう。

じゃあどうやって圧着するのか。動画をみると、こんな便利なアイテムを活用していた。

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曲面を圧着するために、こんな道具が紹介されていた。こんな道具、TRAILSオフィスにはないぞ!

サイトには「カンタンに作れます!」って書いてあるけど、そんな感じはまったくしない。もう、こういうアイテムこそセット販売してくれたらいいのに……と思いつつ、オフィス内で代替品を探していると、なんとなく使えそうなものを発見!

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曲面の圧着用に使ったが、結局コレ。

ベアキャニスターである。さっそくトライ。

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わりとジャストサイズ!

なんだ、意外とイケるじゃないか。この身近にあった便利アイテムで、さらに製作を進めていく。

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チューブ上の中の圧着はこんな態勢で。見た目もだいぶパックラフトらしくなってきた。



バルブを装着して、膨らませて、完成!



いよいよ仕上げ。

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空気を注入するためのバルブ。逆止弁になっている。

膨らませるためのバルブを装着して、空気を吹き込んでみる(ちゃんと入るのかが心配)。

これが、けっこう大変。いや、ほんとはインフレーションバッグ(空気を入れるためのバッグ)もキットに含まれていたのだが、どうも作り方がわからずダイレクトに息を吹き込むという実力行使に出たわけだ。でも、どうやら空気漏れがひどくてまったく膨らまない。

空気漏れの箇所を発見してはテープを貼り、また発見しては貼り……それを繰り返すこと十数回。その結果がこれである。

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空気漏れしていた箇所に白いテープを貼り、再度圧着していく。こんなにたくさん。。

あとは、この箇所をコテで再度圧着すればよし。膨らんだ姿は、次回の『漕いだ編』で公開したいと思う。乞うご期待!

 

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トレイルズ

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

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