TRAILS REPORT

PLAY!出社前に遊ぼう # 03 | TRAILS × ドミンゴ(ULTRA LUNCH) ヴィーガン朝食

2018.11.28
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文:根津貴央 取材・構成・写真:TRAILS

What’s “PLAY!”. / 平日にトレイルで遊ぶオトナをもっと増やすための連載企画。オトナになると、仕事が忙くて遊ぶ時間がない、とついつい言ってしまいがち。でも工夫次第で時間はつくれるもの。いつか仕事が落ち着いたら遊ぼう、なんて思っていたら、いつまでたっても遊べない。遊ぶなら今。『PLAY!』のスローガンは、『Now or Never.』。今がチャンス!今しかない!今でしょ!だ。

この連載では、毎回、平日出社前(ときどき退社後)にTRAILS crewがその時遊びたい人に、その時遊びたいことをオーダーして、ただただ一緒に遊ぶ模様をお届けします。一番大事なルールは遅刻せずに出勤すること。

* * *

第2回目のゲストは、この人。



ヴィーガン(完全菜食)フードブランド『ULTRA LUNCH』のドミンゴさんこと、近田耕一郎さん。

ヴィーガンフードの製造やケータリングを行なっているドミさんなのだが、山をやる人からすると、ビバークレーションの人!と言ったほうがピンとくるかもしれない。

あるいは、トレイルランニングチーム『トレイル鳥羽ちゃん』の船長(オーガナイザー)として知っている人も多いだろう。

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ビバークレーションは、1パック約80gという軽さで、大きさも12x18cmとかさばらない。お肉や魚はもちろん乳製品、卵も含まないヴィーガン(完全菜食)フード。

実は僕が毎年、旅しているGHT(Great Himalaya Trail) projectでも、今年はビバークレーションをチームの食事として使うことを決めた。軽さ、コンパクトさに加え、水も200mlで済み、2分でできあがる、というライト&ファーストなところが、ロングトリップの食事としても魅力だったからだ。

そんな経緯もあり、GHTに行く前にドミさんと遊ぼうということになった(この記事が掲載される頃にはGHTを歩いていると思うが)。

ドミさんと朝メシでビバークレーションを食べるのもいいけど、どうせならば、いけてる手料理を作ってもらおうじゃないか、と。意外と知られてないのだが、ドミさんの手料理はむちゃくちゃおいしいのだ。

そんなことでドミさんに、「山でも作れるヴィーガン朝食が食べたいです!」とお願いしてみた。

ドミさんが用意してくれてきたのはこれだ!なんかうまそうんが具材がいろいろある!

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今回の朝食の具材のセット。もちろんヴィーガン仕様。(右下から時計回り)
 ①トルティーヤ
 ②アボガド
 ③粉ふきいも
 ④ココア仕立てのチリ(4種類の豆、高野豆腐などなどをトマトとスパイス、ココアで煮込んだチリソース)
 ⑤いろいろきのこのソテー(しめじ、なめこ、しいたけ、エリンギをオリーブオイルでソテー)
 ⑥豆腐と酵母の “チーズ” ソース(豆腐と酵母、スパイスで作ったULTRA LUNCH名物の謎ソース)

さて、これで何を作るのかな?ラップサンド的なものかな?これなんて料理ですか? ドミさんと聞くと、

『グッドモーニング・ブリトー!!!』と勢いよく、食い気味に答えてくれた。

このPLAY!のために、ULTRA LUNCH名物のアップヒル・ブリトーの特別バージョンを用意してくれたのだという。アップヒル・ブリトーの名前の由来も、ドミさんは嬉しそうに話してくれた。

ウルトラランナーのスコット・ジュレクが、ドミさんのところを訪れたときのこと。スコットがこのブリトーを食べたときに、「このブリトーならトレイルの登りでも食べたい!」と言ったことから、「アップヒル・ブリトー」と命名されたらしい。

今回はそのアップヒル・ブリトーをアレンジして、誰でも山で作れるようなバージョンを用意してくれた、というわけだ。


こちらはカトラリー。お皿がわりのフリスビーに、ブリトーを巻くアルミホイル。ナイフ&カッティングボード。それにマテ茶を入れるための道具一式を準備。

グッドモーニング・ブリトーの作り方。まずはドミさんにお手本を見せてもらおう。

アボカドのカットから。

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こなれた手つきでアボガドをカットしていくドミさん。

てっきり皮をむいてサイコロ状にカットするのかと思いきや、皮をむかずに切り込みを入れるドミさん。あとはスプーンですくえば、いい感じのざく切り感になるのだという。「おぉー!」と驚くTRAILS編集部クルー。ドミさん、顔に似合わずオシャレな技もってるじゃん!

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「グッドモーニング・ブリトー」の作り方を教えてくれるドミさん。

あとは、それぞれの具材を好きなだけのせればオッケー。

包み方にもコツがあるらしい。1日に何百本というブリトーを包んだことがあるというドミさんに、そのコツを教えてもらった。

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①まずは下の部分を少し折る。

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②次に、そのまま中央から半分にたたむ。

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③重ね合わせるだけ!

最後に、アルミホイルでラップすれば、ドミンゴ特製グッドモーニング・ブリトーのできあがりだ。

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得意げなドミさんの笑顔。TRAILS編集部は、早く自分で作りたくてもじもじ。

つづいて、TRAILS 編集部クルーも、マイ・グッドモーニング・ブリトーを作ってみる。おし、チャレンジ!

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なんだか手巻き寿司みたいでたのしい!と言いながら、ひとつずつ、具材を盛っていく。

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できあがりでこの笑顔。

ジャーン!!! 

つづいて、「グッドモーニング・ブリトーには、マテ茶が合うんだよ!」というので、マテ茶を淹れることに。

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アルコールストーブでお湯を沸かして、マテ茶を淹れる。

シンプルな料理にはシンプルな道具! ということで、アルコールストーブでのんびりお湯を沸かす。アルコールストーブのなにがいいって、燃焼音がいっさいないこと。

緑豊かな自然のなかで美味しい朝食をいただく。こんな幸せなひとときに、ゴォーーーっていう燃焼音は似つかわしくないってもの。

マテ茶もできたので、いざ、実食!



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もう言葉にならないくらいの美味しさ。

うーん!チリソースはコクがあるし、きのこの食感も合わさって、食べ応えもある。う、うまい!!ヴィーガン食は、ともすると質素で淡泊な味というイメージもあるが、がっつりした味があって、大満足!

朝から喜んでいる僕らを見て、ドミさんはこんなふうに言っていた。「えー!?これ肉入ってないの?って言われることも多いんですよ。そうやって楽しんでもらえるのもいいな、と思っていて。肉がなかったらがっつりしなのか、といったら、そんなことはないんですよね。」

普段、SNSで見るドミさんは、酔っ払ってたり、胴上げされてたり(通称「ドミあげ」)することが多いだけに、ただの面白いおじさん?という印象をもっている人もいるかもしれないが、ヴィーガン料理に対しては人一倍真剣に、そして真摯に向き合っている。

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ドミさんが、ヴィーガンフードに特化した、『ULTRA LUNCH』を立ち上げたのは2013年。その前年の2012年に、ドミさんは『八ヶ岳スーパートレイル100マイルレース』というトレランレースで、100マイル(160キロ)を完走している。その頃、長距離レースにおける補給について、いろいろ試行錯誤していたのが、ひとつのきっかけになったという。

「当時の補給はジェルが中心。エリート選手でも補給で失敗する時代だったんです。食に関心のあった僕は、その大会でジェルとサプリメントは一切とらず、トレイルミックスや昆布などで走りきる実験をしてみました。」

それで実際に100マイルを走りきることができたことに周りが驚き、いろんな選手から補給についての質問のメールが来るようになったらしい。

「じゃあ、勉強会じゃないけど、ランチパーティーでもしながら、あーでもないこーでもないと、補給の話をしてみようか、と。それで僕が昼めし作って、みんなで食事をして、お酒も飲んで、って集まりを企画したんです。これが全5回で毎回50人が満員になって、これは面白いな、と。もともとは、このランチパーティに、『ULTRA LUNCH』という名前つけていたんですよ。そのときは菜食中心だったけれども、ヴィーガンではなかったです。この後くらいから、面白さを感じてヴィーガンに特化して、やっていくようになりましたね。」

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いやあ、まさか朝からドミさんに、こんな真面目な話を聞くとは思わなかった。早起きは三文の徳、とはよく言ったものだ。

まあとにかく、ドミさんが作る『グッドモーニング・ブリトー』は最高だった。普段山に行くとなると、あまり考えもせずにドライフードやアルファ米、カップ麺とかをチョイスしてしまいがち。でも、山域と季節を選べば、今回のグッドモーニング・ブリトーに必要な材料くらい持っていけるはず。

ぜひ山でグッドモーニング・ブリトーを試してみてはいかがだろうか?

朝から美味しいものを食べて、今日はめちゃくちゃ仕事がはかどりそうだ。さあ、出勤、出勤!

【さて、次はだれとどこでなにをするのか? 次回のPLAY!もお楽しみに】

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トレイルズ

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

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TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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