TRAILS REPORT

HIMALAYA MOUNTAIN LIFE − GHT Project

2015.01.23
article_image



8,000m峰がそびえ立つ“世界の屋根”にして、鍛え抜かれたアルピニストだけがチャレンジできる特別な場所。ヒマラヤと言えば、こうイメージする人が少なくないのではないでしょうか。でも、実際のヒマラヤは、標高4,000mを超える場所に普通に村があり、小さな子供から老人まで普通に生活を営んでいる。山に馴染みのないバックパッカーでさえ、旅のついでに3,000mを超える村々を普通に訪れる。GHT Projectの旅を通して、ヒマラヤ(ネパール)を旅することがもっと身近になってほしい。そんな願いを込めて、HIMALAYA MOUNTAIN LIFEをお届けします。

■Great Himalaya Trail(GHT)
2011年10月1日に開通したネパールのトレッキングルート。ヒマラヤ山脈を貫くロングトレイルで、Upper route(山岳ルート)とLower route(丘陵ルート)の2本で構成されている。総延長は、前者が約1,700㎞(標高3,000〜6,000m超)、後者が約1,500km(標高1,000〜4,000m超)。隔絶されたエリアを通っているため、歩く人はまだまだ少ない。

■GHTの特徴と魅力
開通したとはいえ、他のトレッキングルートやトレイルのように整備がされているわけではない。主に既存の生活道をつないでGHTと称しただけであり、道標もなければ、整地もされていない所がほとんど。しかし、それが大きな魅力でもある。特に今回歩いたUpper routeの東端エリアは、トレイル上に点在する集落をつないで歩く。ヒマラヤに住まう人々と接し、食料を現地調達し、原始的な生活にどっぷりと浸かる旅は、他では味わえないここならではのスタイルだ。なかでも中国の国境付近は、トレッカーを始めとした外部の人がめったに足を踏み入れることのない辺境の地。ある意味、閉ざされた地域ゆえ、驚きと発見に満ちあふれている。「ヒマラヤ=高所登山」という既存のイメージを、いい意味で覆してくれるトレイルである。

■GHT Project – Journey map
GHTの全行程を数年かけて踏査する『GHT Project』。この日本初のプロジェクトを遂行するために、下記3名でTeam Monsoonを結成。第一弾として、カンチェンジュンガ・エリアとマカルー・エリアの一部を歩く、37日間、約400kmの旅にでた。

TRAILS_GHT_main_map

TRAILS_GHT_main_prf-3


WRITER
根津 貴央

根津 貴央

1976年、栃木県宇都宮市生まれ。幼少期から宇宙に興味を抱き、大学では物理学を専攻。卒業後、紆余曲折を経て広告業界に入り、12年弱コピーライター職に従事する。2012年に独立し、かねてより憧れていたアメリカのロングトレイル「パシフィック・クレスト・トレイル(PCT/総延長4,265km)」のスルーハイクのために渡米。約5カ月間歩きつづける。2014年には「アパラチアン・トレイル(AT/総延長3,500km)」の有名なイベント「Trail Days」に参加し、約260kmのセクションを歩く。同年より、グレート・ヒマラヤ・トレイル(GHT)を踏査する日本初のプロジェクト『GHT Project(www.facebook.com/ghtproject)』を仲間と共に推進中。現在はアウトドア系のメディアを中心に執筆活動を行なう。著書に『ロングトレイルはじめました』(誠文堂新光社)がある。

>その他の記事を見る