TRAILS REPORT

TODAY’S BEER RUN #06 | アンテナアメリカ 関内店 (関内)

2021.08.13
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文:根津貴央 写真・構成:TRAILS

What’s TODAY’S BEER RUN? | 走って、至極の一杯となるクラフトビールを飲む。ただそれだけのきわめてシンプルな企画。ナビゲーターは、TRAILSの仲間で根っからのクラフトビール好きの、ゆうき君。アメリカのトレイルタウンのマイクロブルワリーで、ハイカーやランナーが集まってビールを楽しむみたいに、自分たちの町を走って、ビールを流し込む。だって走った後のクラフトビールは間違いなく最高でしょ? さて今日の一杯は?

* * *

『TODAY’S BEER RUN』の第6回目!

案内役は、毎度おなじみ黒川裕規 (以下、ゆうき) 君。

彼は現在、パタゴニアのフード部門である『パタゴニア プロビジョンズ』で食品やビールを担当している。前職がヤッホーブルーイングということもあり、ビールの知識も豊富。そもそも根っからのビール好きで、10年以上前からクラフトビールを個人的に掘りつづけている。

ちなみに、TRAILS編集部crewの根津とは7年来のトレイルラン仲間で、100mileレースも走るタフなトレイルランナーでもある。

そんな彼と今回一緒に走って向かうのは、アメリカのクラフトビールに特化した『アンテナアメリカ 関内店』だ。

そもそも『TODAY’S BEER RUN』は、アメリカのカルチャーにインスパイアされて立ち上げた企画だ。だからこの連載がスタートした当初から、いつかはアンテナアメリカへ! と思っていた。

それだけに、僕もゆうき君も、のっけからテンション高め。そんな今回の『TODAY’S BEER RUN』をお楽しみください。


起点となる『TRAILS INNOVATION GARAGE』に集合した、ゆうき君 (右) とTRAILS編集部crewの根津。

* 『TODAY’S BEER RUN』のルール:①日本橋にある『TRAILS INNOVATION GARAGE』からお店まで走って行く ②『TODAY’S BEER RUN』のオリジナル缶バッジを作る ③ゆうき君おすすめのお店で彼イチオシのクラフトビールを飲む


GARAGE to アンテナアメリカ 関内店


スタート地点は、東京は日本橋にある『TRAILS INNOVATION GARAGE』。

この場のコンセプトである「MAKE YOUR OWN TRIP = 自分の旅をつくる」を体験するべく、まずは恒例の『TODAY’S BEER RUN』オリジナル缶バッジづくりから。

MYOGができる『TRAILS INNOVATION GARAGE』 (従来は土日オープンだったが、現在は新型コロナウイルス感染防止のためクローズ中) で、オリジナルの缶バッジを作るゆうき君。


オリジナルのバッジが完成!

梅雨明けした東京は、もはや毎日が真夏のよう。クラフトビール欲は半端なくあったものの、こんな炎天下に走っていくのか……と、ちょっと不安もあった。

でも、向かう先はアメリカだ! そう思えば、西海岸の青い空と、降り注ぐ太陽のもとでクラフトビールを飲むために走っていくなんて、最高じゃないか。僕たちはそう言い聞かせて走りだした。


日本橋にある『TRAILS INNOVATION GARAGE』からスタートして、関内 (神奈川県横浜市) にある『アンテナアメリカ 関内店』へ。


今回のルート


GARAGEを出発した僕たちは、こんなルートで『アンテナアメリカ 関内店』に向かうことにした。


日本橋から関内 (神奈川県横浜市) まで34km。銀座、品川 (旧東海道)、川崎を経て、ゴール直前、横浜みなとみらいで海からの潮風を感じながら走った。

なんと今回走る距離は34kmだ。前回が24kmで、もうこれ以上は無理だなと思っていた矢先に、まさかの記録更新。

今日は関内ということで、目的地の目と鼻の先には海 (東京湾) が広がっている。せっかくだから、アメリカの西海岸よろしく潮風をあびながら海沿いを走ることにした。


横浜みなとみらいの「象の鼻パーク」に寄り道。この開放感がたまらない。

ゴール直前に立ち寄った、横浜みなとみらいの象の鼻パークからは、大さん橋が見え、そこには大型旅客船も停泊していた。クラフトビールまで、あと少しだ。


クラフトビールのために34kmを走りきって、『アンテナアメリカ 関内店』へ。



JR関内駅から徒歩4分のところにあるビルの5Fと6Fに、アンテナアメリカ 関内店がある。

『アンテナアメリカ 関内店』は、JR関内駅から徒歩4分のところにある。このあたりは横浜の繁華街、歓楽街だ。いかにもディープな日本という感じがして、こんなところにアメリカ的な世界があるようには思えなかった。

雑居ビルに入り、エレベーターに乗って5Fのボタンを押す。5Fでエレベーターの扉が開き、出てすぐ右側にアンテナアメリカの「OPEN」と書かれた看板があった。

一刻も早くクラフトビールを飲みたい。そんな思いでお店の入口をくぐると……そこは、アメリカだった。


店内は、クラフトビールはもちろん、アメリカから直輸入の商品がたくさん。

このご時世しばらくアメリカなんて行けそうにないなと諦めていたが、そんなさなかに、日本を出国して、はるばるアメリカまでビアトリップに来た感じがした (34kmも走ったからかな……)。


クラフトビールだけじゃない。「アメリカの文化」を発信するための場所。



アンテナアメリカを運営する株式会社ナガノトレーディングの佐藤健 (さとう けん) さん。関内店の立ち上げ時には、店長として活躍。今回特別にビールをサーブしてもらった。※ 撮影時だけマスクを外しています。

「佐藤さん、無事にたどり着きました!」と、ゆうき君。「え? 何キロ? こんな暑いなか、よく走ってきましたね。無事で良かったです」と佐藤さん。

佐藤さんは、アンテナアメリカの立ち上げメンバーで、同店を運営するナガノトレーディング (※) のマネージャー。クラフトビール業界では名の知れた存在である。

店内は、さすがはアメリカに特化しているだけあって、アメリカのドラフトビールにくわえ、壁面にならぶ大型の冷蔵庫には、アメリカのクラフトビールがこれでもかというくらいビッシリ陳列されていた。佐藤さんは、アメリカへのこだわりをこう話してくれた。

佐藤さん:「創業者がアメリカ人ということもありますが、クラフトビールの発祥の地はアメリカで、クラフトビールの最先端でもあるからです。今もアメリカのクラフトビールマーケットは拡大していて、私たちがまだまだ扱えていないブルワリーもあります。アメリカはものすごいポテンシャルを持っているし、日本に紹介したいものが山ほどあるんです」

※ 株式会社ナガノトレーディング:2004年に創業した、アメリカのクラフトビールの輸入・卸売・小売を手がける企業。創業当時から「All American All the Time」を掲げ、アメリカの文化を発信してきた。インポーターとしての事業だけではなく、アメリカの「アンテナショップ」をコンセプトにした小売店舗「アンテナアメリカ」の運営 (3店舗) も手がけている。


冷蔵庫には、アメリカのクラフトビールがこれでもかというくらい並べられている。

一見、アメリカの豊富なクラフトビールを飲めるビアパブ、という感じだが、実はただのビール屋さんではない。そこがアンテナアメリカのユニークなところでもある。

佐藤さん:「ビールっていうのは、ビール単体で存在しているわけではないんです。日本でもそうですけど、お酒と料理は切っても切れない関係じゃないですか。お刺身があれば日本酒が飲みたくなる、とか。


アメリカンなハンバーガーもおすすめメニューのひとつ。これは期間限定のブルーチーズベーコンバーガー。

アメリカの場合、バッファローチキンウイングがあればIPAが飲みたくなるもんなんですよ。そういう料理もふくめて提供しないと、真のクラフトビールの世界を再現することはできません。

もちろん料理だけではありません。店内には大型スクリーンがありますが、たとえば毎年2月はアメリカのスーパーボウルの季節なので、朝から流しっぱなしです。メジャーリーグも日々映してます。スポーツを見ながらビールを飲むというのも、大事なカルチャーです。

そういう、アメリカの文化を伝えるための場所なんです」


ゆうき君のイチオシの「TODAY’S BEER」



アメリカの老舗のクラフトビールブルワリーのひとつ、デシューツ・ブルワリーをチョイス。

ゆうき君の今日のイチオシはこれ。

『Deschutes Brewery / Fresh Haze IPA』 (デシューツ・ブルワリー / フレッシュ・ヘイズ・アイピーエー)

ゆうき:「デシューツは、現在のアメリカのクラフトビールシーン、特に北西部のシーンを牽引してきた老舗ブルワリーのひとつなんだ。デシューツのあるオレゴンのベンドは、今でこそ多くのブルワリーがあって有名だけど、デシューツが先駆けだね。

もともとペールエールやポーターが有名なブルワリーだったんだ。でも、つねに新しいビールも作っていて、ヘイジーIPAをはじめ新しいスタイルも定番で展開していて。

このFresh Haze IPAは、ホップよりもベリーとかアプリコットのような柑橘系の香りがあって、味わいもクセがない。適度な甘さで、走ったあとに飲むにもちょうど良いIPAだね。

ナガノトレーディングは、アメリカの新しいブルワリーや新しいスタイルとかも紹介してくれるけど、一方でデシューツのようなパイオニア的なブルワリーのビールを入れてくれるのが、クラフトビールファンとしてはありがたいよね」


見た目は普通のヘイジーIPAだが、走ったあとに超絶マッチする味わい。

僕も飲んでみて、フルーティーさはもちろん、想像以上にスッキリしているというか、でもコクもあって、バランスがとても良くて飽きがこない感じがした。

もともとヘイジーIPAに対しては、美味しいけど、少し甘ったるいというか、1杯飲めば充分という印象だった。でも、これだったらおかわりしたい。ぜひみんなに、34km走ってこれを飲みにきてほしい。


6Fでは、アメリカ直輸入のゲームで遊んだり、大画面スクリーンでスポーツ観戦もできる。

ふと気づいたのだが、アンテナアメリカでクラフトビールを飲んでいると、いい意味でビール以外のいろんなものに目移りしてしまう。

壁に貼ってあるカリフォルニアの地図、アメリカのブルワリーの看板やTシャツ、キャップ、テーブルゲーム、巨大スクリーンに映し出されているスポーツなどなど。

クラフトビールも含めた、まさにアメリカの文化に触れられる場所なのだ。アメリカ好きな人はもちろんだが、たんにビール目当てで来て、そこからアメリカの他の部分に興味を持ったりする人も多いんじゃないだろうか。

日常にちょっと飽きて退屈に思っている人にオススメかもしれない。きっとくすぶっていた好奇心が刺激されるはずだ。

ちなみに今回、僕の好奇心にビビッときたのは、このアメリカのチーズ。Point Reyes (ポイントレイズ) というブランドのものだ。カリフォルニア州ポイントレイズにあるチーズ農場で、クラフト (手作業) でつくりだす高品質なチーズは、さまざまな賞も受賞しているとのこと。

アメリカのチーズといえば、ハンバーガーやサンドウィッチに入っているプロセスチーズしか食べたことがなかったので、これは発見だった。


最近入荷した、アメリカのクラフトチーズメーカー「ポイントレイズ」のチーズ3種。テイクアウト用のほか、現在チーズプレートも提供中。

最後に、佐藤さんはこう語ってくれた。

佐藤さん:「結局、自分たちが何をやりたいか? っていったら、アメリカ専門の総合商社なんです。

クラフトビールがきっかけでビールの輸入卸をやっていますけど、ビールだけではありません。テーブルだって、冷蔵庫だって、ゲームだって、食品だって、アメリカのすべての商品を扱えますよ、というビジョンを描いているんです。

アメリカが持つポテンシャルはすごくて、日本人が知らないアメリカはいっぱいあります。アメリカの文化を発信していくためにも、これからも、まだ知らないアメリカをどんどん伝えていきたいですね」

アメリカのクラフトビールを飲みたくなったら、アメリカが恋しくなったら、とりあえずアンテナアメリカに行こう! そう思った。でも、まずはやっぱり、走ってアメリカのクラフトビールを喉に流し込むのが最高だ。


『アンテナアメリカ 関内店』のテラス席は、最高のロケーション。アメリカのクラフトビールだけではなく、アメリカの食も堪能した。

今回も、走ったあとのクラフトビールは最高でした!

まるでアメリカにいるような気分で、アメリカのクラフトビールを楽しむことができた。

さて、次はどこのクラフトビールを飲みにいこうかな。

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WRITER
根津 貴央

根津 貴央

1976年、栃木県宇都宮市生まれ。幼少期から宇宙に興味を抱き、大学では物理学を専攻。卒業後、紆余曲折を経て広告業界に入り、12年弱コピーライター職に従事する。2012年に独立し、かねてより憧れていたアメリカのロングトレイル「パシフィック・クレスト・トレイル(PCT/総延長4,265km)」のスルーハイクのために渡米。約5カ月間歩きつづける。2014年には「アパラチアン・トレイル(AT/総延長3,500km)」の有名なイベント「Trail Days」に参加し、約260kmのセクションを歩く。同年より、グレート・ヒマラヤ・トレイル(GHT)を踏査する日本初のプロジェクト『GHT Project(www.facebook.com/ghtproject)』を仲間と共に推進中。2018年4月、TRAILSに正式加入。著書に『ロングトレイルはじめました。』(誠文堂新光社)、『TRAIL ANGEL』(TRAILS) がある。

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