TRAILS REPORT

TODAY’S BEER RUN #03 | ピガール トウキョウ (三軒茶屋)

2021.01.27
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文:根津貴央 写真・構成:TRAILS

What’s TODAY’S BEER RUN? | 走って、至極の一杯となるクラフトビールを飲む。ただそれだけのきわめてシンプルな企画。ナビゲーターは、TRAILSの仲間で根っからのクラフトビール好きの、ゆうき君。アメリカのトレイルタウンのマイクロブルワリーで、ハイカーやランナーが集まってビールを楽しむみたいに、自分たちの町を走って、ビールを流し込む。だって走った後のクラフトビールは間違いなく最高でしょ? さて今日の一杯は?

* * *

『TODAY’S BEER RUN』の第3回目!

今回の案内役も、もちろんこの人、黒川裕規 (以下、ゆうき) 君だ。

彼は現在、パタゴニアのフード部門である『パタゴニア プロビジョンズ』で食品やビールを担当している。前職がヤッホーブルーイングということもあり、ビールの知識も豊富。そもそも根っからのビール好きで、10年以上前からクラフトビールを個人的に掘りつづけている。

ちなみに、TRAILS編集部crewの根津とは6年来のトレイルラン仲間で、100mileレースも走るタフなトレイルランナーでもある。

そんな彼のお気に入りのお店のひとつが、今回紹介する『Pigalle Tokyo』(ピガール トウキョウ) だ。聞けば、ヨーロッパのビールが中心の「ヨーロッパの伝統と最先端が交錯する」お店とのこと。なんともそそられるフレーズじゃないか。

クラフトビールのために走る『TODAY’S BEER RUN』、今回もお楽しみください!

※ 『TODAY’S BEER RUN』のルール:①日本橋にある『TRAILS INNOVATION GARAGE』からお店まで走って行く ②『TODAY’S BEER RUN』のオリジナル缶バッジを作る ③ゆうき君おすすめのお店で彼イチオシのクラフトビールを飲む

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起点の『TRAILS INNOVATION GARAGE』に、ゆうき君 (右) と根津が集合。


GARAGE to ピガール トウキョウ


スタート地点は、東京は日本橋にある『TRAILS INNOVATION GARAGE』。

この場のコンセプトである「MAKE YOUR OWN TRIP = 自分の旅をつくる」を体験してもらうべく、まずは恒例の『TODAY’S BEER RUN』オリジナル缶バッジづくりから。

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MYOGができる『TRAILS INNOVATION GARAGE』 (従来は土日オープンだったが、現在は新型コロナウイルス感染防止のためクローズ中) で、オリジナルの缶バッジを作るゆうき君。

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オリジナルのバッジが完成!

最近寒くておうち時間が増えていた2人も、『Pigalle Tokyo』の名前を入れた『TODAY’S BEER RUN』オリジナルの缶バッジをキャップにつけると、スイッチオン! 俄然、クラフトビールを目指して走りたくなってきた。

ヨーロッパのクラフトビールを飲むべく、いざ『ピガール トウキョウ』へ。

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日本橋にある『TRAILS INNOVATION GARAGE』からスタートして、三軒茶屋にある『ピガール トウキョウ』へ。


今回のルート


GARAGEを出発した僕たちは、こんなルートで『ピガール トウキョウ』に向かうことにした。

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日本橋から銀座、六本木を経由して、三軒茶屋へ。ゴール直前、世田谷公園に立ち寄った。距離にして約14km。

距離にして約14km。思ったより遠いな……と一瞬だけ日和ったものの、でも今の季節的にもこのくらい走ったほうが、クラフトビールを欲するだろうし、美味しさも倍増するはず!

そう思いながら銀座、六本木を気持ちよく走り抜ける。そして渋谷を過ぎるとあっという間に寄り道スポットに設定していたゴール付近の世田谷公園に到着。高々とわき上がる噴水のまわりをゆるくジョグしつつ、お店へと向かった。

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交通量の多い道路から自然豊かな世田谷公園へ。噴水と緑を満喫しながらのジョグ。


喉カラカラで、ピガール トウキョウにゴール!


約14kmをのんびり2時間くらいかけて走って、三軒茶屋にあるピガール トウキョウに到着。

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『ピガール トウキョウ』は、三軒茶屋駅から徒歩3分の路地裏にある。

ぼんやりしてると、気づかず通り過ぎてしまいそうなところにお店がある。一見、雑貨屋さんのようでもあり、洋食屋さんのようでもある。

でも、この路地裏にひっそりと佇んでいる感じが、とても魅惑的に思えた。

入口は狭いが、そのドアを開けると、想像以上に奥まで空間が広がっている。華やかな装飾もあり、なんだか夢の世界の扉を開いたかのような心地がした。

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エントランスのドアを開けると、別世界。映画のワンシーンのよう。


ヨーロッパの伝統と最先端が交錯するビアバー & 酒屋


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オーナーの山田夫妻。ヒデさん (右) とチエさん。フレンドリーでとても話しやすいご夫婦だ。

「ヒデさん、チエさんどうもです!」と、ゆうき君。

そう、このヒデさんとチエさん (山田夫妻) が、ピガール トウキョウのオーナーだ。僕らを見るなり開口一番、「え? 本当に走ってきたの? 日本橋から? (笑)」とチエさん。かしこまった挨拶はなく、フレンドリーなやり取りからはじまり、なんだか僕も行きつけのお店に来たかような感じがした。

聞けば、ヒデさんはもともとドイツパンのパン職人だったそうで、パンを求めてヨーロッパによく行っていたのがヨーロピアンビールにハマったきっかけとのこと。

ヒデさん:「ずっとヨーロッパカルチャーが好きだったんです。音楽だったり映画だったり旅行だったり……たまたまその中にビールもあって。ヨーロッパのビアパブに行くようになってわかったのは、みんな別にビールの話をするわけでもないんだけどそこにはビールがある、という感じなんです。そういうパブをやりたかった。そういうカルチャーを作りたくて、このお店をはじめました」

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クラフトビールだけではなく、ヨーロッパのカルチャーがギュッと詰まった店内。

ヒデさんとチエさんは、毎年研修と称して、1カ月間くらいヨーロッパに足を運んでいる。ヨーロッパの伝統的なブリュワリーと最先端の新しいブリュワリー、両方のタイプのお店を巡る旅をしているのだ。

ビールのオリジンであるヨーロッパの歴史と伝統を深く学びつつ、最新のトレンドもキャッチアップする。そして自ら直接作り手さんとコミュニケーションをとって、そこで仕入れてきたビールやそれにまつわる情報を、お店に来たお客さんに届けている。

伝統と最先端。ヨーロッパのビールならではの奥の深さやバリエーションの豊かさ、その変遷を、楽しんでほしいと思っているのだ。

2010年にビアパブとしてオープンしたピガール トウキョウは、2014年に酒販免許を取って酒屋としての側面も持つようになった。ボトルショップ併設の飲食店は今でこそ珍しくはないが、当時はほぼなかった。他店に先駆けてそれに着手したのは、ヒデさんの「クラフトビールを一時的なブームで終わらせるのではなく、ふだんの日常生活にクラフトビールを根付かせたい」という強い思いがあったからだ。

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トイレのドアは、まるで、どこでもドア! ここを開けると異世界が広がっている。

そして、ピガールのこだわりはビールだけではない。実はトイレも有名なのだ。

飲食店で店内とトイレが別空間になりがちなため、トイレでおもしろいことをやりたかったそうだ。最初は、フォトグラファーによる写真展を開催した。そのとき音楽も必要だとなって、トイレ専用のスピーカーを設置。ヨーロッパのブルワリーをはじめ知人にトイレミックスなるプレイリストを作ってもらって流すようになった。

「トイレから世界につながる!」そんな場所として、お客さんもここを楽しんでいるし、これを目当てに来る人もいるそうだ。


ゆうき君のイチオシの「TODAY’S BEER」


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ここに来るといつもオーダーするという、ピガール定番のイングリッシュ・ビター。

ゆうき君の今日のイチオシはこれ。

『Morland Brewery / Old Speckled Hen』(モーランド・ブルワリー / オールド・スペックルド・ヘン)

ゆうき:「これはイングリッシュ・ビターって呼ばれる、イギリスのビアパブで飲まれているエールビールで、ペールエールの一種なんだ。ペールエールって、今の日本の場合アメリカン・ペールエールが主流だけど、もともとはイギリスのこのスタイルなんだよね。これをピガールさんはオープンした時から定番ビールとして樽で出しているっていうのが、超レア。日本だとここくらいと言っていいほど珍しいと思う」

モーランド・ブルワリーは、1711年に創業した超老舗の伝統あるブルワリー (2000年にグリーン・キング傘下になった)。このオールド・スペックルド・ヘンは、1979年に誕生して人気を博した。

ペールエールというと、華やかなホップの香りのイメージを持っていたが、それはあくまでアメリカン・ペールエールの話。

イングリッシュ・ビターは僕も初めてだったが、麦の甘みとホップの苦味が感じられる、とてもやさしい味わいだった。この寒い季節にすごくマッチしていて、寒くても飲みたくなるビールという感じがした。

ちなみに、前回の記事で紹介した麦酒倶楽部ポパイのリアルエールは、特殊な製造方法を用いたエールビールで常温かつ無炭酸が特徴だったが、今回のは定番のイングリッシュ・ペールエールだ。

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シンプルな味わいが特徴で、ずっと飲みつづけても飽きがこない。

ゆうき:「ビアパブとひと口に言っても、アメリカとイギリスでは楽しみ方は少し違うかもしれない。アメリカのクラフトビールに強いパブは、ビールをいろいろ変えて飲み比べてその味わいや製法の違いを楽しんだりするけど、イギリスの昔ながらのパブの場合は、同じビール、たとえばこのイングリッシュ・ビターとかを立ち話をしながら、何杯も飲みつづけてたりするんだよね」

チエさん:「うちの常連さんたちは、まさにそういう感じですね。今日は何していたの? とか、飲みながらそういう世間話をみんなしているんです」

ヒデさん:「ビールの話もしますけど、それ以外の話もたくさんしますね」

ちょうど、ピガールのオープン当初から通っている常連の女性がいたので、ピガールの好きなところを聞いてみた。

常連さん:「ビアギーク感がいい意味でないのがいい。居心地がいいんですよね。私なんて、ぜんぜんビール飲みじゃなかったのに、ここに来るようになって飲むようになりました (笑)。ビアパブが好きというよりは、ピガールファンです!」

チエさん:「ビールに限らず、カルチャーが好き!っていうお客さんが多い気がしています」

僕も、ピガールに来た第一印象は、圧倒的な居心地の良さだった。それは、ピガールというビアパブが、ビールを提供するだけのお店ではなく、ビールを通じてその背景や周辺にあるカルチャーを伝えるとともに、人とのコミュニケーションを大切にしているからなのだろう。

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『TODAY’S BEER RUN』に乾杯! とにかく居心地が良くて、1回来たら通いたくなるはず! HPもぜひチェックを。https://www.pigalle.tokyo/

今回、東京は緊急事態宣言のさなかということもあり、ゆうき君と僕、2人だけでの『TODAY’S BEER RUN』となった。

残念ながら来ることができなかった他のTRAILS編集部crewは、さぞかし悔しがっていることだろう。そこで、ヒデさんにアドバイスをいただき、お土産ビールを買っていくことに。ヒデさんオススメの3ボトル、きっとみんな喜んでくれるはずだ。

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お土産ビール & サイダーは、この3種。左から、スウェーデンの『O/O Brewing / Katten』(オーオーブルーイング / カッテン)、ベルギーの『DE RANKE / XX Bitter』(デ・ランケ / イクスイクスビター)、イギリスの『Oliver’s / Fine Perry Medium Rolling Blend』(オリバーズ / ファインペリー・ミディアムローリングブレンド)。

今回も、走ったあとのクラフトビールは最高でした!

ビール好きはもちろん、ビール好きじゃなくても通いたくなるお店。そんな印象のビアパブだった。

コロナ期ということもあり、なかなかお店まで行けない人も多いと思う。そんな人は、ピガールの『自転車デリバリー』や『オンラインショップ』のサービスを利用してみてはいかがだろうか? きっと、それを通じてピガールの良さを感じることができるはずだ。

さて、次はどこのクラフトビールを飲みにいこうかな。

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WRITER
根津 貴央

根津 貴央

1976年、栃木県宇都宮市生まれ。幼少期から宇宙に興味を抱き、大学では物理学を専攻。卒業後、紆余曲折を経て広告業界に入り、12年弱コピーライター職に従事する。2012年に独立し、かねてより憧れていたアメリカのロングトレイル「パシフィック・クレスト・トレイル(PCT/総延長4,265km)」のスルーハイクのために渡米。約5カ月間歩きつづける。2014年には「アパラチアン・トレイル(AT/総延長3,500km)」の有名なイベント「Trail Days」に参加し、約260kmのセクションを歩く。同年より、グレート・ヒマラヤ・トレイル(GHT)を踏査する日本初のプロジェクト『GHT Project(www.facebook.com/ghtproject)』を仲間と共に推進中。2018年4月、TRAILSに正式加入。著書に『ロングトレイルはじめました。』(誠文堂新光社)、『TRAIL ANGEL』(TRAILS) がある。

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