HAMMOCKS for Hiker 2017 | After Report #1ハンモックギア2017
文:根津貴央 構成:TRAILS 写真:Keita YASUKAWA
今回の記事では、HAMMOCKS for Hiker 2017に集まったハンモックや、タープなどの周辺ギアをチェックしたい。ハイカーのためのハンモックイベント「HAMMOCKS for Hiker」。昨年に続き二回目の開催となった今年は、出展ブランドも参加者も増え、コンテンツもさらに充実し、より一層グルーヴ感あふれるイベントとなった。
ウルトラライトなタイプから、リラックスさ・快適さを追求したモノまで、幅広いラインナップのハンモックが各メーカーから出揃ってきた。いまや僕らのまわりでは、ハンモックの複数持ちは当たり前!という感じさえある。
さて、前置きはこのへんにしておいて、早速ギアツアーを開始しよう。
最新のウルトラライトハンモック事情
ハンモック界において、Hummingbird Hammocks(ハミングバードハンモック)のシングルハンモック(147g)の登場は衝撃的だった。それ以降、ウルトラライト(UL)ハンモックというと、だいたい200gを下回ることがひとつの目安になってきている。
2015年にリリースされたeno(イーノ)の SUB7は、アメリカのロングティスタンスハイカーからの支持も得て、ハンモックはロングトリップにも使えるという認知も広がりつつある。そして今年は、あのSEA TO SUMMITからも超軽量ハンモックがリリース。またEXPEDからは、ツリーストラップのアップデートも含めたTRAVEL HAMMOCK LITEという本体重量が200gを下回るモデルが発売された。これらのULハンモックは、ハンモックキャンプはもちろん、デイハイキングやトレイルランニングの際に、山のなかでちょっと特別な時間をつくるために、バックパックに入れておくにも気にならない軽さだ。
■SEA TO SUMMIT / Ultralight Hammock(シートゥーサミット / ウルトラライトハンモック)
SEA TO SUMMITが満を持してリリースした同ブランド初のハンモック。独特のスケ感は、釣り糸にも使われるモノフィラメントという生地を採用しているため。通気性が優れており、また横になったときに味わえる視界の広がりは他にはないポイント。通常は横になったときに生地によって遮られる視界も、シースルーの生地により浮遊感の高い”ハンモックビュー”が得られる。■EXPED / Travel Hammock LITE(エクスペド / トラベルハンモック ライト)
ユーザーエクスペリエンスの視点に秀でた開発力が特徴のエクスペド。ユーザーの道具の使い方に関する深い洞察をもとに、シンプルなギアの設計の落とし込む力には、いつも舌をまく。Travel Hammock LITEは、そのエクスペドの最軽量モデル。
スリットラインというシステムも特徴的。ラインに等間隔にスリットが入っており、張る際はそこにトグルを入れてロックするだけ。複雑なロープワークなどの面倒な作業は一切いらないから、誰でも簡単に設営できる。
■eno / SUB7(イーノ / サブ7)
老舗のハンモックメーカーの代表作。軽さと快適さのバランスがとれているだけあって、アメリカのロングトレイルを歩く人にも評判になりはじめている。SUB7という名称は、7オンスを下回るという意味(重量は185g=6.5オンス)。実際は、カラビナ2つ(20g/個)も付属しているので本体だけで考えれば145gしかない。ハイカーズデポきってのハンモック・ジャンキーのニノが、このモデルを偏愛しているのは、TRAILS読者ではすでにご存知の方もいると思う。2017年日本初上陸のブランニュー・ハンモックブランド
■KAMMOK カモック
社会問題の解決を理念に、創業したハンモックメーカー。
KAMMOK(カモック)は、2010年にアメリカはテキサス州で設立。創業者のグレッグ・マッケビリーは、大学で国際問題について学んでいた際に、アフリカでのマラリア問題に直面する。そんななか、彼はキャンプに行ったときにハンモックのアイデアを思いつく。ハンモックに寝転がり、そのまわりを蚊帳で覆ってしまえばマラリアの原因になる害虫を排除できる。この発想から創業したカモック。
ハンモックの総合ブランドとして、蚊帳をはじめタープやアンダーキルトなど周辺ギアまで幅広いラインナップが揃っている。
■HAMMOCK Bliss ハンモックブリス
ユニークな発想でワンダフルなハンモックを作っているハンモックブリス。
スカイベッド。マットを挿入するスリーブ付きのハンモック
スカイテント2。ハンモックの二段ベッド!?
■AXESQUIN アクシーズクイン
現在開発中の新作。ハンモックは一般的に暖かい時期に活躍するギアだが、寒い時期にも使いたいという思いから開発に着手。ハンモック自体にダウンを封入してしまう、というおそらく世界初となるまったく新しいアイテムである。これからどのような完成形になるのか、楽しみでしかたがない。
まだ販売時期は未定だが、TRAILS編集部のメンバーはこの試作品の実物を見て、かなりテンションがあがっていた。これからのアクシーズクインの新作発表をチェックしておこう。
HENNESSY HAMMOCKから新たな選択肢の登場
ヘネシーハンモックといえば「シェルターとして使えるハンモック」として、ハンモック、タープ、蚊帳が一体になった構造が最大の特徴。その同ブランド初の蚊帳無しハンモック。ヘネシーハンモックらしからぬ……と思う人もいるかもしれないが、ご心配なく。特許取得済みの非対称な形とリッジラインを有しているため、寝心地と使い勝手は抜群だ。
【次ページ: ハンモックと組み合わせるタープ選び〜プラスαの周辺ギア】
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