TRAILS REPORT

そこに山があったからだ。〜Because It’s There 〜♯02;豊嶋秀樹

2015.07.24
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■「夏目君」との再会

ーー当時はどんなスタイルで山に登られていたんですか?

最初は荷物も超重くて、それでいろんな山に最長3泊4日くらいで行っていたんです。ある時友達と「南アルプスを全部歩こうぜ」って話になって、しかも10月末から11月にかけての小屋の開いてない時期に、無補給で聖岳の方から入って北岳に抜ける計画だったんで、荷物が35キロくらいになったんですね。もうよろけながら歩く感じで、「これ無理かもしれん」って初めて思った(笑)。でも結局、停滞も合わせて9日間かけて歩きました。その時はやりきった感とかチャレンジした感があってすごく感慨深かったし、今でも良い思い出なんだけど、同時に「これ以上はないな」って思ったんですね。これ以上重いのは無理だしこれ以上長いのも荷物がさらに重くなるから無理、そしてもう一度同じことやるかっていわれたら嫌だなって(笑)。

ーーたしかに経験としてはすごく良かったけれど同じことをもう一回やるかっていわれたら嫌だっていうことはありますよね(笑)。

「もういいわ」って(笑)。

ーーそこでとりあえず最初の出発点から豊嶋さんなりに行けるとこまで行ったわけですよね。

そうそう。冬山とかも含めて自分なりの装備のあり方もできてきて、でもこれ以上長い距離や時間を歩くのはこの方法論では無理だっていうのに出くわして、なにか違う方法論が必要だなって思っていたんです。その頃も言葉ではULっていうのを知ってはいたし、軽量化もぼんやりとは考えていたんですけれど。そんなときに僕が出たトークイベントに、山と道の夏目(彰)君がお客さんとして遊びに来てくれて、彼とはデザインの世界で一緒に仕事していた関係だったけど、お互いに山登りしていることは知らなかったんです。で、僕がトークのなかで山登りの話をしたら、トーク後に夏目君が「実は僕も最近山道具を作っているんです」って話かけてくれて。

ーー夏目さんが山と道を始めた後ですか?

始まってすぐくらいだったんだと思う。「もしかしたらそれってウルトラライトってやつ?」って聞いたら「そうですそうです」っていうから「じゃあいろいろ教えてよ」ってことになって、一緒に山行くことになったんです。そのときは奥秩父の甲武信岳の方に行ったんですけど、僕はむちゃむちゃ荷物多いのに夏目君のはすごくちっちゃくて、見た瞬間「えっ!?」って(笑)。夏目君は僕の荷物見て「冷蔵庫背負っているんですか?」って笑ってました(笑)。2泊3日の縦走だったんですけれど、その程度の荷物でも行けてしまうっていうのをリアルに教えてもらったり、見せてもらって、「山に来て重い荷物で辛いより、軽い方が長く楽に歩けるでしょ」て夏目君が話してくれて。僕にとってULで衝撃的だったのは、「軽い方が楽」とか、「軽い方が楽しい」とか、あたり前のことを合理的に追求しているとこで、じゃあ道具を入れ替えてみようってことになったんです。

青森県 八甲田山にて

ーーじゃあ最初からULの方法論の後ろにある考え方とか思想の部分にピンときてたわけですね。

うん。ULとそれまで自分がしてきたアートだったり、海外での生活だったりってことと何か共通点があるのかなって考えたら、さっきの八ヶ岳の話みたいに僕は違うパースペクティブやものの見方を与えられることにすごく刺激を受けるタイプなんですよ。海外で異文化に接するとそれまでと違う目線が与えられるし、アートも同じものを見てるのに違う考え方を教えてくれたりするものじゃないですか。ULっていう考え方にもそういう新しいパースペクティブを与えられた気がしたのね。で、ULの考え方とか方法論って仕事や生活のなかのいろんなものに当て嵌められるんじゃないかなって思ったんですよ。たとえば「家賃がかからなければ稼ぐお金も少なくていいじゃん」とか、「稼ぐお金が少なくていいなら仕事そんなにしなくてもいいよね」とか、「仕事そんなにしなくていいならいっぱい時間あるから、いっぱい山行けるよね」とか、「荷物を軽量化すると長く楽に歩ける」っていうのと同じで、あたり前のことをあたり前に順番に考えていくとそうなる、みたいな。そういうロジックを刺激してくれる存在でしたね。

ーーああ、なるほど。おそらくその傾向は豊嶋さんが元から持っていたもので、ULだけがそのヒントだったわけではないんでしょうけどね。

でもそのスイッチを入れたのがULだった。ULだけに限らず山登りって、自分が背負えるものしか持って歩けないじゃないですか。それってむちゃくちゃシンプルな事実っていうか、超お金持ちだからってメルセデス・ベンツ担いで持って行くわけにはいかないわけで。

ーーお金あるからって山行くのが楽しくなるのかって言われたら違いますもんね。金あるからってボッカ雇って荷物持ってもらって行く方が楽しいかっていわれたら、できれば荷物は自分で持ちたいわけで。

ねえ。自分が持って歩けるものしか持って行けない。だから持って行くものをひとつひとつ「これいるの? いらないの?」って考えているうちに、これってそのまま自分の生活とか仕事とか、なんにでも当て嵌めることができるなあと思って。「なんとなくこれも持っていた方がいいのかな?」とか、「なんとなくこの仕事やっておいた方がいいのかな」っていうのが減りましたよね。それまでもナチュラルにそういう方向性で考えてたこともあったかもしれないけれど、ULが「アリ」「ナシ」の判断基準のヒントにすごくなった。「いらないならナシでいいじゃん」って。

■雨が降ってきたら山を下りればいい

ーーULの装備で山に行ってみることって、それを考えてみるよいトレーニングになりますよね。荷物を減らした方が楽で楽しいことを身を以て体験するわけで、「山でもそうなんだから、普段の生活でもそうなのかもしれない」と思えるようになる。

僕、いま福岡に住んでいるんですけれど、それまでは「東京にいないといけない」となんとなく思い込んでいたんですね。でも、よくよく考えるとここ数年は仕事も地方や海外が殆どで、その仕事の期間はずっとそこにいるんで家にいることも少なくて、東京に住んでいる必要がほとんどないことに気づいたんですね。で、別に東京にいなくてもいいとなったら、「どこでもいいじゃん」と。僕は山梨や北海道に住みたいなってその頃思っていたんですけれど、ある人に「どうせあまり家にいないんだから奥さんの住みたいとこ住んだ方がいいよ」っていわれて、「確かにな」って。それで嫁さんに聞いてみたら福岡県の出身なんで福岡に住んでみたいと。「じゃあそうしよう」ってスッと思えたのって、自分がどこに住みたいっていうのは「ナシでもいい」ってしたからだと思う。

ーーどうしてもそこに住みたい場所があるならともかく、「そこまでじゃないな」って考えたら…

どこでもいいかって。なら住みたい場所がある人を優先してもいいなって。実際に福岡に行ってみたら大阪や東京に比べて格段に物価も地価も安かったんですよ。いま住んでいるのは、団地をリノベーションした部屋なんですけど、最初は不動産屋さん行っても僕の仕事がこういうフリーランスだから、見せてもらえる物件も当然賃貸物件ばかりだったんですね。でも一冊変なファイルが混ざってて、「○○団地280万円」とか「○○マンション360万円」とか書いてあるんですよ。「これなんですか?」って聞いたら、それは「売買の物件ですね」っていうから、「ちょっと待ってください、この値段で売っているんですか?」って聞いたら、「そうですよ」って。「キャッシュだったら買えるんですか?」って聞いたら、「もちろん」って言って、そんな物件をいっぱい見せてくれたんですよ。それでいろんなとこからお金かき集めて買ったんです。ボロボロだったけどいままでアートで培った造作技術で、仲間にも手伝ってもらってリノベーションした。一度家を買ってしまえば家賃を払わなくてよくなる。すると仕事を猛烈に減らすことができるようになったんです。東京にいたときは12万くらいの家賃と2万5千円の駐車場代を払っていて、それって年間で150万くらいでしょ。利益で150万円取ろうとしたら最低でも200万から250万円くらいの売上高の仕事をしなくちゃならないわけで、それって結構な量でしょ。それがなくなるっていうのはものすごく楽なことですよね。売り上げでいうと月に20万円分くらいの仕事をしなくてよくなるわけです。

ーーさすがgrafで経営されてた方の発想ですね(笑)。

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そうそう(笑)。フリーランスの人にとって、月々20万円分くらいの仕事をしなくても良いということは、かなりの量の仕事をしなくて良くなるってことですよね。僕は変則的に動いてるから毎月コンスタントに仕事してるわけじゃないけど、2~3ヶ月に一回60万とか100万の仕事をしなくてもいいってなると、収入も減るけど厖大な時間も手に入れることになるよね(笑)。

ーー確かにそうなりますね(笑)。

その選択肢もアリなんだなっていうことはULから刺激を受けて考え始めたことですね。だから5年前に比べると実労働日数はどんどん少なくなってきてて(笑)。でも良い面もあって、まあ良い面ばっかりなんだけど(笑)、仕事の本数を減らすっていっても別にサボりたくて減らしているわけじゃないから、一本の仕事にかける時間は逆に増えているんですよ。すると必然的に仕事のクオリティはあがっていくし、自分もそれについてずっと取り組んでいるから納得いく仕上がりになるし、それを受け取ってくれる人も喜んでくれる。でも、そんなのあたり前のことなんですよね。パツパツでいっぱい仕事してたら、やっぱり雑になってしまうこととかやっつけ仕事になってしまうことがどうしても出てきてしまうし、それをこなせるチームを作るとなると組織も重いものになってしまう。

ーー良い仕事をするのが目的だったのが、そのチームを維持することが目的化してしまったりしますよね。

「そうじゃなくていい」って思えたら、ツェルト一個で歩いていく感覚とすごく近いよね。自分ひとりだったら雨が降ってきたら山を下りようとすぐ思えるし。そうは最初は思わなかったもんね。雨降ったときどうやったらそこを歩き続けられるかっていう装備の組み立てをするもんだって思い込んでいて、人生も頑張るもんだってどっかで思っていたかもしれない。以前は「俺はデザインとかアートの世界で頑張らなければならない!」って思っていたんだけど、結局自分は何かに没頭するのが好きだから、それがアートだったかもしれないけれど、それがハイクになったりスキーになったり、クライミングになったりする時期があっても別にいいじゃないかって思えるようになった。またアートがやりたくなるかもしれないし、そんなことも決めなくてもいいのかなって。

ハワイ カウアイ島 カララウ・トレイルにて

■ベストより「馴染み感」

ーーそれをハイキングを通じて学んだわけですね。

昔ある人に僕の仕事の仕方を「シェフのカレーじゃなくて主婦のカレーですね」っていわれたんですね。厳選した素材を使って決まったレシピで作られたシェフのカレーじゃなくて、主婦が冷蔵庫の中のものを使ってあり合わせで作ったんだけどおいしいカレーみたいだと(笑)。主婦のカレーの感覚とULハイクの感覚って僕のなかですごく近いんですよ。スルーハイクなんかになるとちょっと違うのかもしれないけれど。

ーーたしかにULハイクの肝ってなるべく少ない道具で、持っているものの範囲でなんとかするってことですもんね。でもULハイカーよりスルーハイカーの方がより「主婦のカレー」かもしれないですね。ULだったら期間も短いし行く場所も特定されているから装備もそこにあわせて厳選していけるけど、スルーハイクの場合は何ヶ月も歩くんで場所も季節も変わるし装備も壊れちゃったりするんで、そうなると目の前にあって手に入るものでなんとかしていくしかならなくなって、トリプルクラウンみたいな超ロングディスタンスのスルーハイクは後半になるとみんな結構適当な格好で歩いてるらしいんです。それでもすごく長く歩いているんで、一見乞食みたいに見えても装備はすごく洗練されて効率化しているんでしょうけど(笑)。

なるほどね。だから僕の感覚でいったらスルーしなくても良いのかもしれないね。いまの気分でいくとスルーハイク達成の2歩手前で歩くのやめたとしてもまあそれはそれでいんじゃなかろうかって(笑)。そういうこともアリなんだっていうのが自分のなかでのハイキングなんですよ。そういうハイキング的なライフスタイルが、僕には目から鱗で、だから福岡への引っ越しを機に持ち物もめちゃくちゃ減りましたね。 ULにも断捨離的な側面があるじゃない? 「これ3年間使ったことないからたぶんこの先も使わないよね」っていうものが結構あって、嫁さんがそれと同時にヤフー・オークションにすごくハマって、いまはもうそれが仕事みたいなって、プロ・ヤフオクニストになってるんだけど(笑)、家のものをどんどん売っていって、それでいまは家の中がすごくスッキリしましたね。ものって不思議でさ、持ってる時は「これは捨てられん」って思っていても、なくなってしまうとそれを持っていたことさえ憶えてないんだよね。

ーーたしかにそうですね。

だから僕はULも道具が楽しくてやってるわけじゃないんですよね。もちろん山と道の道具もすごくいいと思って使っているけれど、いろいろ比べてそれがいいと思ってるんじゃなくて、たまたま夏目君っていう友達がいて、その彼が作っているものを使っているっていう気分がすごくある。スペックを比べてこれが良さげだからこれを使おうっていうよりも、まず夏目君との関係性があって「これ使ってみてよ」っていってくれて、「じゃあ使う」っていう人間関係含めてものがあるっていうのが僕にとっては重要なんですよ。最近、ベストのベストを求めない方が楽しいってことがわかってきたんですね。それよりも馴染み感を作っていく方が楽しいと思って。

最近お気に入りというアルトラのレペティションMも「ハイカーズミーティングで安くなってたから買っただけ」とか(笑)

ーー馴染み感?

変な例えになるけど、福岡に行ってからうどんにハマったんですよ。博多うどんっていうすごく柔らかいうどんがあって、いろいろと食べ歩いたりしていたんだけど、でも最終的には家の近所の「笹うどん」っていうところのがいちばんうまいよねってことになって。でもそれって別にベストのうどんじゃないんですよ。店の雰囲気とかおじさんの佇まいとか、家からの距離とか、全部含めて「なんかいいな」っていう。

ーーそのうどんが誰にとってものベストじゃないとはわかっているけれど…

その店の感じに自分も寄添っているからこそ自分にとってのベストはそこだっていえるというか。道具ももしかしたら夏目君のやつよりいいのがあるのかもしれないけれど(笑)、機能性だけを比較するというよりかはその道具と自分との関係性とか、使い慣れているかとか、そこに愛着を感じられるかどうかとか、そういうことも含めて自分にとってのベストの道具があるんじゃないかなって。

ーー「縁」というか。

縁だよね。たとえば嫁さん探しも、「ベストの女房探すぜ!」とかいって世界中歩いたりはできないわけで(笑)。「この人といようか」っていうのがあって、それから愛情を育みながら自分たちにとってのベストを作って行くわけで。スタート地点でベストでそのままゴールっていうのはないですよね。

ーーまさにそうですよね。恋愛ドラマとかはベストな人と巡り会ってゴールみたいなのが多いけど、現実は違いますからね(笑)。

スタートがベストでもそれからどんどん駄目になっていくとかね(笑)。だから道具もそうで、自分のベストの道具は人のベストと違う気がするし。そういう意味で頓着はないですよね。

取材日にハイカーズデポで行った手作りエナジーバーのワークショップの様子。「最近すっかりエナジーバーの人と思われてる(笑)」

■クラゲの生き方

ーー道具に限らず縁があるところで仕事とか生活もまわしていけたら理想ですよね。

それはすごくありますね。だから取材の前に沖縄の話しましたけど(編注;沖縄にある宗像堂というパン屋さんの改装を豊嶋さんが行った話で、資材はほぼ改装前にお店で使われていたものを使ったため材料費はほぼゼロで、さらにギャラは「パンの作り方を教えてもらうこと」だったとか。豊嶋さん曰く「数十万のギャラを頂いても1~2ヶ月で使ってしまう。それよりもパンの作り方を教えてもらったら一生ものでしょ」。ことの顛末を綴った宗像堂の宗像誉支夫さんと豊嶋さんとの対談がCalend Okinawaというサイトで読めるので興味のある方は是非!)、沖縄も大好きで行っていたといよりも、宗像さんがいるから沖縄によく行くようになって、そこから沖縄の人間関係も広がってさらによく行くようになってという感じなんですよ。鎌倉も夏目君たちがいるからやたら行くようになって。あちこちいろんな場所に行っているけれど、意外と自分の意思でどこにも行ってない。だから本当は意外と出不精なんですよ(笑)。

ーー出不精というか出っぱなしに見えますけれど(取材時も豊嶋さんはその後すぐに福岡に戻り、さらにハワイに向かったとか)。

宗像さんとの話のなかで「自分はクラゲくらいのことしかしてないな」っていうのがあって、「潮の流れにのってたまにヒュヒュっとすることぐらいのことしか自分の人生に対してしていないかもしれないな」って。

ーーでもそれって逆に達人ぽい感じもありますね。合気道の極意みたいな(笑)。

そうですね(笑)。あと食生活にしてもいまはベジタリアンなんですけれど、そういう食生活で体もすっきりして、健康診断の数値もめちゃくちゃ良くなって、いろんな病気があるからわからないけどいわゆる生活習慣病にはかかりにくくなったとすれば、医療費少なくなるでしょ。それで医療費稼がなくてよいとなればさらに仕事しなくて済むやんって、またそこに繋がってくるんですけど(笑)。健康でいたら働く時間を減らせるっていうロジック。

ーー働くと不健康になってお金がかかりさらに働く時間を増やさないといけなくなるスパイラルに陥ると(笑)。

働き過ぎずにいると健康管理ができて、健康管理できるとあまり働かずに済むていう連鎖に気づいたというかね。

ーー働きすぎると不健康になるというのもあるし、本当は必要じゃないものを買うためにハードに働いているというのもありますよね。まあ、それこそが消費活動というか、経済がそれによってまわっているという側面もあるとは思いますけど。みんなが豊嶋さんみたいなライフスタイルになったらなったで国の経済もまわらなくなるというか…

経済成長なさ過ぎるよね(笑)。

ーーとはいえ近い将来人類が破滅するとしたら環境問題以外の理由はないだろうし、その環境破壊の原因はすべて過剰な消費活動に行き着くわけで、短絡的な視点でいえば豊嶋さんのライフスタイルは国を滅ぼすかもしれないけれど、もっと巨視的な視点に立てば人類を救うかもしれないわけで、本当はみんなそうすべきなんですよね。

それから、「これもナシでいいや」と思うようになったのが、仕事と遊びの区別というか、オンとオフの切り替え。山に行くときは下界の仕事のことは全部忘れたいって人もいるけれど、僕の場合は山の中にいても普通に仕事しています。最近は携帯の電波状況も良くなっているから、山の中にいてもメールのやり取りは普通にできるよね。雪山のテントの中で一人で仕事してるっていうのもなんか楽しいでしょ。そうすると、仕事の相手にとってもストレスがないだろうし、僕も下山後に仕事が溜まっていたりしない。だったら長い間山の中にいても問題ないし、世捨て人にもならないしね。どこかに行くって言うと「仕事ですか? プライベートですか?」って聞かれるけれど、どちらでもあるし、どちらでもないよね。オンとオフのスイッチをナシにするのは、時間の使い方としては合理的な気がしています。僕の場合はそういうのが全部繋がっている感じがあって、その大きなスイッチの役割をULとかハイキングが入れてくれたなって思います。

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三田正明

三田正明

1974年東京都国立市出身。2001年に『Title』(文藝春秋)の連載「To The Boy /少年犯罪被害者の旅」でカメラマン/ライターとしての活動を始める。2001年にザンビアで皆既日食を見て以来南アフリカ・ジンバブエ・タイ・インド・オーストラリア・アルゼンチン・ブラジル・メキシコ・トルコ・ネパール・アメリカ・カナダ・モンゴルなどを放浪。これまでに皆既日食を五度、部分日食を二度、皆既月食を一度見ている。次第に旅の途上で出会った大自然の世界に傾倒し、気がつけばヒマラヤや北米大陸や日本各地のトレイルを歩くように。雑誌『スペクテイター』や『マーマーマガジン』を始めとする多くの雑誌にアウトドアにまつわるドキュメンタリーやトラベローグや連載記事を執筆、TRAILSではメインライターとエディターを務める。
masaakimita.web.fc2.com

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