TRAILS REPORT

HAMMOCKS for Hiker | ハンモックギア2023 #03 ハンモックの周辺ギア(前編)

2023.10.18
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取材・文・構成:TRAILS

『HAMMOCKS for Hiker 2023』のアフターレポートとして、全4回でお届けする特集記事『ハンモックギア2023』。第3回の今回は「ハンモックの周辺ギア(前編)」。

ハンモック・キャンプに使えるタープやアンダーキルト、スリーピングマットなどを紹介する。

ハンモックに、どんな周辺ギアを組み合わせるか。その組み合わせ次第で、遊び方や楽しめるシーズンも変わってくるもの。ハンモック本体だけではなく、この記事を通じてぜひ周辺ギアの魅力も味わってください。


『HAMMOCKS for Hiker 2023』では、ハンモックはもちろん、ハンモック関連の周辺ギアもたくさん集まった。

PAAGO WORKS / NINJA TARP (パーゴワークス / ニンジャタープ)


【重量】470g 【価格 (税込)】22,000円

張りやすさと設営バリエーションの豊富さに定評がある、NINJA TARP。ハンモック用でも、単体利用でも変幻自在に設営できる。280 × 280cmのサイズは、対角線 (396cm) を中心にして設営すると、ハンモックとの相性抜群のタープとなる。

特筆すべきは、21カ所に設けられたジョイントポイント。これを活用すると画像のように密閉性や耐候性を高めたスタイルが実現できる。

また、そもそもこのNINJA TARPは、「張りやすさ」にフォーカスして開発されたプロダクト。そのため、ハンモックを張れないシーンに遭遇しても、タープだけでの野営もできる。その際にも「4隅をペグダウンしてから最後にポールを立てる」だけで簡単に設営可能だ。

SEA TO SUMMIT / Hammmock Tarp (シートゥサミット / ハンモックタープ)


【重量】330g / 【価格 (税込) 】23,650円

ハンモックに合わせることができるタープはさまざまあれど、その多くはタープ単体で使用することを想定して作られたものである。しかしこのHammmock Tarpは、その名の通り、ハンモックに合わせて使用するために作られた独特な形状のタープである。

特徴は、アシンメトリーなデザイン。画像を見ればわかるとおり、一方は頂点が1つで、もう一方は頂点が2つある。頂点が1つの側は、調理や焚き火をするのにピッタリで、立ち上げた際に視界が広く、周辺の自然環境をより楽しむことができる。

頂点が2つの側は、地面にペグダウンすることで、風雨の吹き込みをしっかり防いでくれる。SEA TO SUMMITらしい創意工夫が詰まったユニークかつ使い勝手に優れたタープである。

凌 / ヤナギニカゼ


【重量】307g / 【価格 (税込) 】27,500円

ハンモックで過ごすことを前提に開発した、凌ブランド初のタープ。雨風を凌ぐことはもちろん、ハンモックに座っている時の快適性と使い勝手まで考えた仕様になっている。

大きな特徴のひとつは、画像のようにハンモックに座った際に、後側より前側が長い設計になっていること。要は前側の庇 (ひさし) を広くとることで、茶の間空間 (テントでいう前室) が広くなり、道具も広げやすく、より開放感も味わうことができるのだ。

また、縁には複数のループがついているので、画像のように一部変形させて使用することも可能。天候に応じてさまざまな張り方ができるのも嬉しい。

LELEKA HAMMOCK / Hammok Tarp Hexagon (レレカハンモック / ハンモックタープヘキサゴン)


【重量】375g / 【価格 (税込) 】29,700円

ウクライナのハンモックブランドであるLELEKA HAMMOCKは、「軽量性」「コンパクト性」「利便性」をコンセプトに掲げおり、それはハンモックの関連ギアにも通底している。

たとえばこのタープは、その名のとおり六角形 (ヘキサゴン) の形をした、デザインだけで見ればオーソドックスなタープである。ただブランドコンセプトどおり、重量375gと軽量ながらサイズは350 × 300cmと広く快適で、そして収納時は手のひらサイズというコンパクトさを兼ね備えているのだ。

また、縁には合計10本の自在付きガイラインが設けられているため、設営やテンションの調整も簡単。さらに画像のように、ヘキサゴン型の定番の張り方ではない設営もでき、自由度が高いのも特徴である。

BUSHMEN Travel Gear / THERMO-Blanket (ブッシュメントラベルギア / サーモブランケット)


【重量】750g / 【価格 (税込) 】8,690円

さまざまな用途を持つ、ユニークな多機能ブランケット。ハンモックとの併用においては、画像のようなスリーシーズン用のアンダーブランケットとして。単体ではポンチョとしても使用できる。ポンチョとして使用する際は、付属の大型ポケットがフードにもなる。

表面は、耐水性・通気性を備えたリップストップナイロンを縫い込んだポリエステル生地で、裏面はフリース生地。さらに両生地の間には、断熱シートが入っている。

またグラウンドシートやビビィとしても使用することができるため、野営を伴うハンモックハイキングにおいては、行動時から野営時、ハンモックが張れない環境下まで、幅広く活躍してくれるアイテムになるはずだ。

WESTERN MOUNTAINEERING / SLINGLITE (ウエスタンマウンテニアリング / スリングライト)


【重量】425g / 【価格 (税込) 】52,030円

高品質ダウンを用いた、保温性と軽量性に優れたスリーピングバッグやダウンジャケットが有名で、ハイカーからの絶大な信頼を得ているWESTERN MOUNTAINEERING。

850+フィルパワーのホワイトグースダウン225gを用いたハンモック専用アンダーキルトであり、−7℃まで対応 (同程度の保温力のインサレーションとの併用が前提)。

6カ所にフックが付いているため、それをハンモックに装着すればハンモック本体との隙間が減り、保温力がより向上。ダウンのクオリティだけではなく使い勝手も追求したアンダーキルトである。

KAMMOK / Swiftlet (カモック / スウィフトレット)


【重量】7,490g / 【価格 (税込) 】42,900円

ハイキングのときだけではなく、屋内や庭、また木に直接ハンモックを設営するのがNGのキャンプ場など、さまざまな場所でハンモックを楽しむことができるハンモックスタンド。

数あるハンモックスタンドの中でも、画像のように軽々と持ち上げられるくらい軽量で携行性に優れているのが特徴のひとつ。

中央のバーが、ショートとロング2本が標準装備されており、ショートだとチェアとして、ロングだと快適に寝そべることができる。また長さや高さの調節においては、道具やネジは一切不要。使用するのは付属のプッシュピンだけなので、子どもから大人まだ誰でも簡単に取り扱うことができる。

THERM-A-REST / NeoAir XLite NXT (R) (サーマレスト / ネオエアーエックスライトNXT レギュラーサイズ)


【重量】354g / 【価格 (税込) 】39,600円

長年ハイカーからも愛用されてきたNeoAir XLiteを、さらに進化させたアップデートモデル。

変更ポイントとして一番大きな部分は、内部に搭載されている熱反射板 (サーマキャプチャー) を、従来の1枚からより薄手のものを3枚重ねる構造にしたこと。従来の熱反射板は寝返りを打つとガサガサと擦れる音が生じていたが、これが解消された。加えてマットの厚さが1.2cm増して7.6cmになり、より地面の凹凸を感じにくく、快適性が向上。結果、断熱性も向上しR値が4.2から4.5にアップした。

マットスリーブがあるハンモックでの宿泊においては、断熱性および寝心地の面で最適なモデルのひとつと言える。

KLYMIT / Inertia Ozone (クライミット / イナーシャ オゾン)


【重量】354g / 【価格 (税込) 】18,700円

アメリカ・ユタ州の豊かな自然からインスピレーションを受け、さまざまなギアを企画から生産まで一貫して行なっているKLYMIT。ロフトポケットと呼ばれる肉抜き加工をしたスリーピングマットが有名で、寝袋の中に入れて使用すると羽毛を潰さず保温性を最大限に発揮することができる。

そんな同ブランドのマットの中で、ハンモックとの相性が良いのがこのInertia Ozone。最大の特徴は、枕がついていること。ハンモックでの就寝時に枕を使用したい場合、枕単体だと寝ているうちにズレてしまう。しかし、このマット一体型タイプであれば、ズレることがない。

しかも枕部分は、本体とは独立した気室で空気の入れ具合を調整できるため、ハンモックに合わせて最適な硬さに設定することが可能。ハンモックでの安眠をサポートしてくれる優れたマットである。


至るところにハンモックが張られた独特の雰囲気の『HAMMOCKS for Hiker 2023』。

『ハンモックギア2023 #03』では、ハンモックの周辺ギア9プロダクトを紹介した。

次回の『ハンモックギア2023 #04』では、さらに9個のハンモック周辺ギアをピックアップ。ストーブや焚き火台から、ナイフ、浄水器まで、ハンモック・ハイキングで使えるギアをお届けするのでお楽しみに。

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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