TRAILS REPORT

HAMMOCKS for Hiker | ハンモックギア2023 #01 注目のハンモック9ブランド (前編)

2023.10.11
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取材・文・構成:TRAILS

『HAMMOCKS for Hiker』は、2016年から開催している「ハンモックを使った、ハイキングの旅」を提案するイベント。今回は、6回目の開催となった。

ハイキングで使える軽量でコンパクトなハンモックを中心に、タープやキルト、ストーブなどハンモック関連ギアも勢揃い。これだけの数のハイキング向けハンモックを、実際に触って、座って、寝て、試せるイベントは『HAMMOCKS for Hiker』だけ、といっても過言ではない。

前売りチケットは、キャンプ泊 (ハンモック泊) 券は即日ソールドアウトし、当日も大勢のハンモックハイカーたちが集まった。

今年は、本イベント初登場ブランドをはじめ過去最多の出展数。さらに新製品の展示やワークショップなどもあり、まさにハンモックの祭典らしい盛り上がりを見せていた。

そんな『HAMMOCKS for Hiker 2023』を振り返るべく、今回から4回にわたって『ハンモックギア2023』と題して特集記事をお届けしたい。

今年注目のハンモックや、個性あふれるさまざまな周辺ギア、ユーザーの声など、面白くて役に立つ情報満載のコンテンツを紹介していくので、たっぷりとお楽しみください。

まず第1回目の今回は、注目のハンモック9ブランドの前編。5ブランドのハンモックを紹介する。


6回目の開催となった『HAMMOCKS for Hiker』。今年も大勢のハンモックハイカーでにぎわった。

EXPED エクスペド

■ Travel Hammock Mesh Kit (トラベルハンモック メッシュ キット)


【重量】210g (本体150g、ツリーストラップ60g) / 【価格 (税込) 】23,100円 ※使用しているタープ (別売) は、Hammock Trekking Tarp (重量390g)。

「Expedition Equipment」を意味するEXPEDは、1997年の創業以来、ハイカーから登山家まで、さまざまなユーザーに高品質のギアを提供してきたスイスのブランド。

このTravel Hammock Mesh Kitは、2022年3月にリリースされた、重量が150gの超軽量ハンモックTravel Hammock Meshとツリーストラップがセットになったモデル。昨年のイベント (2022年5月開催) ではサンプルがまだ本国から届いておらず、情報のみの提供だった。そのため、今年は満を持してのお披露目となった。

メッシュゆえ夏場に涼しいのは言わずもがな。加えて、寒い時期での使用実験においては、チューブキルトと組み合わせた際に抜群の保温力が体感できたという結果もある。

使用している20Dリップストップナイロンメッシュは、少し伸びのある素材ゆえ、寝た際に優しく包み込まれるような感覚も味わうことができる。

ENO イーノ(イーグルズ・ネスト・アウトフィッターズ)

■ JungleNest™ Hammock (ジャングルネスト ハンモック)


【重量】567g (収納袋含む) / 【価格 (税込)】22,000円

現在のアメリカにおいて、ハンモックのシーンをリードするブランド『ENO』の、バグネット一体型ハンモック。

バグネットはファスナーが一周しているため、ハンモックの両サイドいずれからでもアクセスが可能。またバグネットを使用しない場合は、ハンモックの末端に付属しているスタッフサックに収納できる仕様のため、存分に開放感を味わうことができる。

さらに特筆すべきは、バグネット上部に室内の空間を広く保つ軽量ポールを搭載していること。ハンモックに座っている時も寝ている時も、バグネットがたわんで顔にかかるようなことがなく、ストレスフリー。ENOが大事にしている開放感や快適さを体現したハンモックである。

BUSHMEN Travel Gear ブッシュメントラベルギア

■ Ultralight Hammock (ウルトラライト ハンモック)


【重量】150g (収納袋含む) / 【価格 (税込)】14,080円 ※使用しているタープ (別売) は、ULTRALIGHT – Tarp 2×3 (重量340g)。

2010年に設立されたポーランドのハンモックブランドでイベント初登場。Travel Gearという名前のとおり、旅の道具としてのハンモックを作り続けている。

重量がたった150gのUltralight Hammockは、一般的に160gを下回るハンモックは20Dの生地を使用するブランドが多いなか、15Dを採用。生地は極薄ではあるものの幅は145cmと広く、想像以上に寝心地が良いのが特徴のひとつ。超軽量モデルながら窮屈さがなく、対角線上に寝る (ハンモックで寝る際の最適なポジション) ことができるため、ハンモック泊にも適している。

Travel Gearを追求してきた同ブランドの真骨頂とも言えるハンモックである。

SEA TO SUMMIT シートゥサミット

■ Jungle Hammock Set (ジャングル ハンモック セット)


【重量】775g (ツリーストラップ、収納袋含む) / 【価格 (税込)】23,870円 ※使用しているタープ (別売) は、Jungle Hammock Tarp (現在は廃番)。

大海原から高峰まで、さまざまな標高で繰り広げられる冒険の数々に影響を受け、それを支えるギアを創り続けてきたSEA TO SUMMIT。このJungle Hammock Setは、オーストラリアの陸軍用に作ったものを、一般向けに商品化したもの。

軍用だけあって、ヌカカなどの微小な吸血性昆虫の侵入も許さない細かいメッシュのバグネットや、ツリーストラップから雨水が侵入するのを防ぐ雨返し (ドリップガード)、強度と耐久性に優れた70Dリップストップナイロンの採用など、随所に工夫が凝らされている。

あらゆるシチュエーションでハンモックを楽しみたい人におすすめのハンモックである。

LELEKA HAMMOCK レレカハンモック

■ Elfy Hammock + Straps with G-hook [Mサイズ] (エルフィ ハンモック + ストラップ ウィズ ジーフック [Mサイズ])


【重量】約270g (本体135〜155g、収納袋12g) / 【価格 (税込)】18,150円

イベント初登場となった2018年創業のLELEKA HAMMOCKは、「軽量性」「コンパクト性」「利便性」をコンセプトに掲げる、ウクライナのハンモックブランド。

同ブランドのElfy Hammockは、世界最軽量級の135gのハンモック (ダークオリーブ、ダークグリーンモデルが最軽量。カラーにより多少重量差あり)。軽さの理由としては、メッシュの生地、幅120cmというサイズ、そしてツリーストラップと連結するハンモックの末端のラインをかなり短くしていることが挙げられる。

本体生地は、独自のモノフィラメント糸をメッシュ織りにしたもので、しっとりとした肌触りで滑りにくいのが特徴だ。

ツリーストラップとのセット販売で、1つのスタッフサックにハンモックとストラップをまとめて収納できるのも便利である。


会場には至るところにたくさんのハンモックが張られ、熱気に包まれていた。

次回は、『HAMMOCKS for Hiker | ハンモックギア2023 #02 注目のハンモック9ブランド (後編)』。

本イベント初登場ブランドも含め、今回とは異なる4ブランドのハンモックを紹介するので、お楽しみに。

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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