TRAILS REPORT

HAMMOCKS for Hiker 2016 – After Report #1 / ハンモックハイキング

2016.06.17
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そもそも、「ハンモック」と聞いて読者の方々はどんなイメージを抱くだろうか?普段ハンモックを使っていない人にとっては、イメージすら浮かばないかも知れない。がんばって想像力を膨らませてほしい。

どうだろう?カフェにあるような?リゾートで見かけるような?くらいは出てきただろうか。ちょっとくつろぐためのものだよね!となんとなく想像できれば御の字である。そんな「ハンモック」に特化したイベントが、去る5/28(土)、5/29(日)の2日間にわたって開催された。対象はカフェでもリゾートでもなく、“ハイカー”である。

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ハイカーのためのハンモックイベント。それは、いかなるものなのか?今回を皮切りに3回にわたって「アフター・レポート」をお届けしたい。

第1回目はハンモックハイキング体験の模様を。第2回目[6/22(水)掲載]は、ハンモックって何が良いの?やその歴史を紐解き可能性を探るハンモック・トークを。第3回目[6/29(水)掲載]は、ハンモック&ウッドストーブ&タープブランドのプロダクトを詳しく紹介する。

ハイカーたる者、ハイキングギアとしてのハンモックを知っていて当たり前!といったら言い過ぎだが、知っていて損はないし、楽しみの幅が広がることは間違いない。めくるめくハンモックの世界をとくとご覧あれ!

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[MOVIE]イベント当日の様子


ちなみにこのイベント、単なる物販イベントではない。そもそも売ることを目的にはしていない。一番の目的は、ハンモックを知ってもらい、興味を持ってもらうことである。

会場には所狭しと5つのメーカーのハンモックがかけられ(その数、なんと数十張!)、来場者は自由に試すことができる。さらに、ハンモックによる宿泊体験(ハンモックは各メーカーで用意!)もできる。TRAILS的にはハンモックのマストアイテムであるウッドストーブやタープを試すことができる。キーワードは体験型。これこそが、このイベント最大の特長でもあるのだ。

順番に寝心地などを試す。会場内の全てのハンモックがお試し自由。

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■レンタルしたり、持参たり、各々のスタイルでハンモック泊にトライ。

IMG_4382IMG_4373IMG_4376■ウッドストーブは、1度トライするとはまってしまう。

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■いざハンモックハイキングへ!
今回のイベントの目玉のひとつが「ハンモックハイキング体験」である。これは、会場近くの山をショートハイキングしながらハンモックを体感する、実践的なコンテンツ。

先生役は、ハイカーズデポのスタッフでありハンモックジャンキーとしても知られる二宮勇太郎さん。そしてサポート役は、アクシーズクインのブランドマネージャーである柳谷真司さん。

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マニアックなコンテンツゆえ、申し込みがないんじゃないか?という不安をよそに、あっという間に枠は埋まってしまった。ハンモックに興味がある人は、意外と存在しているのだ。

スタート前に、二宮さんがハイキングの概要を説明。さらにハンモックの設営に適した木についてレクチャー。

二宮「自分で見つけられるようになることが大切なので、良さそうな木があったら『あったー!』って声を出してくださいね。僕がチェックしますから!」

という二宮さんの指示を受けてハイキングがスタート。参加者は、まじまじと木を見ながら歩いていく。なんだか不思議な光景だが、みんな楽しそう。ただの人工林なのに、あたかもそこには埋蔵金でも隠されているような感じだ。

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最初は、「この木はどうですか?」と二宮さんに訊いて「ちょっと間隔が広すぎますねぇ」あるいは「狭すぎますねぇ」と指摘されることが多かった参加者たち。でも徐々にコツを掴んできて、途中からは「ここはいいですね、バッチリです!」と言われるように。みんな宝探しが上達したようである。

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■沢辺でハンモックを体感

30分ほど歩くと、目の前にキレイな沢が現れた。

二宮「さあ、ここでハンモックを張って休憩しましょう!」。

ハンモックというと、設営が面倒くさそうなイメージがあったが、ものの1〜2分で完成。さすが先生である。さらにサポート役の柳谷さんも隣にハンモックを張って、2張をみんなで体感した。

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ちなみに、設営したのは沢のほとりの斜面。二宮さんはこう語る。

二宮「ふつう、こんなところにテントは張れないですよね。平地があったとしても、沢辺だと結露が気になるから避けがちですしね。でもハンモックなら大丈夫なんです。特に夏なんかは風が通り抜けてすごく気持ちいいんですよ」

参加者一同「ウンウン!」と納得の表情で頷く。そして、交代でかわるがわるハンモックを味わう。最初はハンモックの有用性に対して半信半疑の人もいたが、いざ座ったり寝てみたりすると自然と笑顔になっているのが印象的だった。

柳谷「ハンモックがあると、こんな近場でも充分楽しめるんです。まるで別荘のようですよね。あまりに気持ちよすぎて、山頂に行かなくなっちゃうんです」と柳谷さんは笑った。

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■ハンモックの張り方&仲間との楽しみ方
沢辺でのハンモックタイムを満喫した一行は、そこから引き返して二宮さんのおすすめポイントへ。ここでは、ハンモックの張り方をいちから教えてくれるとのこと。

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二宮「ハンモックの設営に必要な3つの数字を教えます。これさえ覚えれば、明日からみんなハンモックマスターです!」

【その1】木と木の間隔は4〜5m。

【その2】ツリーストラップの高さは160cm前後。

【その3】木とラインの角度は30度。

説明後、3つの数字を確認しながら二宮さんが試し張りをしてくれた。すると、座った時の座面の高さが絶妙で、調理をしたり食事をしたりするにもちょうどいい。「座る」から「寝る」へ、「寝る」から「座る」へ、の移行もとてもスムーズ。座って良し、寝て良し。これこそが二宮さんおすすめの高さなのである。

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さらに、3つのハンモックをトライアングル状に設営。

こうすると、仲間3人で向かい合って宴を楽しむことができるのである。なんと素晴らしいフォーメーション!この狭いスペースでは、テントを3張設営することは不可能。ハンモックだからこそできることであり、二宮さんは「ゴールデントライアングル」と呼んでいるそうだ。

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これには参加者も目から鱗だったようで、「自分も座っていいですか?」「次は私も!」と、試す人が後を絶たない。おいしい食事や目を疑うほどの絶景があるならまだしも、樹林帯でしかもハンモックひとつでこれだけ楽しめるハイキングなんて、そうそうあるものではないだろう。

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■参加者の声

Aさん(男性)「テントの時とは目線が違うことが新鮮でした。あとは浮遊感が気に入りました」

Bさん(男性)「距離の取り方や張り方など、ためになることがいっぱいありました。私はハンモックを持っているんですが3回しか使ったことなくて。張り方を間違えていたことにも気づきました」

Cさん(女性)「イスにもなって、ブランコにもなって、寝られて。しかも空も見れて、雲も揺れて、自分も揺れて。波に揺られている感じが気持ちよかったです」

Dさん(夫婦)「ハンモックは気持ちいいんだろうなあとは思っていて。でもハイキングでどう使うか分からなかったんです。お店ではなかなか試せないし、フィールドの想像もつかなくて。でもこのイベントに参加して、買うことを決めました!」

Eさん(女性)「山の楽しみ方の選択肢が増えた感じです。泊まりのスタイルが変わって、よりラグジュアリーになる。仲間と楽しめるのもいいですよね」

* * *

二宮「楽しいハンモックライフを!」

ハイキング終了後、二宮さんが参加者たちに投げかけた言葉である。そう、ハンモックはただの道具ではない。休憩時も使えるし、宿泊時にも使えるし、ただ単に座っているだけでも楽しい。それはまさに生活に密着した、暮らしに寄り添うアイテムなのだ。

次回は、6/22(水)掲載。ハンモックって何が良いの?やその歴史を紐解き可能性を探る『ハンモック・トーク』をお届けする。読者の方々をよりディープな世界へといざなう内容なので、ぜひお楽しみに!

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家族連れの来場者も多く、子どもたちもハンモックに大満足だったようだ。



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イベントではフードも提供。こちらは朝食のミネストローネ。巨大な寸胴いっぱいに作ったものの、あっという間にこの状態。



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仲間と遊びに来た、アルコールストーブブランド『Sanpo’s Fun Lite Gear』のさんぽさん。



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早朝、愛娘を抱いて会場を散策するムーンライトギアの千代田さん。



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WRITER
根津 貴央

根津 貴央

1976年、栃木県宇都宮市生まれ。幼少期から宇宙に興味を抱き、大学では物理学を専攻。卒業後、紆余曲折を経て広告業界に入り、12年弱コピーライター職に従事する。2012年に独立し、かねてより憧れていたアメリカのロングトレイル「パシフィック・クレスト・トレイル(PCT/総延長4,265km)」のスルーハイクのために渡米。約5カ月間歩きつづける。2014年には「アパラチアン・トレイル(AT/総延長3,500km)」の有名なイベント「Trail Days」に参加し、約260kmのセクションを歩く。同年より、グレート・ヒマラヤ・トレイル(GHT)を踏査する日本初のプロジェクト『GHT Project(www.facebook.com/ghtproject)』を仲間と共に推進中。2018年4月、TRAILSに正式加入。著書に『ロングトレイルはじめました』(誠文堂新光社)がある。

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