TRAILS REPORT

HAMMOCKS Meeting#2 / ハンモックキャンプ 2017 Spring

2017.04.14
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文・構成:TRAILS 写真:Keita YASUKAWA

「HAMMOCKS for Hiker」(5/13-14)のイベントに先がけ、ハイカーズデポとTRAILSのクルーが集合。まだ早朝に霜の降りる3月上旬の奥高尾。プラスアルファの寒さ対策をして、夜長ゆらゆらと浮遊感につつまれながら、みんなでハンモックキャンプ。

さあ、WAになって吊るそうハンモック。放射状に木々のあいだに吊るされていくハンモックの群れ。あたらしいモデルの試し寝したり、ツリーストラップの使い方を簡単にするギミックをテストしたり、寒さ対策のレイヤリングを悩んだり。思い思いにハンモックを楽しむ(勝手な)クルーたち。

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超軽量なハンモックもたくさん登場してきたけれど、軽さだけじゃ選べないのも面白いところ。リラックスしてメロウにすごしたい道具だから、カラダとのフィット感もすごく大事。軽さ、寝心地、生地の肌触りなど、実際に寝て、座ってみないと、自分に合うハンモックはなかなか見つけられない。イベントではたくさんのモデルやワークショップを用意しているので、ぜひ遊びにきてほしい。その前に、今回のキャンプレポートを読んで、想像をふくらませてみてください。

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今回集合したハンモックスたち: 二宮勇太郎(ハイカーズデポ) / 長谷川晋(ハイカーズデポ) / 佐井聡(TRAILS) / 佐井和沙(TRAILS) / 小川竜太(TRAILS) / 根津貴央(ライター) / 長沼商史 a.k.a GNU(自然溺愛家)


ウルトラライト(UL)ハンモックも続々登場。現在のハンモックの最前線。


100g台の超軽量なハンモックが、多くのメーカーからリリースされはじめ、ハンモック・トリップにあらたな世界が広がっているのをご存知だろうか。「軽いって自由」がハンモックにも波及している。これなら「もし山の中で張れるところがあれば、持っていこう」って、カジュアルな気持ちでハンモックを持ち運ぶことだってできる。

hammock maker logo1

ウルトラライト(UL)なハンモックを出しているメーカーは、Hummingbird hammocks(ハミングバード)、ENO(イーノ)、EXPED(エクスペド)。それにSEA TO SUMMIT(シー・トゥー・サミット)からもULハンモックが最近リリースされた。ENOやEXPEDは、ULからライトウェイトまでパッカブルなハンモックのラインナップが充実している。また老舗のHammock Bliss(ハンモックブリス)や、ハンモックギアを総合的にあつかっているKAMMOK(カモック)も、日本での正式販売が始まって、ハンモックの盛り上がりが広がっている。どのメーカーも今回のHAMMOCKS for Hikerのイベントに参加してくれるメーカーたちだ。なかなか実物に触れる機会が少ないハンモックだけれど、このイベントは現在のハンモックの最前線を一同に体験できるチャンスとなっている。

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森のなかにハンモックで寝るクルーたち。朝の光のなかで、ゆらゆらとまどろんで、なかなかハンモックからみんな出てこない。


ハイキング、トレラン、キャンプ。軽量なハンモックが広げてくれる世界。


ハイキングのランチのときにハンモックに腰かけたり。トレイルランニングの休憩でちょっとハンモックで横になってみたり。タープと一緒にもっていけばハンモックに寝たままキャンプだってできる。軽量なハンモックだったら、タープと組み合わせて、全部で600g以下のスリーピングシステムを実現することができる。ハイカーズデポが提案しているように、ひと昔前ならば「Hammock or Tent? ハンモックかテントか?」を選択するものだったのが、軽量なハンモックの登場により「Tent and Hammock! テントとハンモックの両方!」を楽しむことができるようになった。

山の中でハンモックでごろんとして休憩したら、気持ちいいに決まっているじゃないか。山や森のなかで、横になって浮かぶだけで、自分のカラダや感覚が自然のなかに溶け込んでいくようなトリップ感があるから不思議だ。軽量でパッカブルなハンモックが、あなたのハイキングスタイルに、また新たな楽しみと気持ちよさを加えてくれる。

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ハンモックで寝泊まりしてみる。空中でのくるまり方のあれこれ。


ハンモックで夜を過ごしてみる。その姿はアウトドアマンというより、森のなかで生活する人というイメージ。なんだかスナフキンになったみたいな、そんな気持ちがする。

ハンモックキャンプをするためには、専用のギアもあるけれど、まずは普段のハイキングに使っている、寝袋、スリーピングマット、タープを使って始めてみよう。ハンモックは、背中が常に空気にさらされているので、背面からの冷えに対する対策が大事。寝袋のロフトは体重でつぶれてしまうので、単純に寝袋にくるまってハンモックの上で寝るだけだと、寒い季節には背中の冷えは防ぎきれない。去年のHAMMOCKS for Hikerの季節(5月下旬)には、スリーピングマットによって背中を冷えから守れば問題ないレベルであった。自分のキャンプの経験値と合わせて、いろいろ試してみてほしい。

ここではハンモックでの眠り方のスタイルを、いくつか紹介してみたいと思う。あたたかい時期だけハンモックを使おう、というのが素直な使い方だ。でも、もう少し寒い季節にも使いたいというときには、こんなハンモックキャンプの世界がある、というのをのぞいていみよう。

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#1 寝袋を巻く Pull-Over BAGS
フードなしで、フットボックスまでジッパーが付いているタイプの寝袋をつかって、ぐるっとハンモックを包みこんでしまうスタイル。この写真で使用しているのは、ハイカーズデポの定番スリーピングバッグの「DOWN BAG UDD(ハイランドデザイン)」。
今回のハンモックキャンプでは、さらにこの中にダウンジャケットにビヴィというレイヤリングで寒さをしのいだ。

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#2 エンドウ豆スタイル Pea Pod
ハンモック用のデザインされた、エンドウ豆スタイルの寝袋。すっぽりと頭まで含めて体まるごと寝袋につつまれるコクーンのような状態になる。道を踏み外してハンモックジャンンキーの門をたたきたいハイカーにおすすめ。写真はJacks “R” Betterの製品。他にも、Speer Hammocksからも同様の製品がある。

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#3 キルトスタイル Under Quilt
ハイランドデザインのキルト「Flap Wrap UDD」なども使用できる。eno(イーノ)、KAMMOK(カモック)などでは、ハンモック用のアンダーキルトをあつかっている。


ハンモックに夜長ゆられながら、森のなかでキャンプ


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今回はパックラフトで一緒に遊んでいるマミちゃんが、スペシャルなディナーをふるまってくれた。今年はなんとも贅沢なハンモックキャンプ!菜の花と自家製ベーコンのホイル焼き。ごぼうたっぷりの豚汁。トルティーヤ。デザートに桜餅。もうエンンジェルにしか見えません。小さなウッドストーブで焼き物オンリーだった、昨年の「居酒屋ニノちゃん」は、この強烈な競合の出現によりあっさり廃業です。・・・と思いきや、みんなのごはんが一通りおわった後を見計らって、食後のお酒に合わせたメニュー(去年と同じ焼き物)という差別化戦略に転換!よくわからないですが「やっぱ、これもうめーな」と、去年のメンバーはなぐさめあって、飲んでました。

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旨いメシに、お酒の酔いも手伝って、いっそうハンモックが気持ちよくなる夜。ハンモックにゆられながら、夜のとばりが降りるなか眠りにつく。ゆらゆらと。朝日の明るさとともに目をさます。うつろな感覚のまま、静寂な朝の空気と、森のなかで動きだす鳥たちのさえずりを、ハンモックの浮遊感のなか楽しむ。ハンモックキャンプはヤミつきになる中毒性があるので、ご注意を。

次ページ: みんなのハンモック・スタイル一覧と動画


イベントでお会いしましょう!


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上記画像↑をクリックすると、イベント詳細ページにリンクします。

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【参加費】
1日のみ参加       1,000円 (各日先着50名に達し次第、応募〆)
キャンプ泊・2日間参加  3,000円 (先着30名に達し次第、応募〆)
ハンモックハイキング体験  800円 (各日先着10名に達し次第、応募〆)
※屋外イベント/雨天決行。
※公共交通機関をご利用ください。会場内に駐車場はございません。
※5/13(土)と5/14(日)で、開場時間帯と内容が、少し異なりますのでお間違いのないようにご注意ください。
※チケットをお持ちであれば、何度でも再入場可能です。
※当日の混雑次第では、参加いただけないコンテンツもございますので、予めご了承ください。
※当日のプログラム、及びタイムテーブルは変更する場合がございますので、予めご了承ください。
※本イベントでは取材が入ります。撮影された写真や映像が雑誌やウェブなどに掲載されることがありますので、予めご了承ください。

【チケットの購入方法】
・[お申し込みはこちらボタン]から、パスマーケットにてチケットを選択し購入を完了して下さい。
・人数分のチケット(QRコード入り)を受付でご提示ください。

【追加情報】
facebookinstagramでも情報更新していきます。

【問い合わせ】
TRAILS(トレイルズ)編集部 event@trails.co.jp

次ページ: みんなのハンモック・スタイル一覧

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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