TRAILS REPORT

パックラフト・アディクト | #12 Packrafting WomenのABC(ダウンリバー編)

2018.12.14
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文・写真・構成:TRAILS

TRAILSでは、これまでさまざまなパックラフト・アディクトの記事を掲載してきましたが、今回初めてパックラフティング・ウーマンにフォーカスしました。

いま世の中にあるパックラフト関連の記事には、知りたいウーマン目線の情報があまりない。そこでダウンリバー編を皮切りに、全3回の連載企画としてお届けします!

紅葉で木々が色づく11月中旬、3人のウーマン・パックラフト・アディクトが、多摩川に集まった。しかもそれぞれお手製のスイーツを持参。たまにはウーマンだけでメロウにダウンリバーしながら、ゆっくりランチも楽しみたいよね! という趣旨の日帰りプランです。

どうやら3人とも女性だけでパックラフトをするのは初めてらしい。どんな川旅になったのでしょう。

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おしゃべりしながら、和気あいあいとした雰囲気で多摩川を下っていく3人。



3人のパックラフティング・ウーマン



まずは、今回登場する3人の女性の紹介から。

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パックラフティング・ウーマン!左から、ゼニー、まみちゃん、カズ。

まみちゃん(写真中央):パックラフトを始めたのは2012年と、この3人の中ではいちばんのベテラン。ハンモックのイベント『Hammocks for Hiker』で夜のパーティーの食事担当でもある。ハイカーの仲間たちからは、料理上手として知られている。

ゼニー(写真左):2015年にサニーエモーション(日本初のパックラフティングのガイドカンパニー)に通いはじめ、全国のパックラフト・アディクトたちとも親交が深い。TRAILS crew小川のパートナーでもあり、TRAILSの記事に登場することもしばしば。

カズ(写真右):2012年にパックラフトを始めるも、すぐさま出産・育児に追われ、すでに3年のブランクあり。今回の企画を楽しみにしつつも、緊張を隠せない。TRAILS crewのひとり。



多摩川は、日帰りで楽しめるホームリバー



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多摩川上流部は、緩急のある流れがあり、いろんな楽しみ方ができる川。

今回の舞台は、多摩川の上流部。パックラフターのあいだでは通称「御嶽(みたけ)」と呼ばれているエリア。なぜ多摩川にしたのかと言うと、距離的にも難易度的にも、気軽に足を運べるから。

ゼニーは調布に住んでいることもあって、ちょっと寝坊してお昼くらいから漕ぎ始めたしても充分楽しめる。「下るという意味では、高尾山を登るよりもラクに行ける場所かも(笑)」とのこと。

まみちゃんは、「多摩川は、パックラフトを始めた頃、毎週のように通っていました!」と言うくらい馴染みのある川。

また、多摩川はダムがあることで安定的に水量があるし、バリエーションに富んでいるのでビギナーからベテランまで楽しめる。しかもアクセスも抜群で、行きも帰りも電車(JR青梅線)を利用できるため、パックラフターに人気の川。

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スタート地点は、「御嶽駅」を出てすぐの河原。今回のゴール地点は、神代橋を過ぎた右岸(最寄駅は「日向和田駅」)。橋の手前にカヌースクールの敷地があり、間違えやすいので気をつけよう。TRAILS crewは、釜の淵公園(青梅駅付近)を、よくゴールとして利用している。

そんなホームリバーに、3人のパックラフティング・ウーマンがやってきた。スタート地点は、御嶽駅から歩いてすぐのところ。

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スタート地点の河原でそれぞれ準備をする。

サクッと準備して、しなやかにスタート!と思いきや、意外と時間がかかる。

この時期は寒いのでドライスーツやネオプレーンの靴下もマスト。ドライスーツは首まわりがタイトなつくりなので、思った以上にチカラがいる。カズは久々のドライスーツだったので、まみちゃんに手伝ってもらいながら、なんとか着ることができた。



女性3人のメロウなダウンリバー



準備も終わってようやく漕ぎ始める。待ちに待った女性だけのパックラフティングが始まった。

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女性だけのパックラフトの旅がスタート!

ひとりだけちょっと緊張していたカズも、流れに乗って下るうちにリラックスしてきた。パックラフトならではの浮遊感がたまらない。パドルを漕がなくても、ゆっくり前へと進んでいく。この自然に身をゆだねる感じが心地良かった。

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3人でのんびりゆったり。本当に気持ちのいい時間だった。

大きな瀬(川の流れが速く、水深が浅い場所)もなく、基本的に流れも緩やか。でも、まみちゃんとゼニーを見てさすがだなー!と思ったのは、少し流れが急なところも、慣れたパドリングでうまく流れに乗っていくのだ。こういう緩急が楽しめるのもパックラフトの魅力なんだとあらためて実感した。

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ベテランのまみちゃんは、さすがのライン取り。

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ゼニーは安定したパドリングでバランスを崩さない。



いちばんの楽しみはランチタイム!



ダウンリバーを堪能しつつも、スタート時から3人ともずっと楽しみにしていたのが、ランチ&スイーツ!

実は今回、事前に「寒いし、それぞれ好きなスープを作ろう!」と話し合っていた。これまでの記事に登場したパックラフト・アディクトたちとは違って、3人とも家で下準備を済ませてきていた。

普段のハイキングで手慣れているせいか、15分ほどで料理は完成して食べ始めていた。ちなみに、それぞれのメニューはこれ。

▪️まみちゃん(すいとん)
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材料も工程も少なくあっという間にできあがる。すいとんの、もちっとつるっとした食感が好きで冬の定番メニューのひとつ。

材料は、鶏肉、小松菜、人参、椎茸、なると、すいとん粉、だしの素、塩、醤油。ポイントは、手を汚さずにすいとんを作ること。すいとん粉の入ったジップロックに、少しずつ水を入れてこねるスタイル。

▪️ゼニー(干し飯と味噌玉)
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以前、ハイキングした時に味噌玉を作ってみたのがきっかけ。自分の好みのお味噌をチョイスできるのがいい。

干し飯の材料は、ご飯、わかめスープの素、野菜(乾燥野菜も可)。味噌玉の材料は、味噌、海藻(乾物)、出汁(顆粒出汁がおすすめ)。干し飯については、昔の人が干し飯を持ち歩いていたと聞き、どんなものか知りたくて今回作ってきたそう。

▪️カズ(ポトフ)
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トリュフオイルとトマトが味の決め手。いつものポトフと違う新しい味にしてくれる。

材料は、ハーブ入りウインナー、キャベツ、タマネギ、ニンジン、ミニトマト、固形ブイヨン、トリュフオイル、クレイジーソルト。ポトフは、準備も調理もカンタンで、どの材料も常温保存ができるのがいい。



とっておきは、手づくりのオリジナルスイーツ



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栗どら焼き(中央上)、バーボン入り大人なチョコバー(中央下)、亥の子餅(いのこもち・中央下)は、まみちゃん。きな粉飴(左)は、ゼニー。トレイルケーキ(右上)、トレイルミックス&ローズマリー(右下)は、カズ。

さらに、今回は3人とも自家製スイーツを持参!

まみちゃんの「栗どら焼き」は、自家製のあんこと渋皮煮を入れた特製どら焼き。「バーボン入り大人なチョコバー」は、マシュマロ、ピーカンナッツ、自家製はっさくピールを、カカオ分70%のチョコで固めたずっしり濃厚なチョコバー。「亥の子餅(いのこもち)」は、暦と和菓子の関係に興味を抱き、調べていくうちに出会ったお餅。今回、みんなの無病息災を祈りながら作ってくれた。まわりにまぶした麦こがしがポイント。

ゼニーの「きな粉飴」は、高尾でよく買っていた某企業のきな粉飴が好きすぎて、見よう見まねで作ったもの。きな粉に黒蜜を入れて混ぜたものを硬いタイプの水飴で固めて飴状に。張り付きづらいクッキングシート等でラッピング。

カズの「トレイルケーキ」は、国内外で売っているバーでは物足りず、2011年頃から旅のおやつとして作りはじめた。長年ラム酒に漬け込んでいるドライフルーツ(クランベリー、イチジク、カシス、レーズン2種)がポイント。

3人それぞれのスイーツを食べあいっこして、みんな幸せなひとときを過ごした。

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幸せそうにランチ & スイーツを食べる3人。開放感満点の河原で食べるのもサイコー。

こうして、女性だけでのパックラフティングは、ずーっと楽しいまま終わりを迎えた。

まみちゃんは「ふんわりと優しい空気が流れている感じがして、いつもの川なのに、なんだかちょっと違う雰囲気が楽しかった」としみじみ。

ゼニーは「他のふたりのご飯やお菓子を楽しめたのが良かったです!また行きたい」と言っていた。

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女性だけのパックラフティングを満喫した3人。次は那珂川に行きたい!そんな声もあがっていた。

次回の記事は、ギア編。3人はどんなギアを使ってる? 女性ならではのギアはある? 特に、これからパックラフトを始めようと思っている人、あるいは始めたばかりという人にピッタリの内容なので、お楽しみに!


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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

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TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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