TRAILS REPORT

HAMMOCKS Meeting#4 / ハンモックキャンプ 2019 Spring #01

2019.05.10
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文:根津貴央 構成:TRAILS 写真:TRAILS

今年でもう4回目になる『HAMMOCKS for Hiker 2019』(5/18-19)に先がけて、今回も行ってきました。そうです、毎年恒例のHAMMOCKS Meeting!

毎回ハイカーズデポとTRAILS編集部crewが集結し、いち早く新作ギアを試したり、新しい遊び方にトライしたり、かならず何かしらのテーマを設けてハンモック・キャンプを楽しんでいます。

今回のテーマは、「ハイキングの道具としてのハンモック」とは?

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ハンモックは、ハイキングの道具として想像以上のポテンシャルを秘めている。

2016年に初めて『HAMMOCKS for Hiker』をTRAILSとハイカーズデポで開催した時と比べて、ハンモック・ユーザーは驚くほど増えました。でも、キャンプやちょっとした休憩で楽しむことはあっても、まだまだ「ハイキングの道具」として使っている人は少ないようです。

そこで今回僕たちは、「ハイキングの道具としてのハンモック」を実践すべく、東京近郊のとある山域に足を運びました。

メンバーはこの4人。ハイカーズデポからはハンモック・ジャンキーのニノ。TRAILSからは小川と根津。そして特別ゲストとして、所有するハンモックは10個超という、その名も渡辺ハンモックン!

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左から、渡辺ハンモックン、TRAILS根津、ハイカーズデポのニノ、TRAILS小川。


ハイキングの道具としてのハンモックとは?


そもそも、今回のテーマである「ハイキングの道具としてのハンモック」の魅力ってなんなのか。それはこれまでの『HAMMOCKS for Hiker』でも伝えてきたが、整理すると下記2点だろう。

【その1】 テントでは得られない、最高に気持ちいい浮遊感。
【その2】 地面の状況に左右されずに安定して寝られる。(枝、下草、岩、泥が多いところや斜面でも、2つの支点さえあればキャンプ&レストできる)

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ハンモックの魅力を体現したのがこれだ。設営方法がシンプルで簡単なので、バックパックからサッと取り出してサクッと張ることができる。

つまり、ハンモックはハイキングをより自由にしてくれるものなのだ。気軽に持ち出せて、支点となる木さえあればどこにでも張ることができるため、ハイキングの可能性がグンと広がる。

それを実践するのが、今回のHAMMOCK Meetingの目的である。ハンモックを張る場所の見つけ方、地面の状態が悪いときのギアハンギングの方法などを、実際にハイキングをしながら確かめてきた。

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東京近郊のとある山域に入っていく一行。ハンモックは軽くてコンパクトなので、バックパックの容量は20〜30Lで充分。


ハンモック適地をハンティングせよ!


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「あそこいけそうっすよ!」と、真っ先に適地を見つけるニノ。

いざ、ハイキングスタート! 既存のトレイルを歩きながら、いかにハンモックを活用しながら旅ができるか。4人ともその視点を持ちながら、ハンモック適地を探しつつトレイルを歩いた。

とはいっても、むやみやたらに辺りを見回したところで、適地を見つけることはできない。

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最初に見つけたこの沢は、絶対にハイカーは来ないし、静かだし、涼しいし、最高のロケーションだった。

見るべきポイントは、トレイルから “少しだけ” 離れたところにある「沢」「小さな尾根の向こう側」「ゆるやかな支尾根」。こういう場所であれば、他のハイカーのジャマにもならず視界にも入らないため、安心してハンモックを楽しむことができる。

ただ、この “少しだけ” が重要で、むやみにトレイルから離れてはいけない。あまり行きすぎると危険も増えるし、自然環境に負荷を与えてしまうリスクも生じる。

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トレイルからほど近い「小さな尾根の向こう側」にあったハンモック適地にて。今回見つけたハンモック適地は、いずれもトレイルから100mも離れていない場所だった。

ふと目をやると急斜面を降りていく渡辺ハンモックンの姿。そして「これはちょっとやりすぎですけど、まあ、いけなくはないですねー」と楽しげに語っていたのが印象的だった。

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急斜面でチャレンジする渡辺ハンモックン。さすがに危険なので真似しないように! こと斜面での設営は、経験値を高めてからトライしよう。


斜面で張って、ギアを吊るそう!


とある尾根に取りつき、稜線を気持ちよく歩いていく。夕方に差しかかり、そろそろ宿泊地を探さないと、という話になった。

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4人全員がハンモックを張れる場所を探しながら歩く。

みんなで適地を探りながら進んでいくと、トレイルから少しだけ外れた「ゆるやかな支尾根」に広めのスペースがあった。テントだったら絶対泊まれないような場所だったが、ハンモックであれば余裕で4つ張れそうだったので、ここでキャンプすることにした。

これまで、ハンモックとウッドストーブを組み合わせて楽しむことも多かったが、今回は “焚き火はマストではない” とした。

というのも、焚き火を前提にするとそれに適した場所が必要になるため、斜面や草木の生えた地面などでのキャンプができなくなってしまう。今回はハンモックならではの自由度、可能性を存分に試したかったので、焚き火にこだわらないことにしたのだ。

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ニノのギアハンギング・スタイル。クライマー御用達の火器を吊りさげるシステムを自作し、ハンモックに応用した。

「斜面じゃ調理ができないのでは?」と思う人もいるかもしれないが、食事は宿泊地とは別のトレイル沿いで済ませる、というのもロング・ディスタンス・ハイキングでは普通に行なわれることでもある。また、今回ニノが使った火器を吊りさげるシステムは、昔からビッグウォールなどを登るクライマーが愛用しているものでもある。

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KAMMOKの「リッジ」は、リッジラインとポケットがセットになった商品。ペットボトルやサングラス、スマホなど小物を入れておくのに便利。

夜は、ニノのハンモックに集まって、ささやかな宴会スタート。ハンモックの可能性について、熱く語り合ったのだった。

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斜面であろうがどこであろうが、自由自在に設営できるのがハンモックの強みでもある。


ハイカーの基本スタンスは「Leave No Trace」。


「Leave No Trace(リーブ・ノー・トレース)」は、アメリカのハイキング・カルチャーにおいては当たり前の考え方でありマナーで、今や世界中に広まってきている。「Leave No Trace」という組織もあり、自然保護や動物保護のためにさまざまな活動を展開(詳細は「Leave No Trace」のWEBサイトを参照。一見の価値あり。https://lnt.org/)。

直訳すると「足跡を残すな」となるが、要はハイキングでキャンプした際に、泊まった痕跡を残さず、ありのままの自然を維持するということ。

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自然を傷つけないように気をつけることが大切。

特にハンモックは、トレイルから外れた自然の中で使用する道具なので、「Leave No Trace」を徹底することが欠かせない。

そんなマナーはもちろんのこと、ハンモックのさまざまな可能性や魅力を知ることができるのが、『HAMMOCKS for Hiker 2019』(5/18-19)。ぜひ、たくさんのハイカーに足を運んでほしい! そして「ハイキングの道具としてのハンモック」に触れてみてください。

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今年のHAMMOCKS Meetingも大成功。「ハイキングの道具としてのハンモック」を堪能することができた。


イベントでお会いしましょう!


下の画像をクリックすると、イベント詳細ページをご覧になれます。
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【参加費・チケット種類】
・日帰り1日券    1,500円 (各日先着40名)
・キャンプ泊2日券    3,500円(先着50名) SOLD OUT

・小学生以下は無料。
・5/18(土)と5/19(日)で、開場時間帯と内容が、異なりますのでお間違いのないようにご注意ください。
・チケットをお持ちであれば、何度でも再入場可能です。
・当日の混雑次第では、参加いただけないコンテンツもございますので、予めご了承ください。
・当日のプログラム、及びタイムテーブルは変更する場合がございますので、予めご了承ください。
・本イベントでは取材が入ります。撮影された写真や映像が雑誌やウェブなどに掲載されることがありますので、予めご了承ください。

【チケットの購入方法】
・ページ下部の[お申し込みはこちらボタン]から、パスマーケットにてチケットを選択し購入を完了して下さい。
・人数分のチケット(QRコード入り)を受付でご提示ください。

【注意事項】
・数に限りがありますが、会場内での飲食の販売も少量おこないます。
・ご自身が必要とされる飲食(ソフトドリンク、アルコール類や昼食など)は、予めご用意をお願いします。
・最寄り駅からの道中は、小さな商店さんのみですので、事前のご準備をお願いします。
・最寄りの梁川駅券売機は、1000円札と小銭しか使えません。
・キャンプ泊の方には、夜ご飯の時間に軽食をご用意いたします。
・焚き火台を使用した焚き火が可能。(直火禁止)
・ゴミはお持ち帰りください。キャンプ場でゴミを捨てることはできません。

【追加情報】
facebookinstagramでも情報更新していきます。

【問い合わせ】
TRAILS(トレイルズ)編集部 event@trails.co.jp

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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