TRAILS REPORT

PLAY!出社前に遊ぼう # 08 | TRAILS × Fumi Sakurai(hikerbirder) 鳥見(とりみ)

2020.06.17
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文:根津貴央 取材・構成・写真:TRAILS

What’s PLAY? | 平日にトレイルで遊ぶオトナをもっと増やすための連載企画。オトナになると、仕事が忙くて遊ぶ時間がない、とつい言ってしまいがち。でも工夫次第で時間はつくれるもの。いつか仕事が落ち着いたら遊ぼう、なんて思っていたら、いつまでたっても遊べない。遊ぶなら今。『PLAY!』のスローガンは『Now or Never.』。今がチャンス!今しかない!今でしょ!だ。

この連載では、毎回、平日出社前(ときどき退社後)にTRAILS編集部crewがその時遊びたい人に、その時遊びたいことをオーダーして、ただただ一緒に遊ぶ模様をお届けします。一番大事なルールは遅刻せずに出勤すること。

* * *

第8回目のゲストは、この人。

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バダさん (hikerbirder) ことFumi Sakuraiさんは、鳥が好きな祖父の影響もあり、小さい頃から鳥に慣れ親しんでいたという。

鳥好きのULハイカーであり、TRAILS編集長の佐井と同じくらいギアジャンキーであり、西東京を拠点にしたパックラフト・アディクトたちの同好会『SANTAMA RAFT』の立ち上げメンバーでもある、バダさんだ。

「鳥を見て、鳥の声を聴いて、歩く」がモットーの、ハイカーであり、バーダー (鳥好き) である彼は、長らくhikerbirderというSNSアカウントで発信していることもあり、みんなからバダさんという愛称で親しまれている。TRAILS編集部crewともよく遊ぶ仲だ。

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パックラフトから鳥を見たほうが、鳥の警戒心も低くなり、見やすいのだとか。左がバダさん、右が鳥見仲間のナカザワくん。

パックラフトを漕ぎながら、いつも嬉々として単眼鏡で鳥を眺めているバダさん。そんな姿を、僕たちはよく目にしていたので、いつか手ほどきを受けたい、と思っていたのだ。

そんなわけで、バダさんと一緒に朝から野鳥を愛でてみよう! というのが今回のテーマ。

まあいわゆるバードウォッチングなのだが、バダさんはいつも鳥見 (とりみ) と言っているので、僕たちも鳥見と呼ばせてもらうことにする。

行き先は、都心の野鳥スポットとしてバダさんおすすめの明治神宮だ。明治神宮の森は、カシ、シイ、クスノキなどの常緑広葉樹の混合林で、都心とは思えない豊かな緑がある。

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バダさんとTRAILS編集部crew、ひさびさの再会。

まずは、早朝6:45に最寄り駅の小田急線「参宮橋駅」に集合!

緊急事態宣言でバダさんともごぶさただったので、お互い笑顔がこぼれる。元気そうで何より。

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今回は、明治神宮の「参宮橋口」から入って、「原宿口」に抜けるルート。

歩くこと約3分、明治神宮の「参宮橋口」に到着。バダさん以外は、参宮橋口から入るのが初めて! ということで興味津々。

ちょっと歩くと、かなり開けた芝生エリアに。

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森を抜けて開放感あふれるエリアへ。

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まるでニューヨークのセントラル・パークのよう (行ったことないけど)。

まずは、鳥を見るための道具の説明から。と、その前に聞きたいことがあった。

「バダさん、鳥見 (とりみ) って、なにが楽しいんですか?」

そもそも、僕たちはそれすらよくわかってないのだ。

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なぜか、買ったばかりの鳥柄の防水ミトンの説明からはじめるバダさん。さすが鳥好き。

バダさん曰く、たくさんあるらしいのだが、とりあえずメインどころを5つ挙げてもらった。

1. 鳥を見ること自体
2. 種ごとに異なる生態
3. 鳥を通じて季節の変化が感じられる
4. 自然環境や地域性による違いのおもしろさ
5. 渡り鳥がはるか赤道の向こうから北方まで旅するダイナミックさ

この5つを頭におきながら、今日は楽しんでみたいと思う。

では、鳥見のマストアイテムである双眼鏡の説明を。

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上段左から時計回りに、PENTAXの8×21 UCF R (倍率8倍×レンズ径21mm)、SWAROVSKIのポケットシリーズ 10×20 (旧型)、8×20 (旧型) が2つ、SVBONYの単眼鏡 8×32、Kenkoのスマホ用交換レンズ (8×20)、Leicaの単眼鏡モビット8×20、KOWAのTSN-501傾斜型 (倍率20〜40倍)。

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それぞれの特徴を解説するバダさん。「初心者には8倍が扱いやすくていい」「パックラフトで使う時は片手で操作できるものがおすすめ」のこと。

「双眼鏡って、両方の目で見なきゃいけないし、調整する機能がいくつかあって、それを使いこなすのが面倒な人は、単眼鏡がいいかな。でも、両目で見たほうが見やすいよ」とバダさん。

つづいて、基本的な使い方のレクチャー。いわゆる視度調整 (※) というやつである。人によって左右の見え方が違うので調整するのだ。

※ 視度調整:人間の目は左右で視度が異なるため、その補正を双眼鏡で行ない、対象物を両目でしっかり見られるようにすること。

▼ STEP1
調整するための大きな対象物を探す。まず左目だけで見て、中央のダイヤルでピントを合わせる。

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中央にあるピントリングを回して調整する。

▼ STEP2
つぎに、今度は右目だけで対象物を見て、右側のリングを左右に動かすと、右目の調整ができる。

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右側にある視度調整リングをまわす。

▼ STEP3
最後に、両目で見て被写体がちゃんと見えているか確認する。

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両方の調整が完了したら、両目で覗いて最終チェック。

これで準備OK!

と、さっそく上空にカラスが! 「ハシブトカラスですね」とバダさん。

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誰よりも先に鳥を見つけて、すぐさま確認するバダさん。

いつも憎たらしいカラスも、こうやって双眼鏡を通してみると、なんだか嬉しいから不思議だ。

ちなみに、肉眼で対象物を見て、その対象物と自分の目の間に双眼鏡を挟むイメージでやると、とらえやすいそうだ。

みんなで鳥を探しながら、歩きはじめる。すると池で鳥を発見!

カモですか? と聞くと、「あれはカイツブリっていう鳥ですね。カモ的な鳥ではあるんですけど。それと、カモという鳥はいなくて、なんとかカモってかならず名前があるんですよ」とのこと。

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明治神宮の北池に到着。カイツブリが悠々と泳いでいた。

カイツブリなんて名前自体、初めて耳にしたけど、双眼鏡で見るととても愛らしい姿をしている。意外と大きいと思ったが、子どもとのこと。

しかも、急に水中に潜って、エサを探して、また違う場所から出てくるのだ。そんな生態まで知ることができるのが、すごくおもしろい。知的好奇心がバンバン刺激される。

しばらく夢中になって見ていると、バダさんが親鳥を発見!

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池の上につくった巣の上にいるカイツブリの親鳥。

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カズが描いたカイツブリの親子のイラスト。親子で毛の色がまったく異なるのがおもしろい。

倒木かなにかの上で休憩しているのかと思いきや、実はこれが巣だという。植物の葉や茎を組み合わせた逆円錐状の巣を池の上につくるのが、カイツブリの特徴なのだ。実におもしろい。

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カイツブリを眺めながらイラストを描きはじめるカズ。ハイキングと鳥見とスケッチを組みあわせた新しい遊びのスタイル。

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スケッチの道具一式。愛用している水彩絵具セットは、ドイツのブランドSchmincke (シュミンケ) のホラダムHPセット (8色)。

いやあ、あっという間に時間がすぎてしまう。驚くほど進んでいないことに気づき、原宿口へと急ぐ。

途中、いくつかの鳥の鳴き声がしたので探してみたものの、視界にとらえることはできなかった。

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メジロとコゲラと、あと2種類くらいいますねぇ、と鳴き声だけ聞いて識別するバダさん。

結局、ちゃんと見られたのはカイツブリぐらいだったのだが、それでもかなりの満足度と充実感だった。

ちなみに今回、都合がつかず参加できなかった編集長の佐井が、どうしても鳥見をやりたい! というので、根津がオフィスに戻ってからレクチャーすることに。

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仕事の合間に、オフィスのすぐ近くで鳥見!

いかにも、先生と生徒風だが、根津も鳥見は2回目。もちろん、教える内容はすべてバダさんの受け売りだ。

オフィス近くの公園で初体験した佐井は、本人も驚くくらい鳥見という新しい遊びにハマりそうな感じだった。

そして、200g前後の新しいギアの破壊力にやられたTRAILS編集部crewは、バダさんにアドバイスをもらい、すぐさま鳥見ギアを手に入れたのだった。

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左から、PENTAXの8×21 UCF R、KOWAのBD25-8GR (8×25) 、Vixenの単眼鏡 マルチモノキュラー 8×20。

根津が選んだのは「PENTAXの8×21 UCF R」。理由は、今回バダさんに貸りて使ってみて、鳥を見るのに十分なクオリティでありながら、価格が4,000円台という圧倒的なコストパフォーマンスだから。

佐井夫妻は2つをチョイス。ひとつは「KOWAのBD25-8GR (8×25)」 (価格 2万円弱)。理由は、防水性があり片手で操作できるため、パックラフトとの相性がいいから。しかも、シンプルかつレトロなデザインもグッときた。

もうひとつは「Vixenの単眼鏡 マルチモノキュラー 8×20」 (価格 7,000円台)。理由は、ULだから。重量が59gと超軽量かつコンパクトで、ポケットやサコッシュに忍ばせていろんなところに遊びにいけそう。

小川がポチったのは (現在配送中)「SVBONYの単眼鏡 8×32」 (上記バダさんのギア画像を参照・価格 3,000円台)。理由は、シンプルで防水、片手操作可能と、パックラフティングに気軽に持っていけるから。

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みんな大満足。久しぶりに朝から外でリフレッシュできたので、このまま気持ちよく出勤!

新型コロナウイルスのため、しばらく外出を自粛しつづけていただけに、みんなとの公園ハイク & 鳥見は、想像以上に新鮮で気持ちよかった。

ちなみに、今回僕たちが購入した双眼鏡 & 単眼鏡は、3,000円〜1万円台。バダさんが持っている10万円近くするようなものではなくとも、十分はじめられる遊びなのだ。

「ハイキング × 鳥見」「パックラフティング × 鳥見」の可能性もすごく感じられたので、今後のトリップにあわせて双眼鏡を持っていってみようと思う。

【さて、次はだれとどこでなにをするのか? 次回のPLAY!もお楽しみに】

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トレイルズ

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

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TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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