TRAILS REPORT

SKI HIKING | #02 BCクロカンに魅せられた7人

2019.04.26
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文:根津貴央 写真:佐藤鉱治、斎藤勇一、長谷川晋、福地孝、相川佳代、清水聖子、氣田稔充、小関信平、TRAILS 構成:TRAILS

今回は、まさに今BCクロカンにハマっている7人に話を伺い、その魅力やそれぞれの楽しみ方に迫ります。

前回の記事では、BCクロカン誕生の背景から現在に至るまでの歴史を紐解きました(詳しくはコチラから)。2000年代初頭に、滑るだけのスキーではなく、歩くことを楽しむスキーの新しいカタチとして産声をあげ、徐々に楽しむ人も増えてきました。

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元来、クロカンビンディングを使用するのがBCクロカンではあるのですが、今やその捉え方は多様化していて、中にはテレマーク用のビンディングで楽しんでいる人もいます。

もちろんルーツは大切ではありますが、そこに固執することなく、さまざまな広がりをみせていくのも、自由度の高いBCクロカンらしさでもあるのではないでしょうか。そんなことも考えながら、ぜひ十人十色のスタイルを楽しんでください!

<質問項目>
Q1.私が思うBCクロカンの魅力
Q2.私が好きなBCクロカンの楽しみ方
Q3.使用している板、ビンディング、ブーツ、ポール



庭の奥にあるちょっとした斜面や起伏が、大冒険のコースになる。



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Q1.石木田博さんが主宰する「まほろば倶楽部」のツアーが、初めてのBCクロカン。テレマークスキーと比べると、とにかく道具が軽くて身軽に動けるのが魅力ですね。クルマも運転できるので、買い出しに行く時なんかも板を積んでBCクロカンのブーツを履いて出かけたり。それで途中で気軽に滑ったりしています。

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佐藤さんがよく行くエリアは、住まいの近くの霧ヶ峰、北八ヶ岳周辺。家のすぐそばがフィールドゆえ気軽に楽しんでいる。

Q2.日常に寄り添うスキーとして楽しんでいます。雪が降った日などはBCクロカンで庭を歩きに行きます。庭の奥にあるちょっとした斜面や起伏が、大冒険のコースになる。そして、つい夢中になって登ったり滑ったりしてしまうんです。ハンモックを携行して、雪上ハンモックを楽しむのも幸せなひと時です。

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佐藤さんのお気に入りスタイルは、BCクロカンで移動してからの雪上ハンモック!

Q3.[板] MADSHUS / EPCH(マズシャス / エポック), [ビンディング] ROTTEFELLA / BC MAGNUM(ロッテフェラ / ビーシーマグナム), [ブーツ] CRISPI / JOKULEN BC GTX(クリスピー / ヨクレンビーシーゴアテックス), [ポール] G3 / VIA(ジースリー / ヴィア)



ターンがシャープで楽しいよね。



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Q1.兄がクロスカントリースキー、自分はテレマークスキーをやっていて、その延長でBCクロカンも始めました。とにかくお手軽だよね。道具は軽いし操作はしやすいし。どっかの山に行くにしても持ち運びがラク。それでいてアルペンとそんなに変わらなく滑ることができるんだから。

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玉木さんがよく行くエリアは、乗鞍、志賀高原。超ベテランなのでどんな道具もお手のもの。BCクロカンも滑ること重視。

Q2.僕にとってはアルペンスキーの延長みたいなもんだから、山に行くことが多いよね。板はトップが68mmと細いものを使っているんだけど、軽いのはもちろん、ターンがシャープで楽しいよね。細いのは太いのに比べて不安定なわけだけれど、その難しいのが面白いの。

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愛用しているビンディングは、ロッテフェラのスーパーテレマーク。テレマーク用を愛用している。

Q3.[板] FISCHER / MOUNTAIN(フィッシャー / マウンテン), [ビンディング] ROTTEFELLA / SUPER TELEMARK(ロッテフェラ / スーパーテレマーク), [ブーツ] ASOLO / GLISSADE SERIES(アゾロ / グリセードシリーズ), [ポール] KOMPERDELL / RACING(コンパーデル / レーシング)



軽快に歩けるし、疲れにくいのがいい。



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Q1.これまでスキーといえばアルペンスキーだったので、道具の軽さに驚きました。軽快に歩けるし、疲れにくい。板自体も比較的軽いので、急な登りは板を外して持って歩くこともできる。登りがラクなので良い斜面を求めて移動したり、気に入った斜面を繰り返し滑ることも苦にならなくなりますね。

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相川さんがよく行くエリアは、北八ヶ岳、谷川岳の一ノ倉沢周辺。特に北八ヶ岳はお気に入り。

Q2.BCクロカン歴がまだ浅いので、あれこれ手探り中です。ただ今後、BCクロカンで尾瀬に行ってみたいとは思っています。あとテント泊も含めた長距離の旅もしてみたい。BCクロカンだとスキーシーズンが長くなるので、もう春になりましたがこれからもいろいろトライしていきたいです。

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トレイルヘッドとクルマの往き来の際は板を担ぐ。BCクロカンで使用するバックパックは、シロギア(CILO GEAR)。

Q3.[板] FISCHER / S-BOUND98(フィッシャー / エスバウンド98), [ビンディング] ROTTEFELLA / BC AUTO(ロッテフェラ / ビーシーオート), [ブーツ] CRISPI / NORDLAND BC GTX(クリスピー / ノルドランドビーシーゴアテックス), [ポール] BLACK DIAMOND / WOMEN’S TRAIL PRO(ブラックダイヤモンド / ウィメンズトレイルプロ)



宿泊装備を担ぎ、スキーを履いて山に行く。



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Q1.僕の場合は、BCクロカンというよりは、クロスカントリースキーとして捉えているんですが、スノーシューとは比較にならない雪上での機動力の高さに、すごく惹かれました。シンプルがゆえに、スキー本来の楽しみが感じられるし、誰でもすぐに始められる。しかも、うまい人でも上手に滑るのは難しく、ヘタでもそれなりになんとかなるので、技術レベルの差がある人とも一緒に楽しめるのもいい。

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長谷川さんがよく行くエリアは、尾瀬。機動力を活かして旅を楽しむのが彼のスタイル。写真は、信越トレイルの牧峠付近。

Q2.僕がやっているのは、古い言い方でいうと「ヘビー・ツーリング」、今風にいうなら「緩めのバックカントリースキーをクロスカントリースキーでやっている」という感じ。宿泊装備を担いでスキーを履いて山に行く、というシンプルなことです。

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冬の尾瀬は、長谷川さんお気に入りのフィールドでもある。

Q3.[板] WHITEWOODS / TITAN(ホワイトウッズ / タイタン), [ビンディング] ROTTEFELLA / BC AUTO(ロッテフェラ / ビーシーオート), [ブーツ] CRISPI / NORDLAND BC GTX(クリスピー / ノルドランドビーシーゴアテックス), [ポール] BLACK DIAMOND / TRAVERSE POLE(ブラックダイヤモンド / トラバースポール)



たとえ腐った雪でも、BCクロカンなら楽しいと思える。



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Q1.とにかく自由度が高い。スキーのなかでも、いちばん楽しめるフィールドが広いのがBCクロカンじゃないですかね。雪さえあれば、どこに行っても楽しいんです。たとえば、パウダー用の板を持っていって雪が腐っていたら、もうすごくショックなわけです。でもそんなところでも、BCクロカンなら楽しいと思える。新しい道具に出会った感がありますね。

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福地さんがよく行くエリアは、妙高(桶海)、苗場、北八ヶ岳。北八ヶ岳は初心者から経験者まで楽しめる。

Q2.2018年の1月に、2泊3日の行程でアメリカのイエローストーン国立公園をBCクロカンで旅してきました。イエローストーンは、山をがっつり登るという感じではなく、丘陵エリアの緩やかなアップダウンを繰り返す感じ。そういうところを旅するのにBCクロカンはピッタリですね。今後もテント泊も含めた旅ができたらと思っています。

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積雪期の尾瀬は静かで開放感にあふれていて、BCクロカンにピッタリ。

Q3.[板] FISCHER / S-BOUND78(フィッシャー / エスバウンド78), [ビンディング] ROTTEFELLA / BC AUTO(ロッテフェラ / ビーシーオート), [ブーツ] CRISPI / NORDLAND BC GTX(クリスピー / ノルドランドビーシーゴアテックス), [ポール] BLACK DIAMOND / RAZOR CARBON PRO(ブラックダイヤモンド / レーザーカーボンプロ)



歩く、登る、滑るがぜんぶできる。



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Q1.日本の雪上フィールドで遊ぶのに最適な道具というのがいちばんですね。ビッグマウンテンよりも里山や中低山が連続する山域は、アップダウンの連続です。でもBCクロカンであれば、歩く、登る、滑るがぜんぶできるから、どんなフィールドもシームレスにつなぐことができます。

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斎藤さんがよく行くエリアは、裏磐梯、北八ヶ岳、玉原(たんばら)湿原。

Q2.ダウンヒルだけのためというよりも、雪山を楽しむための手段としての道具と捉えています。宿泊ギアを持ってバックパッキングのような旅のツールとして楽しんだり、雪深い里山をハイキングのように楽しんだり。昔は、BCスノーボードだったので、ボードを背負い、スノーシューやショートスキーでハイクアップしてましたが、それに比べるとずっと軽快で自由ですね。

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冬の信越トレイルを旅した時のひとコマ。旅のツールとしても、BCクロカンは有効だ。

Q3.[板] MADSHUSの旧モデル, [ビンディング] SALOMON / SNS BC(サロモン / エスエヌエスビーシー), [ブーツ] SALOMON / X-ADV6(サロモン / クロスアドベンチャーシックス ※廃盤), [ポール] BLACK DIAMOND / TRAVERSE POLE(ブラックダイヤモンド / トラバースポール)



近所に散歩に行く気分で、雪を楽しみたい。



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Q1.いいなと思ったのは、雪の上をゆっくり歩けるところ。私はトレランもやるのですが、頑張ると疲れてしまうんですよね。でも、マイペースに楽しめるBCクロカンのゆったりした感じは、とても気に入っています。滑る気持ち良さもありますが、歩くからこそ見える景色があるし、それによって日常のストレスから解放される感じが好きですね。

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清水さんがよく行くエリアは、伊吹山、北八ヶ岳。写真はBCクロカンのイベントにて。

Q2.まだBCクロカンのイベントに参加している程度なので、これから見つけていきたいです。ただ、夏のトレッキングの冬バージョンという感じで、雪上をゆっくり歩いたり、たまに滑ったりしながら、1DAYで山を楽しむスタイルにしたいなと思っています。近所への散歩気分で、雪を楽しめたら素敵ですよね。早くイベントを卒業して自分で遊びにいけるようになりたいです。

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気軽に散歩している気分が味わえるのがいい。

Q3.[板] MADSHUS / EON(マズシャス / イオン), [ビンディング] ROTTEFELLA / BC MANUAL(ロッテフェラ / ビーシーマニュアル), [ブーツ] CRISPI / NORDLAND BC GTX(クリスピー / ノルドランドビーシーゴアテックス), [ポール] BLACK DIAMOND / TRAVERSE POLE(ブラックダイヤモンド / トラバースポール)

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7人それぞれのBCクロカン、いかがでしたでしょうか。あらためて、雪上を歩いて、滑って、軽快に山を楽しむBCクロカンは、本当に自由度が高く、最高の道具だなと。TRAILSは、これを使って、さまざまな旅を実践していきたいと考えています。

次回は、アメリカでのSKI HIKINGのレポート! 冬のイエローストーン国立公園2泊3日のBCクロカン・トリップをお届けするのでお楽しみに。

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WRITER
根津 貴央

根津 貴央

1976年、栃木県宇都宮市生まれ。幼少期から宇宙に興味を抱き、大学では物理学を専攻。卒業後、紆余曲折を経て広告業界に入り、12年弱コピーライター職に従事する。2012年に独立し、かねてより憧れていたアメリカのロングトレイル「パシフィック・クレスト・トレイル(PCT/総延長4,265km)」のスルーハイクのために渡米。約5カ月間歩きつづける。2014年には「アパラチアン・トレイル(AT/総延長3,500km)」の有名なイベント「Trail Days」に参加し、約260kmのセクションを歩く。同年より、グレート・ヒマラヤ・トレイル(GHT)を踏査する日本初のプロジェクト『GHT Project(www.facebook.com/ghtproject)』を仲間と共に推進中。2018年4月、TRAILSに正式加入。著書に『ロングトレイルはじめました』(誠文堂新光社)がある。

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