TRAILS REPORT

Hiking Trip With Kids / 北根室ランチウェイ 5泊6日71.4km?

2015.12.04
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3歳半の息子が自分の力だけでどれくらいの距離を歩き、そして標高を登れるのか…。ぶっつけ本番ではまずいので、年末のNewZealand Long Tripの前に、実験要素の高い旅に出ることにした。選んだ場所は、ニュージーランドに近いトレイルとも言える、アップダウンの少ない北根室ランチウェイ。このトレイルを家族3人、5泊6日でスルーハイクする。

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最初は1人で、結婚してからは夫婦でロング・ディスタンス・ハイキングをしてきた。息子が生まれてからは、幼い子供をロング・ディスタンス・トレイルに連れ出すのは中々大変で、ショートトリップが増えていた。当然、周囲で実践している家族もみかけなかったけど、やっぱり長旅をしたいし、せっかくだったらトレイルの中で家族と過ごしたい。そんな思いから、日々、子供を連れてトレイルを旅する方法を調べ
、実践と検証を繰り返している。

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以前、TRAILSで掲載した「TRAIL TALK #005 BRETWOOD HIGMAN&ERIN MCKITTRICK / ブレッドウッド・ヒグマン&エリン・マキトリック」も自分達が話を聞きたいという理由でとりあげさせてもらった。当初は記事にするつもりもなかったが、せっかくの小さな気づきを備忘録として残しておくことにした。こんな些細な情報が子連れハイカーの方々に、少しでも役に立てることができたら嬉しい。
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■当初の計画と実際の行程

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最初のキャンプ場である開陽台に着いて数時間で雨が降り始め、夜から翌日いっぱいは、視界も怪しいほどの暴風雨で足止めをくらってしまった。そんなことも影響し、当初計画していたスルーハイク(71.4km)は断念し、ところどころスキップしながらで、実際歩いたのは43.2kmだった。それでも3歳半の息子にはロング・ディスタンス・ハイキングだったと思うし、生まれてから最も長いハイキングトリップとなった。

■歩く:距離と標高を気にするのは当たり前、時間帯が盲点だった。

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当初から気になっていた歩行距離に関しては、アップダウンがあるトレイルでも平均的に10km強は歩けることがわかった。調子がよければ、15km以上歩けることもあったが、10km以上の距離を歩く時は、後半5kmは大人が担ぐ覚悟で計画する必要があると思う。標高に関しては高山病の目安となる2,000m未満であることが前提ではあるが、西別岳(標高799.5m)のトレイルヘッドから山頂への標高差464mを登り、山頂から摩周湖第一展望台までの標高差254mをまでを苦戦しながらも担がれることもなく、どうにか歩ききることができた。でも、一番勉強になったことは歩く時間帯だった。これくらいの歳の子供は、お昼を食べて15時くらいまでは昼寝をするのが習慣になっている。1時間くらい大丈夫かな?が甘かった。開陽台からレストラン牧舎までのセクションで、15時すぎたあたりから、ぱたっと歩きたくなくなり、後半3km程度は担ぐことになった。逆にこの経験から朝7:00から歩き出した西別岳までのハイキングは絶好調だった。昼寝の習慣にもよるが、うちの息子の場合は山のルールに従い14:00くらいまでにつけるような計画がベストだと思う。

■食べる:ドライフードと行動食も、好きなものが一番。

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キャンプやハイキングはたくさん経験させているけど、ドライフードを食べさせるのは初めてだった。結果的には全く問題なく、MOUNTAIN HOUSEのBeef Stroganoff with Noodlesを好んで食べていた。

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エネルギーが切れないように、モチベーションが上がるように。子供にとってもハイキング中の行動食は大事だった。うちの息子はハイキング中は飴をなめるのが習慣だが、ここでもそれは同じだった。一つ試してみたのは息子が好きなおにぎり。夜のうちにアルファ米でおにぎりを作り、翌日のハイキング中に元気がなくなってきたら食べさせる。このルーティーンは、ニュージーランドでも活躍してくれそう。

■寝る:山小屋泊とテント泊は普段から慣らしていれば大丈夫。

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テント泊はいつものキャンプと変わらず、暴風雨の初日はむしろ楽しそうだった。ニュージーランドでのちょっとした心配の一つである山小屋泊に関しても全く問題はなかった。最終的にはトレイル上でも寝てしまうし、眠ければどこでも寝れるというのも大人と同じ。

おすすめの場所:砂を掘れば温泉が湧いてくるキャンプ場。

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最終日はレンタカーを借りて、屈斜路湖にある川湯温泉キャンプ場に泊まった。定期的にお風呂には入れたが、湖の砂をスコップで掘って出てくる温泉が最高に気持ちよかった。北根室ランチウェイを歩いているハイカーであまりこのルートをチョイスしているケースを見なかったけど、かなりおすすめです。

■北根室ランチウェイ with HIKING BUDDY

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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