It’s a good day! #18 | ボンファイア
文・写真:鈴木拓海 構成:TRAILS
What’s “It’s a good day” ? | ロング・ディスタンス・ハイカーであり、バサーであり、スケートボーダーであるトレイルネーム Sunny (サニー) ことスズキタクミ。2021年よりTRAILS Crewにジョインしたタクミくんによる、ピースでイージーでちょっとおバカな気まぐれハイキングエッセイ。
なんとなくハイキング。で、なんとなくアメリカのあの⽇を思い出す。マストアイテムはウェイファーラーとラジオとハンバーガー。あとはULの屋根が切り取った三角窓のあの景色。それさえあれば、Itʼs a good day.
Bonfire.

タクミです。今日もどこかのトレイルから、ごきげんよう!
すっかり寒くなってきた。パフジャケットを脱ぐためにカロリーを補給して、ヤー!と歩き始める。呼吸とステップのリズムを早くして、体温を上げる。
遠くにみえる背の高い山はとっくに雪化粧。
こっちはまだ大丈夫。乾いた落ち葉を踏み鳴らし、ざかざかと歩いてゆく。
広葉樹が針葉樹に変わり、寒空にうってつけな風景が広がる。ふかふかと腐葉土を踏みしめて、ちょうどよいフラットを見つける。
シカのうんこを蹴散らして、マイホームを建てる。

冬至を目前に、長い夜をアルコールストーブの火遊びで過ごす。冷え切る前に温かいものを摂る。
人類の、原始的な癒し。
ラジオは悲しくも楽しいアフロビート。
ふと、アメリカでのグッデイを思い出す。

晩秋、大きな川沿いのトレイル。
緯度も高く、うすら寒い。
ここ2、3日、日中も太陽は翳りつづけてパッとしない。身体も荷物も、すべて少し湿っている。休憩に座ってみても、お尻がしっとりしやがる。
歩きつづける分には問題ないけれど、今晩はテントを張ったらすぐに寝袋に潜り込もう…
そう考えて目標までの残りを歩き出す。
10分もしないうちに、予定地の一つ手前のキャンプサイトに到着した。いい具合に針葉樹に囲まれて、ハイカーがこしらえたであろう歴史の古そうな小さなファイアピットまである!
問答無用、ここをキャンプ地とする!ひとり大声で宣言し、さっさとテントをピッチする。
前のハイカーが残した燃料に加え、なるべく乾いた薪をズルズルとかき集める。
少ししけった燃料ばかりだったが、ここまでアルコールストーブで歩いてきたオレには怖いものは無い。直接アルコール燃料をぶっかけて、無事に一瞬で着火。よい子は真似しないでね。
ちょっぴりおセンチに、ワイルドな物思いに耽る。
何度、ウィルダネスで焚き火をしてきただろう。
他のハイカーとたむろして靴、インソール、靴下をもれなく焦がしたり。
お湯を沸かそうと薪に直火で置いたクッカーをひっくり返して、焚き火もろとも台無しにしたり。
グリズリーやオオカミが生息する山域で、せめてもの防衛策として。
人類の発展に大きく関与したと言われる火を前にして、心を落ち着ける。湯船に浸かるように、おせんべいを焼くように、寒く冷えた身体を暖める。
太古の昔から、ヒトのDNAに刻まれた炎の魅力…。
後続のハイカーが2人やってきた。
「ベストキャンプサイト!焚き火つき、一泊いくらだ?」
「なんと…タダだ!早くあったまりなよ」
「Oh god, thanks for your WARMTH!!」
火に惹かれ、ハイカーが集まる。焚き火をしてよかったと思う瞬間だ。くだらない冗談でダンディな思索は吹き飛ばされ、お礼にと少し分けてもらったラム酒がムリヤリ陽気にしてくれる。
十分に全身を燻して、いい香りに包まれながら寝袋に潜り込む。
もちろん、最後はしっかり水をかける。火の用心。
It’s a good day!!
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