TRAILS REPORT

2人用ULスリーピングバッグ「BUDDY BAG」誕生までの開発ストーリー

2017.04.26
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文・構成:TRAILS

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【2人旅×ウルトラライト×NANGA】の組み合わせから誕生した、シンプルでミニマルな旅を愛する人のための寝袋


TRAILSのオリジナルギア第一弾としてリリースした、2人用UL(ウルトライト)スリーピングバッグ「BUDDY BAG(バディバッグ)」。カップルやファミリー/親子などのBUDDY(=仲間)とトレイルを旅する人たちに使ってほしい、2人用スリーピングバッグの新たな提案です。

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”1人用のものを2つ持ち運ぶよりも軽く”、”使い方もデザインもクラシックでシンプル”。そんな2人用スリーピングバッグがほしいとずっと思っていました。2人用のあるべきデザインを1から考え直し、生地やパーツなどの無駄も省き、シンプルで超軽量でありながら、2人用ならではの暖かさを最大限引き出す構造を導き出しました。価格も同スペックの寝袋2つ分よりは、財布への負担が少ないように設定しました。

2人用のギアを世界から集めてはテストしてきたTRAILS編集長夫妻(佐井聡・和沙)の経験と、Highland Designs長谷川氏が数多のオリジナル・スリーピングバッグ開発で培ったノウハウ、そしてメイド・イン・ジャパンのダウン製品づくりにこだわるNANGA(ナンガ)さんの技術力、この3つが融合したことで、新たな2人用ULスリーピングバッグが誕生しました。

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【想定温度域】 適温0〜10℃(3シーズン) / 限界−6℃
【重量】 約860g(±5%) ※スタッフバッグ含まず
【サイズ】 全長170cm
【ダウン】 超撥水UDD加工/770FPダック/封入量500g
【製造】 NANGA ナンガ
【価格】 59,400円(税込)


世界中の2人用寝袋を使いたおしたTRAILS編集長夫妻の、経験とアイデアがつめこまれたオリジナルギア


【2人旅×ウルトラライト×NANGA】というコンセプトから誕生したスリーピングバッグ
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夫婦でそしていまでは親子でウルトラライトハイキングを実践するTRAILS編集長の佐井ファミリー。2人で、またはファミリーで兼用できるギアは、1つにしてシェアすることで、より軽やかな旅をしています。しかし2人用ギアのなかでも、納得いくものがなかなか見つからなかったのがスリーピングバッグでした。

「2人用で1kgを下回るスリーピングバッグがほしい」

「多くの2人用スリーピングバッグは、2人の体の間にできるコールドスポットへの配慮が十分ではない」

「ウルトラライトの象徴である背面のないキルト構造は、2人用だとセッティングの失敗が発生しやすく、ユーザビリティにかける」

そんな悩みを解決して製作したオリジナルプロダクトが、今回のBUDDY BAGです。

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多くの2人用寝袋は、単純に1人寝袋をつなぎあわせたつくりになっているため、余計な生地やダウンがあったり、寝袋のなかにコールドスポットが発生しやすかったり、2人用であるメリットを活かしきれていない構造になっていることが問題でした。

「コールドスポットを最小化して、暖かさを最大化する構造」として、中央開閉部をバンジーコードとコードロックで簡単に開閉できるシステムを取り付け、肩口からのヒートロスをしづらい構造を採用しました。また、スリーピングバッグ下部のテーパー(先細り形状)がきつすぎると、足が寄り添いすぎて上半身が離れてお互いの熱が失われてしまう問題がありました。そのためテストを重ねて、適切なテーパーの角度を設定しました。

またウルトラライトの象徴でもある、背面のないキルト構造は採用せずに、クラシックな寝袋の構造を採用することで、誰もが使えるユニバーサルなデザインに落とし込みました。その中でフードレスにしたり、背中側はダウンがつぶれることを前提に、生地と縫製をミニマムにする構造を採用することで、軽量化を実現することができました。

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BUDDY(仲間)との旅のメリットって何?


BUDDY(=カップルや家族などの仲間)との旅のメリットとは何か?それは道具の面でいえば、「1つ持っていけばシェアして使える」ことが大きな要素です。クッカーが1つで済む。シェルターが1つで済む。同じようにスリーピングバッグだって1つで済ませることができるはずです。ほとんどのものは1人用のものを2つ持つよりも軽くてかさばりません。道具を共用することは、同時に親密なシェアの体験も生まれます。

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BUDDYと旅の風景。日本のトレイルから海外のトレイルまで、自分たちの定番といえるまでBUDDY BAGを使ってきた。

レイ・ジャーディンにはじまるウルトラライトハイキングは、軽さによって旅の経験に集中できる方法を教えてくれました。そんなウルトラライトの考え方をリスペクトしながら製作したのが、このBUDDY BAGです。余計なものをとりはらって、BUDDYとの旅にすべてのセンス(感覚)を解放するためのスリーピングバッグ。2人別々の寝袋に寝るよりも、パートナーと一緒に包まれる寝袋、親子でぬくもりを感じ合う寝袋は別物です。「LOVE IS TOUCH」ってジョン・レノンも歌っていましたっけ。

スリーピングバッグを使うシーンというのは、そこが自然のなかであれ、車のなかであれ、空港のロビーであれ、はたまた深夜の会社の床であれ(笑)、なにかを求めて家から一歩踏み出したときに始まった旅の途上にあるものです。それがBUDDYとの旅であるならば、きっとソロの良さとは違う、特別な共通体験をつくりだす瞬間になっているはずです。

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TRAILSのパタゴニアへの旅でも、2人用スリーピングバッグを使った。


ハイカーから品質と信頼性に定評のある、NANGA(ナンガ)とのコラボレーション


オリジナル・スリーピングバッグの開発にあたり、我々は信頼できるパートナーを探しました。そこでHighland Designs(ウルトラライトハイキング専門店ハイカーズデポを運営)の長谷川晋さんにテクニカルアドバイザーとして入っていただきました。長谷川さんには、今まで数々のオリジナル・スリーピングバッグの開発で培ってきたノウハウやアイディアを提供してもらいました。スリーピングバッグの形状、ダウンを封入する構造や、どのダウンを使用するかなど、テクニカルな側面について、長谷川さんとの議論のなかで解決策が導き出されました。

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製造をお願いしたのは、メイド・イン・ジャパンにこだわっており、その品質と信頼性に定評のあるNANGA(ナンガ)さんです。品質に対する自信からダウンシュラフの「永久保証」を行なってるメーカーとしても有名です。TRAILSの「BRAND STORY」の記事でも、NANGAにしかないブランドの強さを取材させていただきました。「BUDDY BAG」は、ダウン品質や縫製など、そのNANGAさん独自のノウハウにより高い品質で完成しました。また今回の製品には、NANGAさんの、湿気に強い超撥水加工を施した高品質で高機能ダウンを使用しています。

このような信頼できるパートナーによって、【2人旅×ウルトラライト×NANGA】というコンセプトの新しいスリーピングバッグを作り出すことができました。

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<【TRAILS STORE】ページ>より製品をご購入いただけます。

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HAPPY TRAILS! BUDDYとの素敵な旅を!

関連記事

TRAILS REPORT TRAILS CARAVAN in NZ 2016 #3 / BUDDY’S GEAR(NZ’sギア備忘録)


BRAND STORY #001 NANGA / ナンガ – 国内生産だけは、絶対にやめない。

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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