TRAILS REPORT

【お知らせ】新入社員が入社しました。

2018.04.16
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私たちは、TRAILSをリリースして以来、日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンとして、“ 本当におもしろくて、役に立つ、他にはない、リアルな情報 ” を独自の切り口で発信してきました。

インディペンデントでとんがったメディアを作るべく、有名無名を問わず世界中のコアな人たちにコンタクトをとり、企画と編集に過剰にこだわる時代錯誤とも言えるスタイルで妥協なくコンテンツを作ってきたつもりです。

リリースして早4年が経ち、フィロソフィーやスタイルはそのままに、TRAILS2.0とも言えるフェーズに入ったのかなと考えています。より多くの人に、もっとたくさんの “ 本当におもしろくて、役に立つ、他にはない、リアルな情報 ” を届け、トレイルに興味を抱く人や、自然というフィールドで遊んだり、旅をしたりする人を増やすべく、以前から考えていたTRAILS Crewの増員を行なうことにしました。

そこでこの4月からライターの根津さんを迎え入れます。これまでも彼とは、メディアとフリーランスライターという関係性で一緒に仕事をしてきましたが、これからはTRAILSの中の人として活躍していただくことになります。TRAILSにとっては大きな戦力アップですが、果たして根津さんにとってはどうなのか。

すでにフリーランスで活躍されている根津さんが、なぜこのタイミングで組織に入ろうと考えたのか。なぜその先がTRAILSだったのか。改めて、入社に至るまでの経緯を聞いたので、根津さんの正式加入の報告とあわせてそのインタビューをお届けします。

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TRAILSへの正式加入を決めた根津さんの真意を本人の言葉で語ってもらいました。

ー TRAILSに入ろうと思った理由は?

メディアを作っていきたいと思ったからです。なぜそう思ったのかというと、世の中に対してインパクトというか、より影響力を与えたいなと。それは世の中を動かしたいとか、コントロールしたいといったような支配欲とかではぜんぜんなくて。

たとえばロングハイキングもそうだけど、そもそも僕のなかに伝えたいアクティビティやカルチャーやその楽しみ方とかがあるなかで、伝わる範囲が小さいよりは大きいほうがいいなと。そのほうが世の中は良くなると思っているんです。新薬を開発したら身内だけじゃなくて、それ以外の人にも使ってもらったほうがいいじゃないですか。それと同じ感覚というか、まあまったくもって薬ほど役立つようなことはしていないんですけどね。

で、それを実現する上で現状のやり方ではかなり難しいなと感じるようになってきて。メディアおよび同じベクトルを持つ仲間が必要だなと。

そのベストな相手がTRAILSでした。彼らの意気込みや覚悟はウェブマガジンを立ち上げる時に聞いていました。本質を伝えたい、時代を動かす存在でありたい、フォロワーではなくムーヴメントを仕掛けていきたい……など、メディアとしてどうあるべきか、その矜持を持っていて以前からシンパシーを感じていたんです。

そして、いちフリーランスとして仕事を受けるより、ジョインしたほうが相乗効果が生まれると考えたのです。

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北米を代表するロングトレイルであるPCT(パシフィック・クレスト・トレイル)を、2012年に歩く。この経験がアウトドアライターとして仕事をする上で役に立っている。

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PCT(パシフィック・クレスト・トレイル)で、ヒッチハイク用のボードを作る。

ー いつ頃から考えていた?

ここ1年くらい。2017年に入ったくらいかな。最初は、TRAILSの佐井さんが、打診というよりはゆくゆく一緒にやるのもありだよね!という可能性の話をしていたことがあって。当時、自分もこの業界で4年くらいやってきて、そろそろ次のステップに進みたいなと考えていたタイミングでもありました。

ー そもそも2012年のPCTロングハイクをきっかけに、広告業界からアウトドア業界に転身しました。なぜ、サラリーマンを辞めてフリーランスのライターになったの?

まず断っておくと、PCTを歩くために会社を辞めたわけでも、会社員がイヤでフリーランスになったわけでもないんです。誤解されがちなんですけど(苦笑)。フリーで仕事をする前に、今しかないと思ってアメリカに行っただけで。また独立欲も一切なくて、たまたまアウトドア業界の常識、仕組みがそうだったんです。ライターもカメラマンもフリーランスという。

会社員時代は広告会社のコピーライターで、11年半くらい勤めました。でも30歳を過ぎた頃からその会社にずっといるイメージが持てなくなっていて、転職を考えるようになったんです。書く仕事で食っていくということだけは決めていて、あとは業界をどうするかだった。そこがなかなか決まらなくて、5〜6年かけてようやく見出したのがアウトドア業界でした。

ちょうど30歳頃から登山やハイキングをやるようになって、よくアウトドアの雑誌を読んでいたのが大きいですね。当時、僕の登山の経験やスキルなんてもうただの素人レベルで、活躍しているライターの方々とは雲泥の差。業界の第一線にいる人は、山岳部、ワンゲル部、探検部出身がごろごろいるわけで。普通に考えたら僕が入り込む余地なんてありません。でも、それが逆にチャンスかなと思いはじめて。

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会社員時代は、もっぱら週末登山。無雪期をメインに国内の山々に足を運んでいた。

僕はコピーライターとして、一見魅力のないこと(魅力がわからないこと)をいかに魅力的にみせるか、興味がない人をいかに振り向かせるか、ってことをさんざんやってきたわけです。そのスキルを活かして、登山やハイキングをもっと広めることができるんじゃないかと思ったんです。

当時、自分の周りにはだれも登山をする人がいなくて、どちらかというと好奇の目で見られていたんです。こんなにおもしろいんだからみんなやったらいいのに、と僕は思っていたんですけどね。雑誌の内容もハウツー系が多く顕在層に向けたものがメイン。僕はもっと潜在層に向けた記事を書きたいと思っていたんです。

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PCTを歩いた際にお世話になったトレイルエンジェル(ハイカーをサポートするボランティア)の家にて。ここでなぜか人生初のモヒカンになる。

ー 複数の雑誌やWEBで寄稿したり、GHT Projectに参加して毎年ネパールを旅したり、フリーランスならではのボーダレスな感じで数多くの仕事をしていますよね。性に合ってそうな感じもしますが、それでも組織に入るということは、フリーでは実現できないことがあったということ?

そうですね。なかでも一番は、メディアの戦略・企画立案に携わることかな。やはり何かを伝えよう、広めようと思ったら単発では難しく、中長期的にやりつづける必要があって。でも、フリーランスだとそこまで企画部分に入り込めないし、決定権もない。世の中への影響力を考えると、もっとメディア全体をコントロールする力が必要だなと思っていたんです。

もちろん、自分をメディアとして、自分がメディアを作って、という手段もあります。そこも含めてベストな選択はどれかなと考えた上での今回の決断です。

フリーランスをやめることを知人に話した際に、驚く人は多かったですね。フリーを満喫している印象があったのかもしれません。山や自然をフィールドに好きなことをして楽しく生きているように見えていたのかもしれません。

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ハイキングだけでなく、トレイルランやファストパッキング、クライミング、パックラフティングなど、幅広いアクティビティを実践している。

でも僕は、働く形態にはこだわっていなくて。だって、それは目的を実現するための手段でしかないじゃないですか。だから最適なスタイルを選ぶまでです。あと、ここも誤解されがちなんですが、そもそも趣味が高じてこの仕事についたわけでもないし、好きなことをしたくてフリーになったわけでもないんです。つねづねライターとして明確な目的があってアクションを起こしているだけなので、会社員になっても基本的に目指すべきことに変わりはありません。

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ネパールのロングトレイルGHT(グレート・ヒマラヤ・トレイル)を踏査するプロジェクトにも主要メンバーとして参画。2014年から毎年GHTに通っている。

ー 最後に、TRAILSクルーとしての抱負を。

やっぱり、創業期の熱量っていうのはハンパないんですよ。前の会社も入社した時は立ち上げ直後のベンチャー企業で、上場に向けて社員一丸となって突き進んでいて。あの時のムードはいい意味で異常でしたよ。

TRAILSは会社としては創業期ではないですが、ウェブマガジンに関していえば産声を上げたばかりのようなものだと思っていて。普通にやっても、他と同じようなことをやっても、面白くないしうまくいくはずもない。そこはもう異常性を持って極端にやらないとね。

いい歳をした大人ですが、こっからですよ、バカをやるのは。

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この春にTRAILSクルーで房総をロングハイクした時の一枚。

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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