TRAILS REPORT

パックラフト・アディクト | #10 DIY PackraftでパックラフトをMYOGしてみた(試乗編)

2018.11.09
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文:根津貴央 取材・構成・写真:TRAILS

残念ながら、完成! とまではいかなかった前回(製作編の記事はコチラ)。その後、テープで応急処置をしていた空気漏れの箇所を、数時間かけて再度圧着してみた。

その結果、ちょっと頼りない気もしないわけではないが、一応膨らむようになった。見た目は、まさしくパックラフトそのものである。

はたして、これでどのくらいイケるものなのか。川を下れるのか。いや、その前にもっと完成度を高めるべきか。悩んだ末に、一回試してみよう!(というか、もう待ちきれない)となり、TRAILS crewは、自分たちで作ったパックラフトを持って川へと向かったのだった。


空気漏れの補修をおえ、できあがったDIY PACKRAFTを川に持ってきた。


自作したパックラフトを、川に持って行ってみる!


まずは、完成した(であろう)パックラフトを膨らませてみる。


インフレーションバッグで空気を入れていく。バルブは、逆止弁になっている。


空気を入れた状態のDIY PACKRAFT。カラーリングもよいではないか。

おぉー、空気がちゃんと入っていってる!なんかいい感じだぞ。

わりとさまになってるじゃないか!これなら、けっこうイケるんじゃないか。製作編で何度もくじけそうになったTRAILS編集部クルーも、ここに来てかなり気持ちが高ぶってきた。


いざ、進水式!

佐井と小川で川まで運び、そのまま乗るのかと思いきや、「どーぞ、どーぞ!」と言いはじめ、なぜか僕がパドラー役をやらされることに……。

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不安をかかえながら乗り込む筆者(根津)。


いよいよ川の上で試乗!しっかりと漕げるのか?


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期待と不安でいっぱいながら、まずは水の上に浮かべられたことを喜ぶ。

ついに、自作のパックラフトに乗ることができた! 制作時間40時間オーバーの超大作だけに、かなり感動。まだ漕いでないけど、乗れただけでも胸アツである。

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座るためのシートを取り付けていないので、かなら体が水平に近い状態に。しかし頑張って漕ぐ!

さっそく、漕いでみる。どこまで下れるか!?

と思ったら、徐々に舟が沈みはじめてきた……。やばいやばい、溺れる溺れる。

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あれ、空気が…。

なんとか岸にたどり着く。

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水没ぎりぎりで岸にたどり着く。

でも、舟がしぼみすぎて外に出ることができない。仲間の手を借りて、ようやく脱出!

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ああ、もう舟の形が、残念なことに。

というわけで、自作のパックラフトで川を下ることはできず! という残念な結果に終わってしまった。

でも、40時間も製作に費やした大作。このままではおわれない。まだ残された可能性があるのではないか。

せっかくみんなで時間をかけて一生懸命作ったのに……悔しくて仕方がない。というか、この現実をどうにも受け止めることができないTRAILS編集部クルーは、「もしかしたら、別の場所で他の人が乗ったら大丈夫だったりして?」などと思いはじめて、あらためてこの人に試してもらうことにした。


一度、沈んだ事実は知らせずに、この人にも試してもらってみた・・



佐井の道具一式を着せられるスティーブ。なんだかとても様になっている!これはいけるのでは?

そう、先日『PLAY!』の連載の第2回目に登場してくれたスティーブだ。もちろん、1回失敗していることは一切言っていない。そして、スティーブもけっこうノリノリだ。

スティーブ頼んだぞ!


おお!歓喜の顔!

と思ったのもつかの間、まさかというかやっぱり沈みはじめ、スティーブも焦りはじめる。


舟から脱出し、水の中に立つスティーブ。

「オーイ!キイテナイヨー!」と叫ぶスティーブ。

ごめん、スティーブ。やっぱりダメだったね。

というわけで、パックラフトのMYOGは失敗に終わりました。でも、TRAILS編集部としては、これに懲りずにまたトライして、いつかこれで川を下りたいと思っています。その時はあらためて記事にするつもりなので、お楽しみに!

関連記事

パックラフト・アディクト | #07 DIY PackraftでパックラフトをMYOGしてみた(製作編)


PLAY!出社前に遊ぼう # 02 | TRAILS × スティーブ・マイヤーズ(OUTDOOR GEAR MANIACS)ハイキング前のVAN LIFE

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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