TRAILS REPORT

SKI HIKING | #07 BCクロカンおすすめ日帰りルート 長野県・北八ヶ岳

2021.04.16
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話・写真:石田啓介 構成:TRAILS

『SKI HIKING』は、「歩くスキー」であるBCクロカンにフォーカスした企画記事だ。BCクロカンは、滑りながら歩けるその機動力で、雪の世界におけるハイキングの旅を拡張してくれる。

TRAILSがBCクロカンに惹かれた理由の詳細は、ぜひこちらの記事をご覧になっていただきたい (SKI HIKING | #05 BCクロカン2021 Second Season)。

今回の「BCクロカンのおすすめ日帰りルート」の第2回目は、北八ヶ岳だ。

北八ヶ岳といえば、スノーシューでのハイキングのイメージが強いが、実はBCクロカンでハイキングすると、スノーシューとは違った楽しみを体感できる。

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標高2,000mを超える北八ヶ岳のルートは、高所ならではの景色が堪能できる。

おすすめルートを紹介してくれるのは、前回の戸隠ルートと同じく、ケースケさん (石田啓介さん)。以前、僕らと一緒に信越トレイルをBCクロカンで旅した、名古屋のアウトドアショップ「MOOSE (ムース)」のオーナーだ。

石田啓介 Keisuke Ishida名古屋のアウトドアショップ『MOOSE (ムース)』代表。1978年、愛知県生まれ。先代が創業当時から山でのクロスカントリースキーツアーを開催。その後、約30年前から道具の進化とともに、テレマークスキーへと徐々に移行し今に至る。現在、冬の雪遊びをする人を増やすために、スキー経験が無くても楽しめるBCクロカンの魅力を広めるべく奮闘中。
石田啓介 Keisuke Ishida名古屋のアウトドアショップ『MOOSE』代表。先代が創業当時から山でのクロスカントリースキーツアーを開催。現在、雪遊びをする人を増やすため、BCクロカンの魅力を広めるべく奮闘中。

今回のおすすめルート:長野県・北八ヶ岳。雪の林道を歩く。


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山麓駅から山頂駅までは、ロープウェイで約7分。山頂駅からスタートして、雨池で折り返して帰ってくる。コースタイムは約3時間。人気の登山ルートでもあるため道は明瞭だが、高所ゆえ天候が悪い時は避けること。また、ロープウェイの最終便に乗り遅れるとゲレンデで下ることになるため、事前に要確認。

ケースケさん:「今回のルートは、無雪期のハイキングでも人気のコースです。標高2,000m以上のエリアながら、ロープウェイで一気にスタート地点まで行けるので、アクセスも抜群です。

ロープウェイの山頂駅をスタートすると、すぐに坪庭と呼ばれる自然園が広がっています。そこを経て、樹林帯を下って林道へ。林道を抜けると、折り返し地点の雨池にたどり着きます。開放感満点なので、ここでのんびり休憩するのがいいでしょう。

途中、勾配の急な樹林帯もありますが、そこはスキー板を外して担ぐか手に持つかして歩けば大丈夫です。手軽に高所でのBCクロカンが楽しめるので、僕もツアーでよく足を運んでいます」


長野県・北八ヶ岳のレコメンド・ポイント。


[1] なだらかな林道がBCクロカンでは最高の道になる
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なだらかな林道も、BCクロカンだとスピード感あるハイキングに変わる。

ケースケさん:「林道はBCクロカンだと、気持ちいい道になるんですよ。フラットかつ単調で、歩きだと退屈になりがちな林道が、別物になります。

今回のルートでは、大石川林道というなだらかな林道を通ります。ここをBCクロカンで歩くと、スノーシューに比べてかなりのスピードで進むことができるので、気分がアガると思いますよ」

[2] 凍結した湖を縦横無尽に滑って歩ける
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冬の雨池は、広大で、一面真っ白。BCクロカンだとすいすいと進んで、駆け回れる。

ケースケさん:「折り返し地点の雨池は、冬季は湖面が全面凍結し、雪が積もっています。冬ならではの幻想的な光景は見るだけでも楽しいですが、この広い湖面をBCクロカンで縦横無尽に歩きまわるのもおすすめですね。

BCクロカンで風を切って進んでいると、フラットな湖面はまるでスケートリンクのようで、平地を滑る楽しさが実感できるはずです」

[3] 整備された登山道なので迷いにくい
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人気の登山ルートということもあり、整備が行き届いている。

ケースケさん:「このルートは、年間通して人気のハイキングルートでもあります。登山道として整備されているため、道標があるのはもちろん道も明瞭なので、迷いにくいでしょう。

また、トレースもしっかりあることが多いので、BCクロカンに慣れていない人でも、比較的、歩きやすいですね」

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TRAILS編集部の『SKI HIKING』の観点から、今回の北八ヶ岳ルートの魅力を紹介したい。

最大の魅力は、長い林道だ。歩きだと退屈になりがちな林道が、BCクロカンだとすいすいとスケーティングしながら進めるので、疾走感を楽しめるトレイルに変わるのだ。

また、スノーハイキングにおけるメジャールートである。行き慣れた場所だからこそ、いつもの旅との違いを実感しやすいのも面白い。

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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