SKI HIKING | #07 BCクロカンおすすめ日帰りルート 長野県・北八ヶ岳
話・写真:石田啓介 構成:TRAILS
『SKI HIKING』は、「歩くスキー」であるBCクロカンにフォーカスした企画記事だ。BCクロカンは、滑りながら歩けるその機動力で、雪の世界におけるハイキングの旅を拡張してくれる。
TRAILSがBCクロカンに惹かれた理由の詳細は、ぜひこちらの記事をご覧になっていただきたい (SKI HIKING | #05 BCクロカン2021 Second Season)。
今回の「BCクロカンのおすすめ日帰りルート」の第2回目は、北八ヶ岳だ。
北八ヶ岳といえば、スノーシューでのハイキングのイメージが強いが、実はBCクロカンでハイキングすると、スノーシューとは違った楽しみを体感できる。
標高2,000mを超える北八ヶ岳のルートは、高所ならではの景色が堪能できる。
おすすめルートを紹介してくれるのは、前回の戸隠ルートと同じく、ケースケさん (石田啓介さん)。以前、僕らと一緒に信越トレイルをBCクロカンで旅した、名古屋のアウトドアショップ「MOOSE (ムース)」のオーナーだ。
石田啓介 Keisuke Ishida名古屋のアウトドアショップ『MOOSE (ムース)』代表。1978年、愛知県生まれ。先代が創業当時から山でのクロスカントリースキーツアーを開催。その後、約30年前から道具の進化とともに、テレマークスキーへと徐々に移行し今に至る。現在、冬の雪遊びをする人を増やすために、スキー経験が無くても楽しめるBCクロカンの魅力を広めるべく奮闘中。石田啓介 Keisuke Ishida名古屋のアウトドアショップ『MOOSE』代表。先代が創業当時から山でのクロスカントリースキーツアーを開催。現在、雪遊びをする人を増やすため、BCクロカンの魅力を広めるべく奮闘中。
今回のおすすめルート:長野県・北八ヶ岳。雪の林道を歩く。
山麓駅から山頂駅までは、ロープウェイで約7分。山頂駅からスタートして、雨池で折り返して帰ってくる。コースタイムは約3時間。人気の登山ルートでもあるため道は明瞭だが、高所ゆえ天候が悪い時は避けること。また、ロープウェイの最終便に乗り遅れるとゲレンデで下ることになるため、事前に要確認。
ケースケさん:「今回のルートは、無雪期のハイキングでも人気のコースです。標高2,000m以上のエリアながら、ロープウェイで一気にスタート地点まで行けるので、アクセスも抜群です。
ロープウェイの山頂駅をスタートすると、すぐに坪庭と呼ばれる自然園が広がっています。そこを経て、樹林帯を下って林道へ。林道を抜けると、折り返し地点の雨池にたどり着きます。開放感満点なので、ここでのんびり休憩するのがいいでしょう。
途中、勾配の急な樹林帯もありますが、そこはスキー板を外して担ぐか手に持つかして歩けば大丈夫です。手軽に高所でのBCクロカンが楽しめるので、僕もツアーでよく足を運んでいます」
長野県・北八ヶ岳のレコメンド・ポイント。
[1] なだらかな林道がBCクロカンでは最高の道になる
なだらかな林道も、BCクロカンだとスピード感あるハイキングに変わる。
ケースケさん:「林道はBCクロカンだと、気持ちいい道になるんですよ。フラットかつ単調で、歩きだと退屈になりがちな林道が、別物になります。
今回のルートでは、大石川林道というなだらかな林道を通ります。ここをBCクロカンで歩くと、スノーシューに比べてかなりのスピードで進むことができるので、気分がアガると思いますよ」
[2] 凍結した湖を縦横無尽に滑って歩ける
冬の雨池は、広大で、一面真っ白。BCクロカンだとすいすいと進んで、駆け回れる。
ケースケさん:「折り返し地点の雨池は、冬季は湖面が全面凍結し、雪が積もっています。冬ならではの幻想的な光景は見るだけでも楽しいですが、この広い湖面をBCクロカンで縦横無尽に歩きまわるのもおすすめですね。
BCクロカンで風を切って進んでいると、フラットな湖面はまるでスケートリンクのようで、平地を滑る楽しさが実感できるはずです」
[3] 整備された登山道なので迷いにくい
人気の登山ルートということもあり、整備が行き届いている。
ケースケさん:「このルートは、年間通して人気のハイキングルートでもあります。登山道として整備されているため、道標があるのはもちろん道も明瞭なので、迷いにくいでしょう。
また、トレースもしっかりあることが多いので、BCクロカンに慣れていない人でも、比較的、歩きやすいですね」
TRAILS編集部の『SKI HIKING』の観点から、今回の北八ヶ岳ルートの魅力を紹介したい。最大の魅力は、長い林道だ。歩きだと退屈になりがちな林道が、BCクロカンだとすいすいとスケーティングしながら進めるので、疾走感を楽しめるトレイルに変わるのだ。
また、スノーハイキングにおけるメジャールートである。行き慣れた場所だからこそ、いつもの旅との違いを実感しやすいのも面白い。
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