TRAILS REPORT

パックラフト・アディクト | #47 タンデム艇のABC 〜2人艇の遊び方 ① 〜

2021.07.30
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文・構成・写真:TRAILS

この夏のTRAILSの特集記事としてスタートした、パックラフトのタンデム艇 (2人艇) をフィーチャーした企画。全7回の総力特集である。

第2回目の今回のテーマは、「2人艇の遊び方」。

同じパックラフトでも、1人艇とタンデム艇 (2人艇) は、その楽しさや遊び方は別モノと捉えたほうがよい、と僕たちは感じている。

前回の記事「タンデム艇のススメ」では、「パックラフト・タンデムは、BUDDYとの舟旅のグルーヴ感が増すULギア」と紹介した。そう、グルーヴ感や、旅をシェアしている感覚を濃密に感じられる乗り物なのだ。

今回の記事では、パックラフト・タンデムの楽しさをディープダイブするべく、TRAILS編集部や仲間のパックラフト・アディクトたちが実践した遊びから感じた、パックラフト・タンデムの魅力をお伝えしたい。

最高の友だち同士で。カップルで。親子で。それぞれに、タンデム艇独自の楽しさがあるのだ。


[case1] 2艇のタンデム艇で、パーティー・トリップ



タンデム艇2艇で旅した、釧路川源流部。4人でまとまっていられる時間が多く、みんなでワイワイ話しながら旅することができた。

TRAILS:「4人で4艇ではなく、4人で2艇というのは、単純に道具の数が減り、しかも重量も軽くなります。パーティー全体を考えた際に、シングル艇以上にULスタイルで旅ができるのがいいですね。


1つの道具を一緒に組み立てるのも、シングル艇では味わえないおもしろさ。

また、ある程度の流れがある場所だと、シングル艇の場合は物理的に4人に距離が生まれがちです。でもタンデム艇だと4人がかなり近い距離にいられるので、チームで旅している感覚がより味わえるのも大きな発見でした。

仲間たちとワイワイ楽しみたいとか、川旅の体験をより共有したいとか、そういう目的がある時には、もってこいだと思います。パーティーでの旅のグルーヴ感をブーストしてくれるギアですね」


みんなでずっと一緒に旅していると、パーティーでの達成感や充実感もひとしお。


[case2] 最高の仲間と鳥見をしながらリバー・ツーリング



久慈川でのヤマセミ目当ての鳥見パックラフティングは毎年恒例。

櫻井史彦:「これまでも中沢くんとは、一緒にいろんな川を漕いできました。もちろん毎回楽しく、なんの不満もありませんでした。でも、タンデム艇にしたらその楽しさがぜんぜん違ったんです。

1つの舟に2人で乗っているので、ずーっと喋っていられるんです。中沢くんとは、鳥見 (バードウォッチング) をはじめ、共通の趣味が多いので、すごく楽しくて。シングル艇では味わえない醍醐味だと思います。

よし、これなら一緒に双眼鏡で鳥見もできる! なんて思ったのですが、実際にはタンデム艇は2人で漕がないとコントロールできないので、うまくいかず。それだけは誤算でした (苦笑)」


2人で協力して瀬を越えたりと、ひとつの体験を2人で味わえるのが楽しい。

中沢優一:「たとえば瀬を越えたりするような攻めている時に、その流れを共有できるのが楽しいですね。一緒に漕ぐのもそうですし、気持ちも共有できるんです。

ソロでフリップしそうになった時は1人でヒヤヒヤするだけですが、タンデム艇だと、2人で大爆笑ですよ。旅の充実度が上がる気がしますね。

櫻井さんとはよく一緒に川旅に行くんですが、シングル艇で行く時とタンデム艇で行く時では、かなり印象が違いますね。同じパックラフティングとはいえ、遊びとしては別物みたいな感じがしています」


タンデム艇ならではのショット。こんな感じで、後ろに乗っている人の漕ぎっぷりも写真におさめることができる。


[case3] 夫婦で、舟もキャンプ道具もすべて2人用でUL化



夫婦でのんびりメロウに川旅ができる。

小川竜太:「一緒に旅を進めていく感触が、より強く感じられるのが面白いですね。運命共同体として旅している感じが強いんです。これまでは、シングル艇2つで夫婦で川旅をしていましたが、タンデム艇だとより一緒に旅を楽しめる感じがしました。

あとは、シングル艇2つ持っていくよりも、タンデム艇1つのほうが、ギアを共有してUL化できるのもいいですね。

うちは普段からシェルターやスリーピングバッグなど、基本的に2人用のギアを使用し、クッカーなどもシェアしてUL化しています。これに加え、舟自体を1つにして軽量化できるメリットというのは大きいです。

パドルも、ダブルパドルではなくシングルパドルなので、重量が半分。これも軽量化にかなり役立っています」


舟が1つで、パドルもシングルブレードパドルなので、UL化できることも大きなメリット。

小川恭子:「2人のかけ合いで一緒に漕いで、舟を操縦していくので、すべてが共同作業なんです。これまでシングル艇しか漕いだことがなかったので、これはすごく新鮮な感覚でした。

ちょっとした方向転換や、瀬を越えるときも、2人で息を合わせて漕ぐ。ちょっとした瀬も、舟が長いのすごく縦にバウンドする感じもワクワクします。

また、Oryxはカヌーベースのシットオン・スタイルの舟なので、シングル艇よりも、視線が高いんです。そのぶん景色を広く見られるので、それも、タンデム艇独特のメロウな感じを増幅させてくれている感じがします」


夫婦二人で、舟を操縦している感覚が楽しい。


[case4] 子どもを舟の冒険に連れ出すのに最高なタンデム艇



Explorer 42で長男と楽しんだ、ニュージーランド・トリップ。

佐井聡:「長男 (9歳) が6カ月の頃から1人艇に乗せて、湖などの静水で2人乗りを楽しんできました。息子と酒を交わす、ではないですが、大切な人と大好きなものを共有する感覚で、親としてはこういう時間が本当にたまらないのです。

子どもの成長につれ、1人艇は全長が短くて狭さを感じはじめたのと、どうしてもMYパドルを持ちたがるようになりました。大人の真似をしたい、剣みたいなのが欲しいと。

で、いざ持たせていmるとパドル同士がぶつかり、チャンバラに発展してしまうという……。これらを解消すべく、子どもにもMYパドルを持たせて積極的に2人乗りを試してみようという話になり、当時はOryxはなかったので、Explorer 42を導入しました。最悪、子どもと使わなくなっても、夫婦で使えば旧42は1人当たり1.6kgだから、ゴリゴリのUL化が進むし良いよねと。

1人艇よりもずいぶんと全長が長くなり、狭さは解消。パドル同士がぶつかることも激減。何より、大人と変わらない武器を得たことで、僕もCrewの一員だから! と言わんばかりの役割意識の芽生えは嬉しい発見でした」


Explorer 42は、ALPACKA RAFTのタンデム艇の最軽量モデル (この初期モデルは3.1kg、現行品は3.6kg) ということもあり、子どもでも引っぱることができる。

佐井和沙:「最近Oryxを導入して感じた違いは、より大人数で1つの目的を共有できること。あとは、全員の役割がよりはっきりするということでした。

大人1人と子ども2人ではもちろん、小さいうちは家族4人で1艇に乗ることもできるので、一気に共同体の意識が高まって、チームで舟旅している感がすごく増すんですよね。このまま川から海まで漕いじゃう? みたいな。

また、スペースが広いので全員に持ち場感覚が生まれやすかったように思います。次男には船長、長男にはリーダーをお願いしたんですけど。自発性が促進されたのか、想定以上に役割をまっとうしようとするのも新鮮でしたね。


子ども2人と一緒に乗ると、チーム感が出る。先頭の長男がリーダーで、真ん中の次男が船長。

シングルブレードパドルに変更したことも大きいと思います。パドルの長さが短くなり、重さも軽減され、子どもでも扱いやすくなりました。扱いやすくなった分、親がやっていることを見よう見まねでやってみたりして。お! 案外役に立ってるじゃんと (笑)。

ちなみに、長男は先頭、次男は真ん中に座らせました。まだまだ幼く、やんちゃな次男が目の前だと、危ないと感じたらすぐにつかんだり、支えたりできるんです。我が家の場合は、兄弟のポジションは、この並び順がベストだと感じました」


 

今回の「タンデム艇のABC」第2回目では、「2人艇の遊び方①」として、4つの遊び方のケースを紹介した。

次回の「2人艇の遊び方②」では、さらにパックラフト・タンデムのポテンシャルを感じてもらうため、タンデム艇を使った釣りや、犬との舟旅などを紹介したい。

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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