ロングトレイルTOPICS #03 | ATスルーハイキングに向けた最新情報(2022 Feb)
TRAILS編集部が取材やリサーチで集めた情報を中心に、ロングトレイルの最新情報や注目すべきトピックを発信する『ロングトレイルTOPICS』(全5回)。3回目の今回は、AT (アパラチアン・トレイル) 編。
TRAILS編集部が、ATC (ATの運営組織) のコミュニケーション・ディレクターであるジョーダン・ボウマンに取材を行ない、2022年2月時点での最新情報を聞いた。
ATは、前回のPCTとは異なり、トレイル上のシェルターや、トレイル沿いのホステルが数多くあるという特徴がある。コロナによって、なにか変化はあるのだろうか。その点も含めて、ジョーダンからの最新情報をお届けする。
ATの特徴であるシェルターが、多くの場所で閉鎖されている。
—— 編集部:2022年のスルーハイクにおいて、例年と比較してルールの変更点はありますか?
ジョーダン:「ATCでは、ワクチン接種の有無にかかわらず、すべてのビジターセンターでマスクの着用を義務付けています。
これにはハーパーズフェリー・ビジターセンター、5月オープンのボイリング・スプリングス・ビジターセンター、6月オープンのモンソン・ビジターセンター、そしてオープン日が未定のダマスカス・トレイルセンターも含まれます。
また、ATのシェルター (避難小屋) は、シェルター内でソーシャルディスタンスを取ることが難しいため、土地管理局により55カ所以上が閉鎖されたままです。ただし、ほとんどの場合、閉鎖されたシェルター周辺でのキャンプは許可されています (ヴァージニア州グレイソン・ハイランズ州立公園のワイズ・シェルターを除く)。
2020年に始まったコロナ禍以降、トレイル沿いのお店やホステルなども、徐々に再開しつつありますが、ATCはビジターセンター以外の施設やサービスを管理していません。そのためハイカーは、ホステル、レストラン、アウトフィッターなどに、営業しているかどうか、あるいは新しいルールがあるかどうか、を確認する必要があります」
—— 編集部:スタート地点へのアクセスは通常通りですか?
ジョーダン:「一般的にATへのアクセスをサポートするサービスは再開されていますが、ハイカーは事前に各事業者に営業時間やサービス内容を確認したほうがいいでしょう」
シェルターを頼らずとも、野営でスルーハイクできる準備をする。
—— 編集部:今年のスルーハイカーが、特に気をつけるべきことはありますか?
ジョーダン:「ATCはこれまで、ハイカーがトレイル沿いのシェルターに頼らず、自分自身でテントを準備することを推奨してきましたが、このコロナ期には特に重要です。
公式のオープン、クローズにかかわらず、ハイカーはシェルターを避け、自分専用のテントやフードストレージを持参してください。
コロナ期における安全なハイキングのためのTIPS一覧は、下記を参照ください」
ATCのウェブサイトで登録を行ない、つねに最新情報を入手する。
—— 編集部:特に、アメリカ国外からのハイカーが気をつけるべきことはありますか?
ジョーダン:「ATCでは、コロナの感染拡大に伴い、ウェブサイトで最新のガイダンスを掲載しています。
ハイカーは、このページにくわえて、コロナに関係なく重要なトレイル閉鎖や警告などを掲載するトレイル・アップデートのページを定期的にチェックしてください。
また、すべてのスルーハイカー、セクションハイカー、およびグループは、『ATCamp』に登録し、ATCからのニュースの受信を選択することを強くおすすめします。
特に海外からのハイカー、飛行機で米国に到着するハイカーは、米国国務省およびCDC (アメリカ疾病対策センター) のウェブサイトで、最新の渡航要件および制限を確認してください」
他のハイカーを距離を保つ。食べ物をシェアしない。トイレの後は手を消毒する。
—— 編集部:ここ最近は、オミクロン株が猛威を振るっています。
ジョーダン:「新型コロナウイルスは、すべての人に大きな変化とシフトをもたらしました。今後も、ATを含めてあらゆることにおいてそうでありつづける可能性が高いです。
ATCは、パートナー機関と緊密に連携してコロナを監視し、最新のガイダンスをウェブサイトに掲載していく予定です」
—— 編集部:これまで話してくれたこと以外で、ハイカーができることはありますか。
ジョーダン:「もっとも重要なことは、ハイカーは他のハイカーと少なくとも6ft (約1.8m) の距離を保ち、距離が取れない場合はマスクを着用すること、ハイカー同士で水や食べ物を共有しないこと、トレイル沿いでトイレに行った後は手を消毒することです。
万が一、ATでコロナに感染した場合は、ATCのウェブサイトにある下記報告書に記入をしてください。
また、病気になった場合は、ハイカーはCDCのガイドラインに従い、検査を受けるべきか、他の措置を取る必要があるかを判断する必要があります」
マスクを携行する、旅の資金を多めに用意しておくなどは、どのトレイルを歩くにあたっても最低限のリスクヘッジであろう。
それにくわえて、ことATに関しては、シェルター利用における注意点や、ハイカー向けの独自の登録システムがあるので、そこをしっかり押さえておくことが重要であるようだ。
次回は、CDT (コンチネンタル・ディバイド・トレイル) の運営組織であるCDTAのスタッフから、CDTの最新情報を紹介してもらう。
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