TRAILS REPORT

HAMMOCKS for Hiker | 開催直前! ハンモックハイカー9人のスタイル紹介

2022.05.18
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3年ぶり5回目の開催となる『HAMMOCKS for Hiker』が、いよいよ今週末に迫ってきました。

今回は、実際のハイカーたちが、ハンモックのどんなところに魅力を感じているのか? そして山でどんな風にしてハンモックを楽しんでいるのか? をお届けすべく、9名のハンモックハイカーが登場。

それぞれ、ハンモックにまつわる4つの質問に答えてもらいました。リアルなハンモックハイカーの体験談、スタイルを通じて、このイベント直前に、ハンモックへのイメージを膨らませてもらえたら嬉しいです。

ハンモックハイカー(1) 河原 康宏さん (使用ギア:KAMMOK / Mantis UL)


 

ハンモックは、『KAMMOK / Mantis UL』 (重量960g)。

Q1. ハンモックを使いはじめたきっかけは?

A1. TRAILSの記事で2016年の『HAMMOCKS for Hiker』のことを知って興味を持ち、翌年の『HAMMOCKS for Hiker 2017』に参加。実際にハイキングしながらハンモックを張ったり、ウッドストーブで焚き火をしたり、ハンモックで泊まるという経験は、一般的なピークハントのハイキングしかしていなかった自分にとっては衝撃的な面白さでした。さらに会場にいた人たちの自由で、ゆるい雰囲気になにより魅了されたのが、きっかけですね。

Q2. どんな風にハンモックで遊んでいますか?

A2. 地図を眺めて、ハンモックが張れそうな場所を見つけて行ってみる。毎回良い場所とは限りませんが、それも面白いですね。たいてい、ウッドストーブで火を起こして調理をして、ビールを飲んで眠くなったら、そのまま寝るというパターン。ソロでも行きますが、2~3人で行くことが多いですね。お互いにお気に入りの場所をアテンドしたりして。秘密基地に招待する感じですね。

Q3. あなたにとってハンモックの良さとは?

A3. これは難しい質問ですね。ハンモックを張る場所を見つけるのも面白いし、そのための地図読みも楽しい。ハンモックに座ってウッドストーブでの調理も面白いし、ビールを飲んで気持ちよくなったらそのまま寝れてしまう、あのぐうたら感も好き。ロープワークを駆使して、キレイにタープを張って快適な空間を作るのもいいし、ハンモックの周辺ギアも良い。あとは低山でも1年中遊べることですかね。魅力が多すぎますね (笑)。

Q4. このアイテムを選んだ理由とは?

A4. ハンモック・タープ・蚊帳・ストラップ込みのオールインワンでありながら、1㎏弱というのは軽くていいですよね。しかもペグ付きで収納袋に収納用スリーブもあり、忘れることがない!

要はこの1セットを持っていけばどんな状況でも対応できるという優れもの。あと、この蚊帳は簡単に外すことができて、収納袋にしまっておき、すぐに装着できるところも素晴らしい。蚊帳って、座っているときはけっこう邪魔なんですよね。今年の夏は渓流釣りでの沢泊で使い込む予定です。

ハンモックハイカー(2) 櫻井 史彦さん (使用ギア:ENO / Sub6)


 

ハンモックは、『ENO / Sub6』 (重量164g)。

Q1. ハンモックを使いはじめたきっかけは?

A1. ハンモックを過去に手にしたことはありますが、ろくに使わずじまいでした。自分のフィールドで使うイメージが湧かなかったのです。でもあるとき、同行した友人たちがみんなハンモックを張っていて、地べたに寝るのが自分だけでした。

友人たちそれぞれのハンモック&タープを見て、それを選んだ話を聞いて、試してみて、自分ならどんな選択をするかと具体的に考えたことで、やっとハンモックに興味を持つことができました。

Q2. どんな風にハンモックで遊んでいますか?

A2. 山中に泊まるときに持って行きます。泊まる道具の一形態として考えています。なので、ハンモック単体で使用することはなく、タープとセット。

長年かけて突き詰めてきたハイキングの道具へのアドオンなので、ハンモックがあるだけで「遊び」の要素になりますが、ハンモック関連の軽量化も楽しんでいきたいです。

Q3. あなたにとってハンモックの良さとは?

A3. 泊まる場所を整地することなく、寝る支度ができるのが良いと思います。

Q4. このアイテムを選んだ理由とは?

A4. 友人のハンモックをいくつか試して、ド定番のeno sub6とcocoonのツリーストラップの組合せに決めました。軽さと寝心地のバランスが決め手です。

ハンモックハイカー(3) 長沼 商史さん (使用ギア:EXPED / Travel Hammock Lite)


 

ハンモックは、『EXPED / Travel Hammock Lite』 (重量190g)。

Q1. ハンモックを使いはじめたきっかけは?

A1. 初めてのハイキングが、オーバーナイトでの秩父縦走だったのですが、そのときの宿泊道具が、なぜかハンモックだったんです。たぶん、かさばるマットを持って行きたくなかったんだと思います。

Q2. どんな風にハンモックで遊んでいますか?

A2. 最近は、渓流釣りで渓泊するときはだいたいハンモックを使っています。平らなところを探さなくていいのが理由です。

Q3. あなたにとってハンモックの良さとは?

A3. 平らなところを探さなくていい。地面が濡れててもいい。木の多い渓流釣りに最高。なんか気持ちいい。

Q4. このアイテムを選んだ理由とは?

A4. 全長が短めで、デカイタープがいらないから全体で軽量化できます。小さい、軽い、そこそこ強い。寝たときの感触が柔らかく包み込まれるというよりは、パリッとしている感じも好きです。

ハンモックハイカー(4) 木村 南和子さん (使用ギア:COCOON / Ultralight Mosquito Net Hammock)


 

ハンモックは、『COCOON / Ultralight Mosquito Net Hammock』 (重量478g)。

Q1. ハンモックを使いはじめたきっかけは?

A1. ハンモックを知ったのは第一回目の『HAMMOCKS for Hiker』の告知です。山でハンモックなんておもしろそうだなと思ったものの、そのときは都合があわず参加できませんでした。その少し後、アクシーズクインのイベントではじめてハンモックを体験しました。実際にやってみたら思っていたよりずっと簡単ですごく楽しかったので、帰りにハンモックを買って、そこから使いはじめました。

Q2. どんな風にハンモックで遊んでいますか?

A2. ハンモックが張れそうな山に行くときはかならず持って行きます。しっかり歩くときは、小さめのハンモックを持ち、休憩時にイス代わりに使ったり。山でのんびりご飯を食べて昼寝をしたいときは、大きめのハンモックを持ち、ゆっくりと快適に過ごすことを重視。そんな感じで、ハンモックを選んで楽しんでいます。

Q3. あなたにとってハンモックの良さとは?

A3. とにかく楽しい。簡単で快適で楽しいって最高だと思います。テントみたいに構えずに使えることや、持ち運びが楽で張るのも簡単、地面が濡れていても雪が積もっていても、気持ちよく過ごせるのはハンモックの良さだと思います。持つだけで山の楽しさを気軽にアップさせてくれる道具だと思います。

Q4. このアイテムを選んだ理由とは?

A4. 友人が使っていたこのハンモックを試させてもらったときに、広くて快適だったのと、蚊帳の安心感が気に入ったので購入しました。蚊帳のないハンモックは開放感と気楽さがよいのですが、蚊帳があることで寝ているときの虫の煩わしさが無くなること、思いのほか風を遮ってくれるので暖かいこと、包まれる安心感がある点が気に入っています。

ハンモックハイカー(5) 利根川 真幸さん (使用ギア:HENNESSY HAMMOCK / Hyper Light A-SYM ZIP)


 

ハンモックは、『HENNESSY HAMMOCK / Hyper Light A-SYM ZIP』 (重量793g)。

Q1. ハンモックを使いはじめたきっかけは?

A1. 2015年にPCTをスルーハイクしたときに、ハンモックフリークのハイカーに出会い、いつもハンモックでくつろいでいて楽しそうだなと。特に印象に残ってるのが、大雨で地面がグシャグシャになっているなかでテン場を探していると、オレは関係ないぜーとハンモックでポテチを食べてたこと。

Q2. どんな風にハンモックで遊んでいますか?

A2. テン泊する、しないに関わらず、ザックのフロントポケットやサイドポケットにハンモックを放り込んでます。良い雰囲気の場所があればハンモックを張って、自然に溶け込み一体化!

Q3. あなたにとってハンモックの良さとは?

A3. 自然との一体感にくわえて、あの浮遊感が非現実的な要素をさらに盛り上げてくれます。あとは、揺られながらビールを飲んでるときの心地良さが最高ですね。

Q4. このアイテムを選んだ理由とは?

A4. 宿泊要素が強いときはヘネシーに限ります! 決して軽いとは言えませんが、生地が柔らかく適度に張りがあり、寝心地が良い上にタープが付いてるなんて、宿泊道具としては言うことなし。でも一番の理由は、張ったときのカッコ良さ! これに尽きます。

ハンモックハイカー(6) 村上 龍世さん (使用ギア:GRAND TRUNK / TRUNKTECH SINGLE HAMMOCK)


 

ハンモックは、『GRAND TRUNK / TRUNKTECH SINGLE HAMMOCK』 (重量340g)。

Q1. ハンモックを使いはじめたきっかけは?

A1. けっこう前なのであまり覚えていないのですが、おそらく楽しそうだなってくらいで使いはじめたんだろうと思います。

Q2. どんな風にハンモックで遊んでいますか?

A2. 主に夏に使用しています。夏は渓流釣りや沢登りをしていて、泊まりのときは毎回ハンモックを使います。地面の状態が良くない場所もあったりするので、その影響のないハンモックは重宝しています。地面から浮いている状態なので、ハンモックの下に風が抜け涼しくて気持ちいいですね。

Q3. あなたにとってハンモックの良さとは?

A3. 良く寝れること! ですね。今まで、山でテント泊やタープ泊は何度もしてはいるんですが、熟睡できた経験ってあまり多くなかったんです。ただ、ハンモックで寝てみたら、朝までぐっすり眠ることができて感動しました。

Q4. このアイテムを選んだ理由とは?

A4. 初めて買ったハンモックで、ずっと使ってきているので愛着はめちゃくちゃあります!なんとなく他の人と被らなさそうなのと、まあまあ軽そうだなってくらいで選びました (笑)。

ハンモックハイカー(7) ワタナベ ケンタさん (使用ギア:AXESQUIN / Hammock Bivy Tyvek)


 

ハンモック用のビビィは、『AXESQUIN / Hammock Bivy Tyvek』 (本体重量290g・収納袋11g)。

Q1. ハンモックを使いはじめたきっかけは?

A1. 山行時の休憩時に、あまり良い場所がなかったり、ちょうどいいスペースがなかったりというのが、ちょっとした悩みでした。雨の日は濡れた地面に座るのもあまり気持ち良いものではないなと。それで軽量でコンパクトなハンモックを購入しました。

Q2. どんな風にハンモックで遊んでいますか?

A2. おもに縦走時の宿泊道具、日帰り山行での休憩道具として使っています。

Q3. あなたにとってハンモックの良さとは?

A3. 木があれば斜面であっても張れてリラックスできること。地面にいる害虫からも身を守れること。

Q4. このアイテムを選んだ理由とは?

A4. 重量301g (実測) と軽量、コンパクトで、バックパックのサイドポケットにも簡単に入るのがいいですね。

裏面がアルミ蒸着なので、ハンモックに入った瞬間にとても暖かく安心できます。タイベックなので防風・防水性もあり、荒天でなければタープレスで使えて軽量化にもなると思います。

無地のタイベックなので、自分自身でカスタマイズできるし、使い込むと味が出てきて経年変化も楽しめそうです。

ハンモックハイカー(8) 三浦 卓也さん (使用ギア:WARBONNET OUTDOORS / Traveler Single)


 

ハンモックは、『WARBONNET OUTDOORS / Traveler Single』 (重量318g)。

Q1. ハンモックを使いはじめたきっかけは?

A1. まだキャンプやハイキングをはじめる前、昼寝する目的で使用していました。それから数年後に持ち運びができるenoのハンモックを購入して、キャンプでも使用するようになりました。

Q2. どんな風にハンモックで遊んでいますか?

A2. HARIYAMA Productionsのプロダクトを制作していて煮詰まったときや、プロトタイプのテストが必要になったときに、おもに地元島根のホームマウンテンで使っています。かさばらないのでとりえずバックパックやポケットにしのばせて休憩に使う、というのがほとんどですね。まだ野営の寝床としては使っていないので、これからハンモックキャンプに挑戦したいなと思っています。

Q3. あなたにとってハンモックの良さとは?

A3. 僕の中でハンモックと言えば、ハイカーズデポのニノくんです。10年ほど前一緒に歩いたときに、廃校のサッカーのゴールポストにヘネシーハンモックを張って寝ていた姿が、今でもとても印象に残っています。2本の木や柱さえあればどこでも張れてしまう自由度、あとは構造や設営がとてもシンプルで簡単なところが良いなと思います。

Q4. このアイテムを選んだ理由とは?

A4. 今回は普段使っているものではなく、一度試してみたかったリッジラインつきの軽量なハンモックをTRAILSからお借りしました。リッジラインを初めて使用しましたが、あるとないとでは張り具合や寝心地が大違いで、びっくりしました。さっそく自分のものにもカスタムしてリッジラインを取り付けました (笑)。

ハンモックハイカー(9) 鈴木 拓海さん (使用ギア:Ticket To The Moon / Lightest Hammock)


 

ハンモックは、『Ticket To The Moon / Lightest Hammock』 (重量228g)。ストーブは、『MSR / WindBurner Personal Stove System』 (465g) と『MSR / WindBurner Hanging Kit』 (30g) のセット。

Q1. ハンモックを使いはじめたきっかけは?

A1. アメリカをハイキングしていたときに仲良くなったハイカーが、テントとは別にハンモックを持って歩いていたんです。スキあらば砂漠でも牛の水飲み場や岩にハンギングしたりと、「泊まるためのオプション」が多く、うらやましくて使いはじめました。

実際にロングトレイルを歩いていると、全方位傾斜ゼロなサイトはとても稀なことに気づきます。地面の質はスリーピングパッドである程度カバーできますが、傾斜はどうにもなりません。でも、ハンモックなら傾斜も地面の硬さも無問題です。

Q2. どんな風にハンモックで遊んでいますか?

A2. 使いはじめて気づいた嬉しいポイントは、イスとしても使えるということです。特に雨のなかの休憩には持ってこい。いつでもどんなときでも、さっと展開して、極上の座り心地でチルアウト。ゆっくりする、という新しい目的が生まれてしまいました。

Q3. あなたにとってハンモックの良さとは?

A3. 地球上の高度9,000m地点では地上よりも、モノの重さが0.29%減少すると言われています。地上から少し浮く、それは少しだけ重力から逃れるということかもしれません。

冗談はさておき、ロングトレイル上では、キャンプ (と休憩) は「手段」として捉えられがちですが、ハンモックはそれを極上のものにするオプションです。

地面に寝るギアはもちろん持ちますが、200〜300gの増加で増えるオプションは計り知れない魅力があります。ただ身体を横たえて、ゆらゆらとスイングを感じるだけで楽しいものです。

Q4. このアイテムを選んだ理由とは?

A4. このハンモックは、そこそこ軽量で、かつ肌触り良いことがポイントです。ストーブとハンギングキットは、地面が濡れていても、斜面であっても、関係なくお湯を沸かせるのが便利ですね。ハンモックとの相性が抜群です。

『HAMMOCKS for Hiker 2022』は、5/21 (土)・22 (日) に開催!


ハンモックのスタイルは十人十色。ハイカーそれぞれの楽しみ方がある。

次回、金曜日の記事では、『HAMMOCKS for Hiker 2022』に参加するハンモックブランドと、TRAILS編集部の注目ギアを紹介。

各ブランドのストーリーとギアの特徴を予習して、イベント当日に実物をチェックしてみてください。

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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