HIMALAYA MOUNTAIN LIFE | GHT project 2023(スタート!)
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文・写真:根津 貴央 構成:TRAILS
ヒマラヤのロングトレイル『グレート・ヒマラヤ・トレイル (GHT ※1)』を踏査するプロジェクト『GHT project』(※2)。
昨年に引き続き、今年もこのプロジェクトの季節がやってきた。今年は、根津がひと足先に現地 (ネパール) 入りして、11月中旬にプロジェクトメンバーの飯坂と合流するプラン。
合流地点からが今回のGHT projectでの踏査ルートとなるが、それまでは根津がひとりで2週間ほどサイドトレイルを歩く予定だ。
2014年に立ち上げたこのプロジェクト。これまで踏査したのは、全線1,700kmのうち約1,100km。ただ、毎回自分たちが良いと感じたエリアに寄り道をしていることもあり、すでに2,000kmは歩いている。
今回の記事では、まずはすでに現地入りした、スタート直前の根津からの速報をお届けする。
※1 グレート・ヒマラヤ・トレイル(GHT):ヒマラヤ山脈を貫くロングトレイルで、アッパー・ルート(山岳ルート)とロワー・ルート(丘陵ルート)の2本で構成。全長は、前者が約1,700km(標高3,000〜6,000m超)、後者が約1,500km(標高1,000〜4,000m超)。
※2 GHT Project:GHTのアッパー・ルートを踏査し、ヒマラヤの知られざる魅力を日本に広めるために2014年に立ち上げたプロジェクト。コンセプトは『ヒマラヤは世界最大の里山だ』。メンバーは山岳ガイドの根本秀嗣、TRAILS編集部crewの根津貴央、写真家の飯坂大の3人。
ネパール入りした根津。カトマンズはスケダラ (Skedhara) エリアにて。
ネパールの首都カトマンズに到着。すぐさま行きつけのモモ屋へ……。
ただいまネパール。1年ぶりのネパールは、旅をしに来たというよりはもはや帰省のようだ。実際、自分の実家に帰るよりもネパールに来ていることは間違いない。
ネパールのトリブバン国際空港。
まず最初に向かうのは、昨年も紹介した行きつけのモモ屋さん! のはずだったのだが、今年はちょうど、ネパール最大のお祭り「ダサイン」のタイミングで、基本的には役所も企業もお店も学校もすべてお休み。
行きつけのお店が閉まっていたので、仕方なく別の店へ。美味しいがあのいつもの味には敵わない。
でも、もはやモモ (ネパール・チベット式の蒸し餃子 ※3) の口になってしまっていたので、営業しているお店を探してそこに飛び込んだ。
※3 モモ:ネパール、チベットの蒸し餃子。具は野菜と水牛の肉などが使われる。町中でよく売られているローカルフードの定番。
今回歩くのは、ネパールの中部、ヘランブエリアとマナスルエリア。サイドトレイルも含めて約260kmほど歩く予定だ。
出発直前、ギアの最終チェックと身支度。
旅の直前というのは、国内外問わずバタバタするもの。パスポートやお金など、これだけは! という超重要なものは念入りにチェックするから忘れないが、一方で小物類はうっかり忘れがちだ。
今回忘れたのは、サンダルだ。
ネパールでは、道沿いの小さな商店でたいがい山ほど置いてあるサンダル。僕は、なぜか惹かれてしまったモデルをチョイスして購入した。お値段、300ネパールルピー (日本円にして約340円)。
現地購入したサンダル。もちろん本物でないことはわかっている。
その他、いろいろギアをチェックしたが、ほぼほぼ大丈夫そうだった。ギアが揃ったら、あとは気持ちを高めるだけだ。
9年間のプロジェクトスタート当初は、それなりに緊張していたが、慣れもあってか今や緊張感が少なく、良くも悪くもリラックスしている。そこで、スイッチを入れるべく散髪にいくことにした。
髪を切り、ヒゲを剃って、気合い十分。あとは出発を待つのみ。
スタート地点の村に向けて、カトマンズを出発。
いよいよ出発の朝。カトマンズからはバスでスタート地点となる村へと向かう。
いつもは容量80Lのバックパックを担ぐのだが、今回はゲストハウスやロッジが多いルートでテント泊も少なく、荷物もいつもより軽め。そこで55LのTRAILSのULバックパック『LONG DISTANCE HIKER』(詳細はコチラ) で行くことにした。
TRAILSのULTRALIGHT CLASSIC Seriesのバックパック『LONG DISTANCE HIKER』。容量は55Lで重量は500g。
今年はいったいどんなロング・ディスタンス・ハイキングになるのだろうか。
トレイルの情報が少なく、行ってみないとわからないのがGHTの魅力のひとつ。今年も気負わず、自分なりのハイキングを楽しみたい。そして、日本ではまだまだ知られていないGHTの魅力を伝えられたらと思う。
では、行ってきます!
いざ出発!
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