TRAILS REPORT

LONG DISTANCE HIKERS DAY 2024 イベントレポート③ | NEW YEAR HIKERS

2024.05.08
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全3回でお届けする『LONG DISTANCE HIKERS DAY (LDHD) 2024』のイベントレポート。

今回の第3回目の最終回は『NEW YEAR HIKERS』というテーマで、今年2024年に海外トレイルを歩くロング・ディスタンス・ハイカー9組10名が登場。新たな旅立ちをするハイカーたちの声をお届けします。

今年のハイカー (CLASS OF 2024) が、『LONG DISTANCE HIKERS DAY』(以下、LDHD) およびプレイベントの『準備ワークショップ & 相談会』でどんな刺激を受け、どんな思いで今年、海外ロングトレイルを歩こうとしているのかを語ってもらいました。

今生々しく初々しいハイカーの声をぜひお楽しみください。そして自分のロング・ディスタンス・ハイキングの旅の刺激にもしてもらえたらと思います。

CLASS OF 2024 : 今年、海外トレイルを旅するハイカー


今年2024年に海外のロングトレイルを歩きに行く9組 (10人)のハイカーたち。

■ 河野義久 “Yoshihisa” – PCT
ロング・ディスタンス・ハイキングの本場を感じてみたい。

LDHD初参加の河野さん。今年、PCTをスルーハイキングする予定。

「LDHDは今回が初めての参加でしたが、いろいろな意味で世間から少し離れた特別な場所でした。

『ULTRALIGHT と LONG DISTANCE HIKING』(※1)が、プログラムの中で一番楽しみにしていたコンテンツでした。私はウルトラライトやロング・ディスタンス・ハイキング、そのカルチャーについてほぼ知識がありません。しかしその本場を感じてみたい、その場所を歩いてみたいというのが、今回旅に出る理由のひとつです。数十年前から見つめてきた方たちのお話は、その原動力を後押ししてくれたような気がしています。

自分の場合は『積年の願いが叶ってやっと出発できる!』というわけではないので、特別な意気込みは残念ながらありません。だからこそ自然体に、楽しいときは笑顔に、落ち込んだときは下を向き、わからない言葉に愛想笑いしながら歩けたらと思います。」

※1 「ULTRALIGHT と LONG DISTANCE HIKING」:TRAILSとHiker’s Depotの両者で、「UL=軽い道具を使うこと?」というお題をもとに語り合ったコンテンツ。ULは、LDHをするための思想や方法論として生み出されたという成り立ちや、軽量化の追求におけるイノベーションの価値など、今まで見落とされがちだった視点から語り直したトークセッション。

■ 川島亜希子 “Akiko” – Te Araroa
事前ワークショップでは、自分では想定しづらい貴重な情報も得られた。

JMTなどをセクションで歩いた経験がある川島さん。今年はTe Araroaの南島をすべて歩く予定。

「2023年に初めてLDHDに参加し、わたしも早く歩いてみたいっ!と、とてもワクワクしたのを覚えています。今年はTe Araroaの南島を旅します。それに向けて今回はLDHDの事前ワークショップにも参加しました。

事前ワークショップでは、実際にTe Araroaを歩いたハイカーにリアルな情報を聞ける貴重な機会を得られました。特に渡渉に関することや、クリスマスシーズンに食料が手に入らなかったり宿泊施設が空いてなかったりする可能性があることなど、なかなか自分だけでは想定しづらいことを聞けて良かったです。

今まで歩いたJMTやパタゴニアはセクション・ハイキングという楽しみ方でしたが、今度は経験したことない長さのロングトレイルです。ニュージーランドの自然や人に触れながら、楽しいことも大変なことも、雄大な景色も泥んこのぬかるみも、全部ひっくるめて楽しく心地よく歩けたらいいなと!」

■ 関口文雄 “Flyingfish” – PCT
好奇心に蓋をしないで、これからも楽しんで自分のハイキングをしていきたい。

2019年ATを歩いた関口さん。昨年はPCTを全線は歩けず、改めて今年もPCTへ行く。

「自分は60歳も過ぎているので、年齢的にそう長くハイキングを続けることがかなわないかもしれませんが、好奇心に蓋をしないで、これからも楽しんで自分のハイキングをしていきたいです。

LDHDにお客さんとして参加した時は、遠い世界に飛び出したハイカーさんから直接お話が聞けて、勇気をもらい背中を押してもらった気持ちになりました。

私は定年後からロング・ディスタンス・ハイキングを始めました。そして感じたことは、日本国内にも素晴らしいところがたくさんありますが、世界はさらに広くスケールが違います。日本国内だけじゃもったいない。今まで知らなかった自分にもできる冒険の世界がそこにあります。大袈裟に言えば、旅に出て新しい目で自分の周りの世界を見ると、ものの見方や人生観がちょっと変わり、人生がより豊かになるような気がします。多くの人とその楽しさを分かち合えれば最高です。」

■ 梨本愛 “Ai” – JMT
JMTでは憧れの景色を見ながら毎日を楽しむことをモットーに。

今年JMTを歩きに行く梨本さん。LDHDは事前WSも参加して念入りの情報収集した。

「LDHDに参加してみて、ロング・ディスタンス・ハイキングに興味がある人がこんなにも集まるなんて、すごいイベントだなと思いました。実体験に基づくリアルなお話がたくさん聞けて、今年歩く身としてはとても刺激を受けました。

コンテンツでは『HIKER’S TABLE』(※2)でのLONG TRAILが面白かったです。アメリカ東海岸側のトレイルは日本の山と似ているらしい、ということくらいしか知りませんでしたが、東海岸側は日本のパラレルワールドという表現をされていて、日本の10年後、20年後がもしかしたらこういう風になっているかも知れない、とすごくロマンが詰まったトレイルだと感じることができました。

今年の9月に歩くJMTでは、憧れの景色を見ながら毎日を楽しむことをモットーに歩きたいと思っています。初めての海外トレイルなので不安もありますが、旅を通してどんな経験ができるのか楽しみです!」

※2 「HIKER’S TABLE」:このイベントの第1回目からつづく、コア・コンテンツのひとつ。それぞれのハイカーが、ロング・ディスタンス・ハイキングで体験したリアルでパーソナルなストーリーを語ってもらうコーナー。

■ 鳥越恵 “Tori” – Hexatrek
スルーハイキングを目指すというより、現地で楽しい歩き方を模索します。

2022-2023年にTe Araroaをスルーハイキングした鳥越さん。今年はHexatrekを歩く。

「今年のLDHDでは『リスクマネジメント』(※3)のコンテンツが、教科書的な注意事項というよりも、実体験に基づいた具体的な話が聞けてとても勉強になりました。例えば、入院した時の入院費用だとか、マダニの対策方法、渡渉ポイントの探索方法など。経験した人からでしか聞けない話ばかりで、たくさんメモを取りました。

今年はフランスのHexatrekに挑戦します。トレイル自体はもちろん、2022-2023年にTe Araroaをスルーハイキングしたときに出会った、フランスなどヨーロッパのハイカーと再会することが楽しみです。旅で記憶に強烈に残るのはなんだかんだで人々との出会いなので、1年前からフランス語を毎日勉強しています。

スルーハイキングを目指すというより、まずは現地での楽しい歩き方を模索します。とにかく怪我や事故がありませんように。」

※3「リスクマネジメント」:ロング・ディスタンス・ハイキングにおける、渡渉や火事、雪、感染症など、さまざまなリスクについて、ハイカーそれぞれに実体験をもとに具体的な対策や注意点を語ってもらうトークセッション。

■ 小野尚人 “Naoto” – PCT
あの時に憧れた世界をこの目で見れることが楽しみで仕方ない。

憧れの原点であるPCTを今年歩きに行く小野さん。

「LDHDはとにかくロング・ディスタンス・ハイキングという遊びを通して人生を楽しんでいる方々が集まる場所だと思いました。登壇者の方々は歩いてきたトレイルへの思いや経験を魅力溢れる言葉で語られていて、それを目を輝かせながら来場者の方々が聞いていたのが印象に残ってます。

コンテンツでは『HIKER’S TABLE』のHexatrekの話が、特に印象に残っています。漠然とした『まだ見たことのない世界』のようなものに憧れを持つ僕にとっては、まだまだ地球には遊び代があるんだ!と気づかせてくれる話でした。

今年歩きに行くPCTは、僕が初めてロング・ディスタンス・ハイキングという遊びを知ったトレイルで、憧れた場所です。初めての海外のトレイルは絶対にPCTだと決めてました。あの時に憧れた世界をこの目で見れることが楽しみで仕方ないです。とにかく自由に、自分だけの旅を心から楽しもうと思います。」

■ 桜井雄介・奈緒 “Yusuke & Nao” – PCT
PCTは長丁場の「生活」になるので、気負わず無理せず自分たちのペースで。

LDHDに参加してPCTを歩く決断をした櫻井さん夫妻。

「今年歩きに行くPCTは2人にとって『いつか行ってみたい』という夢でした。2022年からLDHDに参加して多くのハイカーとお話しさせてもらうことにより、具体的なイメージができていき、私たちもすぐにそこを歩きたい!と決断するきっかけとなりました。

『TRAIL FOOD』(※4)のコンテンツでは、3人のハイカーの個性豊かなトレイルフードを知ることができて、とても楽しかったです。それぞれに合うトレイルフードを模索しながら、疲れていても自分たちが食べられる食料を知ることで歩き続けられると学べました。私たちも工夫しながら、自分たちのベスト・トレイルフードを見つけていきたいと思います

夢の実現を前にして、装備やルート計画など考えているとキリがないのですが、長丁場の『生活』になるので、気負わず無理せず自分たちのペースで楽しめればいいな、と思います。」

※4 「TRAIL FOOD」: ロング・ディスタンス・ハイカーは、トレイル上でなにを食べているのか。現地の定番トレイルフードから、軽量化のTIPS、長距離を歩くための栄養術まで、ハイカーがそれぞれの食生活を語るセッション。

■ 西尾咲希 “Saki” – PCT
LDHDはハイカーの百科事典のようで私に旅に出る刺激を与えてくれる。

LDHDだけでなく、準備のためTRAILSのSCHOOL「『衣・食・住・歩』の方法論(1DAYツアー)」にも参加した西尾さん。

「LDHDは、活気とエネルギーに満ちたイベントです。 特に好きな点は、様々なハイカーの考え方や旅の経験を肌で感じられるところです。刺激が強すぎて、おわった後すぐは電車に乗る気がせず、落ち着くまで歩いて帰るほど(笑)。

私は大学時代探検部だったこともあり、物事の意味や個人の思想を探求することに面白さを感じます。そういう意味でもLDHDは、ハイカーの百科事典のようで私に旅に出る刺激を与えてくれます。

今年のPCTのスローガンは『さあ、楽しもう!』これ一択です。10年前にPCTを知り、3年前新卒で入社した時にPCTを歩くことに決めました。この旅は自分へのご褒美であり、自分の人生を操舵することを自身に知らしめるためのものです。サイドプロジェクトとしては、トレイル上での経験を通し、自身の感性にどのような変容が生じるかを測るため、詩集を持っていき研究してみようと思っています。」

■ 赤塚野乃花 “Nonoka” – JMT
シエラの壮大な自然を歩きながら美味しくご飯を食べれたら最高。

昨年にもJMTをセクションで歩き、今年はその続きを歩きに行く赤塚さん。

「LDHDは、去年に引き続き2度目の参加です。欲しい情報が得られるのはもちろん、トレイルを歩き終えたばかりの人や、これから行く人の生の声が聞けるので、非常に刺激になりました。そして歩いてみたい場所が増えてしまい、困ってしまいます(笑)。

コンテンツで『HIKER’S TABLE』のGHT (グレート・ヒマラヤ・トレイル)の話が面白かったです。7年前にネパールを歩いたことがあり、8,000m峰の神々しさに圧倒され、田舎の生活道を歩き、ネパール文化をこれでもかと感じたことを思い出しました。

食べるために歩いている、といっても過言ではないくらい食べることが何より大切なわたし。最近手に入れたフードドライヤーで、野菜を干したりアルファ米を作ったりMake Own Your Food を実践中。今年歩きに行くJMTでは、シエラの壮大な自然を歩きながら美味しくご飯が食べられたら最高です。」


CLASS OF 2024のハイカーたちはどんな旅をするのか。いまから楽しみだ。

3回にわたってお届けした『LONG DISTANCE HIKERS DAY 2024』のイベントレポート、いかがでしたでしょうか。

今年参加してくれた人は、来年もぜひお越しください。そして今年参加できなかった人は、来年こそぜひ遊びにきてください。

来年、2025年の『LONG DISTANCE HIKERS DAY』では、今回CLASS OF 2024として登場してくれたハイカーが、スピーカーとしてリアルなエピソードを語ってくれるはず。どんな体験談を聞かせてくれるのか、今から楽しみです。

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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