TRAILS REPORT

HAMMOCKS for Hiker | ハンモックギア2024 #02 注目のハンモック10ブランド (後編)

2024.06.21
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取材・文・構成:TRAILS

『HAMMOCKS for Hiker』は、2016年から開催している「ハイカーのためのハンモックの旅」を提案するイベント。今回で7回目の開催となった。

このイベントでは、野営ギアとしてのハンモックを中心に、ハイキングの旅を拡張してくれるギアとしてハンモックを紹介している。

ハイキングで使える軽量でコンパクトなハンモックを中心に、タープやキルト、ストーブなどハンモック関連ギアも勢揃い。これだけの数のハイキング向けハンモックを、実際に触って、座って、寝て、試せるイベントは『HAMMOCKS for Hiker』だけ、といっても過言ではない。

前売りチケットは、キャンプ泊 (ハンモック泊) 券は即日ソールドアウトし、当日も大勢のハンモックハイカーたちが集まった。

今年も多くのハンモックブランドが出展し、新製品の展示やワークショップなどもあり、まさにハンモックの祭典らしい盛り上がりを見せていた。

そんな『HAMMOCKS for Hiker 2024』を振り返るべく、今回から4回にわたって『ハンモックギア2024』と題して特集記事をお届けしたい。

今年注目のハンモックや、個性あふれるさまざまな周辺ギア、ユーザーの声など、面白くて役に立つ情報満載のコンテンツを紹介していくので、たっぷりとお楽しみください。

第2回目の今回は、注目のハンモック10ブランドの後編。主にオールインワンモデルやストラップとのセット、ダウンハンモックなどを、新製品と定番製品を合わせて紹介したい。


7回目の開催となった『HAMMOCKS for Hiker』。今年も大勢のハンモックハイカーでにぎわった。

HENNESY HAMMOCK ヘネシーハンモック

■ Expedition A-sym Zip / エクスペディションA-SYM ZIP


【重量】1,232g (ウェビングストラップ84g別) / 【価格 (税込)】31,900円

HENNESSY HAMMOCKは、「シェルターとしてのハンモック」のシステムを確立したハンモック専門メーカーであり、野営ハンモック界のレジェンドメーカー。

このExpedition A-sym Zipは、HENNESSY HAMMOCKを代表するスタンダードモデル。ハンモックに、タープとバグネットがセットになったオールインワンタイプ。HENNESSY HAMMOCKには、ハンモックで野営する知恵と仕様のほとんどすべてが詰め込まれている。特許も取得している、寝ると自然と最適なポジションにおさまる独自の非対称構造の設計。その構造に最適化された形のタープ。またタープもバグネットもハンモックと連結されており、まとめて設営できる。


寝ると自然と最適なポジションにおさまる独自の非対称構造の設計。

また余計なパーツを使わずに、ストラップをロープワークのみで設営するオールドスクールな仕様は、故障するパーツを減らすことにもつながる。いまもロング・ディスタンス・ハイカーに支持される理由も納得の、完成度の高い「シェルター」である。

KAMMOK (カモック)

■ Mantis Ultralight (マンティス・ウルトラライト)


【重量】1,045g / 【価格 (税込)】59,400円

2010年にアメリカ・テキサス州で誕生したKAMMOKは、「Give1% For the Planet」をはじめ、環境問題にも積極的に取り組んでいるハンモック専門ブランド。

Mantis Ultralightは、タープ、バグネット付きハンモック、ツリーストラップ、ペグ (6本)がセットになったオールインワンハンモック。「シェルターとしてのハンモック」をKAMMOCK独自の観点でアップデートを図ったのが、このMantis Ultralight。最大の特徴は、タープもバグネットを取り外すことができる自由度の高さだ。

シチュエーションに応じて、ハンモック単体の使用や、バグネットなしの使用など、自由に使い分けることができる。これ一つでオーバーナイトからデイハイキングまで、幅広く使うことができる。

また、ハンモック本体は20D、タープは15Dの生地を使うなど、各パーツでの軽量化が図られており、ペグを含めてトータル1,045gという重量におさまっている。

EXPED (エクスペド)

■ Scout Hammock Combi UL (スカウト・ハンモック・コンビ・UL)


【重量】970g / 【価格 (税込)】69,300円

「Expedition Equipment」を意味するEXPEDは、1997年の創業以来、ハイカーから登山家まで、さまざまなユーザーに高品質のギアを提供してきたスイスのブランド。

Scout Hammock Combi ULは、タープ、バグネット付きハンモック、ツリーストラップがセットになったオールインワンモデル (ペグは含まず)。特徴的なのは、スリーピングマットを背面に差し込める二重構造になっていること。マットがずれることの煩わしさを防ぎながら、背面の冷え対策をとることができる。


ゆとりあるスリーブで、スリーピングマットを背面に楽に差し込める構造。

タープは2022年にアップデートされ、EXPED定番のSoloTarpに相当する300x190cmの軽量でコンパクトなサイズとなった。バグネットには、内部空間を広く確保できるように、ポールや枝を差し込めるスリーブが付属しているなど、EXPEDらしい細やかな工夫がされている。

cocoon コクーン

■ Travel Hammock Single Set / トラベルハンモックセット シングル


【重量】580g (カラビナ40g別) / 【価格 (税込)】9,460円

トラベルシーツやスリーピングバッグライナーで知られているブランド「cocoon」から、今シーズン発売の新しいハンモックが登場。

このTravel Hammock Single Setは、ハンモック本体に、カラビナ、ストラップがセットになったスターターパック。全長285cm x 幅150cmとやや幅広のサイズ感に、70Dのしっかりした厚みの生地の組み合わせは、しっかりと体をホールドしてくれ、ハンモックならではの寝心地のよさを存分に味わえる設計となっている。まさにスリーピングギアを作っているブランドならではの、気持ちのよい寝心地だ。


デイジーチェーンにカラビナをかけるタイプの、初めての人でもわかりやすい設営方法

またリーズナブルな価格も嬉しいポイント。一般的な製品で同じ内容を個別に揃えていくよりも、お手頃な価格設定となっている。またデイジーチェーンタイプのツリーストラップは、シンプルで簡単に設営でき、ギアのハンギングにも使うことができるので利便性も高い。また付属のスタッフサックに、ワンセットすべて収納できるのも便利。快適性重視のハンモックを探している人はもちろん、初めてのハンモックとしてもエントリーしやすいモデルだ。

GRAND TRUNK (グランドトランク)

■ Evolution 20 Hammock Down (エボリューション20 ハンモック ダウン)


【重量】約2,000g / 【価格 (税込)】49,500円

2001年、アメリカ・イリノイ州で誕生したGRAND TRUNKは、「大きな旅行カバン」というブランド名の通り、未知の世界に旅立ちたくなるような、冒険心をくすぐるトラベルギアを扱っている。

ハンモックとダウンの寝袋が一体化された、ユニークなハンモック。650フィルパワーのダウンが約730g封入されており、下限温度-7℃という設定。春・秋などの寒い季節にも積極的にハンモックキャンプができるプロダクトだ。

当然、寝袋はぴったりとハンモックの形に合っているので、余計な隙間がなく、ぬくぬくの布団に包まれたような寝心地を味わえる。また冷気が入りやすい首や肩の周辺も覆ってくれる形状のため、首周りもあたたかい。


上からも下からも開閉できるダブルジッパーで温度調節もしやすい。

また少し暑いと感じた時は、トップキルトには上からも下からも開閉できるダブルジッパーになっているため、足を出しての温度調整もできる仕様になっているのも特徴だ。


会場ではワークショップも開催され、ハンモックハイキングに関心のあるハイカーが多く集まった。

次回は、周辺ギア特集として、ハンモックと組み合わせるタープ、アンダーキルト、バグネットなど紹介するので、お楽しみに。

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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