GARAGE

MYOGer Works | GARAGEに集うMYOGerたちが自作したギア #02

2024.10.04
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取材・文・写真・構成:TRAILS

前回よりスタートした新連載『MYOGer Works』では、TRAILS INNOVATION GARAGE (以下、GARAGE) に集まるMYOGerたちの作品をレポートしていく。

GARAGEでは、どんなMYOGerたちが、どんなギアをMYOGしているのか?

それぞれのMYOGerたちのバックグラウンド(MYOGしたきっかけや動機) と合わせて、各人がMYOGしたギアを紹介していく。

今回の第2回は、前回に引き続き、MYOGer NIGHT #01に参加した、MYOGerたちによるMYOGが登場。

前回の記事でも書いたが、ここに紹介するMYOGerたちの作品が、これからMYOGを始めてみたい人のきっかけや、既に始めている人のインスピレーションになればと思っている。

MYOGのマテリアル販売、MYOGer向けSCHOOL、MYOGer NIGHTと同様に、この『MYOGer Works』の記事が、MYOGカルチャーの世界観を共有、啓蒙し、素晴らしいUL GARAGE MAKER誕生の健全なブースターとなればと思う。

バックパック / DAISUKE (MYOG歴2年)


 
—— MYOGにハマったきっかけは?
DAISUKE:ULのギアを見ていたら「自分で作れるのでは?」と思って、MYOGを始めました。MYOGについて少しだけ調べてから、ミシンを購入して、即挑戦!最初のMYOGは手芸屋さんで買える部材で、奥さんが持っていたサコッシュを真似て作ってみました。意外と自分でできるじゃん!という感触だったのと、何より純粋に楽しかったです。


DAISUKEくんのバックパック(ボディ:IKEAのバッグの素材 [ポリプロピレン])

—— このギアをMYOGしたポイントは?
DAISUKE:基本的にはMYOGのモチベーションは「必要だから作る」というスタンスです。このバックパックは、レイウェイのキットをベースに作りました。生地はIKEAのバッグの生地をリメイクして使いました。最近は、ショーツをMYOGしています。モンペのパターンを手に入れたので、アフリカンキルトの生地で作ってみています。

バックパック / NENTA (MYOG歴2年)


 
—— MYOGにハマったきっかけは?
NENTA:大学でバックパックの研究、現在は製品のエンジニアリングに関連したことに従事していまして、レイウェイのバックパックを見た時に、ここに技術が加わればフィッティングなども向上するはずと思い、自分の人間工学のスキルを活かしてバックパックのMYOGを始めました。


NENTAさんのバックパック(ボディ:X-Pac® VX21)

—— このギアをMYOGしたポイントは?
NENTA:可動式のヒップベルトを取り付けたバックパックです。人は歩くときに、骨盤に対して体幹の上部 (胸郭) が左右に最大約2cmずつ動くんです。この左右2cmの動きに合わせてヒップベルトが動いて、肩に大きな負荷がかかりづらくなる機構にしました。このヒップベルトの接合部のスライド機構は、3Dプリントで作っています。

ドリンクバック / KYU (MYOG歴3年)


 
—— MYOGにハマったきっかけは?
KYU:小さい頃から手芸が好きだったんです。それで富士山を歩くときに、砂が入るとやだと思ってゲイターを買おうとしたんです。でも買うと高いから、手芸屋さんで防水生地を買って自分で作ってみたのが、MYOGのきっかけです。作るのが下手でも、買ったものより、自分でMYOGしたものを持って歩く方が楽しいです。


KYUさんのドリンクバック(ボディ:ダイニーマ®︎ コンポジット・ファブリック 0.8oz)

—— このギアをMYOGしたポイントは?
KYU:私、紙パックのコーヒー牛乳が大好きで、山から下りるとよく飲むんです。それで、コーヒー牛乳にぴったりのサイズのドリンクバックをMYOGしたんです。紙パックって、一度開けると、こぼれないようにずっと持ってないといけないから、手がふさがっちゃうじゃないですか。このドリンクバックに入れれば、手がふさがらずに簡単に持ち運べていいんですよ。

ファニーパック / YANAI (MYOG歴5年)


 
—— MYOGにハマったきっかけは?
YANAI:昔、欲しかったX-Pac®のサイフがあったんですけど、それはハンドメイドで生産量が少なかったので手に入らなかったんです。自分はパターンや縫製はできるので、自分で作ろうと思ったのがきっかけでした。2018年頃のことです。その後は、ボトルホルダーとかいろいろMYOGするようになりました。


YANAIさんのファニーパック(ボディ:ダイニーマ®︎ グリッドストップ 210D)

—— このギアをMYOGしたポイントは?
YANAI:こういうのあったらいいなと思うものがあったら、すぐに自分で作ってみます。気に入ってた既製品のファニーパックがあったんですけど、それをさらに自分の好みにしようとMYOGしたのが、このファニーパックです。それで1気室を2気室にして小物入れを作ったり、ちょっとサイズアップしたり、外にバンジーコードでグローブを付けられるようにしてみました。

トレッキングポール / RUNBLUR (MYOG歴15年)


 
—— MYOGにハマったきっかけは?
RUNBLUR:2008年頃、トレイルランニングを始めた時に、軽いトレッキングポールを探していたんです。Hiker’s Depotの土屋さんがOD BOXというお店にいた時代で、そのお店に目当てのアルミのトレッキングポールを買いに行ったんですけど、売り切れだったんです。それでトレッキングポールを自作してみようと、ツェルトのポールに、100均の縄跳びのグリップを付けて作ってみたのが、最初のMYOGです。


RUNBLURさんのトレッキングポール(ボディ:カーボン)

—— このギアをMYOGしたポイントは?
RUNBLUR:これは「RUNBLUR」という名前のガレージメーカーで、販売もしているトレッキングポールです。もともと超軽量なトレッキングポールを作りたくて、自分でカーボンのパイプとかでMYOGし始めました。失敗作はいろいろありましたね。使ってみたら、軽すぎてバキってすぐ折れたりとか。そんな失敗も重ねて、このトレッキングポールができあがりました。

ウエストポーチ / YASU (MYOG歴4年)


 
—— MYOGにハマったきっかけは?
YASU:最初はGARAGEのSCHOOLでスタッフサックをMYOGしたのがきっかけでした。そこから自分でもMYOGし始めました。まだその時はミシンも持ってなくて、奥さんのミシンを借りてやっていましたね。サコッシュ、エコバック、ポーチとか、いろいろ作り始めました。クラフトビールのラベルを剥がして、ポーチに付けたりとか、自分なりに遊んでMYOGしていました。


YASUくんのウエストポーチ(ボディ:エコパック EPX200)

—— このギアをMYOGしたポイントは?
YASU:2022年からyas guess gearという、ガレージメーカーとして活動しはじめました。このウエストポーチは、片手で出し入れできるミニマムなウエストポーチを作りたくて、いろいろ試作を重ねて、この大きさ、形になりました。自分用にはフラップの部分が着脱できるようになっていて、自分の好きなカラーの着せ替えをして楽しめるようにしてみました。現在はこの着せ替えタイプも製品にしました。

ウエストバッグ / YAN (MYOG歴5年)


 
—— MYOGにハマったきっかけは?
 
YAN:最初はスタッフサックを作ったりしはじめて、自分でできるじゃん!と思ったんです。その後にストレッチナイロンの生地を買って、ベースレイヤーのTシャツも作ったりしはじめました。他にも既製品のカスタマイズなんかもちょこちょこやってます。


YANさんのウェストバッグ(ボディ:コーデュラ® 500)

—— このギアをMYOGしたポイントは?
YAN:これは作り始めてから、少しずつ作業していって、制作に2年間くらいかかりました。自分はものすごく汗かきで、バックパックではなく背中があいているバックがほしかったんです。最初は既存のウェストバックに、建築用のハーネスを取り付けたりしてみたのですが、これはそれをイチから作ってみたものです。2年もかかりましたが、自分のためのギアと思うと、なんとか作りきることができましたね。

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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