TRAILS REPORT

ニュージーランド トレイルMOVIE / #2 エイベル・タスマン・コースト・トラック

2016.09.09
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[MOVIE]

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ニュージーランドの海岸トレイルをメローにハイク&キャンプ。1日のハイキングの後に、ゴールドサンドと呼ばれる黄金色のビーチでサンセットを眺めながら、キャンプでゆったりした時間の中に身をひたす。波の音とともに目を覚まし、また次の日を歩き出す。

そんな旅を楽しめるのがエイベル・タスマンのトレイル。ばきばきの山や広大な原野のハイキングとは違った、たおやかな自然に包まれる感じが魅力のこのトレイル。長い旅の合間にこういうスローダウンできるトレイルを組み込むのも、僕らは結構好きなんです。

TRAILSのクルーで旅したニュージーランドのロング・トリップ=TRAILS CARAVAN。そのムービーレポートの第2弾として、このエイベル・タスマン・コースト・トラック(Abel Tasman coast track)でのハイキング・トリップをお届けします。

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エイベル・タスマン・コースト・トラック


ビーチからビーチへ渡り歩くトレイル。

砂浜と海岸線沿いの原生林を交互に歩く、解放感あるトレイル。ほとんど人がいないビーチで過ごしたキャンプの夜。100年以上前に建てられた農家の家を改修して使われている、味のあるハット(山小屋)。ここにしかないメローなトレイルの景色がそこにはあった。

エイベル・タスマン・コースト・トラックは、NZ(ニュージーランド)に9つあるグレートウォークの1つで、DOC(Department of Conservation=環境保護局)の管理が行き届いている。ファミリハイカーが多いトレイルでもあり、僕たちもトレイル上で子どもたちに何度も出会った。このトレイルを利用するためには、事前にハットやキャンプサイトの予約が必要。

全長54.4kmのトレイルを、通常は3〜5日で歩くコースとなっている。僕たちはこのトレイルの中でも、昔の農家の家を改修して作られたハットや、奇岩の並ぶ砂浜などがある北部のファリファランギ(Whariwharangi)のセクションを選んで歩いた。

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このトレイルの一番北部にあるトレイルヘッドであるワイヌイ(Wainui)から入り、アナパイ・ベイ(Anapai bay)を過ぎたところで、サイドトリップ・ルートのギブス・ヒル(Gibbs hill)に入っていく。そうすると北部のセクションの中で周回ルートを作ることができる。

タスマン湾の透明度の高い海。花崗岩やゴールドサンドの砂浜。海沿いの原生林。またブルーペンギンやオットセイを見られるポイントもあり、楽園の舞台仕立てが揃っている。華やかなビューポイントを渡り歩くもよし、静かなビーチを見つけて、メローに過ごすもよし。ハイカーの志向に合わせたルート選ぶができる。


NZ独特のハット(山小屋)カルチャー


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上の写真にある小屋は、1896年頃に建てられた農家の家屋を修復して、トレイル・ハットとして復活させた建物。このハットは、エイベル・タスマンのトレイルでも一番北にあるファリファランギ・ハット(Whariwharangi Hut)という名前の小屋。

このように歴史的な価値のある建物をハットとして利用するところにも、ニュージーランドのトレイルカルチャーの成熟を感じる。グレートウォークのハットは、水道、炊事場、トイレ、ベッドなどかなりきれいに維持・整備されている。テン泊派の人には物足りないところもあるかもしれないが、この味のある建物は泊まってみる価値が十分にある。ハットにいるレンジャーとの会話も、トレイルの環境や歴史を知るとてもよい機会にもなる。


ビーチ沿いでメローなキャンプ


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僕らが2日目に泊まったのは、アナパイ・ベイのキャンプサイト(Anapai Bay Campsite)。一緒になった一人のハイカーと自分たち以外に誰もいない、波の音だけで満たされたビーチ。そこでメローにキャンプして過ごした。

誰もいない海を目の前に、お湯を沸かし、ごはんを食べ、がんばってザックに詰めこんできたニュージーランドのオーガニックワインを開ける。ニュージーランドのドライフードは、日本とは違ってデザートのラインナップが豊富にあり、この日に食べたアップルパイのドライフードはこの旅でのお気に入りになった。

夕暮れ時、満月に近づいていた月が、その明るい光を目の前の海に投げかけていた。一条の光が海面にきらきらと反射する。このような山の中のキャンプとは違った、海に包まれるような感覚のキャンプを楽しみながら、ハイキング・トリップをできるのがこのトレイルの大きな魅力だ。

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この旅で最初に歩いたアーサーズパス国立公園(前回記事)とは、またまったく異なる魅力をみせてくれた今回のエイベル・タスマンのトレイル。子ども連れでの海外ハイキング・トリップにもオススメのトレイルであるし、海を眺めながらメローにハイク&キャンプをして、歩き旅をしたい人もきっと好きになるトレイルだと思う。

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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