ニュージーランド トレイルMOVIE / #3 マヴォラ・ウォークウェイ
Photos: Keita Yasukawa
[MOVIE]
TRAILSのYoutubeチャンネル
https://www.youtube.com/c/TRAILS_movie
ニュージーランドのムービーシリーズの最後は、マヴォラ・ウォークウェイ(Mavora walkway)。ゴールデン・メドウ(黄金の草原)が象徴的な、広大な景色の中を歩くトレイル。このトレイルの異境感は格別だ。アルプスの山岳風景とは異なる、ニュージーランドらしい風景がここにはある。大自然の中にぽつんと置き去りにされたような気持ち良さを感じられる場所だ。
4歳の子どもを連れた旅も、このトレイルでおわり。子ども連れがゆえの大変さもあったが、大人が面倒だと思うことの中にこそ、子どもにとってはいつもと違うとびきりの冒険がひそんでいたりする。旅のフィナーレを、ムービーと一緒にお楽しみください。そして、子どもを連れてファミリーでアウトドアの旅に出かけよう、という旅のモチベーションの助けになればと思う。
湖畔で月夜のラスト・キャンプ / マヴォラ・レイク
クイーンズタウン(Queenstown)とテ・アナウ(Te Anau)の間に位置するマヴォラ。僕らは車でクイーンズタウンへと立ち寄り、食料やお酒を買い出しして、まずは初日のキャンプ地である、マヴォラ・レイクに到着。
マヴォラ・レイクのキャンプサイトは、湖畔沿いにある広いキャンプサイトで、僕らが訪れた日も、トランピング(ハイキング)の人だけでなく、キャンプだけをしに来ているファミリーや、オフロードバイクを遊びに来ている若者、湖のカヌーを楽しむグループなど、いろんな種類の人たちが集まっていた。クロスオーバーにアウトドアを楽しむニュージーランドらしい光景である。
僕らは翌日からのハイキングを前に、湖畔でキャンプ。マッシュルーム、ソーセージをつまみに、オーガニックワインを飲みながら、ニュージーランド最後のテント泊を楽しむ。最後のキャンプを祝福するように、夜空には明るい月と無数の星が僕らを照らしてくれていた
広大なゴールデン・メドウのトレイルを歩く
今回の工程は、マヴォラのキャンプ地からBoundary hut(ハット=山小屋)までの16km。このトレイルの印象として、茶色を基調とした広大な草原の景色が強く残っている。キャンプ地を出発してからは、しばらくマヴォラ・レイクの湖畔沿いにあるトレイルを歩いていく。強い日差しを避けながら、木陰の中を歩いていくことができる。
湖の北の端まで来ると、そこからは木陰のない広漠としてエリアが続いていく。日差しを遮るものはなにもない。湿気が少ないので、それほど暑さを感じていなかったが、温度計を見てみると30℃を超えている。子どもも暑さにやられてだんだんと体力が落ちているのがわかる。水分をこまめにとらせつつも、このトレイルの後半は負ぶって歩くことにした。
後半はだだっ広い草原地帯が続き、二つの山脈の間を通るトレイルの脇には、山から流れてきた川が大きく蛇行しながら流れている。ハットに到着した後は、ハットの脇を流れている川で水浴び。火照った体に、冷たい水が気持ち良くしみた。
ルートバーン・トラック、ケプラー・トラックとの組み合わせたトリップも可能
実はこのトレイルは、今回のクルーの小川夫妻は1年前にも歩いている。この二人が、マヴォラはもう一度歩いてみたい、ということで今回の工程にも組み込みことになった。(前回の2人のトリップの記事:『New Zealand Long Trail Trip / ニュージーランド、ロングトレイルトリップ』)
ちなみにこの2人は、昨年は2つのグレート・ウォークを組み合わせながら、ケプラー・トラック(Kepler track)〜マヴォラ・グリーンストーン・ウォークウェイ(Mavora – Greenstone Walkway)〜ルートバーン・トラック(Routeburn track)〜リース・ダートトラック(Rees – Dart track)の約300kmを歩いている。クイーンズタウン、テ・アナウを起点に旅する場合は、このトリップで2人が歩いたルートが参考になる。
[MOVIE]
旅のおわり:湖でのパックラフト
今回の子どもを連れたニュージーランドのロング・トリップは、このマヴォラを最後におわることとなった。旅の最後を締めくくるにふさわしいトレイルだった。このトレイルとの別れをおしみつつ、最後にみんなでパックラフトを再び引っ張り出して、湖畔で舟を膨らませて、ぎりぎりまでもうひと遊びとばかりに、湖に舟を浮かべた。
子どもと長旅に出よう。大人が面倒なことは、子どもが楽しいこと
4歳になったばかりの子どもを連れて旅した、今回のニュージーランド。思うように歩く距離を稼げなかったり、食べるものに気をつかったり、いろいろ苦労はあるけれど、子どもが一緒でないと出会えない景色がある。
子どももいつもと違った環境で五感全開だし、その子どもの感性に触発されて、大人の方も、普段見ていないもの、感じていないものを再発見する瞬間も多い。限られた時間の中でしかできない、小さな子どもを連れての長旅。大人が面倒だ、手間がかかる、気をつかう、と思う中にこそ、子どもにとってはいつもと違うとびきりの冒険が待っていたりすることに、改めて気づかされた旅だった。
TAGS: