TRIP REPORT

フォロワーゼロのつぶやき #08 番外編 台湾の旅・前編

2018.11.30
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話・写真:中島悠二・小川竜太 構成:TRAILS

本稿を連載している写真家・中島悠二と、TRAILS編集者の小川竜太の二人で出かけた台湾の旅。それをいつもの「フォロワーゼロのつぶやき」と違うスタイルで、番外編として二人が語りあった旅の回想録という形でお届けしたいと思う。

台湾は、九州くらいの広さの国土のなかに、3,000m峰が200座以上もある「山岳大国」。そんなかなり山深い国である台湾のなかで、今回この二人が登ったのは南湖大山(ナンフ・ダーシャン Nanfu Dashan)という3,742mの山。

中島君の自宅でお酒を飲みながら、台湾の旅をあれやこれやと回想して進んでいく二人の話。山の話を中心に、映画や本の話、現地で出会った人々との話など、何度も脱線を繰り返しながら、南湖大山の話をつむいでいく。

今回は前編では、旅の計画段階から、刺激を受けた台湾の映画の話、そして南湖大山の山頂手前でのテン泊までの話をお届けする。

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Photo: Nakajima



台湾に行って、見えていたものと、見えていなかったもの。



小川竜太(以下:小川) なかじは、台湾に行ったことあったんだっけ?

中島悠二(以下:中島) ない。

小川 初台湾?

中島 うん。俺、外国あんま行ったことないから。まあでも台湾とか韓国とかは、本当すぐに行けちゃうんで。歩きたいなって興味があったし、写真も撮りたいし。

小川 俺は、台湾にはもう10回くらい行ってて。でも山とかまだ全然やってないと時で、20代のときにハマってた、コンテンポラリーダンスの公演を観るためだけにしか、台湾に行ってなかったからさ。今回の旅は、新鮮なことばかりだった。何度も行っているのに、見ていない台湾がたくさんあった。

中島 いや、だからさ、そういうのが面白いよね。何度も行ってるけど、見えるものと、見えていないものがある、っていうことがさ。

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Photo: Ogawa

小川 なかじは、山に行くために、去年は韓国に行って、今年は台湾に行ったわけだよね。

中島 基本的に俺は、山に行くというのは、町を歩くっていうのと、セットになってるんだよね。韓国にしても、山に歩きに行く、っていうことによって、韓国の山のふもとの田舎町も歩けるからさ。それが楽しみで行く。だから、台湾もただ高い山に行くだけなら、その楽しみが薄まっちゃう。

小川 俺も、今回の台湾からの帰国日に、早朝から半日だけだけど、チャリで台北の町をまわったのがあったことで、旅の印象が全然変わった。あれがなかったら、飛行機で台湾行って、山登って帰ってきました、ってだけになっちゃったから。

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Photo: Nakajima



エドワード・ヤン(楊德昌)と侯孝賢(ホウ・シャオシェン)に見た台湾の風景。



小川 台湾に一緒に行こうって決めた頃にさ、なかじから、このパンフもらったんだよ。「台湾巨匠傑作選」っていう、台湾映画の特集上映。これ、見に行った方がいいよ、って。

中島 そう、これちょうどやってたんだよね。俺はそこで、侯孝賢の『非情城市』を観たの。

小川 ちなみに『非情城市』には、九份(ジョウフェン)あたりで撮影されてて、そこの山の風景もたくさん出てくるよね。台北から1時間以内で行けることもあって、いまや『千と千尋の神隠し』のモデルとして観光地になっている感じがするけど。九份のあたりの低山も、なかじは1人で歩いたんだよね?。

中島 そう。侯孝賢の映画には、九份(ジョウフェン)とか、金瓜石(ジングアーシー)のあたりから撮る、基隆(キールン)の山のカットが出てくるんだよね。竜太くんが台湾に入る前に、1人でこの金瓜石のあたりの低山も歩いてた。

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Photo: Ogawa

小川 侯孝賢とエドワード・ヤンの二人の監督は、台湾ニューシネマの代表的存在で、それぞれヴェネチアでグランプリとったり、カンヌで賞を獲ったり、まさに双璧という感じだけどタイプは違うね。

中島 俺はさ、やっぱりエドワード・ヤンとかに惹かれやすい体質なんだよね。

小川 とんがってる方ね(笑)

中島 そうそう。 『恐怖分子』っていう、エドワード・ヤンの映画も、最初に脈絡のないつながりのカット続くんだけど、もうそれ見た瞬間にしびれちゃって。かっこいい!、って。

台北の町でも、エドワード・ヤンの映画にあった場所を、写真撮ったりしてた。

小川 あと、これもなかじから教えてもらったものだけど、四方田犬彦(よもた いぬひこ)の『台湾の歓び』っていう本が、今回の旅ではとても大事な本になったね。

中島 そうね。台湾でずっと読んでた。

小川 かなり貴重な情報源だったね。

中島 今回台湾に行く前にさ、侯孝賢の『非情城市』を観たら、二・二八事件とか、その映画で描かれているその歴史そのものを、俺がちゃんと知らなかったから。

だから、それを観てから行くのと行かないとのでは、たぶん旅の感じがだいぶ違うだろうね。そこに描かれた背景について、四方田さんの本で知ったことも大きかった。

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Photo: Ogawa

小川 俺も二・二八事件のことも調べ直してさ。第二次世界大戦の終結とともに、50年にもわたる日本統治が終わって、中国による統治が復活して、そこで数万人という大量の台湾人エリート層が闇へと消されてしまったわけでしょ。ここに本省人(=台湾人)と外省人(=<在台>中国人)の大きな対立がはじまるんだよね。

中島 四方田さんの本にも書いてあったけど、本省人の家系である侯孝賢は、戒厳令によって情報統制されていたことで、『非情城市』の企画があがってきたときに、初めて二・二八事件の事実を知った、ということにも驚いた。

小川 四方田さんの本でいうと、台湾の山岳部に住む原住民の話なんかも、ある意味で台湾のカオティックなカルチャーを表しているな、と。うちらも今回の旅で、山間部ではそこに住む部族の人たちであろう、顔つきが違う人たちにも出会ったし。町と山の両方を旅することで見える台湾というのもあったな。



山の上で食べる台湾のフルーツ。



小川 今回は、なかじの方が1週間くらい先に台湾に入っていたから、空港で待ち合わせたんだよね。山に登るために海外で友だちと待ち合わせしたのは、初めてだったな。

中島 俺も初めて。空港で、友達を迎えるみたいなさ、そんなおしゃれなことしたことないから。どんな顔して、竜太くんを迎えればいいんだろう、みたいな。もしかしたら竜太くんもどんな顔してあそこから出てくればいいのか、考えてるかもしんないなぁ、って。

小川 ハハハ(笑)

中島 まあ、竜太くんは、いつもの笑顔だったっていう。わりとさ、あんまりはしゃいだりとかっていうふうな素振りを、見せないようにしようみたいな。その抑制をきかせてたと思うよ、やっぱり。

小川 空港で合流して、そのまま山へのバスが出ている宣蘭(イーラン)に向かったわけだね。台北から電車で1時間15分くらいかな。宣蘭で宿にチェックインして、翌日のバスのチケットを買って。それで、買い出しに行ったね。

中島 あの八百屋だよね。

小川 そう。グーグルMAPで「Supermarket」って検索して行ったら、青物市場みたいなところに着いてね。

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Photo: Ogawa

中島 そんで、フルーツを買ったりとか。そうそう。こないだ近所の台湾料理屋に行って、うちらが食べなかった台湾のフルーツを出してくれたんだよね。すっごいうまかったよ。もうそれでさ、ついこないだも、あーまた台湾行きたいたな、って思い出してたの。

小川 うちらはその八百屋でマンゴーを買ったね。

中島 そう。是非、食うべきだよね、フルーツは。で、山に持ってってさ。

小川 山で食うのがね、いいよね。

中島 あれはやっぱ、うん、何にも代えがたいものがある。

小川 あそこで買ったのは、マンゴーとチンゲン菜とニンニク。あとよくわからん、変なパンをなかじが買ってたね。それから、コンビニでインスタントラーメンを買い足して。夜市で、鴨肉麺と海鮮麺、あと海老と野菜のたまごとじを食べて、この日はわりと早めに寝たね。



南湖大山(ナンフ・ダーシャン)へ向かう。



小川 翌日は宣蘭バスターミナルから朝7:30に出発する梨山(リーリャン)行きのバスに乗って、南湖大山に向かったわけだ。登山口まで2時間くらい。そのバスの中で、トランプと金正恩の初会談について、話していた記憶がある。

中島 たしかね、シンガポールに先に金正恩が入っていたのかな?で、あの時点ではトランプはまだ来てなかった。金正恩がシンガポール観光みたいなのをしていた、っていう映像が流れてた気がする。

小川 そうかもしれない。

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Photo: Ogawa

中島 俺は韓国に行っていたのもあったから、もし生きているうちに南北が統一されたら、朝鮮半島を南北縦走できるなあ、って考えていて。韓国と北朝鮮は、ずっと山がつながっていて、縦断して歩けるコースがあるんだよ、っていうのを、韓国の人から聞いてたから。

小川 あ、それを韓国で聞いてたんだね。それはなんていうトレイル?

中島 なんかね、その名前も聞いたんだよなー。その肝心なところを忘れてる。そのへんが、俺らしいところでもあるんだけどね(笑)。そうだよね、その名前とかTRAILS向きだもんなぁ。

小川 (笑)。まあ話を戻すと、しばらくバスに乗って、だいぶ山間部に入ってきたところで、途中に休憩所で停まって。そこでにあった商店で、行動食をちょっとつぎ足しで買って、あと昼ごはん用にちまきと煮玉子を買ったね。なかじは、好きなちまきをようやく台湾で買えて、嬉しそうにしてた。

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Photo: Ogawa

中島 あの山間の商店にいたおばちゃんはさ、たぶん現地の民族の人だよね。

小川 山のなかで登山客の歩荷(荷物運び)をやっていたポーター達も、きっと山に住んでいた原住民の家系の人たちだよね。山と町の両方を旅したから、感じることができる台湾という感じがした。

中島 『セデック・バレ』っていう映画はさ、日本が植民地統治のときの、山岳民族との抗争をあつかっているんだよね。この映画では、台湾の原住民が実際に演じていて、その顔つきの違いとかも感じるんだよね。

小川 もともと多くの部族が住んでいた台湾に、オランダ人が来て、中国大陸から漢人が来て、日本が統治して、また漢人が統治して、そうやって外からの人の流入でできあがってきたのが台湾だからね。

司馬遼太郎の『街道をゆく』シリーズの「台湾紀行」編に書いてあったんだけど、「本来、“流民の国”だったものが、ここまでの社会をつくった例は、アメリカ合衆国以外、世界史にはないのではないか」って書いてあった。

中島 すごい大きいテーマだよね。

小川 話がまたそれてしまった…。南湖大山の話に戻そうか。思源菜園というバス停が、登山口の目の前にあって、そこでバスを降りて。

中島 最初は長い林道だったね。途中で登山届を出す箱が出てきて、そこからが登り。そんで雨が降ってきた。

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Photo: Nakajima

小川 雨は、1日目の後半だよね。

中島 うん。けっこう土砂降りになったね。カメラもサコッシュもザックに突っ込んで、黙々と歩いてた。

小川 やっぱ、雨かーって思った。天気予報は、ずっと悪い予報だったしね。で、1日目の山小屋の雲稜山荘に着いて。中に入ったら、もうみんながメシの準備を始めてて、すっげえガヤガヤしてたね。

中島 むんむんだったよね。雨に濡れた人がみんな大集合してて。



山小屋で出会った山男然とした男たち。



小川 山小屋自体、べつに日本の避難小屋と変わるところはそんななかったよね。ただ、寝る場所が指定されてて、違うのは、パーミッションでもらった番号のところに寝なさいっていう、ところぐらいかな。

中島 べつに管理人みたいな人がいるわけじゃないしね。あの人が、管理人だと思ったんだけどあん時は。

小川 山男然とした、やたら大きい声で話す男たちね。誰だろうこの人たち?って。

中島 そうそうそう。どういう状況なのか、よくわからなかった。すごい大きい声を出す男たちが、炊事場の奥に3人くらいで座ってて。ハイカーも、団体で来てるのか、みんな知っている仲のように、お互いによく喋っているし。どういうシステムなのかわからなかった。

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Photo: Nakajima

小川 すっげえでかい鍋が5つも6つも並んでて。その巨大な鍋ひとつに対してガスバーナー3つくらい使ってるし。なんか異様な光景だった。

山小屋で話かけてくれた台湾の人に聞いたら、どうやらポーターの人たちだとわかった。その人たちが、お客さんの分のメシも準備してくれていた。その台湾人は、ポーター雇って山登る方が普通だって言ってたね。

中島 そうなんだ。うちらが一緒になったハイカーは、みんなポーターと一緒だったね。食料とか、テント無しで、登っているということだから、小屋泊まりの装備ってことになんのかな?

小川 そうだね、小屋泊まり装備で、歩ける。ポーターを雇うのは、1日3000円くらい、って言っていた気がする。あのポーターの文化は、驚いたな。

中島 そうだよね。

小川 ポーターの文化にびっくりしたのか、最初にあの光景に出会ったのがびっくりしたのかわかんないけど。

中島 まあ、両方だよね。

小川 ちなみに韓国の山小屋はどんな感じだったの?

中島 韓国には、あんな小屋はなかった。管理人はいるけど、食事は提供しないし。韓国の人は、みんな、自分で食材をすごい量、持ってくるの。炊事場は、もうみんな肉焼きまくりでもくもく。

小川 焼き肉(笑)



近所の台湾料理屋に頼んで、南湖大山のパーミットをとる。



小川 一泊目の山荘の夜で、台湾人のエミリー(仮称)が「日本人ですか?」って声をかけてくれて、彼女は槍ヶ岳に登ったって言ってたね。

中島 そう、写真を見せてくれて。日本の山小屋は、生ビールが飲めて最高だ、って言ってた。エミリーは槍にはたった5日の滞在だったって言ってたから、けっこう忙しいね。今年は富士山に行くんだ、って。


Photo: Ogawa

小川 行きのバスの中で一緒になった国立公園のスタッフの人も、槍ヶ岳に登ったことがある、って言ってたね。山で会ったガイドの人は、今年の夏に南アルプスに行く、って言ってたし、日本の山に興味があるんだな、って思った。

中島 台湾の山は、パーミットとかでハードルが高い分、台湾の人が、山で日本人に会う確率もたぶんすごく少ないんだよね。だから、みんないろいろ話聞きたがる、っていうのはあったよね。

小川 パーミットについては、いろいろ検討したね。国立公園への入園申請が必要になるんだよね。南湖大山の場合は、太魯閣国立公園だね。

そして一番のネックは、「留守人」という欄に、現地の緊急連絡先として、台湾在住の人の「名前、生年月日、ID、住所、電話番号」が必要になることだね。

中島 今回は、それを行きつけのお店に頼んで実現したっていうのは、面白かったな。

小川 なかじの家の近くにある、台湾料理屋のご主人の親戚ね(笑)

中島 中央尖山という山も含めた周回ルートを4日で歩く内容で、最初は申請を出したんだっけな。とてもじゃないけどその日程は無理だ、って言われて。

小川 まあ、あのルートを、あの日数で行くのは、実際無理だったよね(笑)南湖大山の主峰にピストンで行って戻ってくるので4日間だね。

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南湖大山 行程表(コースタイム)
Photo: Ogawa
※コースタイムは以下のページより。 http://www.sunriver.com.tw/images/hiking/hiking_m09_1.png 
※申請は台湾国立公園入園オンライン申請ホームページより。 https://npm.cpami.gov.tw/

中島 それでまた変更を出してみたいな、メールのやりとりは、けっこうやった。まあ英語が話せれば、電話で直接その担当者と喋れるけど、英語でそこまで説明できる自信がなかったから、かなりメールでがんばった。

小川 全部、その知り合いの台湾料理屋の親戚の人に、やりとりを中継してもらってやったんだよね。

中島 そうそう。やっぱパーミットがちゃんと取れるかどうかで、けっこうやりとりしたから、パーミットとれたときはやっぱり達成感があったよ。一番興奮した(笑)



「朝は晴れ。昼過ぎから天気が悪くなるわ。」



小川 台湾の山小屋の朝は早かったね。朝3時くらいに、みんな起き出していて。

中島 2日目は、うちらは5時10分小屋発。

小川 前日にエミリーが言っていたように、朝は天気が回復してたね。

中島 もう朝起きた瞬間晴れてたよ。小屋から、遠くに朝日を受けた、中央尖山(標高3,706m)が見えてた。

小川 登りだしてから、森林限界より上に行くまでが、けっこうあるな、と思った。森林限界は3,000mくらいだよね。でっかい杉の森の中をずっと歩いていたね。2,500mを超えてるのに、こんなにでっかい木がたくさんあるっていうのは、異様だった。

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Photo: Nakajima

中島 古建築の先生に教えてもらったのは、日本は古建築の修復をするとき、例えば法隆寺のぶっとい丸柱みたいなものだけど、それにそのまま使えるような無垢材はもう日本にはもうなくて、どうやら台湾から輸入しているっていう話を、その先生が言ってて。

小川 そうなんだ。

中島 それであの台湾の山にあった杉林を見ると、あ、こういうことかなのかなあ、とか思ったりしながら、あの杉を見てたのを覚えてる。あの杉は素晴らしかった。本当に。

小川 何時間くらい歩いたところか分からないけど、森林限界を抜けたところに出て、ようやくひらけたみたいな感じ。

中島 で、そこで南湖大山が見えはじめて。

小川 そうそうそう。よかったな。

中島 あれは最高だったな。

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Photo: Ogawa

小川 南湖大山は、山頂がちょこんととんがってて、あの乳首みたいなのが上に乗っかってるのが、南湖大山の個性を成立させてるね、とかいう話をしてた。

そのあと稜線をずっと歩いて、南湖大山の山頂のふもとにある、南湖小屋まで行ったわけだね。本当はその日のうちに、山頂まで行っちゃおうかって言ってたんだよね。

中島 そう、南湖大山の山頂も、主峰以外に、東峰と南峰もあったから、どちらかでも行っておこうと。

小川 そうそう。

中島 でも。朝は晴れてたけど、この小屋に着いた頃は、天気が良くなかった。

小川 あきらかに天気が下り坂の空になってて。目の前の山頂は雲がかかっちゃってるのは、見えてるし。登っても、もう展望はないのがわかってたからね。

中島 だから、その日はうちらは登るのをやめちゃった。

小川 あの南湖小屋のテン場は、気持ちよかったね。

中島 もうあそこでのんびり時間を過ごしたい、ってのがあって。あそこで、マンゴーを食って。

小川 その後に昼寝してたね。タバコを吸って、現地の人にもらったすごく強い酒を、ちびちび舐めて、そんで寝た。

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Photo: Nakajima

中島 隣にポーターも持ち運んできたテントに泊まっている人も、声をかけてきて。そしたら、昨日、小屋で会ったエミリーだった。

小川 また昨日と同じように、翌日の天気を彼女に聞いたんだよね。そしたら「今日と同じよ。朝は晴れ。昼過ぎから天気が悪くなるわ」って。

【後編へつづく】

 

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WRITER
中島悠二

中島悠二

写真家。
1981年 神奈川県川崎市生まれ。
新宿近辺在住。

写真の大学を卒業後、建築の教育現場のスタッフとしてチャリで5年通う。その後フリー。長いことプロフィールに明文化されることのない活動、本を読み、山に登る。2014年に歩いたジョンミューアトレイルがきっかけで、LONG DISTANCE HIKERS DAY(ハイランドデザイン & トレイルズ主催)にスピーカーとして参加。
トレイルズ編集部のクルーとは、同時代的な感性で意気投合。その後、いままで公式に発表されてこなかった山や旅の写真を中心に、トレイルズでの連載を開始する。
WEB: www.sunagomikusa.info

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