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ZINE – IN THE TRAIL TODAY #01『TRAIL ANGEL』English edition released |『TRAIL ANGEL』の英語版をリリース!

2018.11.14
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< English, please click here. >

トレイルで遊ぶことに魅せられたピュアなトレイルズたちの日常の中で発生した、 “ 些細でリアルなトレイルカルチャー ” を発信するハンドメイドのコミュニケーションツール『ZINE – IN THE TRAIL TODAY』の#01『TRAIL ANGEL』English edition(英語版)をリリースします。

#01『TRAIL ANGEL』は、TRAILS Crewの根津が自らの命の恩人への感謝の気持ちを綴りましたが、実はこれ、もともと英語版を作ることが前提でした。なぜ英語版が必要だったのか、そしてこの英語版に込めた思いを、筆者の根津に語ってもらいました。

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Andrea(アンドレア) & Jerry(ジェリー)本人が読むことができる、英文の感謝の手紙(ZINE)をプレゼントしたかった


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いちばんの目的は、Jerry(ジェリー) & Andrea(アンドレア)夫妻に感謝の気持ちを伝えることだった。『TRAIL ANGEL』をリリースした時、僕は記事にこう書きました。「僕にとってアメリカの母であるAndrea(アンドレア)のこと、彼女との思い出を、カタチに残しておきたい。そして、日本人ハイカーを救ってくれたAndrea Dinsmores(アンドレア・ディンスモア)というトレイルエンジェルがいたことを、みんなに知ってもらいたい。

それが、『TRAIL ANGEL』を書いた最大の理由でもある」でも、その裏にもうひとつ、大きな理由がありました。それは、僕を救ってくれたAndrea(アンドレア) & Jerry(ジェリー)本人に、直接このZINEをプレゼントしたかったから。ZINEの構成を手紙のスタイルにしたのも、それが理由です。ふたりに口頭ではお礼を言ったけど、あらためて自分の気持ちを整理して、手紙というカタチで届けたかったのです。

review

アメリカ人ハイカー3人によるレビュー。アメリカのロングディスタンスハイキングのカルチャーを象徴するトレイルエンジェル。これについて、日本人がZINEにするだなんてアメリカ人にとっては前代未聞だと思います。果たしてこのZINEは、本場アメリカでどう受け取られるのでしょうか? 今回、リリース前に3人のアメリカ人ハイカーにレビューをお願いしましたので、ここで紹介したいと思います。


JUSTIN LICHTER A.K.A. TRAUMA / ジャスティン・リクター a.k.a. トラウマ


ph_justin
2006に約1年間(356日)で約16,000kmを歩くトリプルクラウンを達成。2007年に南アルプス、およびニュージーランドのサウスアイランドを、2009年にはアフリカ大陸をサポート無しで約2,900km歩く。最近では2011年のヒマラヤレンジ約3,200kmや、2013年メキシコのコッパーキャニオン約800kmをハイクトリップ。2002年以降、約56,000kmを超える距離をハイキングした世界中から注目を集めるハイカー。TRAILSアンバサダー(2014〜)

この話は、ハイカーのためには何でも協力を惜しまないという彼らDinsmores (ディンスモア)夫妻についての話で、私は数えられない程、ハイカーから聞かされました。彼らの助けは私達が思う以上に偉大で、聞いた話の多くは、人命救助等の人生を変えるほどの違いを、もたらしています。驚く事に、彼らの助けはハイカーだけに限らず、トラックの運転手、地元のスキーコースで働く従業員、旅行者等、彼らが彼らの一部を与える等のできる限りのサポートをしています。


LIZ THOMAS A.K.A SNOKEL / リズ・トーマス a.k.a. スノーケル


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2011年にアパラチアントレイルを女性の最速タイムで制覇した記録を持っている事で知られている。トリプルクラウンを達成しただけでなく、米国に15以上あるトレイルでのスルーハイクを経験し、今まで24,000km以上ものトレイルを歩いてきた。また、その経験を長距離ハイキングコミュ二ティに還元する事にも熱心で、American Long Distance Hiking Assosication-Westのバイスプレジデンドも務めている。TRAILSアンバサダー(2014〜)。

トレイルエンジェルといる中で、Taka(根津)は興味を引く物語を語りました。時はPCTで猛烈な吹雪が彼を窮地に追いやった後に起きた救出劇に遡ります。物語は、トレイルエンジェルであるAndrea(アンドレア) & Jerry Dinsmores (ジェリー・ディンスモア)夫妻に向けた謝罪とお礼の手紙です。Andrea & Jerryは彼らの注意喚起の行動と救出によって、Takaの人生を救いました。Takaのストーリーは、見込みのない状況でさえ、友好の絆が窮地から救ってくれる事を証明してくれました。愛情は、最悪の事態の中でさえも見つける事ができます。

ご存知の通り、その苛酷さからPCTでは救出活動を幾度となく目にしますが、彼の物語が他と異なるのは、彼の行動は起きた事象に背景にあるプロセスを理解する事の探求心がベースになっているという事です。彼自身が救出された経験をした数年後に、アメリカに戻り、Dinsmores夫妻と彼の救助隊を実際に面談し、彼らが何を考えていたのか理解しようとしました。この様なストーリーは、私にハイカーとトレイルエンジェルの関係について改めて考えさせてくれました。Takaが書いていた様に、その関係は「提供者と受容者」ではなく、もっと複雑なのです。

TRAILS ZINE_03

実際に私が雪山をハイクしている時に、雪が私を窮地に追いやったら、何を私が考え、どう対応するのだろうか、私は即答する事ができません。この『TRAIL ANGEL』では、Takaはとても戦略的にどのように救出しに来たかという考え、各々のステップにその考えを落とし込んだ形で実行していると言います。彼の考えの背景をこの本を読むにつれ理解すると、私も同じような状況下では、同様の考えに至るだろうと感じました。

Takaは救出される際にヘリコプター救助隊が、チューインガムを吐き捨てるような気持ちで、救助者を安全な場所に戻し、また嵐の中を進んでいってしまっているのではと心配していました。私自身、今まで救出された経験がありませんが、実際に彼らがどういう心持ちで救助にあたっているか気になっていましたが、Takaの救助隊が実際に救助できる事に満足していると知り、安心しました。Dinsmores夫妻も、怒ったりもせず、彼は愛情と同情を示していました。

大部分のハイカーが最悪の事態は彼らの身に起きない思っています。Takaの話はハイキングが危険であり、我々の命はかけがえのないものであると再認識させてくれます。『TRAIL ANGEL』は、彼らの魔法の話を伝えてくれています。他の国からトレイルに来た見ず知らずの人を気にかけ、大事にしてあげる事は可能だという事を。例えそれが、全く助かる見込みのない状況であっても、トレイルエンジェルは私たちを見てくれているのです。


JACK HASKEL / ジャック・ハスケル


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PCTA(Pacific Crest Trail Association)のトレイル・インフォメーション・マネージャー。トレイル、ハイカー、それらを取り巻くコミュニティをサポートす多種多様なプロジェクトに携わっている。ハイカーでもあり、パシフィック・クレスト・トレイル、コロラド・トレイル、コンチネンタル・ディバイド・トレイルをスルーハイクしている。

2002年に、Andrea(アンドレア) & Jerry(ジェリー)は、Hiker Havenをオープンし、世界中から彼らの家にPCTハイカーを歓迎しました。Andreaは、他のトレイルエンジェルからは「チキン1」、ハイカーからは「PCTママ」として知られている)は、彼らに挨拶し、ニーズを満たし、彼らが成功するのをサポートするのをこよなく愛していました。ママの「ハイカーの子供達」が情報、励まし、必需品または救助を必要とした時には、PCで連絡をとったり、電話をかけたりと、子供達が必要としたものを全て提供していました。

私は、そんなAndreaを友人と呼べる事をとても光栄に思っています。彼女がTaka(根津)にしたことは、彼女にとっては何も特別な事ではなく、他の誰かのためにも同様に接するのが彼女です。彼女は、みんなの事を常に気にかけてくれているのです。

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Trail Angel bottun

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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