TRAILS REPORT

パックラフト・アディクト | #25 グランドキャニオン <後編>大自然と急流をめぐる12日間364キロの川旅

2019.08.09
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(English follows after this page.)

文・写真:コンスタンティン・グリドネフスキー 訳:阪本都、TRAILS 構成:TRAILS

世界中の川を旅しているHIKE VENTURESのコンスタンティンであっても、「生涯で最高の旅!」と語ったグランドキャニオンでのパックラフティング・トリップ。その後編をお届けします!

前編では、パーミットの取得方法、川へのアクセス方法、PFDなどギアのレギュレーション、さらにはTIPSまで準備パートを紹介しました(詳しくはコチラ)。

今回は12日間364キロの、グランドキャニオン・コロラド川をわたるトリップ・レポートをお届けします。写真を見ているだけでもアガりますが、川の詳細な情報や、旅のTIPSまで、解像度の高いレポートを送ってくれました。日本語ではなかなか読むことができない、レアな内容です。

憧れのグランドキャニオンの旅を妄想しながら、追体験させてくれるレポートです。


これまでの川旅とはまったく異なるグランドキャニオン


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憧れのグランドキャニオンでのパックラフティングがスタート!

私のことを理解してもらうには、まずは私が中級のパドラーであることを説明しないといけません。私は直近までの7年間、世界中のあらゆる国のさまざまな川で旅をしてきましたが、技術的なこととなるとまだまだ学ぶべきことが本当にたくさんあります。そして、この旅は私にとって大切なレッスンとなりました。

今回は、初めての砂漠の旅でもありました。私が普段行くところには砂漠はありません。だから、砂漠のなかに大きな川が流れているということ自体、私には想像できないことでした。

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人生初、砂漠エリアでのキャンプ。

いわゆる激流の大きな川を漕ぐのも初めてです。大河でパドリングをしたことは以前にもありましたが、どの川もそこまで激しい川ではなかったからです。

この12日間の旅は、私のこれまでの旅の中で最も長く自立した旅(サポートなしの自給スタイルでの旅)でした。2番目に長かったのは昨年のロシアのカレリアでの旅でしたが、それとはかなり違ったものでした。

この旅は「生涯で最高の旅」となりました。そして、私が妻に旅の許可を貰うときに彼女に伝えたように(詳しくは前編にて)、コロラド川の旅は、世界でも最も素晴らしい川旅のひとつです。


トータル2,000ユーロ(約24万)は高くない


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グランドキャニオンを悠々と流れるコロラド川。二人乗り艇のAlpackaraftのOryxで漕ぐ仲間もいた。

毎年、おおよそ2万9,000人がグランドキャニオンを通ってコロラド川を旅しますが、そのうちの多くは気候が温かい月に行なわれる旅行会社のツアーです。私たちは旅の途中で5つのグループにしか出会わず、それぞれのグループは最大で16人(グループ全体の法的制限人数)でした。

私がこの旅にかけたコストは全部で2,000ユーロ(約24万円 / 1ユーロ 119円で換算)でした。高いでしょうか? パドリングのパーミット分を除いて、シャトルの値段と食べ物、そしてこれには土壇場で取った高額なエアチケットも含まれているので、決して高くないと思います。特に、旅行自体だけで2,000~6,000USドル(約21万〜64万円 / 1ドル 106円で換算)かかるツアーの値段に比べたら。


12日間・約364キロのロング・リバー・トリップ


私たちがコロラド川をパドリングした区間は、リース・フェリーからダイヤモンド・クリークまでで、226マイル(363.7km)以上の距離があります。この間に川の標高差は、543mあります。旅のゴール地点であるダイヤモンド・ピークの近くに、出発地点と同じ標高の場所があり、そこから見ると下ってきた川の落差がわかります。

私たちはその距離を漕ぐのに12日かかりました。ただ、私たちは少し長めに日数をとっていて、半日ほどオフをとって、サイドトリップとしてキャニオンの壮大な景色を見下ろせる、タバナクルというところに登ったりしました。

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約364キロ、標高差543mのエリアを、12日かけて下りました。

ダムからの放水や「予想外の」雨によって水位が定期的に変化するのですが、私たちは幸運なことに、秒速420立法メートルという、平均よりやや高い水位のなか漕ぐことができました。人々が普段使う水は11月上旬に開放され、そのときに人工的な洪水をつくり、それにより川岸もきれいに洗い流してくれます。そのときに、川岸の形も変わります。

私たちが旅したのは12月だったので、その前の季節に何千人もの人々がここを訪れているのにもかかわらず、足跡も何もない、きれいな川岸のなかを旅することができたのです。そんなわけで、冬の旅は最高なのです。


無数のホワイトウォーターのなかを旅する


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これぞグランドキャニオンのホワイトウォーター。

グランドキャニオンは、その景色の美しさだけでなく、ホワイトウォーター(急流)でも有名です。その急流には独自の分類があり、1から始まってレベルが上がり、最も難しいレベル10まであります。

しかし、レベル10の最も難しい急流になることは、実際はほとんどないようです。ラバ・フォールズ・ラピッド(コロラド川のなかでも超激流として有名)は、その時の水位次第で、レベル8〜10の状態になるそうです。

グランドキャニオンは、レベル5の瀬が42あります。そのなかを、私たちはパドリング・トリップしました。

面白いのは、「Roaring 20s」(21〜29マイル地点の間に位置する、独自の分類を築いている急流)を除いて、あたかも179.7マイル地点にあるラバ・フォールズ・ラピッドというグランドフィナーレに向けて準備しているかのように、急流の難しさが徐々に上がっていくことです。

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進むほどに、ホワイトウォーターは激しくなっていきました。

それらの急流を除いても、たくさんの瀬があります。名前もつけられておらず、難易度のクラスも明記されていない瀬です。しかしそれらの瀬を、軽く見てはいけません。今回の旅で、私は瀬でフリップ(転覆)して14回も川のなかを泳ぐことになりました。そのうちの少なくとも5回は、名前も付いていない瀬でした。私たちは、川のなかにある2つの流れを交互に漕いでいきました。そうしなければ、私はさらに2回以上泳ぐことになっていたはずです。

前に説明したように、私たちは16人(11人のアメリカ人と5人のヨーロッパ人)でリース・フェリーから旅を始めました。そのうち13人が最後のダイヤモンド・クリークまで漕ぎました。

残り3人はアクシデントなどではなく、時間がなかったため、最初からその予定だったのです。その3人は、(川の途中地点の)ファントム・レンジから、ハイキングでリムまで出て行かなければなりませんでした。そこに唯一の橋がかかっていて、その橋はグランドキャニオンの南側から北側へ抜けられる道になっているのです。これに6時間かかりました。

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急流を越えた後は、ゆっくりと楽しみながら下りました。


旅を特別にしてくれた6つのこと


ありえないこと ― 何よりも私がこの旅に声をかけてもらえた、というのがありえないことです。こんな旅が、自分の人生で実現できるなんてまったく思ってなかったのですから。

景色 ― それは多様で、そして心をつかまれる景色ばかりでした。まったく飽きることはなく、旅がおわるまでこれは夢なのではないかと感じていました。

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夜空は星で埋め尽くされていました。

繰り返される急流 ― それはしばしば大きく、クレイジーなものでした。しかし一方で、比較的、安全なようにも感じられました。舟がフリップして14回も川の中を泳がなくてはいけなかったなかで、嫌な気持ちになったのは一度だけでした。そのときは、しばらくの間、水のなかにもぐってしまい、川底にぶつかった感触があったのです。

それ以外は、本当に素晴らしかったです。ほとんど全員がフリップして、泳ぐことになったラバ・フォールズ・ラピッドの急流でさえ、そこまでひどいとは感じませんでした。スティーブは最初の方で、そのことを私たちに伝えてくれていました。「18秒。それがラバの急流を渡るのにかかる時間。その間息を止めることができる?」

一緒に旅をした仲間たち ― 旅をつくるのは、一緒に漕いだ仲間たちです。熟練者もいれば、そうでない人もいますが、一度たりとも私はジャッジされた気分になったり、落胆させられたりしませんでした。笑い合い、ごはんを一緒に食べて、そして必要な時は助けに飛んでくる、そんな素晴らしい仲間でした。みんなありがとう!

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一緒に旅した素晴らしい仲間たち。

野生動物の生活 ― 私たちはラッキーなことに、何匹かカコミスルや、カリフォルニアコンドル(100万ドルの鳥と言われており、一羽を野生の環境に再び戻すのにたいへんな金額がかかる)、ビッグホーンを見ることができました。

暖かいシーズンには問題になりそうな、ガラガラヘビやサソリを見ずに済んだものラッキーでした。これも冬に旅した方がよい理由のひとつです。

私たちはまた、ネズミやワタリガラス、コウモリにもそう悩みませんでした。とても気をつけないといけないのは、それらの多くが狂犬病を運んでくるからです。私たちはまた植物も楽しみました。ただ、ほとんどすべての植物がとげ、針状の尖ったもので覆われていて、パックラフトにとっては安全な場所ではありませんでしたが、植物の多様性にはとても感動しました。

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ビッグホーン(オオツノヒツジ)をはじめ、野生動物もたくさんいました。

サイドトリップ ― 私たちはタバナクルへ登ったのとは別に、ランチ休憩のときにキャニオンの違うサイドに行ってみました。そのどれもが違う景色で、わくわくするものでした。曲面のうつくしい岩、冷たい水の滝、そしてほかにも、魔法のようなターコイズブルーの川があったりしました。また、1000年前の古い文明の遺物(いくつかの陶器の破片や、キャニオンの壁の上の方にある古代の木の橋)にも出会いました。しかし、私たちが出会えなかったものもまだたくさんあります。もっと探索できなかったことが残念です。

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パックラフティング・トリップはもちろん、川岸からのサイドトリップも楽しかったです。


もっと旅をつづけたかったし、もっと急流を下りたかった。


後悔もいくつかあります。ひとつ目は、旅が短すぎたことです。私たちのパーミットだったら、川、サイドキャニオンや、考古学的なスポットの探索に、2倍の時間を使うこともできました。しかしそんなことをしていたら、クリスマスまでに帰ることができなかったのです。

もうひとつの後悔は、一緒にいた仲間の多くが一番良かったという瀬を、私が逃してしまったことです。それはハーミット・ラピッズ(ハーミットの急流 / 95.5マイル地点)というポイントで、グランドキャニオンの中で最も大きな波があるところです。

その急流の序盤で、家のほどの高さがある波によって、私はその流れの外に出てしまいました。私自身はフリップしなかったのですが、そこから本流の流れに戻ることはできませんでした。そして、仲間たちがそのローラーコースターのような波に乗って、興奮の雄叫びをあげながら喜んでいるのを、ただ見ているしかなかったのです。

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フリップして泳ぐことも度々ありました。

最後の後悔は、後悔というほどではありませんが、ラバ・フォールズ・ラピッドのクライマックスを抜けた後の、さみしさです。私はフリップしてしまったのですが、ラバはまさに旅のハイライトであり、旅のフィナーレであるべきような場所でした。(ちなみに、ラバ・フォールズ・ラピッドを抜けたすぐ後のところに、“テキーラ・ビーチ” と呼ばれる場所があります。ここで舟を停めて、急流を攻略したことを祝い、テキーラを飲む場所です。もっとも私たちの場合は、ラバを生き延びたことを祝うことになるでしょうが)。

しかしラバはゴールではなく、そこから50マイル近い距離が残っているのですが、この先にはもう語るべき急流などはありません。もちろん素晴らしい場所はまだあり、景色はあいかわらず壮観なのですが、その終わり方に、私は少し寂しさをおぼえました。もしラバ・フォールズ・ラピッドでフリップしていなかったら、また違った感想になっているのでしょうが。


必要なギアとTIPS


グランドキャニオンの旅では、法律で定められているギアが必要になります。出発時にレンジャーにより、厳重なチェックを受けます。またパドリングが許可される前に、レンジャーから2時間ほどの説明があります。そして、法律で定められたギア以外にも、確実に役に立つギアもいくつかあります。

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グランドキャニオンを下る際は、法律を遵守したギアが必要です。

法律で定められているギア。
■ アメリカのコーストガードに承認されたPFD(ラベルがきちんと読めるもの)
■ ファーストエイドキット(グループ用と個人用)
■ シグナルミラー
■ 衛星電話かinReach機器(衛星通信機器)
■ ファイヤーパンと防火用カバー
■ 調理用のキッチンタープ。また水中にある細かな物質を除去するための、バケツと浄水器
■ 個人用Groover ― 猫のトイレに似た、用を足す際に時みんなで使う「プープボックス」
■ スペアのパドル ― 私たちのような大きさのグループの場合、少なくとも3つ必要だった
■ 修理キット

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漕いでいる時だけでなく、キャンプの際に必要なギアもたくさんあります。

確実に役に立つMUSTなギアとTIPS

■ チューブの中に荷物を入れられるパックラフト(カーゴフライのパックラフト。1気室であるパックラフトの浮力体としても機能する) ― これなしにノンサポートの自立的旅で、コロラド川のような川のパドリングはできません。
■ T-zip(止水ジッパー)を掃除するための歯ブラシとハケ ― これらは砂漠の環境にいた私たちのような人々にとっては明らかに思えますが、仲間のうちの何人かにとっては大きな発見でした。これなしには私たちは旅をやり遂げることはできなかったでしょう。適正に使う方法を見せてくれたエキスパートがいたことも幸運でした。
■ 川のガイドブック ― いくつかの種類のガイドブックがありますが、私たちが最も使ったのは防水加工の紙で印刷されたものです。このガイドブックには、急流をクリアするためのステップ別の説明があり、他にも有用な情報がいくつも載っていました。
■ サーモスの携帯用ボトル ― 体をあたため、気持ちを落とさないために使っていました。毎朝私たちは温かいコーヒーやお茶をいれて持っていきました。短い昼休憩の間に何かを用意するために、時間をむだに使わずにすむからです。代わりに、私たちはサイドキャニオンを探検することができたわけです。
■ 夜中のエンターテインメント ― 私たちの場合は暗闇で光るバッチボールを使ったゲームでした。早めに暗くなると、私たちのうちの誰かがこのゲームをしようと言い出し、地形がどうなっているかも正確に見えないまま、四方八方に暗闇の中で、争ってボールを投げて遊んでいました。これはとても楽しいゲームでした!

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仲間たちとの楽しい夜の時間も、忘れられない思い出です。

概して、私たちは本当に幸運でした。旅を通して天気はよく、冬でしたが、私たちが想定していたよりもかなり暖かかったです。私たちのほとんどは(ほとんどはアメリカ人です)テントを使うことすらなく、ただ外で寝ていました。彼らはその方法をカウボーイキャンプと呼んでいました。イモムシが出てくるほどの暖かさでもなく、しかもメインシーズンも過ぎていたので人もいなく、流木を焚き火に使うことができました。(通常は自分のものを持ってくる必要があります)


川で用を足したほうがいいことを知る


私が学びなおしたことはいくつかあります。第一に、そして最も明らかなのは、川で用を足したほうがいいということです。普通、自然の中にいて一番に行かなければいけない時、自ら離れたところで用を足さないといけません。

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今回のトリップで、川のなかで用を足すことを学びました。

今回は違います。川の中にしないといけないのです。そしてこれは慣れるのに時間がかかります。この理由は、レンジャーが説明してくれたのですが、理屈が通っています。

キャンプできるような場所は限られているなかで、毎年何千人もの人々が来て全員がそこで用を足したとしたら、こういった場所が全てひどいニオイになりそれ以降誰も使うことができなくなります。特に今回のような雨のほとんど降らないような砂漠地帯では、なおさらです。水量が十分に多いところならば、安全にこのようなことに対処できるのですが。


フラットウォーターは湖のようなエリアではない


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フラットウォーターというものを、初めて知りました。

もうひとつ私が考え直さないといけないことは、「フラットウォーター」についてです。私はオランダに住んでいて、そこでは「フラット」は「フラット(湖を思い浮かべてください)」を意味します。これは私がフラットウォーターのセクションがあることを伝えられた時に、イメージしたことです。

でも誤解にもほどがありました。そこに急流はありませんでしたが、水は速く流れていました。オランダ人のいうフラットではなかったのです。


グランドキャニオンで学んだ5つのこと


全体の経験を振り返って、私は少なくとも5つの教訓を思い浮かべることができます。

【1】パニックにならず、セルフレスキューもしくは再乗艇する
これはまさにフリップしてしまったときに必要なことです。余計なことを考えず、自力でボートの上に戻れるようにトライしましょう。この再乗艇が得意なメンバーが何人かいました。彼らは急流の最初の方でフリップしても、自力でパックラフトの上に戻り、またパドリングをしていました。私の、荷物が重く積まれたGnarwhal(アルパカラフトのパックラフトの種類)では、そう簡単に再乗艇できませんでした。そのため、しばしばそのエリアを過ぎてからエディ(水がとどまり渦巻いている箇所)でボートに戻っていました。

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セルフレスキューも欠かせないスキルです。

【2】ドライスーツは髪を洗うのにいい
これはケイとカジャが思いついたノウハウです。彼らはバウバッグ(舟の前に取り付けるバッグ)にシャンプーを入れておき、一日の終わりに、ドライスーツを脱ぐ前に、髪を石鹸で洗ってそのまま泳ぎに行っていました。私も試してみて、実際にとても実用的な方法でした。

【3】カウボーイキャンプは楽しい
私もなんとなく知っていましたが、アメリカ人の友人をしばらく見たあと私自身で試してとても気に入りました。今までやってこなかった理由は、自分の荷物がネズミやリスなどの齧歯(げっし)動物に傷つけられるのではないか、または凶暴なコウモリに自分がかまれるのではないかという恐怖でした。

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テントを使わないカウボーイキャンプは今回気に入ったスタイル。

【4】味噌汁は紅茶よりもいい
これは文脈なしでとらえないでほしいのですが……私の何人かの友だちがしていたように、休憩中にサーモスの携帯用ボトルに入れておくほうがいいです。身体をあたためるだけでなく、必要な栄養分も摂ることができます。

【5】普通のスーパーマーケットの食べ物の方が、アウトドア専用フードよりもいい
これはたしかにそうでした。私はどちらも持っていましたが、結局、フリーズドライの食品はほとんど食べませんでした。他の人もそうでした。次は、私はお金を節約するためにも、スーパーマーケットで食べ物を揃えようと思います。チップス類だって、パックラフトのなかに入れられるんですから。

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一緒に旅したかけがえのない仲間たち。

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紛れもなく、私にとって生涯で最高の旅となりました。

けっして安い旅ではありませんが、本当にグレイトな旅でした。最高に楽しかったですし、いろいろなことを考えさせてくれる旅でした。きっと何度も心のなかで思い返してしまうでしょう。

(English follows after this page)
(英語の原文は次ページに掲載しています)

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GARAGE

WRITER
Konstantin Gridnevskiy

Konstantin Gridnevskiy

1978年ロシア生まれ。ここ17年間はオランダにある応用科学の大学の国際旅行マネジメント課にて、アウトドア、リーダーシップ、冒険について教えている。言語、観光、サービスマネジメントの学位を持っていて、研究は、アウトドアでの動作に電子機器がどう影響するか。5年前からパックラフティングをはじめ、それ以来、世界中で川旅を楽しんでいる。これまで旅した国は、ベルギー、ボスニア、クロアチア、イギリス、フィンランド、フランス、ドイツ、日本、モンテネグロ、ノルウェー、ポーランド、カタール、ロシア、スコットランド、スロバキア、スロベニア、スウェーデン、オランダ。その他のアクティビティは、キャンプ、ハイキング、スノーシュー、サイクリングなど。

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