TRAILS REPORT

ロングトレイルTOPICS #04 | CDTスルーハイキングに向けた最新情報(2022 Feb)

2022.03.09
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TRAILS編集部が取材やリサーチで集めた情報を中心に、ロングトレイルの最新情報や注目すべきトピックを発信する『ロングトレイルTOPICS』(全5回)。4回目の今回は、CDT (コンチネンタル・ディバイド・トレイル) 編。

TRAILS編集部が、CDTC (CDTの運営組織) のコミュニケーション・マネージャーであるアリー・ガーマンに取材を行ない、2022年2月時点での最新情報を聞いた。

CDTは、アメリカ3大トレイル (AT, PCT, CDT) のなかで最も長大かつ難易度が高いことでも知られている。それだけに、スルーハイク中もこまめに最新情報を入手し、その都度、その情報にもとづいた対応が求められる。情報収集における有効な手段も含めてアリーがアドバイスしてくれたので、ぜひ参考にしてほしい。

CDTは、メキシコ国境からニューメキシコ州、コロラド州、ワイオミング州、アイダホ州、モンタナ州を経てカナダ国境まで、ロッキー山脈に沿った北米大陸の分水嶺を縦断する3,100mile (5,000km) のロングトレイル。

懸案だった、サザンターミナス (南の起点) までのシャトルも運行・予約開始。

CDTC (CDTの運営組織) のコミュニケーション・マネージャーであるアリー・ガーマン。彼女自身もCDTのスイルーハイカーだ。

—— 編集部:2022年のスルーハイクにおいて、例年と比較してルールの変更点はありますか?

 
アリー:「私たちCDTCは、アメリカ合衆国保健福祉省や地方自治体、州政府、連邦政府が設定した各地域のガイドラインを遵守する方針を継続しています。

ハイカーは、CDC (アメリカ疾病対策センター) のガイダンスに則って、ニューメキシコ州、コロラド州、ワイオミング州、アイダホ州、モンタナ州の指針を定期的に確認することが求められます。州や地域のガイドラインへのリンクは、下記『Closures and Alerts』のページで確認できます」

エリアごとの指針は、『Closures and Alerts』のページでチェック。https://continentaldividetrail.org/about-the-trail/cdt-fire-incidents-and-information/

—— 編集部:スタート地点へのアクセスは通常通りですか?

 
アリー:「最近まで、今春のサザンターミナス (南の起点) までのシャトル運行が安全に行なえるかどうか最終判断中でしたが、無事予約を開始することができました。

サザンターミナスまではシャトルが運行されている。こちらのページで予約ができる。https://continentaldividetrail.org/southern-terminus-shuttle/

なお、サザンターミナスのクレイジー・クックまでの道のりは非常に険しく、車高の高い車と耐久性のあるタイヤが必要です。水、スペアタイヤ、その他の安全用品の持参をおすすめします。また、サザンターミナスへ行くハイカーは、事前に国境警備隊に連絡することをおすすめします。詳細については、無料のプランニングガイドをご覧ください」

CDTCのウェブサイトでは、無料のガイドブックがダウンロード可能。無料とはいえ、CDTを応援する上でもドネーション (寄付) をしよう。https://continentaldividetrail.org/product/cdt-planning-guide/

森林火災や残雪、水場の状況に応じて、プランを適宜変更することが必要。

CDTは乾燥地帯も多く、タフなトレイルである。森林火災もあれば、長距離にわたって水場がないこともあるので、トレイルの最新情報はつねに入手するよう心がけること。

—— 編集部:今年のスルーハイカーが、特に気をつけるべきことはありますか?

 
アリー:「アメリカ西部では森林火災がつねに問題となっています。ハイカーは継続的に火災の状況をチェックし、必要に応じて旅程を変更することをおすすめします。

その他、新型コロナウイルス、残雪、季節限定の水場での水の確保など、さまざまな問題があります。CDTのハイキングは、つねにある程度の柔軟性が必要とされます。

アラート情報を流すTwitterアカウントもあるので、フォローしておこう。

そのためハイカーは、状況にあわせて計画を調整できるよう準備してください。CDTのウェブサイトの『Closures and Alerts』のページ、特に『Alerts』のTwitterは、その詳細を知るためのよい情報源となります。

携帯電話の電波が届きにくい場所では、Twitterのほうが読み込みが早いので、ブックマークしておくと便利です」

国境周辺のルール変更に要注意。2021年は国境検問所が閉鎖。

2021年、ウォータートン・レイクは渡ることができなくなった。今年はどうなるか。CDTCのページでチェックしよう。

—— 編集部:特に、アメリカ国外からのハイカーが気をつけるべきことはありますか?

 
アリー:「2021年は、カナダとの国境検問所であるウォータートンが閉鎖され、ハイカーはウォータートン・レイクの終点まで渡れなくなり、チーフマウンテン・トレイルヘッドも通行止めになりました。

ハイカーは、国境周辺のルールが変更される可能性があることを想定し、それに対応できるように準備しておく必要があります。私たちは、この国境付近の状況をモニターしつつ、CDTCのウェブサイトでつねに最新情報をアップデートしますので、参考にしてください」

『Closures and Alerts』のページは、こまめにチェックすること。

必ずマスクを携行し、いつでも付けられるようにすること。

ダオミクロン株の流行は、ハイカーだけではなく、トレイルメンテナンスなどのボランティア・プログラムにも影響を及ぼしている。https://continentaldividetrail.org/volunteer/

—— 編集部:ここ最近は、オミクロン株が猛威を振るっています。

 
アリー:「コロナ期のあいだは、CDTCはトレイル周辺の地域、州、連邦政府のガイダンスに従います。

ただ私たちは、きちんと配慮すれば、南側の起点のシャトル運行はもちろん、イベント (特に野外でのイベント) を開催できるのではないかと考えています。

ただし、CDC (アメリカ疾病対策センター) や保健局の指導により、すべての場所でマスクが必要となります。また、ボランティア・プロジェクトなどでは、ワクチン接種が必要な場合もあるでしょう」

他のトレイルに比べて歩くハイカーが少ないCDTではあるが、他のトレイル同様にコロナ対策が必要だ。

コロナ期は、いつも以上に事前準備が重要だ。今回アリーも言っていたように、CDTが通る地域、州、連邦政府それぞれに方針があるので、それをしっかり理解しておく必要がある。

歩き始めてからの臨機応変な対応も大事だが、まずは今、できる限りの情報収集をすることが、コロナ対策としても役に立つはずだ。

次回は、PNT (パシフィック・ノースウエスト・トレイル) の運営組織であるPNTAのスタッフから、PNTの最新情報を紹介してもらう。

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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