TRAILS REPORT

HAMMOCKS for Hiker | ハンモックギア2022 #01 注目のハンモック8ブランド (前編)

2022.05.27
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取材・文・構成:TRAILS

3年ぶり5回目の開催となった『HAMMOCKS for Hiker』。2016年から開催している、「ハンモックを使った、ハイキングの旅」を提案するイベントだ。

ハイキングで使える軽量でコンパクトなハンモックを中心に、ウッドストーブなどハンモック関連ギアも勢揃い。これだけの数のハイキング向けハンモックを、実際に触って、座って、寝て、試せるイベントは『HAMMOCKS for Hiker』だけ、といっても過言ではない。

3年ぶりということもあって、ながらく待ち望んでいたハイカーも多く、チケットもキャンプ泊券はおかげさまで即時ソールドアウト。日帰り券も初日はソールドアウトとなる盛況ぶり。

本イベント初登場ブランドの出展や、本邦初披露となる新製品の展示、さらにワークショップなどもあり、会場は熱気あふれるハンモックハイカーで賑わった。

そんな『HAMMOCKS for Hiker 2022』を振り返るべく、今回から7回にわたって『ハンモックギア2022』と題して特集記事をお届けしたい。

今年注目のハンモックや、個性あふれるさまざまな周辺ギア、TRAILS独自のリサーチ結果、ユーザーの声など、面白くて役に立つ情報満載のコンテンツを紹介していくので、たっぷりとお楽しみください。

まず第1回目の今回は、注目のハンモック8ブランドの前編。3ブランド5プロダクトを紹介します。


3年ぶり5回目の開催となった『HAMMOCKS for Hiker』。待ち望んでいたハンモックハイカーも多く、キャンプ泊券はチケットの販売開始直後に完売。

COCOON コクーン

■ Ultralight Hammock (ウルトラライト ハンモック)


【重量】240g (ハンモック本体) / 【価格 (税込)】9,900円 ※使用しているアンダーキルト (別売) は、Hammock Underquilt Down (重量660g)。

トラベルシーツやスリーピングバッグライナーの世界的なブランド、COCOONがイベント初登場。Ultralight Hammockは、同ブランドの最軽量モデル。

重量240gという軽さながら、全長が325cmと長く (ほとんどのハイキング用ハンモックは300cm以下)、幅も148cmと少し広めの設計。寝た際の突っ張り感や圧迫感が驚くほどない。長年スリーピングギアに特化してきたブランドだけあって、生地の織りにも独自のこだわりがあり、それが極上の肌触りを生み出している。

またリッジラインがあるのも特徴。ハンモックを最適な角度に固定してくれるため、いつでも同じ寝心地を得ることができる。

■ Ultralight Mosquito Net Hammock (ウルトラライト モスキートネット ハンモック)


【重量】395g (ハンモック本体) / 【価格 (税込)】13,200円 ※使用しているタープ (別売) は、Hammock Tarp UL (重量620g)。

Ultralight Hammockのモスキートネット付きモデル。COCOONのラインナップのなかでも人気が高いモデルだ。

Ultralight Hammockのやや大きめの快適なサイズ感はそのままに、モスキートネットがあることで、虫によるわずらわしさや不安から解放され、安眠を手に入れることができる。

またこのネットはフルオープンにできる仕様になっており、虫がいない場合、開放感あるスタイルで寝ることも可能だ。

ENO イーノ(イーグルズ・ネスト・アウトフィッターズ)

■ TechNest™ Hammock (テックネスト ハンモック)


【重量】約510g (収納袋、カラビナ2個含む) / 【価格 (税込) 】13,750円

現在のアメリカにおいて、ハンモックのシーンをリードするブランド『ENO』。同ブランドの今シーズンの新商品であり、イベント初のお披露目となったハンモックがTechNest™ Hammock。一番の特徴は、ENOで初めて採用した新素材、プレミアムファブリックUltraWave (ウルトラウェイブ)。

この生地は、とても柔らかく、適度な伸びがあり、どんな体勢になっても心地良い。しかも100%リサイクルナイロンで、環境に配慮したPFCフリー (※1) の耐久性撥水 (DWR) 処理も施されていることから、Bluesign認証 (※2) も取得している。

自然を意識した “Nature inspired” によるカラーバリエーションは、セドナレッド (写真)、ミッドナイトブルー、スプルースグリーン (スプルースとはマツ科トウヒ属の常緑針葉樹) の3つ。

※1 PFCフリー:PFCとは、フッ素化合物のこと。これは環境汚染への懸念があるとされており、近年、環境に配慮したメーカーがPFCを使用しないPFCフリーの商品づくりに取り組んでいる。
※2 Bluesign認証:繊維・アパレル業界において、持続可能なサプライチェーンを経た製品に付与される認証で、世界で最も厳しい基準とも言われている。スイスに拠点を置くブルーサイン・テクノロジーが運営・管理を行なっている。

■ SuperSub™ Hammock (スーパーサブ ハンモック)


【重量】278g / 【価格 (税込) 】12,650円

ENOの人気定番ハンモック。ULハイカーからの支持も厚い同ブランドの最軽量モデルSub6 (164g) と同じ軽量素材を採用しつつ、幅を188cmと超ワイドにしたもの (Sub6の幅は119cm)。

重量278gと比較的軽量でありながら、快適性を重視したモデル。寝た際には両サイドが覆いかぶさるため、包まれることによって得られる安心感がある。

HENNESSY HAMMOCK ヘネシーハンモック

■ Explorer Deluxe A-sym Zip (エクスプローラー デラックス アシンメトリージップ)


【重量】1,596g / 【価格 (税込) 】29,700円

HENNESSY HAMMOCKは、「シェルターとしてのハンモック」のシステムを確立したハンモック専門メーカーであり、野営ハンモック界のレジェンドメーカー。このExplorer Deluxe A-sym Zipは、同ブランドのなかで、もっともラグジュアリーなモデルだ。

タープとバグネットがセットになったオールインワンタイプであることはもちろん、スタンダードモデルであるExpedition A-sym Zipより、ひと回り大きな (全長330cm) サイズゆえ、大柄な人 (適応身長は213cmまで) も安心。子どもと一緒に楽しむこともできそうだ。

また、HENNESSY HAMMOCKの全モデル共通だが、寝ると自然と最適なポジションにおさまる独自の非対称 (アシンメトリー) 構造になっており、この寝心地の良さは同ブランドならでは。世界中で特許を取得しているオリジナルの設計だ。


3年ぶりに月尾根自然の森キャンプ場に戻ってきた『HAMMOCKS for Hiker』。会場には至るところにたくさんのハンモックが張られ、熱気に包まれていた。

次回は、『HAMMOCKS for Hiker | ハンモックギア2022 #02 注目のハンモック8ブランド (後編)』。

今回紹介したハンモックだけでも、かなりのバリエーションがありましたが、ハンモックの世界はもっともっと広く深い。

次回は、今回とは異なる5ブランド6プロダクトを紹介するので、お楽しみに。

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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