HAMMOCKS for Hiker | ハンモックギア2022 #03 ハンモックの周辺ギア(前編)
取材・文・構成:TRAILS
『HAMMOCKS for Hiker 2022』のアフターレポートとして、全7回でお届けする特集記事『ハンモックギア2022』。第3回の今回は「ハンモックの周辺ギア(前編)」。ハンモック・キャンプに使えるキルトやビビィ、タープなどを中心に紹介する。
3年ぶり5回目の開催となった『HAMMOCKS for Hiker』は、2016年から開催している「ハンモックを使った、ハイキングの旅」を提案するイベントだ。
ハイキングで使える軽量でコンパクトなハンモックを中心に、ウッドストーブなどハンモック関連ギアも勢揃い。これだけの数のハイキング向けハンモックを、実際に触って、座って、寝て、試せるイベントは『HAMMOCKS for Hiker』だけ、といっても過言ではない。
今年の特集記事では、注目のハンモックや、個性あふれるさまざまな周辺ギア、TRAILS独自のリサーチ結果、ユーザーの声など、面白くて役に立つ情報満載のコンテンツをお届けしていく。では、第3回のレポートをお楽しみください。
AXESQUIN / Hammock Bivy Tyvek (アクシーズクイン / ハンモック ビビィ タイベック)
ハンモック専用のビビィという、新発想のギア。保温性と耐候性をブーストしてくれる、ハンモック泊における新たな選択肢となるギアだ。
ハンモックは野ざらしゆえに、キルト等で覆ってもステッチ部分がコールドスポットにならざるを得ない。そこでさらにもう1枚覆うことで保温性を高めようとしたのが、開発の発端。
誕生までには数々の試行錯誤があったそうだ。裏地に防水膜をコーティングした薄い生地も試したが、風が強いと薄手のレインウェアやウインドシェル同様、冷たさを感じてしまう。そこで、ある程度の生地厚が必要だとわかり、最終的に遮熱効果のあるアルミ蒸着のタイベックを採用することになった。
タープとこのビビィを併用すれば、風や雨などに対する耐候性をさらに上げられる。厳冬期であればキルト等と組み合わせて保温力をブーストすることも可能だ。
また上部に設けられた3カ所のループにショックコードを結んでリッジラインと接続すれば、上側の空間が生まれ居住性もアップ。顔側にベンチレーションも1つ付いているので、換気性も充分。随所に工夫が見られる新しいハンモックギアである。
THERM-A-REST / Corus 0℃ (サーマレスト / コーラス 0℃)
『HAMMOCKS for Hiker 2022』で、イベント初披露となった新作キルト。快適温度は5℃、限界温度は0℃のスリーシーズンモデル。
ハンモック泊でのスリーピングマットの使用に関しては、“ズレ” が最大の課題だった。ハンモックの冷え対策でクローズドセルを用いた際に、ズレてしまって熟睡できなかったという経験がある人もいるはずだ。
ことハンモックにおいては、エアマットのほうが、嵩 (かさ) も張りもあり、クローズドセルと異なり折れにくく体勢も安定するため、相性がいい。さらに、このCorusには、背面にSYNERGYLINK CONNECTORS (シナジーリンク・コネクターズ) という独自開発のストラップが搭載されており、スリーピングマットと一体化するのだ。
特に、同じブランドのNeoAir XLite (ネオエアー Xライト) レギュラーサイズとのフィット感は抜群で、まさにシンデレラフィット。寝返りをしても、横向きになってもマットがズレることがない。実際、TRAILS編集部もこれを使用してみたが、マットがしっかりと固定されたまま快適に朝まで熟睡することができた。
COCOON / Hammock Underquilt Down (コクーン / ハンモック アンダーキルト ダウン)
750フィルパワーの撥水ダックダウンを400g封入した、アンダーキルト。撥水ダウンに加えて、表面に採用している20デニールナイロンも耐久性撥水 (DWR) 加工済みで、湿気や濡れに強く、保温力に優れているのが特徴である。
さらに、同ブランドのUltralight Hammockのサイド部分のループに取り付けるアタッチメントも付属。そのため、この2つを組み合わせるとハンモックとアンダーキルトの隙間ができにくく、より保温性能を高めることができる。
KAMMOK / Insulated Pongo Pad (カモック / インシュレーテッド ポンゴ パッド)
ハンモック泊での使い勝手に優れた、インサレーション内蔵のスリーピングマット。
独特のテーパードデザイン (肩から腰にかけて幅が広く、下半身が細い) は、幅広のショルダーボックスがハンモックの生地を押し広げて、平らかつ広いスペースを生み出してくれる。ハンモックとの組み合わせを想定して設計されたマットである。
またマットの背面は、表面とは異なる滑り止め効果のあるスウェードのような素材を採用。ハンモック本体の生地にしっかりグリップし、睡眠中にズレることがないつくりになっている。
マット内部の合成断熱材に、Bluesign認証 (※) 取得の素材を用い、環境に配慮しているのも特徴である。
ENO / ProFly™ Rain Tarp Prints (イーノ / プロフライ レインタープ プリント)
ENOのハンモック用タープのスタンダードモデル、ProFly™ Rain Tarpのプリント柄モデル。
素材に70Dリップストップナイロンを用いているため、防水性と耐久性に優れているのは言わずもがな。長辺3.2m、短辺1.9mというサイズも絶妙で、大抵の軽量ハンモックをカバーする大きさになっている。
さらに特筆すべきは、ENOが大事にするレイドバックなスタイルを表わすような、このプリント柄。一見、ただのデザインに思えるかもしれないが、実際にこの下でハンモックに寝てみると、想像以上に明るく、華やかで、特別な空間に包まれている心地がするのだ。曇天や悪天候時であっても、気分がアガること間違いなし。
EXPED / Solo Tarp (エクスペド / ソロタープ)
生地厚の薄い15Dリップストップナイロンを用いた、重量330gの軽量タープ。サイズは、300×190cm。
8カ所にループがあり、すべてにガイラインおよび自在 (スライドロック) が付属。テンションの調整が容易なだけではなく、タープ側で調整ができるため、悪天時に外に出る必要がない。
しかもこの8カ所すべてにメッシュポケットが搭載されているため、ガイラインをポケットに押し込むだけで簡単に収納できる。撤収時にガイラインを畳んで結んでという作業が一切不要なのは、ストレスフリーで実に嬉しい。まさに、EXPEDらしいユーザビリティに優れたギア。イベントでも多くの人が使っていたのも納得である。
ENO / Underbelly™ Gear Sling (イーノ / アンダーベリー ギアスリング)
ハンモックの下にセッティングするだけで、あらゆる荷物を地面に置くことなく収納することができるギアスリング。重量113gと軽量ながら、耐荷重は22kgもあるので重めの荷物も入れることができる。
ハンモックの大きなメリットのひとつは、斜面であろうと地面が濡れていようと、お構いなしに設営して宿泊できること。そのメリットを最大限活かす上でも、このギアスリングは重宝する。
必要なものを寝ながら出し入れできる便利なギアなので、特に、野営を含むハンモック・ハイキングにおすすめだ。
KAMMOK / Swiftlet (カモック / スウィフトレット)
このポータブルハンモックスタンドがあれば、ハイキングのときだけではなく、屋内や庭、また木に直接ハンモックを設営するのがNGのキャンプ場など、いろんな場所でハンモックを楽しむことができるようになる。
ゆったり寝そべることができるラウンジモード、座って使用するチェアモードと、シチュエーションや気分に応じて2つのモードを選択することができる。また、両サイドのアームには11個の調整ポイントがあり、スライドするだけで自分好みのベストな高さが手に入る。
持ち運びもしやすいように、肩にかけて持ち運べるトラベルバッグも付属している。
『ハンモックギア2022 #03』では、ハンモックの周辺ギアを8プロダクトを紹介した。
次回の『ハンモックギア2022 #04』では、さらに14個ものハンモック周辺ギアをピックアップ。ストーブや焚き火台から、ナイフ、ランタン、浄水器まで、ハンモック・ハイキングで使えるギアをお届けする。
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