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HAMMOCKS for Hiker | ハンモックギア2022 #07 TRAILS research(後編)ユーザー実態調査

2022.06.17
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取材・文・構成:TRAILS

『HAMMOCKS for Hiker 2022』のアフターレポートとして、全7回でお届けする特集記事『ハンモックギア2022』。最終回の第7回は「ハンモックのユーザー実態調査」。

イベントに参加したハイカーにアンケートを実施し、「ハンモックの選び方」、「今後買いたいハンモックギア」などをTRAILS独自に定量的にデータ化したリサーチレポートです。

3年ぶり5回目の開催となった『HAMMOCKS for Hiker』は、2016年から開催している「ハンモックを使った、ハイキングの旅」を提案するイベント。

ハイキングで使える軽量でコンパクトなハンモックを中心に、ウッドストーブなどハンモック関連ギアも勢揃い。これだけの数のハイキング向けハンモックを、実際に触って、座って、寝て、試せるイベントは『HAMMOCKS for Hiker』だけ、といっても過言ではない。

今年の特集記事では、注目のハンモックや、個性あふれるさまざまな周辺ギア、TRAILS独自のリサーチ結果、ユーザーの声など、面白くて役に立つ情報満載のコンテンツをお届けしていく。では、第7回のTRAILS researchによる「ユーザー実態調査」のアンケート結果発表です。お楽しみください。


『HAMMOCKS for Hiker』のイベントに参加したハイカーにアンケートを実施

みんなのハンモック歴はどれくらい?


【回答対象者】 『HAMMOCKS for Hiker 2022』参加者
【回答者数】 32 人
【調査実施⽇】 2022年5月
【調査⽅法】 インターネット調査

『HAMMOKS for Hiker 2022』に参加してくれたハイカーたちの、山でのハンモック歴はどれくらいなのだろうか?

このイベントを立ち上げた2016年には、まだまだハイキングでハンモックを使ったことがあるハイカーは、かなり少なかった。しかし2022年の現時点では、イベント参加者の約半数は「ハンモック歴3年以上」のハイカーであった。このデータから、直近5年くらいで、ハイキング・シーンにおけるハンモックの浸透が進んだことが見てとれる。

一方で、アンケート結果によると、「これから始める人〜ハンモック歴2年くらい」のハイカーが53%。これから自分のハイキングにハンモックを取り入れていこう、とあらたに興味を持っているハイカーが多いことも感じる。

みんながULハンモックを使っているのか?

アンケートで回答してもらった「所有しているハンモックの製品」をもとに、それをタイプ別に集計しなおしたのがこのデータだ。

一番人気は「UL (ウルトラライト)ハンモック (200g以下)」でであるが、それと拮抗して「ライトウェイトハンモック (201g~350g)」を持っているハイカーが多い。

ハンモックはメロウなギアであることもあってか、徹底的にULを追求するだけではなく、軽さと快適さのバランスをとった、ゆったりしたタイプのハンモックを求めるハイカーも多いことがわかる。なお、このTRAILS独自のタイプ分けについては、TRAILS research 「ハンモック最新スペック調査2022」の記事をぜひ見てほしい(詳細はコチラ)。

また虫のわずらわしさを嫌って、「バグネット付きハンモック」を持っているハイカーも一定数いることがわかる。そしてオールインワンタイプに底堅いニーズもうかがえる。

少数であるが、ハンモックをMYOG (MAKE YOUR OWN GEAR) しているハイカーがいることも興味深い。実際に、TRAILS INNOVATION GARAGEでも、ハンモックをMYOGするためにファブリック (生地)を買いに来てくれるハイカーもいる。

ハンモックは3個以上持っているのが新常識?

イベントに参加したハイカーに、「ハンモックをいくつ持っていますか?」と聞いたところ、驚くべきことに47%ものハイカーが「3個以上持っている」ということがわかった。

実際にイベント会場でも、「とりあえずハンモックを買ったのだけど、まだ実際に山で使えていない」という方も散見された。他のギアと比べても、それほど高価でないことや、複数持っていてもかさばらないことなど、ついついトライアルで買ってしまいやすいギアなのかもしれない。

また複数のハンモックを持っているハイカーでは、「ULハンモックとバグネット付きハンモック」、「ULハンモックとライトウェイトハンモック」などの組み合わせで所有している人が多い。イベントに参加してくれた熱量の高いハンモックハイカーのあいだでは、遊ぶシーンによって複数ハンモックを使い分けることが「新常識」になっていることがうかがえる。

ハンモックを選ぶ2大基準は「軽さ」と「寝心地のよさ」。

ハンモックを選ぶ基準として、最も多いのが「軽量さ」と「寝心地のよさ」であった。これがまずは多くのハイカーの2大基準となっているといってよいだろう。

それに続き、「設営のしやすさ」や「生地の肌ざわりのよさ」という視点が、ハイカーがハンモック選びでチェックするポイントとして多く挙がる。イベント会場でも、パッキングの仕様、ツリーストラップの使い方、生地の気持ちよさなど、各プロダクトの違いを入念にチェックしているハイカーをたくさん見かけた。

またハンモックは各ブランドで、カラーが多彩なこともあって、最後にどのカラーにするかを悩んでいる人も多かった。

これから買いたいハンモックギア・ランキング

これから買いたいハンモック関連ギアとしては、「タープ」と回答したハイカーが最も多かった。ハンモックと組み合わせるタープとしてどれを選ぶか、という点に関心を持っているハイカーが多い。

またアクセサリー(カラビナ、クリップ等)への関心も高く、使いやすさや快適性をアップデートすることへの関心の高さもうかがえる。ハンモックに接続するカラビナをより軽量なものに変える。ハンギングの際に使うのに、最適なカラビナを追加する。ツリーストラップやタープを固定するクリップやフックをより使いやすいものに変える。こういった細かいギアのアップデートは、ハンモック・キャンプの大きな楽しみのひとつだ。

また3番目に多い回答として「ハンモック本体」というのも挙がった。このデータからも、遊ぶシーンによってハンモックを使い分けたいハイカーが多いことがわかる。そして、「アンダーキルト」が上位に挙がっていることから、ハンモック泊の天敵である「背面の冷え」に対するケアをどうするか、という点についてもギアの検討をしているハイカーが多いことがわかる。

この「次に買いたいギア」のデータからは、自分のハンモック・キャンプのスタイルを進化させることへの、ハイカーの熱気を感じずにはいられない。また来年に会場で会えるのが楽しみだ。


『HAMMOCKS for Hiker 2022』のイベント会場風景。

3年ぶりの開催となった『HAMMOCKS fro Hiker』は、おかげさまで盛況のうちに閉幕。またそのアフターレポートとして、全7回でお届けしてきた特集記事も、今回が最終回。

今年注目のハンモックや、個性あふれるさまざまな周辺ギア、TRAILS独自のリサーチ結果、ユーザーの声など、面白くて役に立つ情報満載でお届けしてきました。

また来年の『HAMMOCKS for Hiker』でお会いしましょう。

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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