HAMMOCKS for Hiker | ハンモックギア2022 #07 TRAILS research(後編)ユーザー実態調査
取材・文・構成:TRAILS
『HAMMOCKS for Hiker 2022』のアフターレポートとして、全7回でお届けする特集記事『ハンモックギア2022』。最終回の第7回は「ハンモックのユーザー実態調査」。
イベントに参加したハイカーにアンケートを実施し、「ハンモックの選び方」、「今後買いたいハンモックギア」などをTRAILS独自に定量的にデータ化したリサーチレポートです。
3年ぶり5回目の開催となった『HAMMOCKS for Hiker』は、2016年から開催している「ハンモックを使った、ハイキングの旅」を提案するイベント。
ハイキングで使える軽量でコンパクトなハンモックを中心に、ウッドストーブなどハンモック関連ギアも勢揃い。これだけの数のハイキング向けハンモックを、実際に触って、座って、寝て、試せるイベントは『HAMMOCKS for Hiker』だけ、といっても過言ではない。
今年の特集記事では、注目のハンモックや、個性あふれるさまざまな周辺ギア、TRAILS独自のリサーチ結果、ユーザーの声など、面白くて役に立つ情報満載のコンテンツをお届けしていく。では、第7回のTRAILS researchによる「ユーザー実態調査」のアンケート結果発表です。お楽しみください。
みんなのハンモック歴はどれくらい?
『HAMMOKS for Hiker 2022』に参加してくれたハイカーたちの、山でのハンモック歴はどれくらいなのだろうか?
このイベントを立ち上げた2016年には、まだまだハイキングでハンモックを使ったことがあるハイカーは、かなり少なかった。しかし2022年の現時点では、イベント参加者の約半数は「ハンモック歴3年以上」のハイカーであった。このデータから、直近5年くらいで、ハイキング・シーンにおけるハンモックの浸透が進んだことが見てとれる。
一方で、アンケート結果によると、「これから始める人〜ハンモック歴2年くらい」のハイカーが53%。これから自分のハイキングにハンモックを取り入れていこう、とあらたに興味を持っているハイカーが多いことも感じる。
みんながULハンモックを使っているのか?
アンケートで回答してもらった「所有しているハンモックの製品」をもとに、それをタイプ別に集計しなおしたのがこのデータだ。
一番人気は「UL (ウルトラライト)ハンモック (200g以下)」でであるが、それと拮抗して「ライトウェイトハンモック (201g~350g)」を持っているハイカーが多い。
ハンモックはメロウなギアであることもあってか、徹底的にULを追求するだけではなく、軽さと快適さのバランスをとった、ゆったりしたタイプのハンモックを求めるハイカーも多いことがわかる。なお、このTRAILS独自のタイプ分けについては、TRAILS research 「ハンモック最新スペック調査2022」の記事をぜひ見てほしい(詳細はコチラ)。
また虫のわずらわしさを嫌って、「バグネット付きハンモック」を持っているハイカーも一定数いることがわかる。そしてオールインワンタイプに底堅いニーズもうかがえる。
少数であるが、ハンモックをMYOG (MAKE YOUR OWN GEAR) しているハイカーがいることも興味深い。実際に、TRAILS INNOVATION GARAGEでも、ハンモックをMYOGするためにファブリック (生地)を買いに来てくれるハイカーもいる。
ハンモックは3個以上持っているのが新常識?
イベントに参加したハイカーに、「ハンモックをいくつ持っていますか?」と聞いたところ、驚くべきことに47%ものハイカーが「3個以上持っている」ということがわかった。
実際にイベント会場でも、「とりあえずハンモックを買ったのだけど、まだ実際に山で使えていない」という方も散見された。他のギアと比べても、それほど高価でないことや、複数持っていてもかさばらないことなど、ついついトライアルで買ってしまいやすいギアなのかもしれない。
また複数のハンモックを持っているハイカーでは、「ULハンモックとバグネット付きハンモック」、「ULハンモックとライトウェイトハンモック」などの組み合わせで所有している人が多い。イベントに参加してくれた熱量の高いハンモックハイカーのあいだでは、遊ぶシーンによって複数ハンモックを使い分けることが「新常識」になっていることがうかがえる。
ハンモックを選ぶ2大基準は「軽さ」と「寝心地のよさ」。
ハンモックを選ぶ基準として、最も多いのが「軽量さ」と「寝心地のよさ」であった。これがまずは多くのハイカーの2大基準となっているといってよいだろう。
それに続き、「設営のしやすさ」や「生地の肌ざわりのよさ」という視点が、ハイカーがハンモック選びでチェックするポイントとして多く挙がる。イベント会場でも、パッキングの仕様、ツリーストラップの使い方、生地の気持ちよさなど、各プロダクトの違いを入念にチェックしているハイカーをたくさん見かけた。
またハンモックは各ブランドで、カラーが多彩なこともあって、最後にどのカラーにするかを悩んでいる人も多かった。
これから買いたいハンモックギア・ランキング
これから買いたいハンモック関連ギアとしては、「タープ」と回答したハイカーが最も多かった。ハンモックと組み合わせるタープとしてどれを選ぶか、という点に関心を持っているハイカーが多い。
またアクセサリー(カラビナ、クリップ等)への関心も高く、使いやすさや快適性をアップデートすることへの関心の高さもうかがえる。ハンモックに接続するカラビナをより軽量なものに変える。ハンギングの際に使うのに、最適なカラビナを追加する。ツリーストラップやタープを固定するクリップやフックをより使いやすいものに変える。こういった細かいギアのアップデートは、ハンモック・キャンプの大きな楽しみのひとつだ。
また3番目に多い回答として「ハンモック本体」というのも挙がった。このデータからも、遊ぶシーンによってハンモックを使い分けたいハイカーが多いことがわかる。そして、「アンダーキルト」が上位に挙がっていることから、ハンモック泊の天敵である「背面の冷え」に対するケアをどうするか、という点についてもギアの検討をしているハイカーが多いことがわかる。
この「次に買いたいギア」のデータからは、自分のハンモック・キャンプのスタイルを進化させることへの、ハイカーの熱気を感じずにはいられない。また来年に会場で会えるのが楽しみだ。
3年ぶりの開催となった『HAMMOCKS fro Hiker』は、おかげさまで盛況のうちに閉幕。またそのアフターレポートとして、全7回でお届けしてきた特集記事も、今回が最終回。
今年注目のハンモックや、個性あふれるさまざまな周辺ギア、TRAILS独自のリサーチ結果、ユーザーの声など、面白くて役に立つ情報満載でお届けしてきました。
また来年の『HAMMOCKS for Hiker』でお会いしましょう。
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