TRAILS REPORT

TODAY’S BEER RUN #14 | <番外編> ニュートラルケース(下北沢)

2023.05.31
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文:根津貴央 写真・構成:TRAILS

What’s TODAY’S BEER RUN? | 走って、至極の一杯となるクラフトビールを飲む。ただそれだけのきわめてシンプルな企画。ナビゲーターは、TRAILSの仲間で根っからのクラフトビール好きの、ゆうき君。アメリカのトレイルタウンのマイクロブルワリーで、ハイカーやランナーが集まってビールを楽しむみたいに、自分たちの町を走って、ビールを流し込む。だって走った後のクラフトビールは間違いなく最高でしょ? さて今日の一杯は?

* * *

今回は『TODAY’S BEER RUN』の番外編として先日開催したばかりの、グループラン (※) のレポートを早速お届けします。

行き先は、5月27日 (土)・28日 (日) に下北沢で開催されたクラフトビールの祭典『NEUTRAL CASE CRAFT BEER FEST SETAGAYA 2023 SPRING』。

このNEUTRAL CASE (ニュートラルケース) は、『TODAY’S BEER RUN』で過去に登場してもらったところも含め、ワクワクするセレクトのブルワリーとインポーターが12社も集結するクラフトビールフェスです。

こんなフェスがあるなら、クラフトビール好きのハイカーやランナーに集まってもらって、みんなで至極の一杯を飲むためだけに、走って行こうじゃないか! ということで、『TODAY’S BEER RUN』のスピンオフ企画として、グループランを実施しました。

集まったのは、NAVIGATORのゆうき君とTRAILS編集部crewの根津の2人も含めて、総勢24名! 美味しいクラフトビールを飲むためだけに、みんなで走りました。

※ グループラン:ランニングクラブやランニングショップなどで定期的に開催されている、複数人で行なうランニングイベントのこと。トレーニング目的の場合もあるが、コミュニティとしてランニングを楽しむことが目的のものも多い。今回のグループランは後者で、クラフトビールをみんなで楽しむためのグループランである。


総勢24名が、スタート地点である『TRAILS INNOVATION GARAGE』に集合。

NAVIGATOR / ゆうき君 (黒川裕規)
パタゴニアのフード部門『パタゴニア プロビジョンズ』で食品やビールを担当。前職がヤッホーブルーイングということもあり、ビールの知識も豊富。そもそも根っからのビール好きで、10年以上前からクラフトビールを個人的に掘りつづけている。TRAILS編集部crewの根津とは8年来のトレイルラン仲間で、100mileレースをいくつも完走しているタフなトレイルランナーでもある。

『TODAY’S BEER RUN』のルール
①日本橋にある『TRAILS INNOVATION GARAGE』からお店まで走って行く ②『TODAY’S BEER RUN』のオリジナル缶バッジを作る ③ゆうき君おすすめのお店で彼イチオシのクラフトビールを飲む

GARAGE to ニュートラルケース

スタート地点は、いつもどおり東京は日本橋にある『TRAILS INNOVATION GARAGE』。

この場のコンセプトである「MAKE YOUR OWN TRIP = 自分の旅をつくる」を体験するべく、恒例の『TODAY’S BEER RUN』オリジナル缶バッジづくり。

その前に、今回は12社のブルワリーとインポーターが集まるので、まずはどこのクラフトビールを飲むかを、あみだくじで決定!


「あみだくじ」で、それぞれがゴール後に飲むクラフトビールのブルワリー&インポーターを決定。


MYOG (Make Your Own Gear) ができる『TRAILS INNOVATION GARAGE』で、オリジナルの缶バッジを作る。


オリジナルのバッジが完成! これを身につけて走る。

天気は最高! いつもは、ゆうき君と根津の2人だけでGARAGEをスタートしているが、今回はなんと24名。

まだ走ってもいなければクラフトビールも飲んでいないのに、みんなテンション高めで楽しげなムードに包まれていた。


極上のクラフトビールを求めて、いざ出発。

今回のルート

『NEUTRAL CASE』までは、約14km。

距離が短すぎるとクラフトビールを1杯飲んで満足してしまいそうだし、長すぎると疲れ果てて飲むどころではなくなってしまう。

今回はブルワリーとインポーターが12社も集まるわけだし、できるだけたくさん飲みたい! そう思うと、この14kmという距離は絶妙な気がした。

スタート後、走って3分のところにある『Run boys! Run girls!』に立ち寄り、皇居、青山通りを経由して、下北沢へ。

このグループランがきっかけで、初めて (あるいはひさしぶりに) このエリアに来たという人もいたので、せっかくなのでご近所さん紹介がてら、なにかとお世話になっているトレイルランニング・ランニング専門店『Run boys! Run girls!』(ランボーイズランガールズ) へ。『TRAILS INNOVATION GARAGE』からは走って3分という近さだ。

4月に10周年を迎えたばかりの『Run boys! Run girls!』。店主の慶さんが、お店のことを説明してくれた。

店主の慶さん (桑原慶) が出迎えてくれて、お店のオープン前だったけど特別にお店を案内してくれた。慶さんは、「こんな人数、お店に入れるかなぁ」とちょっと不安げだったが、いざ入ってみるとぜんぜん余裕。バラエティ豊かなギアにみんな興味津々。今度はこれを買いに来よう! などと思いつつ、その場をあとにして走りはじめた。


皇居沿いを気持ちよく走る。

下北沢駅から一望できる『NEUTRAL CASE』

下北沢駅からの眺め。

『NEUTRAL CASE』の会場は、下北沢駅と世田谷代田駅のちょうど中ほどに位置している。下北沢駅からは緩やかな登り坂になっていて、駅から一望できるのが特徴でもある。これを見たら、誰だって行きたくなるに違いない。

14kmを走って、喉カラカラで会場に到着。早くクラフトビールが飲みたい。

11時半にスタートを切った僕たちは、寄り道しつつ、のんびりしゃべりながら走って、14時に会場に到着した。

目の前には12社ものブルワリーとインポーターが軒を連ねていて、もう片っ端から飲みまくりたい気分!

クラフトビールシーンを根付かせるためのビアフェス

主催者の川島唯さん (左) と宮本雄大さん。川島さんは、世田谷代田在住。

出迎えてくれたのは、『NEUTRAL CASE』の主催者である川島唯 (かわしま ゆい) さんと宮本雄大 (みやもと ゆうだい) さん。

ひっきりなしにお客さんが訪れていたので、超絶忙しかったはずだが、笑顔でクラフトビールを飲み、笑顔でクラフトビールへの想いを語る2人。お客さんや出店者はもちろん、主催者も楽しんでいるのが、このフェスの心地よいグルーヴ感につながってる感じがした。

そして、このフェスの2大テーマは、『クラフトビールを一時的なブームで消化させないこと』『高品質なクラフトブルワリーの集結』だそうだ。

川島さん:「ビールの温度管理など、屋外イベントで仕方ないとされてきたことを少しでも覆すために、ストックビールの徹底的な冷蔵保存と提供中のビールの保冷を行なっています。

また、大手ビバレッジメーカーの協賛を入れないことによって、自分たちが本当に良いと思ったブルワリーやインポーターだけを呼び、私たちが責任を持って高品質なビールを、良好なコンディションでみなさんに楽しんでいただく場所をご用意しています」

この過剰なまでのこだわりこそが、このイベントに人が集う理由でもあるのだろう。

お客さんでいっぱいのイベント会場。

ゆうき君が選んだ、12社の「TODAY’S BEER」

12社の数あるタップのなかから、それぞれ1つだけをチョイス。

走ったあとのクラフトビールは最高!

ゆうき:「これだけアクセスの良い場所で、厳選された12社のブルワリーとインポーターが集まるクラフトビールフェスは他にはない。

自分もまだ飲んだことないビールもあったし、イベント限定のタップもあったりして、新たな発見も楽しむことができたよ。

会場の規模もちょうどよくて、いろんなブルワリーやインポーターを気軽に行き来できるのも嬉しいよね。

なにより、みんなで走ったあとに、みんなで乾杯して飲むクラフトビールはやっぱり最高だね」

クラフトビール片手に、グループランの参加者同士でトーク。

会場の両サイドにブルワリーとインポーターのブースがずらっと並ぶ光景は、壮観だった。

各社の定番ビールから限定ビールまでさまざまなクラフトビールが揃っていて、見ているだけでワクワクしてしまう。

そして、グループランで走った仲間たちと、「それ何飲んでるの?」「これめちゃくちゃ美味いよ!」「いま新しいタップつながったみたい」などと、クラフトビールの話をしながらワイワイ飲むのはとにかく楽しかった。

グループラン参加者24名で、乾杯!

今回も、走ったあとのクラフトビールは最高!

『TODAY’S BEER RUN』初のグループランということで、どうなることか少し不安もあったけど、結果は大成功。

定期開催はしないものの、またいつか突発的にグループランをやるかもしれないので、みなさんお楽しみに!

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WRITER
根津 貴央

根津 貴央

1976年、栃木県宇都宮市生まれ。幼少期から宇宙に興味を抱き、大学では物理学を専攻。卒業後、紆余曲折を経て広告業界に入り、12年弱コピーライター職に従事する。2012年に独立し、かねてより憧れていたアメリカのロングトレイル「パシフィック・クレスト・トレイル(PCT/総延長4,265km)」のスルーハイクのために渡米。約5カ月間歩きつづける。2014年には「アパラチアン・トレイル(AT/総延長3,500km)」の有名なイベント「Trail Days」に参加し、約260kmのセクションを歩く。同年より、グレート・ヒマラヤ・トレイル(GHT)を踏査する日本初のプロジェクト『GHT Project(www.facebook.com/ghtproject)』を仲間と共に推進中。2018年、TRAILSに正式加入。2024年よりTRAILSのHIKING FELLOWに就任。著書に『ロングトレイルはじめました。』(誠文堂新光社)、『TRAIL ANGEL』(TRAILS) がある。

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