HAMMOCKS for Hiker | ハンモックギア2023 #02 注目のハンモック9ブランド (後編)
取材・文・構成:TRAILS
『HAMMOCKS for Hiker 2023』のアフターレポートとして、全4回でお届けする特集記事『ハンモックギア2023』。今回は第2回目の「注目のハンモック9ブランド (後編)」。
前編では5つのハンモックを紹介したが、この後編では4つのハンモックを紹介する。本イベント初登場のハンモックから、キルト一体型のハンモック、独自の生地を採用したハンモック、マットと組み合わせて使うハンモックまで、前編に勝るとも劣らないユニークなハンモックばかり。
前編の記事と合わせて、多種多様なハンモックの詳細をじっくりとお楽しみください。
LESOVIK レソヴィク
■ SUL (スル)
イベント初登場となるLESOVIKは、2013年に誕生したポーランドのハンモックブランド。このSULは、スーパー・ウルトラ・ライトの略であり、同ブランドの最軽量モデル。
175gという軽さながら、同等重量の他社モデルと比べ、幅が145cmと広い設計になっている。そのため、身長が高い人 (画像の人は185cm) でも、まるでリクライニングチェアのようにくつろぐことも。加えて、ハンモック泊の際は対角線上に寝る (ハンモックで寝る際の最適なポジション) こともストレスなくできる。
リップストップのマイクロメッシュ生地はコーティングを施していないため通気性が良い。しかもほとんど伸びないため、一度設営してしまえば、あとで高さやテンションを微調整する必要もない。
SHINOGI 凌
■ Ukigumo (ウキグモ)
日本のアウトドアブランド、アクシーズクインの『凌』(しのぎ) は、独自の発想で、四季のある日本の低山を歩くことを考えてデザインしたプロダクトを開発している。その凌の唯一のハンモックが、Ukigumoというアンダーキルト一体型ハンモックだ。
一番の特徴は、リバーシブルキルトと呼ばれるキルトが、ハンモック本体とファスナーで接続されていること。このキルトを上に被せればトップキルトになり、アンダーキルトがある背面側に被せればダブルのアンダーキルトになる。
さらに、このリバーシブルキルトはハンモックをぐるっと筒状に覆うこともできる。いわばチューブキルト。室内空間はやや狭くなるものの、この使い方であれば他の防寒ギアを一切使用せず、0度くらいまでは問題なく過ごすことができる。
KAMMOK カモック
■ Roo Single Ultralight (ルー シングル ウルトラライト)
2010年にアメリカ・テキサス州で誕生したKAMMOKは、「Give1% For the Planet」をはじめ、環境問題に配慮したハンモックづくりを続けてきた、ハンモックブランド。
Roo Single Ultralightは、ハンモック本体重量159gと軽量ではあるが、Levitas™ 20Dというダイヤモンドリップストップナイロンを採用することで、シルクのような極上の肌触りを実現させている。
さらに、ハンモックのサイドに複数のループも取り付けられているため、アンダーキルトなどの固定もしやすい。寝心地と拡張性を維持したまま軽量化を図った、KAMMOKらしいハンモックだ。
TICKET TO THE MOON チケットトゥザムーン
■ Mat Hammock Original (マット ハンモック オリジナル)
1996年からインドネシアのバリ島に拠点を置くTICKET TO THE MOONは、パラシュート生地を強みに持つ、ハンモックブランドである。このMat Hammock Originalは、ハンモックの外側にスリーピングマットを固定するスリーブを設けた、ユニークなハンモック。
ハンモックの背中の冷え対策において、アンダーキルトはひとつの解決策ではあるが、ハンモックとの間に隙間 (コールドスポット) が生まれやすいという弱点もある。このハンモックであれば、マットをハンモックの湾曲にぴったり沿わせながらしっかり固定できるため、隙間ができることがない。
しかもこのマットを入れるスリーブは対角線上にデザインされているため、自ずと最適なポジションで寝ることができ、寝心地も申し分ない。ハンモック泊において、睡眠の快適さをしっかり担保し、体をきちんと休ませることを重視した設計のハンモックである。(国内販売は2024年春を予定)
『ハンモックギア2022 #01』と『ハンモックギア2022 #02』を通じて、注目のハンモック9ブランドを紹介した。
次回の記事では、ハンモックの周辺ギアをフィーチャー。スリーピングギアからタープ、焚き火ギアまで、ハンモックキャンプに使いたいギアが勢揃いするので、お楽しみに。
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