TRAILS REPORT

HAMMOCKS for Hiker | ハンモックユーザーレビュー2024 by TRAILS research (前編)

2024.08.21
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取材・文・構成:TRAILS

『HAMMOCKS for Hiker』は、2016年から開催している「ハイカーのためのハンモックの旅」を提案するイベント。このイベントでは、野営ギアとしてのハンモックを中心に、ハイキングの旅を拡張してくれるギアとしてハンモックを紹介している。

前回まで全4回にわたって『ハンモックギア2024』をお届けした (記事はコチラ)。今回は『TRAILS research』として、会場に遊びに来てくれたハンモック・ハイカーたちのインタビューを、前編・後編にわけてレポートする。

前編では、ロング・ディスタンス・ハイキングでハンモック泊を試みるハイカーや、地図読みをしながらハンモック泊のポイントを探すハイカーなどが登場する。リアルなハンモック・ハイキングのスタイルをぜひ参考にしてみてほしい。


今回インタビューした10人のハンモック・ハイカーたち。

ロング・ディスタンス・ハイキングにもハンモックを持っていきたい。


今後はハンモック泊でロング・ディスタンス・ハイキングを予定しているシモンくん。

使用ギア:[ハンモック] JINDAIJI MOUNTAIN WORKS / PB UL Hammock, [スリーピングバック] Hilander / 洗えるダウンシュラフ600

シモンくん:ハンモックは今年4月に購入したばかりです。近場の低山のデイハイキングで3〜4回実際に使ってみましたが、ハンモック泊は今回が初めてです。

自分のハンモックは幅が狭いタイプだったので寝心地がどうかなと思いましたが、結果的にぐっすり寝れました。今回は気温が暖かかったので、スリーピングマットやキルトを使わなくても問題ありませんでした。

今後はロング・ディスタンス・ハイキングでも、ハンモックを使ってみたいと思っています。今年はハンモックを持って、まずは日本のトレイルを歩いてみる予定です。


今回のイベントで、ハンモックギアをMYOGするイメージも膨らんだという。

最近はMYOG (MAKE YOUR OWN GEAR) を始めて、ミシンも買ったので、今度はハンモック用のバグネット (蚊帳) をMYOGしてみようと思ってます。

地図読みしながらハンモック設営ポイントを探すのも好き。


地図読みをしながらハンモックを張れる場所を探すのが好きというスギハラさん。

使用ギア:[ハンモック& ストラップ] EXPED / Travel Hammock Lite Plus, [タープ] EXPED / Solo Tarp, [スリーピングバッグ] AXESQUIN / Mogu 350

スギハラさん:このイベントは日帰りで2回くらい参加してますが、泊まりでの参加は初めてです。

私のハンモックの楽しみ方は、近場の山でハンモックでのんびりダラダラと過ごしたり、地図を読みながらこの辺かな?みたいにハンモックの設営ポイントを見つけていくのも好きです。

ただ地図読みの場合は、整備されたトレイルを進むわけではないので、歩くのがなかなか大変で・・。最近はのんびりスタイルが多くなってしまっています (笑)。


愛用しているAXESQUINのMogu 350で快眠できた。

最近はハンモックが使えるキャンプ場も増えてきたので、今後はそういった場所も利用しながらハンモックハイキングを楽しんでいきたいです。

ちなみに今回は、TRAILSのGARAGEのSCHOOL「TRAIL FOOD」の回で教えてもらった、ネパールの定番料理ダルバートのドライフードを自分で作ってみました!おいしくできましたよ (笑)。

PCTとTe Araroaでハンモック・ハイキングに挑戦予定。


ハンモック泊でロング・ディスタンス・ハイキングを楽しんでいるモリモトさん。

使用ギア:[ハンモック] JINDAIJI MOUNTAIN WORKS / PB UL Hammock, [タープ] JINDAIJI MOUNTAIN WORKS / PB Tarp, [スリーピングバックのライナー] SEA TO SUMMIT / Thermolite® Reactor Extreme

モリモトさん:2年前からハンモックを始めました。去年と今年は、国内のロングトレイルを歩き、このスリーピングシステムで泊まりました。ゴールデンウィークだったので少し寒かったですね (笑)。

アンダーキルトやシュラフは使わず、SEA TO SUMMITのThermolite® Reactor Extremeというスリーピングバッグのライナーシーツだけ。あとはダウンジャケットとダウンパンツを履いて寝ています。

普段からオーバーナイトハイキングでハンモックを使っていて、ハンモックが張れないときはタープを低く張って寝ています。


ニュージーランドとアメリカのロングトレイルでも、ハンモック・ハイキングを目論んでいる。

ハンモックは今後もトレイルを歩く際の相棒として使っていきたいと思っています。

今後、海外のロングトレイルを歩きたいと思っていて、まずTe Araroa (※1) を歩き、同じシーズンにPCT (※2) も挑戦したいと思っています。もちろんハンモックとタープを持って。あとは退職のタイミング次第ですね (笑)

※1 Te Araroa: テ・アラロア。ニュージーランドの北島から南島を縦断する、総延長3,000kmのトレイル。

※2 PCT:Pacific Crest Trail (パシフィック・クレスト・トレイル)。メキシコ国境からカリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州を経てカナダ国境まで、アメリカ西海岸を縦断する2,650mile (4,265㎞) のロングトレイル。アメリカ3大トレイルのひとつ。

ツェルトを屋根として代用する実験をしてみた。


初のハンモック泊をHAMMOCKS for Hikerの会場で実践してみたアベさん。

使用ギア:[ハンモック & ツリーストラップ] EXPED / Travel Hammock Kit, [シェルター] FINETRACK / Zelt Ⅱ Long, [スリーピングバッグ] HIGHLAND DESIGNS / Down Bag

アベさん:このイベントは初めて参加します。ハンモックは買って持っているのですが、まだ1回しか使ったことがなくて・・。それで山の中で泊まりで使ってみたい!と思って、今回は友達と一緒に参加し、初めてのハンモック泊にチャレンジしにきました。


タープの代わりにツェルトをハンモックの屋根として使ってみた。

ただタープを持っていないんです。それでツェルトをなんとか屋根として代用できないかと、実験してみました。

一緒に参加した友達にもアドバイスをもらって、ここを張った方が広くなりそうだよとか、いろいろ試しながらやって、結果的にいい感じに張れました。寝心地はとても良かったです。ジッパーも閉められて、クローズドな空間も作れますし。

ただ全長が少し足りなくて、ハンモックの端が外にちょっと出てしまうんです (笑)。そこは応急処置で、小さなグランドシートを被せてしのぎました。今後はタープをちゃんと買おうと思います (笑)。

ULスタイルで、山の中でハンモック・ハイキングを楽しむ。


ULスタイルでのハンモック・ハイキングにハマっているというコウイチさん。

使用ギア:[ハンモック] ENO / Sub6, [ストラップ] COCOON / Hammock Straps Ultralight, [タープ] GOSSAMER GEAR / Twinn Tarp, [スリーピングバッグ] HIGHLAND DESIGNSH / Tube Quilt

コウイチさん:初めてこのイベントに参加しました。自分の周りには、ULでハンモック・ハイキングをやっている人が自分くらいしかいなくて。でも前回のこのイベントの写真を見て、実際にULスタイルでハンモックをやっている人がいるんだ!と好奇心がわいて、そのスタイルを実際に見てみたいと思い参加しました。

イベントでは、さまざまなスタイルのハイカーがいて、交流もいろいろできて、面白い発見や刺激がたくさんありました!会場では、狙っていたTRAILSのバックパック「ULTRALIGHT HIKER」も購入できて満足です。


山の中でハンモック・キャンプをよく楽しんでいる。

ハンモックを始めたのは半年前で、ULの世界に足を踏み入れたのも同じ時期です。軽量化を追求する中で、TRAILSのYoutubeの動画を見て、軽量かつ場所を選ばず張れるハンモックの魅力に惹かれました。

最近はよく山のなかでハンモック泊を楽しんでます。


2016年にスタートして、今回で7回目を迎えた『HAMMOCKS for Hiker』。

今回のユーザーレビューの前編では、ハンモックを使ってロング・ディスタンス・ハイキングをする人や、地図読みをしながらハンモック泊のポイントを探すハイカーなどが登場した。後編ではハンモック関連ギアをMYOGしたハイカーなども登場するので、後編もお楽しみに。

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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