MYOGer Works | GARAGEに集うMYOGerたちが自作したギア #03
取材・文・写真・構成:TRAILS
『MYOGer Works』では、TRAILS INNOVATION GARAGE (以下、GARAGE) に集まるMYOGerたちの作品をレポートしていく。
GARAGEでは、どんなMYOGerたちが、どんなギアをMYOGしているのか?
それぞれのMYOGerたちのバックグラウンド(MYOGしたきっかけや動機) と合わせて、各人がMYOGしたギアを紹介していく。
今回の第3回〜第5回では、MYOGer NIGHT #02 (2024年10月開催)に参加した、MYOGerたちによるMYOGが登場。Gossamer Gearファウンダーのグレン・ヴァン・ペスキもサプライズで参加した、この時のMYOGer NIGHTの様子は過去のレポートをぜひ読んでもらいたい (イベントレポートはコチラ)。
MYOGのマテリアル販売、MYOGer向けSCHOOL、MYOGer NIGHTと同様に、この『MYOGer Works』の記事が、MYOGカルチャーの世界観を共有、啓蒙し、素晴らしいUL GARAGE MAKER誕生の健全なブースターとなればと思う。
ガベッジバッグ / KOH
—— このギアをMYOGしたポイントは?
KOH:Calbeeのポテチ袋でガベッジバッグを作りました。テーマは「Leave No Trace」です。
山でよく見るゴミといえば、行動食やスナックの包装紙が多いと思います。そこであえてゴミになるポテチ袋をボディにし、他のパーツも普通ならゴミ箱に捨ててしまうようなものを使って、ガベッジバッグを作ったら面白いのではないか、という発想で作りました。
—— 使ったマテリアルと制作時間は?
KOH:ポテチ袋以外では、開口部に、使い古しのジップロックのジッパーを取り付けました。また内側は、DCF (ダイニーマ®︎ コンポジット・ファブリック) の端材をシームテープとして利用しました。制作にかかったのは、だいたい3時間くらいです。
MYOGにハマったきっかけ
小さい頃から手先は器用な方で、ものづくりが好きだった。TRAILSの発信によりMYOGの存在を知り、ものづくりの側面からハイキングを楽しむのも素敵だなと思い、MYOG kitをポチったのが始まり。 TRAILSのGARAGEでは、トニーさん&サニーさんはいつも気さくにMYOGの相談に乗ってもらっている。
アングラーズバッグ / NARI
—— このギアをMYOGしたポイントは?
NARI:自分が海釣りに持っていく、必要な釣具一式をぴっちりまとめられるサイズで制作しました。「コンパクトなものをコンパクトに」という設計思想通り、ちょうどよくパッキングできて大満足です。制作は、設計も含めて12時間くらいで完成しました。
—— ハンモック・キャンプでも使っていましたよね?
NARI:釣具以外も、うまい具合にいろいろなものをポイポイ入れられるサイズで、ハンモックキャンプのギア一式もちょうど入るサイズでした。ハンモックのときは、バンジーコードでぶら下げて、簡単に自分の手元に引き寄せられて、手を離せばもとの位置に勝手に戻る仕様にしています。
MYOGにハマったきっかけ
自分が持つ必要なものを、最小のパッキングサイズで持ち歩きたかったのですが、市販品にはちょうどいいものがないので自分で作ってみることにしたのがきっかけ。当初、作ろうにも勝手がわからず躊躇していたところ、TRAILSのSCHOOLに参加して、基礎を学べたことで、以後さまざまな制作にチャレンジできるようになった。
シャツ / YANAI
—— このギアをMYOGしたポイントは?
YANAI:オリジナルの山シャツをつくりたくて、MYOGしたものです。生地は、吸湿速乾で肌接触が心地良いトリコット素材を使いました。
これを作ったときに地図読みにハマっていたのもあって、右胸ポケットは大きめのスマホを、左胸はペンとサングラスを分けて収納できるようにしました。
—— 他に工夫したポイントは?
YANAI:自分はモノトーンが好きでこのカラーを選びました。アウトドアのシャツだとなかなかブラックのシャツがないというのもあって。あとステッチの色は、少しでも視認性が上がるように、このカラーにしました。胸元のねじりは「折り紙」をイメージしてます。
MYOGにハマったきっかけ
昔、欲しかったX-Pac®のサイフがあり、それがハンドメイドで生産量が少なかったので手に入らなかった。自分はパターンや縫製はできるので、それならば自分で作ろうと思ったのがMYOGのきっかけ。2018年頃のこと。その後、ボトルホルダー等いろいろなものをMYOGするようになる。
ペグケース / SHIMON
—— このギアをMYOGしたポイントは?
SHIMON:試作も含めて、このペグケースは4作目です。最初はDCFだけ作ってみて、突き抜けのテストをしてみたら破れてしまったので、ボトムはエコパックで補強することにしました。
その後も、できあがり寸法が思い通りのものにならなかったり、何回か試作を繰り返して、4つ目でようやく思い通りのものができました。
—— 最初はGARAGEのSCHOOLに参加してくれましたね?
SHIMON:ULスタッフサックのSCHOOLに参加して、ミシンや袋もののギアの基礎を学ぶことができました。これで、構造的にペグケースであれば、自分でチャレンジできると思えました。今後は、タープなどににチャレンジしてみたいです。
MYOGにハマったきっかけ
自分の好きなハイキングスタイルに合った、必要最小限のギアを自分で作る。そういったMAKE YOUR OWN TRIPのマインドに憧れがあってMYOGを始めました。最初は、GARAGEのULスタッフサックのSCHOOLに参加して、そこで基礎を学んで、その後すぐにミシンを購入しました。
バックパック / MASA
—— このギアをMYOGしたポイントは?
MASA:厳冬期以外の3シーズン用のオーバーナイト・ハイキングに使えるバックパックが欲しくてMYOGしました。
工夫したポイントは、バックパックのボトムに入れた荷物を直接出し入れができるように、ボトム側にジッパーを取り付けたことです。バックパックの奥に入れたものは、どうしても荷物を出すときに苦労するじゃないですか。自分の場合はバックパックのボトムにダウンジャケットとかを入れて、停滞時にさっと羽織れるように使ってます。
—— 今後、MYOGしたいものは?
MASA:いま、デイハイキングで使えるバックパックをつくってます。縫う箇所をできるだけ減らすこと、そしてショルダーハーネスの形状をこれまでと全然違うタイプに挑戦してテストしているところです!
MYOGにハマったきっかけ
初めてMYOGしたのは、ボディはタイベックで、ポケットは100均で買ったメッシュ生地を使ったバックパック。しかしこれは使って1日でショルダー部分から裂けて壊れてしまう。その後に、レイウェイのバックパックを作って基礎から学んで、「これ楽しいわっ!」と、どんどんとミシンを踏むことにハマる。失敗も楽しみながらMYOGしている。
バックパック / YU-ICHI
—— このギアをMYOGしたポイントは?
YU-ICHI:街使いの延長線上で山に行くイメージで作りました。ガバッと開くジッパーがお気に入りです。ポケットはサイドとボトムに。背面はパッドが着脱できるようにしました。容量15Lですが、外側のループにバンジーを通せばテン泊もできます。これでOMM JAPANに参戦しました。
PCスリーブもあるので、今度、出張のときは、これで行き先のローカルの山にも寄ってみたいと思ってます。
—— MYOGを始めて5ヶ月目くらいでバックパックに挑戦してますよね。
YU-ICHI:そうですね。自分の構想に近いバックパックを分解して、パターンを参考にしながら作ってみたら、意外と早くできました。
MYOGにハマったきっかけ
最初に作ったのはペグケース。シンプルな巾着ではなく、スナップボタンで開け閉めする仕様に。ミシン使ったこともなかったので縫い目はグズグズだが、今もそれが妙に惹かれていて大事に使っている。その後、MYOGにハマり、自分のブランド「sasurafu」も立ち上げ。
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