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『LONG DISTANCE HIKERS DAY 2025』4/26-27開催 & 事前の準備WSのお知らせ

2025.02.26
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2025年の『LONG DISTANCE HIKERS DAY』 (略:LDHD) は、4/26 (土)、27 (日) に開催することが決定しました。

また昨年同様、LDHDのプレ・イベントとして、アメリカ、ニュージーランドなど、海外でのロング・ディスタンス・ハイキングを予定している方向けに、『準備ワークショップ&相談会』を3/14 (金)、3/15 (土) に開催します。詳細は、本記事の最後に掲載していますので、チェックしてみてください。

『LONG DISTANCE HIKERS DAY』は、2016年に初開催し、次回で9回目の開催となります。

トレイルの状況もトレイルを取り巻くカルチャーも、毎年変化しています。LDHDは、ロングトレイルを歩いたハイカーが集うリアルな場であり、またロング・ディスタンス・ハイキングやロングトレイルに興味があるハイカーに、旅の刺激を手に入れるゲートになる場として、楽しんでほしいと思っています。

今回の記事では、『LONG DISTANCE HIKERS DAY』のイベント概要と、現時点での海外トレイルおよび国内トレイルの最新情報を紹介します。


『LONG DISTANCE HIKERS DAY』は、ロングトレイルやロング・ディスタンス・ハイカーの最新情報が入手できるイベント。 photo by Gaku

What’s LONG DISTANCE HIKERS DAY?


リアルなハイカーが集まる『LONG DISTANCE HIKERS DAY』。

日本のロング・ディスタンス・ハイキングのカルチャーを、ハイカー自らの手でつくっていく。そんな思いで2016年にTRAILSとHighland Designsで立ち上げたイベントです。

このイベントを立ち上げる前に、私たちは『LONG DISTANCE HIKING』(※1) という書籍を出版しました。この本は、ロング・ディスタンス・ハイキングのカルチャーとTIPSを詰め込んだ本です。しかし書籍というフォーマットは、リアルタイムの情報更新には不向きです。書籍とは別に、必ずリアルタイムで、ダイレクトな情報を届ける場が必要になると考えていました。それが、このイベントが生まれたきっかけのひとつでもあります。

ロングトレイルを歩いたハイカーが、リアルな旅の体験を発信できる場。ロング・ディスタンス・ハイキングの旅の情報や知恵を交換できる場。旅のあとのライフスタイルについて語り合える場。そんなふうに、ロング・ディスタンス・ハイキングの旅を愛するハイカーにとって、最もリアルな人と情報が交流する場となればと思っています。

数百キロ、数千キロにおよぶ歩き旅とは、どんな体験であり、どんな感覚を与えてくれるものなのか? 映像や雑誌などの情報だけでは感じられない、ハイカーの生の言葉で語られる旅の記憶や記録。またそのハイカー自身の人柄。そこには旅への憧れや臨場感を刺激してくれる、豊かでリアリティある情報が溢れています。ぜひ、あなたの旅のきっかけをつかみに遊びにきてください。

また毎年New Year Topicsとして、国内外のトレイルの最新情報もここでお届けしています。海外トレイルのパーミット取得方法の変更や、今期の残雪の予測などの情報。そして国内のロングトレイルについても、最新の情報をお届けしています。

※1 『LONG DISTANCE HIKING』:TRAILSの出版レーベル第一弾として出版した書籍。Hiker’s Depot (ハイカーズデポ) 長谷川晋氏による、自身の経験と数多くのロング・ディスタンス・ハイカーのリアルな声をもとに制作した、日本初のロング・ディスタンス・ハイキングにフォーカスした書籍。


昨年のイベント風景。

「LONG DISTANCE HIKERS DAY 2025」
【日時】
2025年4月26日 (土)、27日 (日)
【会場】
三鷹 Three Eight Nine MITAKA
【詳細内容・申し込み方法】
詳細は2025年3月中旬に告知予定
【主催】
TRAILS, Highland Designs

北米のロング・ディスタンス・トレイルの今


今年からアメリカとカナダ国境の通過ができなくなった。。画像は、以下のPCTAのサイトより、https://www.pcta.org/2025/travel-across-the-u-s-canada-border-no-longer-allowed-on-the-pacific-crest-trail-95390/

今回の記事では、北米のロングトレイルのなかから、PCT (※2)、AT (※3)、CDT (※4)、PNT (※5)における最新情報の一部を紹介したい。

まずPCTは、今年から北のターミナス (基点) からカナダへ入国することが禁止された (許可証の発行が廃止となった)。

今までNOBO (北向き) のハイカーは、北のターミナスに到着したら、そのままカナダへ抜けることがメジャールートのひとつであったが、今年からカナダ国境サービス局による国境警備のセキュリティ強化を目的に、禁止となったので十分に注意をしよう。 今までは事前に許可証を取得すれば通行できたが、許可証自体の発行が廃止となっている。

これにより北のターミナスから折り返しで歩くハイカーが増えるためPCTA (PCTの管理団体) ではLeave No Trace (※6)の遵守を呼びかけている。


2024年のハリケーンによりATが甚大な被害を受けた。信越トレイルの呼びかけで「AT復興支援プロジェクト」を立ち上げドネーションを集めている。

ATは、トレイルとその沿線地域が、2024年9月末のハリケーン「へリーン」により、甚大なダメージを受けた (※7)。現在も復興作業中であり、その影響により、現時点でも一部のセクションが通行不可となっているので、ATを歩くハイカーは最新の情報を必ずチェックしてほしい。ATC (ATの管理団体) では、クローズしているセクションについて、随時情報をアップデートして発信をしている。

また「AT復興支援金プロジェクト」(※8)を、ATCと「友好トレイル協定」を結んでいる信越トレイルクラブが立ち上げ、ドネーション (募金) を呼びかけている。締め切りは2025年の3月31日。

TRAILSでも、このプロジェクトに参画し、信越トレイルクラブが立ち上げた復興支援金プロジェクトを通じてATのサポートを行なっている。GARAGEの店頭でも募金を受付しているので、ご賛同いただけるハイカーは、ぜひサポートをお願いしたい。


PNTでは、米国森林局により雇用凍結されたトレイルメンテナンスなどの季節労働者のサポートを補うため、ドネーションの呼びかけをしている。

CDTは、2028年のCDT50周年に向けて、トレイルがきちんと開通していない一部のセクションやトレイルの周辺環境の保全に向けて、連邦政府への働きかけを行なっている。この活動は「Hike the Hill」というプロジェクト名で、2月にワシントンDCで連邦機関や関係議員などとの会談が行われる。この活動への参画をCDTC (CDTの管理団体) は呼びかけている。

PNTでは、ドネーションによりトレイルの維持管理の協力を一層強化している。背景には、昨年9月に、米国森林局 (USFS) が2025年度における季節労働者の雇用凍結を発表したことがある。これは今までトレイルメンテナンスなどに関わっていた、季節労働者を雇用できないことを意味する。それによりPNTでは、自力でトレイルをハイカーが歩ける状態を維持できる体制を確保できるように、改めてドネーションによるサポートの呼びかけを強化している。

今回の記事は概要のみの紹介にとどまるが、TRAILSでは現在さらに詳しい情報を各トレイル団体に取材をしている。その詳細は『準備ワークショップ & 相談会』で共有するので、今年歩く予定のハイカーはぜひこちらにも参加してほしい。

※2 PCT:Pacific Crest Trail (パシフィック・クレスト・トレイル)。メキシコ国境からカリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州を経てカナダ国境まで、アメリカ西海岸を縦断する2,650mile (4,265㎞) のロングトレイル。アメリカ3大トレイルのひとつ。

※3 AT:Appalachian Trail (アパラチアン・トレイル)。アメリカ東部、ジョージア州のスプリンガー山からメイン州のカタディン山にかけての14州をまたぐ、2,180mile (3,500km) のロングトレイル。アメリカ3大トレイルのひとつ。

※4 CDT:Continental Divide Trail (コンチネンタル・ディバイ・トレイル)。メキシコ国境からニューメキシコ州、コロラド州、ワイオミング州、アイダホ州、モンタナ州を経てカナダ国境まで、ロッキー山脈に沿った北米大陸の分水嶺を縦断する3,100mile (5,000km) のロングトレイル。アメリカ3大トレイルのひとつ。

※5 PNT:The Pacific Northwest National Scenic Trail (パシフィック・ノースウエスト・トレイル)。アメリカとカナダの州境付近、ワシントン州、アイダホ州、モンタナ州の3州をまたぐ1,200マイル(1,930キロ)のロングトレイル。歴史は古く、1970年にロン・ストリックランドによって考案された。そして約40年の歳月を経て、2009年にナショナル・シーニック・トレイルに指定された。現時点において、もっとも新しいナショナル・シーニック・トレイル。

※6 Leave No Trace (リーブ・ノー・トレース):アメリカのハイキング・カルチャーにおいて当たり前の考え方・マナーであり、世界中に広まってきている。「Leave No Trace」という組織もあり、自然保護や動物保護のためにさまざまな活動を展開している (詳細は「Leave No Trace」のWEBサイトを参照。 https://lnt.org/)。

※7 ハリケーン「へリーン」からの復興:ATは、2024年9月末のハリケーン「へリーン」によりAT本線全体の約3分の1 (約1,300km)が、洪水、地すべり、倒木等の影響を受けた。特にダマスカス (バージニア州)、アーウィン (テネシー州)、ホットスプリングス (ノースロライナ州) などが壊滅的な被害を受けた。ATCでは、トレイルの通行可否について、随時情報をアップデートして、サイトに掲載している。 https://appalachiantrail.org/trail-updates/ga-va-tropical-storm-helene/

※8 AT復興支援金プロジェクト:信越トレイルが呼びかけている、ATの復興支援のためのドネーション (募金) のプロジェクト。詳細は、以下のページに掲載している。https://www.s-trail.net/at-support-project/

日本のロング・ディスタンス・トレイルの今


信越トレイルクラブ主催、ジョージア・アパラチアントレイル・クラブを招いての「トレイルメンテナンス・ミーティング」。

日本のロングトレイルのパイオニアである信越トレイルは、2023年にATの管理団体であるATCとの友好トレイル協定を締結。2023年のATCを招いての「全国トレイルメンテナンス・シンポジウム」に続き、2024年にはジョージア・アパラチアントレイル・クラブを招いての「トレイルメンテナンス・ミーティング」を開催し、ハイカーの参加も交えてトレイルの維持・管理についての知見の交換などが行なわれた。

また信越トレイルでは、テントサイトのさらなる充実を図り、2024年からは苗場山ふもとの小赤沢楽養館にてテントサイトの運用が開始された。これは苗場山〜秋山郷のエリアを歩くハイカーにとって、ルート設計のバリエーションが充実する嬉しいニュースであった。また野々海高原テントサイトに、荒天時の避難としても使用できる新しいシェルターができたりと、テントサイトがより充実している。

豪雪地帯である信越トレイルであるが、今シーズンの冬は大雪が多く例年より積雪量が多くなっている。雪溶け後のトレイル整備では、倒木等が多くなっているこも予想される。改めて、トレイル整備への参加、トレイル整備協力金への協力など、ハイカーはぜひチェックしてほしい。


みちのく潮風トレイルの景色。 photo by NPO法人みちのくトレイルクラブ

昨年の6月に全線開通5周年を迎えた、みちのく潮風トレイル。2024年の全線踏破登録者は42名、2025年1月末までの累計は185名 (踏破登録申請者) となった。国内各地また海外から訪れるハイカーが増えているという。また昨年の5周年の発表を機に、地域住民へのトレイルの認知も上がっているという。

ハイカーが増えていることへの対応として、トレイル整備のワークショップを今後各地で実施していくこと、またLeave No Traceの原則に基づき、自然や地域環境へのインパクトを最小限に抑えることなどをハイカーに啓発していくことなどを検討している。

みちのく潮風トレイルは、2023年に開通したふくしま浜街道トレイル (約200km) を繋げると、約1,200kmを歩くことができるようになっている。

昨年歩いたばかりのハイカーがサポート! 『準備ワークショップ & 相談会 2025』


今年、海外のロングトレイルを歩く人に向けた『準備ワークショップ&相談会』。お気軽にお申し込みください。

2025年に1カ月以上の海外でのロング・ディスタンス・ハイキングを予定しているハイカーを対象にした、『LONG DISTANCE HIKERS DAY』に先立つプレ・イベントです。

主に、北米のロングトレイルおよびニュージーランドのテ・アラロアのスルーハイキングを予定している方を対象にした、ワークショップ&相談会 (他のトレイルのご希望があれば、ぜひご相談ください)。

TRAILS編集部、およびJMT、PCT、AT、CDTをはじめとした海外トレイルのOB・OGハイカーが相談に応じます。

2024年に海外トレイルを歩いたばかりのハイカーも数多く参加します (時間帯によっては参加できない場合もあります)。またTRAILSが独自に各トレイル団体へ取材した情報もお伝えする予定です。新鮮かつリアルな最新情報をたくさんお届けしますのでお楽しみに。


『準備ワークショップ&相談会』の会場となるGARAGEでは、世界中のロングトレイルのガイドブックやマップを読むこともできます。

【内容】
スルーハイキングに向けた、準備やプランニングのサポート。最新のトレイルに関する注意点、ビザの取得方法、必要なマップ・ガイドブック、ギアの相談、旅の費用など。
【対象】
2025年に1カ月以上の海外でのロング・ディスタンス・ハイキングを計画している方
【日時】
3/14 (金) 18:30 – 20:00
3/15 (土) 13:30 – 19:00
※応募の際に希望日時を選択してください。
※日程が合わない方はご相談ください。
【会場】
TRAILS INNOVATION GARAGE (東京・日本橋)
※遠方にお住まいの方をはじめ、GARAGEに来ることができない方につきましては、zoomでも対応します。
【参加費】
無料 
【定員】
10名程度 (先着順)
【申し込み方法】
以下の応募ボタンよりお申し込みください
ご参加には、事前申し込みが必須です。
締め切り:2025年3月10日 (月)

※問い合わせ event@trails.co.jp

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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