MYOGer NIGHT #03 イベントレポート ~ ULTRALIGHT GARAGE MAKER MOVEMENT ~

2025年3月。TRAILS INNOVATION GARAGE (以下、GARAGE) にて、第3回「MYOGer NIGHT」が開催された。回を重ねるごとにMYOGerたちが増え、初参加のMYOGerも多く入り混じり、新たなグルーブが生まれていた。
今回のMYOGer NIGHTのレポートでは、当日の会場の様子から、参加したMYOGerたちがつくったギアの一覧、またAWARDに輝いたギアをお届けする。
またこの回で持ち寄られた各人のMYOGの詳細は、後日『MYOGer Works』としてレポートするので、そちらもお楽しみに!
次回のMYOGer NIGHT#04は、今週末の2025年7月6日 (日) に開催!応募多数により一度締め切りましたが、会場を拡張したことで追加チケットを発売しました。 (申し込みはコチラ)
ULTRALIGHT GARAGE MAKER MOVEMENT
「ULTRALIGHT GARAGE MAKER MOVEMENT」のブースターのひとつであるMYOGer NIGHT。
TRAILSのプロダクト「ULTRALIGHT CLASSICシリーズ (※1)」や「MYOGer NIGHT」に込めた、僕たちが熱狂した実験的でイノベイティブなウルトラライト (UL)というカルチャー。
それは2000年代以降に起きた、トレイルカルチャーにおける「メーカームーブメント (MAKER MOVEMENT) 」であり、僕たちハイカーに道具の進化にとどまらない知恵をも与えてくれた。
新たに「ULTRALIGHT GARAGE MAKER MOVEMENT」を合言葉に、シーンを盛り上げるブースターを届けていくことができればと思う。
TRAILSでは、ウェブマガジンだけにとどまらず、GARAGEでのSCHOOLやMYOGer NIGHTなどのイベント、MYOGマテリアルの販売、オリジナルプロダクトなど、さまざまな形で「ULTRALIGHT GARAGE MAKER MOVEMENT」の刺激となるブースターを発信していきたい。
トレイルズのオリジナル「ULTRALIGHT CLASSICシリーズ」のバックパック (写真中央)
※1 ULTRALIGHT CLASSICシリーズ: 『Simple × Classic × Super Ultralight』をコンセプトにしたTRAILSのオリジナルの超軽量プロダクトシリーズ。https://thetrailsmag.com/store/archives/67155
※2 メイカーズ・ムーブメント: クリス・アンダーソン (元・WIRED誌の編集長) が『MAKERS 21世紀の産業革命が始まる』のなかでは21世紀の製造業のパラダイムシフトが、ウェブの世界で起こったツールの民主化により起こったことを捉え、それを「メイカーズ・ムーブメント」と名付け、その潮流に大きな影響を与えた。。
※3 ガレージメーカー:英語ではCottage manufactures (コテージ・マニュファクチュアラー) とも呼ばれる。
MYOGer NIGHT#03。会場びっしりの前回を上回る参加者数!
参加者がMYOGしたギアをお披露目している風景。
冒頭でも触れたように、このMYOGer NIGHTは、「ULTRALIGHT GARAGE MAKER MOVEMENT」のブースターのひとつになればという思いで立ち上げたイベントのひとつである。
ウェブマガジンでの発信やSCHOOLの開催、MYOGマテリアルの販売等にとどまらず、グラスルーツ的にMYOGer同士が同じグルーブを共有し、みんなで一緒にシーンを育てていくためのオープンソース的な環境づくりや、健全なMYOGカルチャーを維持するための啓蒙として、目指したい世界観の共有などを、直接的かつ双方向でコミュニケーションができる場があったらという思いで立ち上げたのがMYOGer NIGHTだ。
初回から参加してくれているMYOGerたち。
今回初参加のMYOGerたちもたくさん集まった。
今回で第3回目となるMYOGer NIGHT。ビール片手にワイワイとMYOGについて語り合うMYOGerたち。
すでにMYOGをやっている人はもちろん、これからMYOGやりたい!という方もウェルカムな空間だ。
MYOGに興味があること、トレイルで遊んでいること。それだけが参加条件である。イベントでは、参加者で投票する「MYOG AWARD」なども開催する。
MYOGしたギアを見せ合い、参加者投票によるAWARDも開催。
会場には所狭しとMYOGしたギアがびっしりと並んだ。
常連となってくれているリピーターのMYOGerだけでなく、回を重ねるごとに新しいMYOGerたちも増えているMYOGer NIGHT。
MYOG歴だとか初参加とかに関わらず「MYOG」という肴だけで、一気に熱量の高いグルーブができあがるのがMYOGer NIGHTらだ。
今回のMYOGer NIGHTでは、今まではスタッフサックやサコッシュ、バックバックが多かったが、今回はクッカーやキルトをMYOGした人もいて、カテゴリーの幅も広がってきた。
遊びに来てくれたサンポさん (Sanpo’s Fun Lite Gear)
サンポさんがプライベートでMYOGした、非常にミニマルな固形燃料台と五徳。
イベントには、TRAILSとも以前より親交のあるSanpo’s Fun Lite Gearのサンポさんも、MYOGerとして遊びに来てくれた。
製品化しているものではなく、サンポさんがプライベートで作ったミニマルな固形燃料台と五徳も披露してくれて、会場は大いに盛り上がった。
MYOGer AWARD。
MYOGer NIGHT#03の参加者たちのMYOGしたギア。制作したMYOGerは上段左から、1段目:STEPHANIE、TAKE、FUJI。2段目;NENTA、TAKUMI、AZUMA。3段目:JIRO、FUMI (*上: Blue sacoche)、KYU (*上: Black sacoche)、MASA (*下: Black bottle holder)、YAN (*下: Waist back)、DAISUKE (Strap)。4段目:O-HASHI、KOUTA (*上:DCF)、Sampo、JITO (CUP)、KANEYAN、AYANEN、BENJII、KEISUKE。
全員のMYOGのプレゼンが終わったところで、今回もAWARD (賞) の投票を開催。前回同様、3つのAWARDを設けた。
BEST STARTER:
TRAILSによる選出で、MYOGを初めて1年以内のMYOGerで、最も”Challenging”と感じたMYOGerに送られるAWARD。
ULTRALIGHT CLASSIC:
TRAILSが熱狂する実験的でイノベイティブなULカルチャーにおいて、その大事なエッセンスである”Simple × Classic × Super Ultralight”を感じさせてくれるギアをつくったMYOGerに送られるAWARD。
BEST MYOGer:
最も”Excitement (面白い、興奮した、興味をそそられた)” と感じたMYOGerとして、会場の参加者から一番多く票を集めたMYOGerに送られるAWARD。
■「BEST STARTER」:バイクパックキング・バッグ by FUJI
FUJIくんがMYOGしたバイクパッキング・パック。
MYOGのプレゼンをするFUJIくん (写真右)。
「BEST STARTER」のAWARDをゲットしたのは、MYOGを始めてまだたった3ヶ月のFUJI。MYOGしたのは、バイクパッキングのバッグだ。
FUJIくんはまだMYOGして間もないが、鹿児島でバイクパッキング・トリップするために、フロントバッグ、フレームバッグ、サドルバッグの一式を全部つくってやろう!と息巻いてMYOGをした。
ちなみにカラーリングは、好きなNBAチームのチームカラーのグリーンとブラックに合わせたのだそうだ。
縫製が曲がっていたりラフなところもあるが、自分で使うんだったらOKじゃん!それよりも「とにかく自分がMYOGしたギアで旅したい!」という熱量が、BEST STARTERの選出理由となった。
■「ULTRALIGHT CLASSIC」:カメラバッグ by TAKE
TAKEさんがMYOGしたカメラバック (188g)。
カメラバックの内容を他のMYOGerに説明するTAKEさん。
「ULTRALIGHT CLASSIC」のAWARDをゲットしたのはTAKEさん。MYOGしたのは、チェストタイプのカメラバッグ。
シンプルであり、無駄のものをそぎ落とし、求める機能に対して自分なりの必要十分を突き詰めたUL的なアティチュードが受賞理由だ。
このカメラバッグは2代目。1代目のカメラバッグだと、サイズがきつすぎたり、斜めがけで重量の負荷のバランスが悪く感じたり、生地が柔らかすぎたり、細かな不満点を洗い出して、シンプルな構造でいかに改良できるかを積み重ねたカメラバッグ。
まさに自分のわがままを突き通した、「既製品にはないからつくる」というMYOGの精神が溢れているULカメラバッグ。
■「BEST MYOGer」:バックパック by STEPHANIE
STEPHANIEさんがMYOGしたバックパック (重量 407g)。
MYOGしてわずか半年で、クオリティの高いバックパックをつくったSTEPHANIEさん。
まだMYOGを始めてから半年というSTEPHANIEさん。今回は他にも多くの票数を集めたMYOGerがいるなかで、見事に「BEST MYOGer」に輝いた。
一見シンプルなULバックパックだが、参加者たちが驚いたのは、MYOGを始めてたった半年でつくったにもかかわらず、縫製などつくりが非常にきれいで、プロダクトとしての美しさが際立っていた点だ。そのバックパックのたたずまいから、STEPHANIEさんがMYOGにハマった情熱を、参加者たちはびしびしと感じていた。
STEPHANIEさんは、日本に来た時に中古のミシンを手に入れて、それでMYOGしてみようと思い立ったという。まずは海外のサイトでバックパックのキットを購入して、最初にバックパックの構造を理解し、その型紙をもとにこのバックパックを作ったのだそうだ。
MYOGしたいと思い立ったら、誰でもオリジナルのバックパックをつくることができる!というのを感じさせてくれSTEPHANIEさんのMYOG。ちなみに、もうすでに次のバックパックに取り入れたい機能などが思い浮かんでいる、という。次のバックパックも楽しみだ。
MYOGer NIGHT #03に集まってくれたMYOGerたち。
次の週末の7月6日(日)には、第4回のMYOGer NIHGTが開催される。今回のレポートを読んでビビっと来たら、ぜひ気軽に参加をしてみてほしい。(申し込みはコチラ)
またMYOger NIGHT#03で登場したMYOGerたちのギアは、近日中に「MYOGer Works」の記事でレポートするので、そちらもぜひお楽しみに!
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