TRAILS REPORT

Fishing for Hiker | テンカラ釣行 4 days 木曽川水系 (ギア編)

2026.02.06
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文・写真:Tony 構成:TRAILS

ヤマトイワナ (※1) を求めて木曽川水系に向かった、TRAILS Crewトニーによるテンカラ (※2) 釣行のギア編。

釣りができなくなる禁漁日 (※3) 直前のラスト4日間。初入渓の源流域での夏休み最後のテンカラ釣行は、悪天候に見舞われながらも悲願のヤマトイワナを釣り上げるという、釣り人にはシビれる最高の釣行となった。

「渓流解禁」まで、あと1ヶ月。ウズウズしているハイカーやアングラーの釣り欲をさらにブーストすべく、今回の釣行でトニーが使用したギアをご紹介する。

これらのギアに興味を持ってくれた方は、「Fishing for Hiker」をコンセプトに編集部がチョイスしたテンカラとフライフィッシングのギアが並ぶ、TRAILS INNOVATION GARAGEに遊びに来てください!

※1 ヤマトイワナ:イワナの日本固有亜種。個体数が少ない希少種。体の有色斑 (橙色や朱色の斑点) が目立ち、白い斑点が少ないのが特徴。水温15℃以下の水温が低い川の上流部に生息している。

※2 テンカラ (テンカラ釣り):ロッド (竿)、ライン (糸) 、フライ (毛ばり) だけという、シンプルな道具で釣る日本の伝統的な釣り (リール等も使用しない)。主に川の上流部の渓流をフィールドに、ヤマメやイワナ、アマゴなどを釣る。欧米など海外では軽量でシンプルなフライフィッシングとして捉えられたりする。

※3 禁漁日:主にイワナやヤマメなどの渓流魚が産卵・保護のために渓流釣りが禁じられる秋から冬にかけての期間(一般的に10月~翌年2月末)。魚の資源を守り、翌シーズンも釣りを楽しむための大切な資源保護ルールであり、この期間中の釣行は原則禁止となる。


今回テンカラ釣行を行った、木曽川水系の美しい渓相。

Tony’s ギアリスト for テンカラ釣行 4days 木曽川水系


  

 
※Base Weight (ベースウエイト) :水、食料、燃料などの消費するものを除いたバックパックの重量。背負う荷物の重量を測るための基準であるため、ハイキング時に着用するウェアやシューズ等はベースウエイトに含まない。また消費するものを含めたバックパックの重量を、パックウエイトと呼ぶ。

昨年、TRAILSでは熱狂の原点にフォーカスし、ウルトラライト・ハイキングに “釣り” を組み合わせた「Fishing for Hiker」プロジェクトを始動させた。

今回のテンカラ釣行のギア選びでは、「Fishing for Hiker」を体現すべく、ウルトラライト・ハイキングやロング・ディスタンス・ハイキングの要素と、テンカラのウルトラライトかつシンプルな道具を組み合わせた。

僕にとっては、ロング・ディスタンス・ハイキングを始めて10年、フライフィッシングやテンカラ、海でのルアーフィッシングなど、釣り沼にハマって9年。自分が現在進行系でハマっている2つの遊びを組み合わせて、自分なりに追求した現段階でのスタイルで釣行を実施した。

釣る:FISHING GEAR


[ ロッド ] Tenkara USA / ROHDO

釣り道具で一番重要なテンカラロッドは、Tenkara USA / ROHDO(ロード)を相棒とした。今回も、上流に向かってハイキングをしながら、源流部へアプローチする釣行ということもあり、源流域の狭い川幅でも対応できるショートなロッドである必要があった。一方で、初めての山域で川の情報が乏しくもあったため、タイトな源流域から広めの渓流まで、幅広いポイントを一本でカバーできるロッドが理想だった。

そこで、270cm、297cm、320cmと3段階に長さを切り替えられ、一本で三役をこなすRHODOしかないでしょ!と、選択肢は一択だった。
案の定、今回は雨による増水で川幅が広くなっていたり、人の立ち入りが少ない源流域では生い茂った木々が川に被さっていたりと、長さ固定のロッド1本では対応しづらいであろうシチュエーションが多かった。RHODOを選んで大正解!


[フィッシングパック] ZimmerBuilt / Arrowood Chest Pack

ロッド選びの次に重要視したのは、フィッシングギアの収納量とアクセスのしやすさだった。
そこで今回、フィッシングギアの収納パックとして選択したのが、ZimmerBuilt / Arrowood Chest Pack (アローウッド・チェストパック)。こいつの魅力は、まず何と言っても収納量の多さ。加えて、細かく区切られたコンパートメントにより、どこに何が入っているか一目瞭然だ。フロント側にはデイジーチェーンが備わっており、フォーセップやラインカッター、ライン関連など、あらゆるフィッシング小物が装着できるようになっている。そのおかげで釣ってからリリースするまでの一連の動作が実にスムースで、魚へのダメージも最低限に抑えられる。基本的にはキャッチ&リリースが前提の僕には、できるだけ魚にダメージを与えないということは特に重要な要素だ。


[ロッド] Tenkara USA / ROHDO,[ロッドケース] MYOG / DCF Rod case,[ロッドケース(ソフトケース)] ナカジマ / 万能フロートケース,[テンカラライン] サンライン / フロロカーボンレベルライン,[ティペット] TIEMCO / Misty Plus Tippet,[仕掛け巻き] Tenkara USA / The Keeper,[ラインカッター] TIEMCO / Clipper Stainless,[フォーセップ] TIEMCO / Forcep 5 Curve,[フロータント] TIEMCO / DRY MAGIC,[フロータント] TIEMCO / Dry Shake Spray,[クリップオンリール] エイアンドエフ / PIN ON REEL,[フライボックス] Tenkara USA / Tenkara Box,[水温計] C&F Design / 3-in-1 Thermometer,[糸くず入れ] MONOMASTER / MONOMASTER,[フィッシングパック] ZimmerBuilt / Arrowood Chest Pack,[ネット] かねは商店 / インスタ ラバーネット

歩く:HIKING GEAR


[バックパック] TRAILS / ULTRALIGHT HIKER

バックパックは、TRAILSの “ULTRALIGHT CLASSIC” シリーズとZimmerBuiltのFishingラインを旅の期間や行き先など、その時の状況に応じて使い分けている。いずれもハイキングをベースにおいたバックパックだ。今回は夏とはいえ、4日間とやや長めの釣行となるため30Lほどの容量が必要となり、“ULTRALIGHT CLASSIC” シリーズのULTRALIGHT HIKER 30L (268g) を選択した。

フィッシングだけに特化したバックパックを使うのももちろん良いのだけど、ハイカーである僕としては、あくまでハイキングの楽しみを拡張してくれる遊びとして、釣りをしたい。「Fishing for Hiker = ハイカーのための釣り」とは、まさにそういうことだ。


[トレッキングポール *] Gossamer Gear / LT5,[シューズ *] ASTRAL / Brewer,[キャップ *] Vail Brewing Co. / Trucker Hat,[ミドルレイヤー *] patagonia / Self Guided Sun Shirt,[レインジャケット *] Zpacks / Vertice Rain Jacket,[レインパンツ *] MYOG / レインスカート,[ベースレイヤー (Tops) *] ACLIMA / Light Wool Sports Singlet,[ベースレイヤー (Tops) *] MELANZANA / Merino Base Hoodie,[ベースレイヤー (Pants) *] REI / Zip Off Pants (Shorts),[ソックス *] mont-bell / KAMICOトレッキング スプリット トゥ ソックス ,[アンダーウェア *] BRING / WUNDERWEAR “ONE” 50/50,[タイツ *] finetrack / Flood Rush Tights ,[ネックゲイター *] Vail Brewing Co. / Neck Gaiter,[サングラス *] FLOAT / SIERRA,[アンブレラ] TRAILS / HIKING UMBRELLA UV,[シットパッド] THERMAREST / Z-Seat (Custom),[スタッフサック] MYOG / DCF Stuff Suck

ウェアについても、普段のハイキングで使用しているものが中心だが、一つだけ釣りに寄せたものが偏光サングラス。釣りにおいて偏光サングラスはとても重要で、偏光サングラスの有り無しで釣果にも大きく影響が出る。ハイキングであれば、紫外線からの目の保護や、眩しさの軽減が主な用途となるが、釣りの偏光サングラスの場合は、その用途に加え、水面のギラつき(乱反射)を除去し、木々が被さった場所や倒木の影などの水中の地形の把握や魚影の動きを明確にする役割がある。そこで偏光サングラスに選んだのが、FLOAT / Sierra(シエラ)のライトグリーンだ。Sierraはサイドカバーと一体型のフレームのため、横からの光をシャットアウトし、より鮮明に水の中を見ることができる。

他にも、シューズについては、TRAILS Crewの中では定番中の定番である水陸両用シューズ、ASTRAL / BREWERを使うことした。水辺でのグリップ力と水抜けがよく、パックラフト・アディクトなハイカーから定評がある。「TRAILS CARAVAN(トレイルズ・キャラバン)」と題して、ニュージーランドをパックラフトとハイキングでつないで旅をして以来、TRAILS Crewが10年以上に渡って愛用している。

寝る:SLEEPING GEAR


[シェルター] MYOG / DCF Tarp

シェルターには、2025年にPNT (パシフィック・ノースウェスト・トレイル) (※4)の旅へ向けてDCF (ダイニーマ・コンポジット・ファブリック)でMYOG (MAKE YOUR OWN GEAR = ギアの自作)したタープを使用することにした。今回は設営場所の予想が難しい渓泊ということもあって、工夫しだいで様々な地形に対応できるタープを選択した。前回のPNTの旅では設営方法のバリエーションが一辺倒だったこともあり、実験として、自作したMYOGタープの可能性を更に広げてみたかったことも理由の一つだ。


[スリーピングバッグ] Western Mountaineering / SummerLite

寝袋は、Western Mountaineering / SummerLite (サマーライト)を選択。Western Mountaineering は、1970年の創業以来、保温性と軽量性に優れたスリーピングバッグやダウンジャケットなど、ハイカーから愛され続けるダウン製品を作ってきた。創業から50年以上を経た今も、ほとんどの製品を自社工場でつくり続けているという、クラフトマンシップ溢れる Made in USAのアウトドアメーカーだ。

僕にとっては、アウトドアを始めて以来の憧れのメーカーだ。今回は、ヤマトイワナに出会えるかもしれない特別なタイミングだったことあり、お気に入りの3シーズン用シュラフであるSummerLiteをチョイスした。


[シェルター] MYOG / DCFタープ,[スリーピングバッグ] Western Mountaineering / SummerLite,[スリーピングマット] THERMAREST / RidgeRest Classic Regular,[スリーピングマット] NEMO / Tensor Elite,[インサレーション (Tops)] NUNATAK / Skaha UL Down Sweater,[インサレーション (Hoodie)] MELANZANA / Wind Pro Hoodie,[インサレーション (Pants)] STATIC / ADRIFT PANTS,[ソックス (着替え用)] Darntough / Micro Crew Lightweight Cushion

※4 PNT (パシフィック・ノースウェスト・トレイル) :正式名称は「The Pacific Northwest National Scenic Trail」。アメリカとカナダの州境付近、ワシントン州、アイダホ州、モンタナ州の3州をまたぐ1,200マイル(1,930キロ)のロングトレイル。歴史は古く、1970年にロン・ストリックランドによって考案された。そして約40年の歳月を経て、2009年にNational Scenic Trailに指定された。現時点において、もっとも新しいNational Scenic Trailである。

食べる:COOKING GEAR


[ストーブ] FLAT EARTH EQUIPMENT / MONK’S STOVE,[ウインドスクリーン] EVERNEW / Tornado Flamer,[クッカー] EVERNEW / MP500 Flat

ストーブとして選択したのが、FLAT EARTH EQUIPMENT / MONK’S STOVE (モンク・ストーブ)と、EVERNEW / Tornado flamer(トルネードフレーマー)の組み合わせだ。MONK’S STOVEは、重量わずか11gと、ULアルコールストーブの中でも最軽量クラス。300mlほどの最低限の湯量を効率よく沸かすことに振り切った潔さも、このストーブの魅力の一つだ。

そんなMONK’S STOVEに、燃焼工学に基づいて加熱効率を高めるように設計された Tornado Flamerを組み合わせることで、沸かせる湯量やスピードに変化があるのか実験してみたくなり、このセットを選択した。

そして、一番大事なのは、ヤマトイワナとの出会いに向けた祝杯用のビール!アメリカのトレイルでもよく飲んでいたSierra Nevada Pale Aleは、TRAILS INNOVATION GARAGEの店頭でも飲めるので、お気軽にどうぞ。


[クッカー] EVERNEW / MP500 Flat,[カップ] Snow Peak / Titanium Sierra Cup,[カトラリー] PRIMUS / Long Handle Spoon,[ストーブ] FLAT EARTH EQUIPMENT / MONK’S STOVE,[ウインドスクリーン] EVERNEW / Tornado Flamer,[ウォーターキャリー] CNOC OUTDOOR / VectoX Water Container 2L,[ライター] BIC / Mini Lighter,[フードバッグ] MYOG / DCF Food Bag

エマージェンシー・その他:EMERGENCY GEAR & OTEHRS


[ファーストエイド&エマージェンシーキット] / 薬, 安全ピン, 針, テーピング, 爪切り, ホイッスル等,[ヘッドランプ] NITECORE / NU25 MCT UL,[トイレスコップ] SULUK 46 / TARK TITANIUM BACKPACKING TROWEL,[トイレットペーパー] / トイレットペーパー,[スタッフサック] SEA TO SUMMIT / Ultra-Sil Dry Sack,[熊スプレー] COUNTER ASSAULT / STRONGER,[熊スプレー] HOERNECKE / TW1000 Pepper Spray,[熊鈴] アウトバック / 南部熊鈴,[スリング] ROCK EMPIRE / Open Sling DYN 10mm

この旅で、一番気を揉んだのはクマ対策だ。実際に僕が現地に到着した時にもクマの目撃情報が多発しており、クマには注意してくださいね、と行く先々で声をかけられた。渓流釣りでは、いつも熊鈴とベアスプレーを持ち歩くようにしているが、今回は3泊4日という長めの釣行。万が一、複数回クマに遭遇した時にも対応できるよう、携帯性に優れた小型のベアスプレーと、飛距離がでる強力なベアスプレーを2本持っていった。
加えて、音でクマを追い払うための火薬ピストルも持っていくことにした。過度に対処しすぎる必要はないが、自分が安心できる最低限の準備をしていくことにした。

もう一つ、釣りに行く時に持っていくのが、何本かを束ねたスリング一式。ガレている箇所の安全確保や、堰堤の高巻きや、入・退渓時など、高低差がある場所で補助的に使用したりしている。

どのような遊びでも、僕の定番装備となっているのが、靴擦れ対策用の針と綿100%のテーピング。靴擦れでできた水ぶくれを針で刺し、水抜きをしてテーピングで覆う。ロング・ディスタンス・ハイキングの経験から得たTIPSだ。綿100%のテーピングは膝痛や捻挫への対策にもなるし、絆創膏代わりとしても使用できるため、いつも持ち歩くようにしている。

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利根川 真幸 | TRAILS Crew

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2015年にPCT (パシフィック・クレスト・トレイル) をスルーハイキング。2023年にはCT (コロラド・トレイル) をUL × MYOG (MAKE YOUR OWN GEAR)のスタイルでスルーハイキングした、ロング・ディスタンス・ハイカー。トレイルネームはTony (トニー)。2023年10月にTRAILSにジョインし、『TRAILS INNOVATION GARAGE』の店長に。

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