ULTRALIGHT CLASSIC

開発ストーリー #01 | 腰荷重と肩荷重の2モデルで最軽量のULバックパックを作りたい

2023.08.30
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既存の常識にとらわれない自由で大胆な設計思想、g単位で理に適う最軽量な素材を探しアグレッシブに採用する実験的アプローチ。クレイジーな失敗作にも寛容なウルトラライト黎明期のアティテュードは、革新的かつ普遍的な名品を生み出してきた。

そして、極限を探求したこれらのプロダクトたちは、ハイカーにトレイルライフにおける知恵の習得さえ求め、ハイカーの知識・スキル向上を後押ししてきた。

TRAILSは『Simple × Classic × Super Ultralight』をコンセプトにしたプロダクト「ULTRALIGHT CLASSICシリーズ」をスタートする。

TRAILSはメーカーではない。このシリーズを通じて、僕たちが熱狂した実験的でイノベーティブなULカルチャー再燃のきっかけをつくり出せたらと思う。

* * *

今回リリースするULバックパック『LONG DISTANCE HIKER』『ULTRALIGHT HIKER』の予約販売開始は、9月4日 (月) に決定。

リリースにあたり、この2つのULバックパックおよび「ULTRALIGHT CLASSICシリーズ」が誕生するまでの開発ストーリー (全6回) を、第1弾 (#1〜#3)、第2弾 (#4〜#6) に分けてお届けする。


 
まずは、予約販売開始までに開発ストーリーの第1弾 (3回) を公開する。

第1回目の今回は、腰荷重と肩荷重の2モデルを作った理由と最軽量を目指したわけ。なぜ2モデルで最軽量のULバックパックを作りたいと考えたのか? その背景を紹介したい。

ところで、腰荷重と肩荷重どっちが良いの?


 
UL黎明期の超軽量なULバックパックは、圧倒的なベースウェイトの軽量化を背景にウエストベルトがなく (あるいは簡略化した)、肩荷重で肩から背中にかけた部分で背負うものが主流だった。

しかし、ロング・ディスタンス・ハイキングにおいては、途中で背負う荷物が増えることや、歩く期間が長期間にわたることから、しっかりとしたウエストベルトを持つULバックパックがスタンダードとなった。要は、腰荷重を可能にすることで、荷重分散させ、より快適にハイキングができるようにしたのだ。

ただ快適性を求めれば求めるほど、重量は重くなる。数カ月におよぶロング・ディスタンス・ハイキングで快適な腰荷重でありながらも、いかにULを追求するか。そこにこそ、TRAILSが挑戦する意義があると考えた。そして開発をスタートしたのが「LONG DISTANCE HIKER」だ。


 
一方、腰荷重一択であり、唯一無二の最適解なのかと言われるとどうだろう? たしかに腰荷重は理にかなっている。しかし、軽量化を強く意識するULハイカーは、ロング・ディスタンス・ハイキングにおいて背負う荷物、ベースウェイトを最小限に抑える工夫を徹底的にやる。

そんな超軽量化を是とするアグレッシブなULハイカーにとっては、腰荷重の必要性は低い。荷物が軽いのだから肩荷重でも快適さは損なわれないのである。

であれば、TRAILSとしてはアグレッシブなULハイカーのための肩荷重のバックパックを作らない理由はない。UL黎明期のバックパックをアップデートして、今だから実現できるマテリアルや機能などを搭載した最軽量のULバックパックを追求したい。そう強く思った。そして開発をスタートしたのが「ULTRALIGHT HIKER」だ。

こうして、TRAILSの「ULTRALIGHT CLASSICシリーズ」では、腰荷重と肩荷重の2モデルのULバックパックを開発することが決まった。

最近のULバックパックって重くなってない?

UL黎明期 (1990年代後半〜ゼロ年代) のULバックパックは、耐久性や快適性は現代のものには劣るが、20年以上経った今と比べても圧倒的な軽さを誇っていた。

「Golite / Breeze (45L / 397g)」「Gossamer Gear / MurMur (36L / 246g)」「Zpacks / Z1 (43L / 176g)」「Mountain Laurel Designs / Prophet (42L / 220g)」

時代とともに、技術は進化し、新しいマテリアルも開発され、てっきりULバックパックは、さらに軽くなると思っていた。

しかしだ。実際はそうならなかった。数多くのULバックパックが、より強度のある素材への変更や、しっかりしたウエストベルトの追加など、耐久性や快適性を高めたモデルへとアップデートされていった。その背景にあったのは、ハイカーからのフィードバックや、コアなULハイカーだけでなくULが広く普及したことによる時代の要請でもあったからだろう。

たしかに、バックパックとしては完成度が上がり、進化しているのだろう。でも、耐久性や快適性を担保しつつ極限まで軽量性を求めるという実験性は、停滞しているようにも思えた。g単位で理に適う最軽量を目指していたUL黎明期のアティテュードは消え去ってしまったのだろうか。であれば、TRAILSはあらためてそれを追いかけてみたい。

販売方法について


 
販売方法
予約販売 (先着順)
※予定販売数を超えた際には、予約受付を終了する場合もあります。

予約販売開始
2023年9月4日 (月) 12:00
※製品ページを公開しますので、詳細をお読みいただいた上でお申し込みください。

製品サンプル展示
9月2日 (土)・3日 (日) は、TRAILS INNOVATION GARAGEにて、『LONG DISTANCE HIKER』『ULTRALIGHT HIKER』の製品サンプルの展示を実施。実物を見たい方はぜひお越しください。(展示時間は12:00-19:00)

<️開発ストーリー 第1弾>
LONG DISTANCE HIKER と ULTRALIGHT HIKER
#01 | 腰荷重と肩荷重の2モデルで最軽量のULバックパックを作りたい
#02 | 『腰荷重 × 最軽量』快適性と軽さを追求したスタンダードなULバックパックを開発した
#03 | 『肩荷重 × 最軽量』必要十分の極限を求めたアグレッシブなULバックパックを開発した

<️️開発ストーリー 第2弾>
“ULTRALIGHT CLASSIC” Seriesが誕生するまで
#04 | UL黎明期のバックパックの実験的なデザイン思想にインスパイアされた『Simple × Classic × Super Ultralight』
#05 | Hariyama Productionsをプロトタイプビルダーとしてプロジェクトに迎えたわけ
#06 | プロトタイピングとテストを繰り返して探った快適さと軽量化の境界線

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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