TRAILS REPORT

HAMMOCKS for Hiker | ハンモックギア2024 #04 ハンモックの周辺ギア(後編)

2024.07.12
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取材・文・構成:TRAILS

『HAMMOCKS for Hiker』は、2016年から開催している「ハイカーのためのハンモックの旅」を提案するイベント。このイベントでは、野営ギアとしてのハンモックを中心に、ハイキングの旅を拡張してくれるギアとしてハンモックを紹介している。

そんな『HAMMOCKS for Hiker 2024』を振り返るべく、全4回にわたって『ハンモックギア2024』と題して特集記事をレポートしている (ハンモック本体編はコチラ)。

第4回目の今回は、ハンモック周辺ギア特集 (後編) として、全17アイテムのボリュームで、ハンモックのアクセサリー類 (リッジライン、ギアスリングなど)、ストーブ・焚き火台、クッカー、ナイフなどを取り上げる。


7回目の開催となった『HAMMOCKS for Hiker』。今年も大勢のハンモックハイカーでにぎわった。

アクセサリー類 (リッジライン、ギアスリングなど)

■ LELEKA HAMMOCK / Ridge-Line Sack (レレカハンモック / リッジラインサック)


【重量】14g / 【価格 (税込)】3,850円

14gと超軽量の小物を入れるオーガナイザー。リッジラインにフックで引っ掛けて吊り下げるだけなので、簡単に取り付け可能。34cm×20cmのサイズで、スマホ、ヘッドランプ、メガネなどを収納できる。

メッシュ生地で中身が外から見えるため、どのあたりに何が入っているのかが一目瞭然であり、スムーズに物の出し入れができるのも便利。両サイドの開口部がドローコードにより開閉できる仕様となっている。

■ ENO / Talon™ Hammock Organizer (イーノ / タロン ハンモックオーガナイザー)


【重量】135g / 【価格 (税込)】5,280円

大きい気室と小さい気室の2気室構造で、小物を整理して収納するのに優れたオーガナイザー。サイズは39.5cm×23cm。トンネル状の大きい気室には大きめのドリンクボトルなどが収納でき、小さい気室はファスナー付きなのでスマホや鍵など貴重品なども安心して収納しておくことができる。

リッジラインへの取り付け方法も、上部をリッジラインにかぶせてベルクロでとめるだけなので、着脱がとても容易なのも便利だ。

■ asobito / Yama no Gomibukuro (アソビト / 山のごみ袋)


【重量】56g / 【価格 (税込)】3,600円

KAMMOKやSTANLEYなどの輸入販売を手がけるビッグウイングによるオリジナルブランド「asobito」の新製品「山のごみ袋」(9月発売予定)。ゴミなどを入れることができるストレージバッグ。

内側にアイラップ (キッチン用品の定番の万能ポリ袋) などの袋を固定して入れられるようになっている。袋の固定はボタンで留めるだけ。使用後は、ゴミを入れた内側の袋だけを取り外して捨てることができる。バックパックや、ハンモックのリッジラインやツリーストラップにくくりつけることができる仕様になっている。

■ TICKET TO THE MOON / Ridgeline (チケットトゥザムーン / リッジライン )


【重量】60g / 【価格 (税込)】3,300円

後付けタイプのリッジライン。リッジラインが付属していないハンモックでも、このリッジラインを後付けすれば、自分のベストなたるみ具合で固定することでき、設営ごとの調整が不要になる。それにより、毎回、自分に合った理想の寝心地を保つことができる。

リッジラインの長さは、最大350cmまで伸ばすことができるので、ほぼすべてのハンモックに対応している。リッジライン自体をギアのハンギングに使用することも可能であり、また小物を入れるオーガナイザーバッグが付属されているのも便利なポイント。

■ ENO / Underbelly™ Gear Sling (イーノ / アンダーベリー™️ ギアスリング)


【重量】113g / 【価格 (税込)】4,950円

ハンモックの下にセッティングするだけで、荷物を地面に置くことなく収納することができるギアスリング。重量113gと軽量ながら、耐荷重は22kgもあるので重めの荷物も入れることができる。

ハンモックキャンプの際に、地面が濡れていたり、斜面だったりする環境でも、荷物を濡らしたり、汚したり、あるいはなくしたりする心配がない。また必要なものをハンモックに寝ながら出し入れできるのも、とても便利なギアだ。

■ KAMMOK / Swiftlet (カモック / スウィフトレット)


【重量】7,490g / 【価格 (税込) 】42,900円

ハイキングのときだけではなく、屋内や庭、また木に直接ハンモックを設営するのがNGのキャンプ場など、さまざまな場所でハンモックを楽しむことができるハンモックスタンド。

画像のように軽々と持ち上げられるくらい、軽量で携行性に優れているのが特徴のひとつ。

中央のバーが、ショートとロング2本が標準装備されており、ショートだとチェアとして、ロングだと快適に寝そべることができる。また長さや高さの調節においては、道具やネジは一切不要。使用するのは付属のプッシュピンだけなので、誰でも簡単に取り扱うことができる。

ストーブ・焚き火関連ギア

■ MSR / WindBurner Personal Stove System, WindBurner Hanging Kit (エムエスアール / ウインドバーナーパーソナルストーブシステム, ウインドバーナーハンギングキット)


WindBurner Personal Stove System 【重量】465g (ガス缶除く) / 【価格 (税込) 】31,900円
WindBurner Hanging Kit 【重量】30g / 【価格 (税込) 】6,600円

MSR独自の燃焼機構を採用したガスストーブ。燃焼部を完全に覆う構造で、風の影響を受けにくく燃焼効率が突出して高い。ラボテストにおいては、競合ストーブが10℃以下の低温時において風速3mで沸騰に至らなかったが、ウインドバーナーは風速5mでも沸騰できたという。

専用のハンギングキットと組み合わせると、ハンモックのツリーストラップやリッジラインなどに吊り下げて使うこともできる。ハンモックハイキングでは、斜面や濡れた地面で野営することもある。その際に、バーナーを不安定な地面に置かずに吊るすことで安定して湯沸かしできる。このMSRのシステムはハンモックと組み合わせる火器において、最適解のひとつと言える。

■ VARGO / Titanium Hexagon Wood Stove (バーゴ / ヘキサゴンウッドストーブ チタン)


【重量】116g / 【価格 (税込)】11,000円

116gと軽量なチタン製ウッドストーブ。チタンによる強度の高さだけでなく、シンプルな構造ゆえ、組み立てや収納もスムーズにできる点にも、VARGOならではシンプルさを追求するこだわりを感じる。

下部から開口部に向かって狭くなる形状および底部に設けられた空気孔によって、上昇気流が生まれる。この煙突効果 (チムニー効果) によって、燃焼効率が良いのが最大の特徴。ハンモックハイキングで、メロウに焚き火を楽しみたいときの最適なギア。

■ PAAGOWORKS / NINJA FIRESTAND SOLO ( パーゴワークス / ニンジャファイアースタンド ソロ)


【重量】275g / 【価格 (税込)】11,000円

軽量コンパクトにこだわった世界最軽量クラスの焚き火台。軽量ながらも、火床面積が一般的な焚き火台に近いサイズ。従来のNINJA FIRESTANDのアップデートモデルで、ボトムブリッジを追加したことで剛性が高まり、耐荷重は約4kg。

トングにもなるゴトク (グリル)「五徳トング」や、焚火台のスペアのフットパイプも兼ねた超軽量火吹き棒など、マルチユースも兼ねたこだわりのギミックに、同メーカーならでは独自性も詰まっている。

■ EXOTAC / Nanospark, Polystriker (エクソタック / ナノスパーク, ポリストライカー)


Nanospark (写真右)【重量】17g / 【価格 (税込)】4,180円
Polystriker (写真左)【重量】14g / 【価格 (税込)】2,200円

EXOTACは、ファイヤースターターに特化したブランド。同メーカーのナノスパーク (写真右) は、非常にコンパクトなファイアースターター。ライターのように片手で火花を出すことできる。また本体が、防水性のある火口 (ほぐち) の収納も兼ねている。

もうひとつのポリストライカー (写真左) は、フェロセリウムロッド (雨や風などどんな天候でも火花を起こすことができる) と持ち手、ストライカーがセットになっているファイヤースターター。

どちらのアイテムも、ハンモックハイキングでウッドストーブなどの焚き火を楽しむときも相性がよい。アルコールストーブなどの着火にも使える。

■ MORAKNIV / Morakniv Eldris Neck Knife Kit (S) (モーラナイフ / エルドリス ネックナイフキット(S))


【重量】約80g (ナイフ本体) / 【価格 (税込) 】6,930円

スウェーデン発祥の130年の歴史を誇るナイフブランドMORAKNIV。エルドリス (S) は、刃長59mm、厚さ2mmとコンパクトながら切れ味に優れた小型ナイフ。ブレードは刃こぼれしにくい高品質なスウェーデン産ステンレススチール製。

フェザースティックも作ることができ、小さい木であればバトニング (ナイフによる薪割り) も可能。ネックナイフキットであれば、ファイヤースターターも付属しているので、ウッドストーブとの相性も抜群。付属のパラコードで首から下げ、使いたい時にすぐに取り出せるのも便利。

クッキングギア

■ VARGO / Titanium Bot XL (バーゴ / チタニウム ボットXL (1100ml))


【重量】156g / 【価格 (税込)】22,000円

2024年の新製品。ボトルとポットを組み合わせた『ボット (BOT)』のシリーズ最大モデル。直径も大きくなり容量は1,100mlに。この大きさならば、ハイキングバディなどと複数人でシェアするギアとしても可能性が広がる。250サイズのガス缶も収納できるサイズ。直径が大きくなったことでフタも大きくなり、カップとしても使うこともできる。

丈夫で軽く、腐食性に強く錆びないチタニウム製のゆえ、同ブランド「Titanium Hexagon Wood Stove」などウッドストーブとの相性も良く、ハンモックハイキングにも最適。

■ PAAGOWORKS / TRAILPOT S900, S1200P ( パーゴワークス / トレイルポット S900, S1200P )


TRAILPOT S900 (写真手前) 【重量】225g / 【価格 (税込)】7,370円
TRAILPOT S1200P (写真奥) 【重量】440g / 【価格 (税込)】9,350円

現在発売されているTRAILPOT S1200P (写真奥) より一回り小さい、よりソロ向けに特化した900mlサイズのTRAILPOT S900 (写真手前) が2024年7月に新発売予定。

煮る、炊く、茹でる、あらゆる調理が可能な、深なべタイプの角型アルミクッカー。ハンモックハイキングでの焚き火での調理にも最適。またTRAILPOTの大きな特徴はシンデレラフィットの快感をこだわりぬいた、収納性の高さ。110サイズのガス缶とバーナー、カップ、カトラリーまできれいに収納することができる。小分けのスタッキング用容器も別途販売の予定。

すでに発売されているS1200P (写真奥) はフライパンも付属しており、110サイズのガス缶はもちろん、フライパンを蓋にすれば250サイズのガス缶も入る仕様。さらに袋めんをはじめとしたコンビニの食材もぴったりフィットする。

■ VARGO / Titanium Long Handle Fork-N-Spoon (バーゴ / チタニウム ロングハンドル フォークンスプーン)


【重量】23g / 【価格 (税込)】3,630円

2024年の新製品。チタン製のロングハンドル・スプーンの、もう一方がフォークになっているプロダクト。ポリッシュ加工により、口当たりがよくなっているのも特徴。

アメリカのULハイカーやロング・ディスタンス・ハイカーでも定番のひとつである、チタン製のロングハンドルのスプーン・フォーク。ロングハンドルは、同メーカーのBotなど深底のクッカーや、アルファ米やフリーズドライの大きめの袋でも、手を汚さず底の方まですくうことができるのが魅力。

■ SEA TO SUMMIT / Frontier Ultralight Collapsible Pour Over ( シートゥサミット / フロンティアULポアオーバー)


【重量】52g / 【価格 (税込)】4,620円

SEA TO SUMMITは、2024年にキッチンカテゴリーのアイテムが全面的にリニューアルされた。そのなかの新製品のひとつが、このコーヒードリッパーのフロンティアULポアオーバー。

このコーヒードリッパーは56gという軽さで、コンパクトに折りたたんで持ち運ぶことができる。土台のサイズは、ほとんどのカップや広口ボトルにフィットする。またバスケットには1回分のコーヒーの粉 (約30g) が入り、微細なステンレスメッシュフィルターは、使い捨ての紙フィルターを使わずに、そのままコーヒーを淹れることができるのが特徴。


今年もあらたなハンモックハイカーたちがたくさん来場した「HAMMOCKS for hiker 2024」

全4回でお届けした、『HAMMOCKS for Hiker 2024』のギア特集レポート。ハンモックハイキング、ハンモックキャンプをブーストしてくれるギアを、幅広くレポートしてきた。ハンモックはハイキングの旅を拡張してくれるギアだ。ぜひハンモックならではのハイキングトリップを、自分なりに模索し、山に行ってみてほしい。

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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