TRAILS REPORT

HAMMOCKS for Hiker | ハンモックユーザーレビュー2024 by TRAILS research (後編)

2024.08.23
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取材・文・構成:TRAILS

『HAMMOCKS for Hiker』は、2016年から開催している「ハイカーのためのハンモックの旅」を提案するイベント。このイベントでは、野営ギアとしてのハンモックを中心に、ハイキングの旅を拡張してくれるギアとしてハンモックを紹介している。

前回まで全4回にわたって『ハンモックギア2024』をお届けした (記事はコチラ)。今回は『TRAILS research』として、会場に遊びに来てくれたハンモック・ハイカーたちのインタビューを、前編・後編にわけてレポートする。

今回の後編では、タープやアンダーキルトなどハンモック関連ギアをMYOG (MAKE YOUR OWN GEAR) するハイカーや、ハンモックにハマって23個もハンモックを収集してしまったハイカーなどが登場する。リアルなハンモック・ハイキングのスタイルをぜひ参考にしてみてほしい。


今回インタビューした10人のハンモック・ハイカーたち。

このイベントで、初めてハンモック泊を実践!


初めてのハンモック・キャンプを会場で実践したババさん。

使用ギア:[ハンモック & ツリーストラップ] EXPED / Travel Hammock Kit, [タープ] JINDAIJI MOUNTAIN WORKS / PB Tarp, [スリーピングバッグ] NANGA / UDD Bag 380

ババさん:このイベントは2016年の初開催のときに参加しました。今回はそれ以来の久々の参加です。
最近、自転車を購入してバイクパッキングを始めたんです。宿泊道具としてテントは大きいので、バイクパッキングではハンモック泊をしたいなと考えてました。

タイミングよくHAMMOCKS for Hikerの今年の開催情報を見て、このイベントで初めてのハンモック泊にチャレンジすることにしました。ちょうどハンモック泊に使うタープも新調したばりで、その試し張りもしたかったので、よいタイミングでした。


最近はバイクパッキングも始め、ハンモックの楽しみ方を広げる予定。

コンパクトさを優先してハンモックを選びましたが、一晩寝てみた結果、私はもう少しサイズが大きい方が寝返りしやすかったかなと思いました。でもよく眠れたし、身体が痛いところもなく快適でした。今後も友だちとバイクパッキングでハンモック泊に挑戦してみます!

ハンモックのアンダーキルトもMYOGしてみました。


タープやアンダーキルトなどハンモックギアをMYOGするカネヤン。

使用ギア:[ハンモック] EXPED / Travel Hammock Lite, [タープ] MYOG, [アンダーキルト] MYOG

カネヤン:ハンモック歴は約2年で、このイベントへの参加は今回が初めてです。

今回は、MYOG (Make Your Own Gear) したタープとアンダーキルトを持ってきました。MYOG歴は1年ちょっとぐらいで、TRAILSのMYOGer NIGHTにも参加しました。


MYOGしたアンダーキルト。サイズは全長200cm × 幅140cm。

アンダーキルトの購入を検討しているときに、キルトに使う中綿が買えるところを見つけて、だったら自分でもMYOGできるじゃん!と。アンダーキルトの構造は、足元を絞れるようにして、トップキルトとしても使えるように工夫してみました。

タープは、軽くするために0.8ozのDCF (※1) を採用しました。重量は300gほどです。サイズはハンモックが入るように全長300cmに、幅は270cmにしました。今後オーバーナイト・ハイキングでどんどん使ってみたいと思ってます。

※1 DCF:Dyneema®︎ Composite Fabric (ダイニーマ®︎・コンポジット・ファブリック)の略称。 ULギアに使用される代表的な生地のひとつ。スチールの15倍の強度を持つダイニーマ糸により生成された、重量・厚みベースで最強と言われる生地。

山でのバードウォッチングでは、待ち時間はハンモックで寝て待つ。


MYOGしたタープで、ハンモック・ハイキングを楽しみ続けているノブタさん。

使用ギア:[ハンモック] EXPED / Travel Hammock Plus, [ストラップ] EXPED / Hammock Suspension Kit Extreme, [タープ] MYOG, [スリーピングバッグ] AXESQUIN / Mogu 350

ノブタさん:このイベントには、日帰りでは1〜2回参加したことがありましたが、泊まりでは今回が初めての参加です。
僕はハンモックを使いはじめて7〜8年くらい経つのですが、普段は、デイ・ハイキングで休憩のときのイスとしてハンモックを使っています。あと地図読みをしながら、ハンモックを設営する場所を探す遊び方は好きですね。

最近はバードウォッチングを始めたんです。山にハンモックを持って行って、鳥が見られない時間はハンモックで寝て待つ、という過ごし方を楽しんでいます。


長く愛用しているMYOGしたタープ。

ちなみにタープは5年程前にMYOGしたものを、今も愛用しています。素材はシルナイロン (※2) で、サイズは横300cm×縦240cm。ガイラインの収納ポケットを付けるなど、細部にもこだわったお気に入りのタープです。

※1 シルナイロン:リップストップ ・ナイロン (引き裂け防止の加工をしたナイロン生地) にSil / PU (シリコン / ポリウレタン) ブレンドのコーティングを施し、高い耐久性、防水性、防風性を備えた、ULギアを代表する軽量な生地。

気が付いたら23個ものハンモックが家にありました。


ハンモックにハマって大量のハンモックを比較してきたヒビさん。

使用ギア:[ハンモック] COCOON / Ultralight Mosquito Net Hammock [タープ] PAAGOWORKS / NINJA TARP, [アンダーキルト] JOLMO / Lander, [ビヴィ] SOL / Escape Bivvy

ヒビさん:このイベントは、ハンモック・ハイキングで、他の人たちが実際にどんなギアを使ってるか、どんな工夫をしてるかを、情報交換できるのがとても楽しいですね。

僕はハンモックに興味を持ち始めたとき、最初に5個くらいまとめて買って比較してみました。その後ハマって次々に購入していたら、気が付いたら23個ものハンモックを持っていました (笑)。寝心地の違いとか、いろいろと試すのが面白くなって。


ダウンのボリューム感あるが、値段はお手頃なアンダーキルト。

今回、持ってきたアンダーキルトは、中国製のJOLMOというメーカーのものなんですけど、ダウンのボリューム感あってお気に入りです。今回みたいな初夏の気温であれば、このアンダーキルトだけで十分に温かかったです。今回はトップキルトは使わず、ビヴィだけをかぶって寝ました。

アンダーキルトは、スリーピングマットのようにズレたりせず、ちゃんと身体に追従してくれるのが、具合がいいですね。

MYOGした釣り用のパックロッド・ケースが、ハンモックでも調子良く使えました。


TRAILSのMYOGのSCHOOLにも参加してくれているシラキさん。

使用ギア:[ハンモック] JINDAIJI MOUNTAIN WORKS / PB UL Hammock (custom), [タープ] JINDAIJI MOUNTAIN WORKS / PB Tarp, [アンダーキルト] HUMMINGBIRD HAMMOCKS / Puffin Underquilt, [バグネット] JINDAIJI MOUNTAIN WORKS / Half Bug Mesh For “Hammock & Bivy ”

シラキさん:僕はハンモック泊をはじめた頃は、少し幅が広めのHUMMINGBIRD HAMMOCKSのSingle Plusを使っていました。「ハンモックは斜めに寝る」と聞いて、そうしてみようとしていたのですが、自分は結局、斜めに寝ないで真っ直ぐに寝てしまうんです (笑)。

であれば、自分の場合はハンモックの幅はそこまで必要ないとわかりました。今は幅110cm、全長260cmのハンモックを使っています。重量も136gとかなり軽いです。


MYOGした荷物入れ。これにハンモック関連一式を入れている。

リッジラインにハンギングしているバッグは、釣り用にMYOGしたものです。50cmのパックロッドを入れるケースが市販で見つからなかったので、TRAILSのSCHOOLで学び、その後、MYOGしてみました。

バンジーコードでぶら下げているので、荷物の取り出しも簡単で、簡単に自分の手元に引き寄せられて、手を離せばもとの位置に勝手に戻ります。便利でしょう (笑)。ちなみにこれにハンモック関連のギア一式が収納できるんです。


また来年、『HAMMOCKS for Hiker』の会場でお会いしましょう。

今回の『HAMMOCKS for Hiker』のユーザーレビューの前後編では、ハンモック泊でロング・ディスタンス・ハイキングを楽しむハイカーや、ハンモック関連ギアをMYOGなど、さまざまなスタイルを紹介した。今回の記事を参考に、ハイキングを拡張してくれるギアとしてハンモックを、自分なりの旅のスタイルを探索してみてほしい。

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佐井聡(1979生)/和沙(1977生)
学生時代にバックパッカーとして旅をしていた2人が、2008年にウルトラライトハイキングというスタイルに出会い、旅する場所をトレイルに移していく。そして、2010年にアメリカのジョン・ミューア・トレイル、2011年にタスマニア島のオーバーランド・トラックなど、海外トレイルでの旅を通してトレイルにまつわるカルチャーへの関心が高まっていく。2013年、トレイルカルチャーにフォーカスしたメディアがなかったことをきっかけに、世界中のトレイルカルチャーを発信するウェブマガジン「TRAILS」をスタートさせた。

小川竜太(1980生)
国内外のトレイルを夫婦二人で歩き、そのハイキングムービーをTRAIL MOVIE WORKSとして発信。それと同時にTRAILSでもフィルマーとしてMovie制作に携わっていた。2015年末のTRAILS CARAVAN(ニュージーランドのロング・トリップ)から、TRAILSの正式クルーとしてジョイン。これまで旅してきたトレイルは、スイス、ニュージーランド、香港などの海外トレイル。日本でも信越トレイル、北根室ランチウェイ、国東半島峯道ロングトレイルなどのロング・ディスタンス・トレイルを歩いてきた。

[about TRAILS ]
TRAILS は、トレイルで遊ぶことに魅せられた人々の集まりです。トレイルに通い詰めるハイカーやランナーたち、エキサイティングなアウトドアショップやギアメーカーたちなど、最前線でトレイルシーンをひっぱるTRAILSたちが執筆、参画する日本初のトレイルカルチャーウェブマガジンです。有名無名を問わず世界中のTRAILSたちと編集部がコンタクトをとり、旅のモチベーションとなるトリップレポートやヒントとなるギアレビューなど、本当におもしろくて役に立つ情報を独自の切り口で発信していきます!

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