MYOGer Works | GARAGEに集うMYOGerたちが自作したギア #05
取材・文・写真・構成:TRAILS
『MYOGer Works』では、TRAILS INNOVATION GARAGE (以下、GARAGE) に集まるMYOGerたちの作品をレポートしていく。
GARAGEでは、どんなMYOGerたちが、どんなギアをMYOGしているのか?
それぞれのMYOGerたちのバックグラウンド(MYOGしたきっかけや動機) と合わせて、各人がMYOGしたギアを紹介していく。
今回の第3回〜第5回では、MYOGer NIGHT #02 (2024年10月開催)に参加した、MYOGerたちによるMYOGが登場。Gossamer Gearファウンダーのグレン・ヴァン・ペスキもサプライズで参加した、この時のMYOGer NIGHTの様子は過去のレポートをぜひ読んでもらいたい (イベントレポートはコチラ)。
MYOGのマテリアル販売、MYOGer向けSCHOOL、MYOGer NIGHTと同様に、この『MYOGer Works』の記事が、MYOGカルチャーの世界観を共有、啓蒙し、素晴らしいUL GARAGE MAKER誕生の健全なブースターとなればと思う。
バイクパッキング・バック / KOUTA
—— このギアをMYOGしたポイントは?
KOUTA:フレームバッグは、フレームの三角形全面にピッタリと収まるサイズになるように工夫しました。とはいえ、思っていた以上にピッタリに作れたのは嬉しい誤算でした。
MYOGについては知らないことが多すぎて大変でしたが、結果的に使えるものが作れてよかったです!
—— MYOGを始めて1年未満だけど、細かい工夫をたくさん盛り込みましたね。
KOUTA:インスタを漁っていろいろイメージを膨らませて作りました。ダボ穴を使用して、パックの内側からネジでフレームに固定したり。他にも、中に小さいポケットを付けたり、ダブルジップ仕様にしたり、上下2室に分けて仕切りはベルクロで脱着可能にしたりとか、やってみたいことをいろいろ盛り込みました!
MYOGにハマったきっかけ
自転車のフレームバッグはお店でもオーダーできるが、値段は安くないし‥、自分で作れるのでは?と思ったのがきっかけ。当初はMYOGという言葉やカルチャーも知らなかった。イチから構想を練り始め、生地を調べるとネットで買えることがわかり、MYOGを始める。このときにTRAILSも知る。
バックパック / HIDE
—— このギアをMYOGしたポイントは?
HIDE:自分自身が理想とするベンチマーク (基準) となるような40L程度のバックパックを求めて、継続的にMYOGしています。
改善を繰り返しているんですけど、このバックパックはそのバージョン3です。みちのく潮風トレイルのような、舗装路 (ロード) とトレイルが入り混じる旅での使用を想定したものです。夜に舗装路を歩くことも多いことから、フロントポケットにはリフレクターが入ったメッシュ生地を使いました。また製作にあたっては「快適性と耐久性の検証」をテーマとしました。
—— どのような点を検証をしたのですか?
HIDE:基本ではありますが、どのようなパッドの厚みや形状、荷重バランスが快適性をもたらすのか。また個人レベルで実現できるテクニックで、その耐久性をいかに高められるかを考えながら製作しました。また細かな縫製の工夫などもしていて、製作と使用を通して、とても多くの学びが得られた一品です。
MYOGにハマったきっかけ
エンジニアの仕事をして、ずっとオープンソースやメーカームーブメント (※1) のカルチャーに触れていて、自分の使うものの仕組みを理解したいという気持ちがあった。実際に始めてみると「自分が欲しいもの」の輪郭を捉えるのはとても難しく、多様なニーズが絶妙なバランスで落とし込まれた既製品にリスペクトを感じることが増えた。
サドルバック / JIRO
—— このギアをMYOGしたポイントは?
JIRO:GARAGEのSCHOOLに参加して、ミシンが使えるとなってから、とにかく何かを縫いたい衝動が抑えられないんですよね。それでバイクパッキングのフロントフォーク・バッグをベースに、シンプルなサドルバッグを作ってみようと思ったのがこれです。
自転車の鍵の収納だけに限定したサイズにしたのがポイントです。自転車に固定するためのウェビングベルトを縫い付ける際に、角度を左右対称にするのが難しかったです。ウェビングテープやループを挟んで縫うのは、今だに苦労しています。
—— よく見ると色の組み合わせも、かなり遊んでますね。
JIRO:MYOGだから、色ちがいのファブリックを組み合わせたり、ジッパーとスライダーをちがう色にしたり、自由な色の組み合わせを楽しみました。ちなみに使ったのは、使ったのは防水生地のエコパックと止水ジッパーです。
MYOGにハマったきっかけ
最初はTRAILSのGARAGEのSCHOOLに参加して、ULコンテナを製作。これを応用してバイクパッキング用のフロントフォーク・バックをMYOGできるかもと、GARAGEで相談し、帰ってすぐに製作してみたら満足できるものができた。これがきっかけでMYOGの楽しみを覚えた。
シャツ、手甲、パンツ / YAN
—— このギアをMYOGしたポイントは?
YAN:シャツと手甲は自分で「SHINOBI」シリーズと名付けているもので (笑)、シャツは結構昔に作りました。それこそ6年くらい前で、MYOGを始めて間もない頃のものです。ユザワヤで買った、ソフトシェルっぽい撥水のナイロンの生地で作りました。手甲もこれと同じ生地で作りました。ちなみに服をつなぎ合わせるのにロックミシン (布の端がほつれないようする「かがり縫い」をするミシン) を使わずに、普通のミシンでも思ったより簡単にできました。
—— パンツは既製品をカスタマイズしたMYOGですね。
YAN:凌の「ハカマスカート」をパンツ化したものです。中央がジッパーになっていて、元のスカート形状にも戻せる仕様になっています。最初にカスタマイズした初期型から、その後、裾をバンジーコードで絞れるようにして、『呪術廻戦』の夏油 (げとう) が履いているパンツのような仕様に、さらに改造を加えました。周りからは、「土方パンツ」とか「現場パンツ」とか言われます。
MYOGにハマったきっかけ
最初はスタッフサックを作ってみて、自分でできるじゃん!と思った。その後にストレッチナイロンの生地を買って、ベースレイヤーのTシャツも作ったりしはじめた。他にも既製品のカスタマイズなんかもちょこちょこやっている。
蚊帳 / KANEYAN
—— このギアをMYOGしたポイントは?
KANEYAN:最初はタープ泊に使う蚊帳を作ろうと思っていたんですが、GARAGEでタクミくんに相談したら、「上にヒモを通せるようにしたらハンモック泊にも使えるんじゃない?」とそそのかされて (笑)。それでタープ泊にもハンモック泊にも使える蚊帳を作りました。
—— ハンモック泊でも使えるように工夫したポイントは?
KANEYAN:入り口をセンターにして、ジッパーをT型にすることで、ハンモックへのエントリーをしやすくしました。また高さを高めに設計することで、タープ泊時には居住性があるサイズで、且つハンモック泊の蚊帳に使えるサイズ感にできました。
ハンモックで使用できるように、ツリーストラップを通す仕組みを考えるところは苦労しました。最終的にそこはツェルトなどのベンチレーションの仕組みを参考にして作りました。
MYOGにハマったきっかけ
小さい頃から、ものをつくるのは好きだった。最初のMYOGは、自分は体が大きいので、自分の体に合ったビヴィを作ろうと思ったのがきっかけ。その後、GARAGEを訪れて、いろいろと相談に乗ってもらって、バックパック、ハンモック用のアンダーキルトなど、いろいろとMYOGをするようになった。
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