MYOGer Works | GARAGEに集うMYOGerたちが自作したギア #06

取材・文・写真・構成:TRAILS
『MYOGer Works』では、TRAILS INNOVATION GARAGE (以下、GARAGE) に集まるMYOGerたちの作品をレポートしていく。
GARAGEでは、どんなMYOGerたちが、どんなギアをMYOGしているのか?
それぞれのMYOGerたちのバックグラウンド(MYOGしたきっかけや動機) と合わせて、各人がMYOGしたギアを紹介する。
今回の#06〜#08では、MYOGer NIGHT #03 (2025年3月開催)に参加した、MYOGerたちによるギアを紹介。イベント当日の様子は、イベントレポートをぜひチェックしてみてほしい。 (記事はコチラ)
MYOGのマテリアル販売、MYOGer向けSCHOOL、MYOGer NIGHTと同様に、この『MYOGer Works』の記事が、MYOGカルチャーの世界観を共有、啓蒙し、新たなUL GARAGE MAKER誕生の健全なブースターとなればと思う。
クッカー / JITO
クッカー (ボディ: 「Ball リサイクルアルミ カップ」。重量:24g。製作時間:1時間。)
—— このギアをMYOGしたポイントは?
JITO:たまたま行った雑貨屋でビール用のアルミカップがあり、持ってみたらとても軽くて、これをうまくクッカーとして使えないかと思い、2個買ったんです。
友達が持っていたTrail Designsのカルデラコーンをヒントに、もしかしてカップを逆さにしたら、風防と五徳が一体化した構造になって軽くできるのでは?と思って作ってみました。
2つのアルミカップを組み合わせて、クッカーと風貌&五徳のセットに。
—— 苦労したポイントは?
JITO:また、どうしてもフタが外れないようするために折り目を付けて、ほんの少し楕円形するのに苦労しました。それでも設計に20分、製作は25分くらいでできあがりました。
MYOGにハマったきっかけ
バックラフトでダウンリバーしながら野営をするのが好き。そのときになかなかギアに合う収納袋がなくて悩んでいたとき、近所の雑貨屋でタイベック生地を売っていて、ちょうど長期連休 (GW) のタイミングでもあったので、そこからMYOGを始めた。
バックパック / AZUMA
バッグパック (ボディ: ダイニーマ®︎ コンポジット・ファブリック 1.43oz、ダイニーマ®︎ グリッドストップ 210D、シルポリ 20D、エコパック EPX200。重量:280g。製作時間:3週間。)
—— このギアをMYOGしたポイントは?
AZUMA:MYOG歴3ヶ月で作ったバックパックです。出し入れのしやすいバックパックが欲しくって、トップ、フロントの斜めのジッパー、ボトムの3箇所から出し入れできるようにしました。
またシンプルな縫い方だけで作れる仕組みを目指しました。そのためサイドパネルは無し、ボトムも筒状なのでトップ部分と同じ縫い方で作っています。自分が使った範囲では、強度も10kg超えの重さでも、1泊2日のテン泊で大丈夫でした。
いろいろな生地を組み合わせたMYOGらしいバックパック。
—— この構造は、どれくらいかけて考えたのですか?
AZUMA:設計は苦労しました。2週間くらい毎日、紙に設計図を書いてました。事前にTRAILSのGARAGEでMYOG SCHOOLでいろいろ教えてもらったのもあって、縫い始めてからは1週間で完成しました。
MYOGにハマったきっかけ
もともと漠然と自分でバックパックを作ってみたいと思っていました。妻とテント泊に行くと、すぐにテント内で「あれどこいった?」と物を紛失するという課題があり、その原因を「全ての荷物を出し、最後に寝袋を広げるから、クッカーだとか着替えが寝袋に隠れて物を失くすんだ」と断定し、それを解決すべくMYOGを始めました。
エコバック / KOUTA
エコバック (ボディ: ダイニーマ®︎ コンポジット・ファブリック 1.43oz。重量:27g。製作時間:2時間。)
—— このギアをMYOGしたポイントは?
KOUTA:構造的に最強なエコバッグ作れないか、と思って作ったのがこのエコバックです。それで、持ち手にもボトムにも縫い目がない構造で作ってみました。
自分は普段エコバッグを持っていくのを忘れがちなので、複数欲しくて作ったのが、このエコバクを作ったきっかけです。
作るなら薄くて強いDCFかな〜と。ただDCFのエコバッグはみなさん作られてますし、売ってたりもしています。だから普通に作ったらつまんないなと思って、これをつくりました。
畳めばこのように小さくなる。
—— ぱっと見ではわからない面白い設計ですよね。
KOUTA:構造を考えるのは複雑に感じましたけど、展開してみればそうでもなくって。設計しているときは、折り紙しをながら作っていきました。最強エコバッグが作れたんじゃないかと自負してます。
MYOGにハマったきっかけ
自転車のフレームバッグはお店でもオーダーできるが、値段は安くないし‥、自分で作れるのでは?と思ったのがきっかけ。当初はMYOGという言葉やカルチャーも知らなかった。イチから構想を練り始め、生地を調べるとネットで買えることがわかり、MYOGを始める。このときにTRAILSも知る。
ボトルホルダー / MASA
ボトルホルダー (ボディ: ダイニーマ®︎ コンポジット・ファブリック・ハイブリッド。重量:73g。製作時間:2時間。)
—— このギアをMYOGしたポイントは?
MASA:このハーネス用のポーチを作りたかった理由は、身に付けるものを少しでも減らしたかったからです。要はiPhone (スマホ) をパンツのポケットに入れているときのもっさり感を解消するため、ハーネスにスマホを付けられたらと思ったんです。
ただ、ハーネスにはボトルポーチも付けたいので、ボトルポーチにスナップボタンでスマホを入れるポーチも取り付けられる仕様を思いつきました。
スナップボタンで、ボトルポーチとスマホポーチを脱着できる仕様。
—— 実際にハイキングで使ってみてどうでしたか?
MASA:結果的には大満足の仕上がりです。ハイキング中に写真を撮ることが多いのでハーネス部分に取り付けることで、だいぶスマホを出しやすくなりました。
またハイキングのときに、滝汗をかいて、パンツのポケットに入れてたスマホの画面がよくびしょ濡れになっていたのですが、それも防げるのようになりました!
MYOGにハマったきっかけ
初めてMYOGしたのは、ボディはタイベックで、ポケットは100均で買ったメッシュ生地を使ったバックパック。しかしこれは使って1日でショルダー部分から裂けて壊れてしまう。その後に、レイウェイのバックパックを作って基礎から学んで、「これ楽しいわっ!」と、どんどんとミシンを踏むことにハマる。失敗も楽しみながらMYOGしている。
バックパック / JIRO
バックパック (ボディ:X-Pac® ライトスキン LS07、ダイニーマ®︎ コンポジット・ファブリック 0.8oz。重量:104g。製作時間:3時間。)
—— このギアをMYOGしたポイントは?
JIRO: TRAILSのMYOG SCHOOLで作った「ULイージーパック」を、自分なりにアレンジしてみたいなと思って作ったバックパックです。
日帰りのハイキングだけで使う、よりミニマムなサイズで、また張りのある生地にして作ってみたいと思って設計をしました。
イメージとしては、昔にあったGoLite (ゴーライト) のION (イオン) を小さくしたようなバックパックを作ろうと思いました。
サイジングとバックパックの中のモノの揺れを抑えられるようにこだわって設計。
—— どんなところを工夫しましたか?
JIRO:デイハイキングでは、荷物が少ない分、バックパックの中でモノが動くのが気になるので、トレラン用パックより大きく、デイハイキング用の一般的なバックパックよりも大きいというサイズ感と、胴体の細さにこだわりました。クッカーなど嵩 (かさ) のあるものもきれいに収まってくれるように、底にマチを入れたのもポイントです。
MYOGにハマったきっかけ
最初はTRAILSのGARAGEのSCHOOLに参加して、ULコンテナを製作。これを応用してバイクパッキング用のフロントフォーク・バックをMYOGできるかもと、GARAGEで相談し、帰ってすぐに製作してみたら満足できるものができた。これがきっかけでMYOGの楽しみを覚えた。
バックパック / STEPHANIE
バックパック (ボディ:エコパック EPX200、ダイニーマ®︎ グリッドストップ 210D。重量:407g。製作時間:1ヶ月。)
—— このギアをMYOGしたポイントは?
STEPHANIE:もともと使っていたバックパックも気に入ってたのですが、もっとポケットとか使いやすもの、自分のニーズにより合ったバックパックが欲しいなと思ってたんです。
日本に来た時に中古のミシンを手に入れて、それでMYOGしてみようと思いました。最初に自分のニーズに近いプロトタイプとなるベースのバックパックのMYOGキットを、海外のサイトから購入しました。それで最初のプロトタイプをつくりました。
MYOGer NIGHT#02で「MYOGer AWARD」を受賞した、丁寧に作り込まれたバックパック。
—— MYOGを始めて半年でバックパックを作ったんですよね。
STEPHANIE:プロトタイプのバックパックのパターン (型紙) をもとに、自分で生地やプラスチックパーツなどをアレンジして作ったのが、このバックパックです。つくるときは、TRAILSのGARAGEにも行って、いろいろと相談に乗ってもらいました。
このバックパックを数ヶ月使ってみて、次のバックパックに取り入れたい機能のアイデアが浮かんだので、また次のバックパックを作ってみたいと思っています。
MYOGにハマったきっかけ
最初はDCFのジップ付きポーチを買おうと思っていたのですが、自分で作ればサイズや素材を自分のニーズに合わせてカスタマイズできることに気づきました。自分のニーズに合うギアを作れることが、私にとってMYOGの最大の魅力です。
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